「相手は何も悪くないのに、一方的にやめられる」——委任にはそんな特例があります。今回はStep Cの本丸「委任の解除」と、宅建超頻出の「賃貸借の親亀子亀(転貸借)」を一気に攻略します。これでPhase 1(解除原因)の全ルートが完成します。
本日のターゲット問題(民法651条)
委任契約は、委任者又は受任者のいずれからも、いつでもその解除をすることができる。ただし、相手方に不利な時期に委任契約の解除をしたときは、相手方に対して損害賠償責任を負う場合がある。
Step C(特則)=相手無責でも使える特例キャンセルボタン
├─ 請負(仕事完成前)→ 損害賠償して解除可(§641)
└─ 委任 → 各当事者いつでも解除可(§651①)
└─ 不利な時期の解除 → 損害賠償(§651②)
賃貸借の転貸借(親A・子B・孫C)※賃貸借OS先行起動
親亀(AB間)の終了理由は?
├─ 債務不履行解除 → 子亀C も退去(土台消滅)
└─ 合意解除 → 子亀C は保護(§613③本文)
└─ 但書:当時すでに債務不履行解除できた → C に対抗OK
答え: ◯(正)
委任は信頼関係が命。各当事者がいつでも理由なく解除可(§651①)。ただし相手に不利な時期の解除は損害賠償(§651②)。解除権と損害賠償は別問題。
では2問目。令和2年(12月)問6肢1:『Aが賃貸借を合意解除した場合、解除の当時Bの債務不履行による解除権を有していたとしても、合意解除をもって転借人Cに対抗することはできない』。○か×か?
(委任の解除)第651条 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。2 前項の規定により委任の解除をした者は、次に掲げる場合には、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。一 相手方に不利な時期に委任を解除したとき。二 委任者が受任者の利益をも目的とする委任を解除したとき。
第613条(転貸の効果)第3項 賃借人が適法に賃借物を転貸した場合には、賃貸人は、賃借人との間の賃貸借を合意により解除したことをもって転借人に対抗することができない。ただし、その解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していたときは、この限りでない。
委任契約は、委任者又は受任者のいずれからも、いつでもその解除をすることができる。ただし、相手方に不利な時期に委任契約の解除をしたときは、相手方に対して損害賠償責任を負う場合がある。(正しいか?)
○(正しい)
§651。委任は信頼関係が命なので各当事者がいつでも解除できる。ただし不利な時期の解除は損害賠償(やむを得ない事由を除く)。解除権と損害賠償は別問題。
委任契約は、委任者又は受任者のいずれからも、いつでもその解除をすることができる。ただし、相手方に不利な時期に委任契約の解除をしたときは、相手方に対して損害賠償責任を負う場合がある。(正しいか?)
委任は、相手に落ち度がなくてもいつでも解除できる?
「いつでも解除でき、不利な時期は損害賠償責任を負う場合がある」は正しい?
○(正しい)
§651。委任は信頼関係が命なので各当事者がいつでも解除できる。ただし不利な時期の解除は損害賠償(やむを得ない事由を除く)。解除権と損害賠償は別問題。
暗記ポイント
🎯 試験本番ではこう即答する
⚖️ 概念マップ:Step Cの特則=相手に落ち度がなくても使える特例キャンセルボタン。請負(完成前・損害賠償)/委任(いつでも・不利なら賠償)。
- 委任 → 各当事者いつでも解除可。不利な時期は損害賠償(やむを得ない事由を除く)
- 転貸借(親亀子亀):債務不履行解除→子亀C退去/合意解除→子亀C保護(§613③本文)
- 但書:合意解除でも当時すでに債務不履行解除できた→Cに対抗OK(§613③但書)
⚠️ よくある引っかけ
- 「委任は相手に落ち度がないと解除できない」→ ✕。いつでも解除可(§651①)。
- 「合意解除なら必ずCを保護」→ ✕。当時すでに債務不履行解除権があればCに対抗できる(但書)。
過去問「比較」道場(ひっかけ回避)
ここからは賃貸人A(親)・賃借人B(子)・転借人C(孫)が登場する転貸借です。親亀の「終了理由」で結論が真逆になり、さらに改正で明文化された「但書」の引っかけが頻出します。
【比較対象①:平成28年 問8 肢3・肢4 改題】AがBに甲建物を賃貸し、BがAの承諾を得てCに転貸している場合。(1) AがBの賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除した場合、AはCに対して明渡しを求めることができる。(2) AがBとの間で賃貸借契約を合意解除した場合、AはCに対して、当然には甲建物の明渡しを求めることができない。
答え: (1) ◯(できる) (2) ◯(できない)
親亀の終了理由で真逆。債務不履行解除=子亀Cも退去/合意解除=子亀Cは保護(§613③本文)。
AがBに甲建物を賃貸し、BがAの承諾を得てCに転貸している場合。(1) AがBの賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除した場合、AはCに対して明渡しを求めることができる。(2) AがBとの間で賃貸借契約を合意解除した場合、AはCに対して、当然には甲建物の明渡しを求めることができない。((1)(2)とも正しいか?)
○(正しい)
親亀の終了理由で真逆。債務不履行解除=子亀Cも退去/合意解除=子亀Cは保護(§613③本文)。記述どおり。
AがBに甲建物を賃貸し、BがAの承諾を得てCに転貸している場合。(1) AがBの賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除した場合、AはCに対して明渡しを求めることができる。(2) AがBとの間で賃貸借契約を合意解除した場合、AはCに対して、当然には甲建物の明渡しを求めることができない。((1)(2)とも正しいか?)
(1)債務不履行解除のとき、AはCに明渡しを求められる?
(2)合意解除のとき、Aは当然にはCに明渡しを求められる?
「(1)明渡し可○・(2)当然には明渡し不可○」という記述は正しい?
○(正しい)
親亀の終了理由で真逆。債務不履行解除=子亀Cも退去/合意解除=子亀Cは保護(§613③本文)。記述どおり。
【比較対象②:令和2年(12月) 問6 肢1】Aは、Bとの間の賃貸借契約を合意解除した場合、解除の当時Bの債務不履行による解除権を有していたとしても、合意解除したことをもってCに対抗することはできない。
答え: ×(誤)
合意解除でも、当時すでに債務不履行解除ができたなら、§613③但書でCに対抗できる(追い出せる)。「対抗できない」は誤り。
Aは、Bとの間の賃貸借契約を合意解除した場合、解除の当時Bの債務不履行による解除権を有していたとしても、合意解除したことをもってCに対抗することはできない。(正しいか?)
×(誤り)
§613③但書。合意解除でも、その当時に債務不履行解除ができた状態なら、Cに対抗できる(追い出せる)。「対抗できない」は誤り。改正で明文化された頻出の引っかけ。
Aは、Bとの間の賃貸借契約を合意解除した場合、解除の当時Bの債務不履行による解除権を有していたとしても、合意解除したことをもってCに対抗することはできない。(正しいか?)
当時、債務不履行解除ができた状態での合意解除。AはCに対抗できる?
「合意解除をもってCに対抗することはできない」は正しい?
×(誤り)
§613③但書。合意解除でも、その当時に債務不履行解除ができた状態なら、Cに対抗できる(追い出せる)。「対抗できない」は誤り。改正で明文化された頻出の引っかけ。
【まとめ】📌 この記事の核心
📌 この記事の核心
Step C(特則)は相手が無責でも使える特例。委任=いつでも解除可(不利な時期は賠償)。転貸借は親亀の終了理由で結論が真逆(債務不履行→C退去/合意解除→C保護)、さらに但書(実質債務不履行なら合意解除でも対抗OK)に注意。これでPhase 1(解除原因)完成!
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