「目的が達成できるなら解除できない」——その知識、実は旧法の亡霊です。契約不適合の解除は新法で債務不履行の一般ルール(Step B)に一本化され、判定軸は「軽微か否か」に変わりました。さらに、相手に落ち度がなくても使える特例「Step C(請負のキャンセルボタン)」も一緒に押さえます。
目次
本日のターゲット問題(令和元年 問3 肢2 改題)
建物の構造耐力上主要な部分の品質に関して契約不適合が存在していても、契約の目的を達成できる場合は、Bは契約不適合を理由に売買契約を解除することができない。
契約不適合の解除は §564 で Step B に一本化
Q3. 不履行は「軽微」か? ← 判定軸はここだけ
├─ 軽微 → 解除不可(§541但書)
└─ 軽微でない → 解除OK
※「目的を達成できるか」は旧法の基準(撤廃済み)
相手に落ち度がない一方的キャンセル → Step C(特則)
├─ 請負(仕事完成前)→ 注文者は損害賠償して解除可(§641)
└─ 委任 → 各当事者いつでも解除可(§651)
答え: ×(誤)
🎯 この問題の核心
旧法の「目的達成不可」は撤廃。新法は「軽微か否か」(Step B Q3)で判定。主要構造部分の欠陥は軽微でない→目的が達成できても解除できる。
🧭 判定軸=⚖️天秤「不適合は軽微か」。まず自分で○×を出してみよう
旧法の「目的を達成できないと解除できない」という厳しい縛りは撤廃。契約不適合の解除は債務不履行の一般ルール(Step B)に一本化されました。読み流さず、その場で答えを出してから読み進めてください。
🙋♂️生徒:まず本問(令和元年 問3 肢2 改題)から。「構造耐力上主要な部分に契約不適合があっても、契約の目的を達成できる場合は解除できない」──これ、○ですよね? 目的が達成できるなら修理させればよくて、解除まではいらないはずです。
👨🏫講師:引っかかったね。答えは×。それは旧法(瑕疵担保責任)の亡霊だ。旧法は「目的を達成できない場合」でなければ解除できなかったが、改正でその縛りは完全撤廃。契約不適合の解除は§564でStep B(債務不履行の一般ルール)に一本化された。判定軸は「目的達成できるか」ではなく「その不適合が軽微か否か」(§541但書)だ。
🙋♂️生徒:なるほど…軸が「軽微か」に変わったんですね。じゃあ、柱や壁のような構造耐力上主要な部分の欠陥は?
👨🏫講師:それが軽微と言えるかい? 建物の背骨にあたる部分の欠陥だ。軽微でない以上、たとえ目的が達成できても堂々と解除できる。だから「できない」とする本肢は×。
——では、向きを変えてもう1問。令和元年 問8 肢4:Aを注文者・Bを請負人とする請負で、「Bが仕事を完成しない間は、AはいつでもBに損害を賠償して解除できる」。相手(B)は約束を破っていない。これは○か×か?
🙋♂️生徒:えっ…Bは何も約束を破っていないんですよね。相手に落ち度がないなら解除できないはず…×ですか?
👨🏫講師:またしても罠にかかったね。答えは○。ここは契約不適合(Step B)ではなく、Step C(請負の特則)のルートだ。§641は、請負人が仕事を完成する前なら、注文者は損害を賠償していつでも解除できると定めている。相手が無責でもね。もう不要になった注文なのに無駄な工事を続けさせるのは社会的な損失だから、注文者に脱出ボタンを渡しているんだ。
🙋♂️生徒:具体的に言うと…完成間近でも、注文者が「もう要らない」と決めたら、損害さえ賠償すれば途中でやめさせられる、ということですか。
👨🏫講師:その通り。完成前+損害賠償がセットの条件だ。「相手が無責だから解除できない」と決めつけるのが最大の落とし穴だよ。
🙋♂️生徒:整理できました。相手が約束を破ったときは Step B で「軽微か否か」(§541但書)、自分の都合でやめたいときは Step C で請負§641(委任なら§651)。入口でこの2ルートを仕分けてから軸を当てれば、契約不適合も一方的キャンセルも全部さばけるんですね。
👨🏫講師:完璧だ。あとはこの2軸を、似た顔の肢に当てるだけ。「目的達成」という旧法ワードと「相手無責=解除不可」という思い込み、この2つを見たら手が止まるように鍛えておこう。
💡 深掘り:
契約不適合の解除は独立ルールではなくStep B(債務不履行の一般ルール)に一本化。判定軸は「目的を達成できるか」ではなく「軽微か否か」(§541但書)で、構造耐力上主要な部分の欠陥は軽微でない=目的達成できても解除できる。一方、相手に落ち度がない一方的キャンセルはStep C(特則)=請負は仕事完成前なら損害賠償していつでも解除可(§641)、委任は各当事者いつでも解除可(§651)。入口でこの2ルートを仕分けるのが要点。
⚡ 仕上げ:引っかけ(○か×か、自分で答えてから開こう)
建物の構造耐力上主要な部分に契約不適合があっても、契約の目的を達成できる場合は、Bは契約不適合を理由に売買契約を解除することができない(令和元年 問3 肢2 改題) → ×:「目的達成できるか」は旧法(瑕疵担保)の撤廃済み基準。新法の判定軸は「軽微か否か」(§541但書・§564でStep Bに一本化)。主要構造部分の欠陥は軽微でないため、目的が達成できても解除できる。
請負で、Bが仕事を完成しない間は、注文者Aはいつでも損害を賠償して契約を解除することができる(令和元年 問8 肢4) → ○:【逆罠】「相手(請負人)に落ち度がないから解除できない」と思わせる肢だが、これはStep Cの特則。§641により、仕事完成前+損害賠償を条件に注文者からいつでも解除できる。
請負人に落ち度がない以上、仕事完成前であっても注文者は契約を解除することはできない → ×:相手が無責でもStep C特則が使える。§641により、仕事完成前なら損害を賠償していつでも解除可。「相手無責=解除不可」は思い込みの罠。
第564条(買主の損害賠償請求及び解除権の行使) 前二条の規定(追完請求・代金減額請求)は、第415条の規定による損害賠償の請求並びに第541条及び第542条の規定による解除権の行使を妨げない。
第541条(催告による解除) ……ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
第641条(注文者による契約の解除) 請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。
解除アルゴリズム:Phase 1・Step B(軽微性 Q3)
契約不適合のシン・ルール(「目的達成」ではなく「軽微か」)
令和元年 問3 肢2 改題
📋 問題文
建物の構造耐力上主要な部分の品質に関して契約不適合が存在していても、契約の目的を達成できる場合は、Bは契約不適合を理由に売買契約を解除することができない。(正しいか?)
🔑 条件の抽出
入口契約不適合=「相手が約束を破った」→ Step B(§564で§541・542に一本化)
罠「目的を達成できる場合は解除できない」=旧法(瑕疵担保)の亡霊
🗺 Step B-Q3:不履行は「軽微」か?
契約不適合の解除は債務不履行の一般ルールに一本化。判定軸は「目的を達成できるか」ではなく「軽微か否か」。建物の構造耐力上主要な部分の欠陥は、目的が達成できても軽微とは言えない。
結論
×(誤り)
判定軸は「目的達成」ではなく「軽微か否か」(§541但書)。主要構造部分の欠陥は軽微でないため、目的が達成できても解除できる。「できない」は旧法の知識に基づく誤り。
📋 問題文
建物の構造耐力上主要な部分の品質に関して契約不適合が存在していても、契約の目的を達成できる場合は、Bは契約不適合を理由に売買契約を解除することができない。(正しいか?)
🗺 Step B-Q3:不履行は「軽微」か?
構造耐力上主要な部分の契約不適合は「軽微」か?
最終判定
「目的を達成できる場合は解除できない」は正しい?
結論
×(誤り)
判定軸は「目的達成」ではなく「軽微か否か」(§541但書)。主要構造部分の欠陥は軽微でないため、目的が達成できても解除できる。「できない」は旧法の知識に基づく誤り。
暗記ポイント
🎯 試験本番ではこう即答する
⚖️ 概念マップ:契約不適合の解除は独立ルールではない。債務不履行解除(Step B)に一本化され、判定軸は「軽微か否か」。
- 契約不適合 → §564で§541・§542(債務不履行の一般ルール)に従う
- 解除できないのは「軽微」なときだけ(§541但書)
- 請負(仕事完成前) → 注文者は損害賠償していつでも解除可(§641・Step C)
⚠️ よくある引っかけ
- 「目的を達成できない場合でなければ解除できない」→ ✕。旧法の瑕疵担保の基準。撤廃済み。
- 「相手(請負人)に落ち度がないから解除できない」→ ✕。Step C特則で、完成前なら損害賠償して解除可。
過去問「比較」道場(ひっかけ回避)
「相手が約束を破った(Step B)」の次は、「相手は完璧なのに自分の都合でやめたい(Step C)」のルート。請負の特例キャンセルボタンを確認しましょう。
【比較対象:令和元年 問8 肢4】Aを注文者、Bを請負人とする請負契約が締結された場合における次の記述のうち、誤っているものはどれか。肢4 Bが仕事を完成しない間は、AはいつでもBに対して損害を賠償して本件契約を解除することができる。
答え: ◯(正)
🎯 この問題の核心
請負は仕事完成前なら、相手無責でも損害賠償を条件に注文者からいつでも解除可(§641・Step C)。
解除アルゴリズム:Phase 1・Step C(請負の特則)
請負のキャンセルボタン(相手無責でも解除可)
令和元年 問8 肢4
📋 問題文
Aを注文者、Bを請負人とする請負契約が締結された場合、Bが仕事を完成しない間は、AはいつでもBに対して損害を賠償して本件契約を解除することができる。(正しいか?)
🔑 条件の抽出
入口相手(請負人)に落ち度なし。注文者の一方的な都合でやめたい→ Step C(請負・委任の特則)
着眼契約類型は「請負」、まだ「仕事を完成しない間」
🗺 Step C:請負の注文者はいつでも解除できる?
請負は、相手に落ち度がなくても注文者から解除できる特例キャンセルボタン。ただし仕事完成前+損害賠償が条件(§641)。無駄な工事を続けさせるのは社会的損失だから。
結論
○(正しい)
§641。請負は仕事完成前なら、相手に落ち度がなくても損害賠償を条件に注文者からいつでも解除できる(Step C特則ルート)。
📋 問題文
Aを注文者、Bを請負人とする請負契約が締結された場合、Bが仕事を完成しない間は、AはいつでもBに対して損害を賠償して本件契約を解除することができる。(正しいか?)
🗺 Step C:請負の注文者はいつでも解除できる?
請負の注文者は、仕事完成前なら解除できる?
最終判定
「注文者はいつでも損害賠償して解除できる」は正しい?
結論
○(正しい)
§641。請負は仕事完成前なら、相手に落ち度がなくても損害賠償を条件に注文者からいつでも解除できる(Step C特則ルート)。
【まとめ】📌 この記事の核心
📌 この記事の核心
契約不適合の解除は「目的達成可否」ではなく「軽微か否か」(Step B)。「目的を達成できない場合のみ」は旧法の呪縛。相手が無責でも使える特例がStep C(請負§641・委任)。
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