「約束を破った悪い奴から、先に物を返させたい」——その人情は、法律では通りません。解除の後片付け(原状回復)は、誰が悪かろうと常に「同時履行(せーの!)」。今回はその理由と、改正で「取消し」にも統一されたルールを攻略します。
目次
本日のターゲット問題(自らの債務不履行で解除された場合)
Bは、自らの債務不履行で解除されたので、Bの原状回復義務を先に履行しなければならず、Aの受領済み代金返還義務との同時履行の抗弁権を主張することはできない。
🗺 登場人物の関係
B(債務不履行で解除された)⇄ 原状回復は同時履行 ⇄ A(受領した代金を返す)
→ 解除後の双方の原状回復義務は同時履行(§546)=Bも同時履行を主張できる
【Phase 3:後片付け】原状回復と同時履行
Q. 誰に落ち度(悪意)があったか?
→ 【関係なし!】
双方の原状回復義務は 常に「同時履行」(§546・§533準用)
├─ 自分が悪い側でも 先に返す必要なし
└─ 約束破りの罰は「損害賠償」で別途
※取消し・無効の原状回復も同時履行(§121の2・改正で明文化)
答え: ×(誤)
🎯 この問題の核心
解除の原状回復は理由・落ち度を問わず常に同時履行(§546・§533)。Bが悪い側でも同時履行を主張できる。約束破りの罰は損害賠償で別途。
🧭 判定軸=⚖️天秤「二次被害を防ぐ」。まず自分で○×を出してみよう
後片付けで片方だけ先に無防備になると、新たな持ち逃げトラブルが生まれる。だから解除でも取消しでも、返還は常に「せーの!」の同時履行です。
🙋♂️生徒:まず本問から。Bは自分の債務不履行で解除された大悪党。だったら、Bが先に原状回復すべきで、Aの代金返還との同時履行の抗弁権は主張できない ── これ○ですよね? 悪いのはBなんだから。
👨🏫講師:引っかかったね。答えは×。この肢は年度のない改題(一般化肢)だけど、出題者が一番狙う型だ。原状回復(後片付け)は§546で§533を準用し、落ち度・理由を一切問わず常に同時履行。Bが悪い側でも「せーの!」で同時に返す。「先に返せ」は誤りだ。
🙋♂️生徒:えっ、大悪党でもひいきされるんですか? ちょっと納得いきません。
👨🏫講師:ひいきじゃない。具体的に想像してごらん。もし「悪いBが先に土地を返す」ルールにすると、Bが土地を返した瞬間、Aが「代金は返さず逃げよう」とできてしまう。契約が壊れて不信感マックスなのに、片方だけ先に無防備になる ── これが二次被害だ。だから同時履行で二人を守る。じゃあBの約束破りへの罰は? それは損害賠償で別途キッチリ取る。後片付けと罰は別問題だよ。
🙋♂️生徒:なるほど、二次被害を防ぐための同時履行なんですね。じゃあ「解除」じゃなくて「取消し」だったら?
👨🏫講師:いい質問だ。ではもう1問。平成30年 問1 肢1:「甲土地の代金支払と登記移転の後、第三者の詐欺で売買契約が取り消された。原状回復として、BはAに登記を移転する義務を、AはBに代金を返還する義務を負い、各義務は同時履行の関係となる」。○か×か?
🙋♂️生徒:今度は詐欺の被害者ですよね…被害者なんだから守られて当然、先に代金を返してもらえるはず。だから「同時履行」は言い過ぎで…×?
👨🏫講師:またやったね。答えは○だ。改正§121の2で、取消し・無効の原状回復も同時履行と明文化された。「解除」でも「取消し」でも、契約を巻き戻す後片付けは常に同時履行。詐欺の被害者Aでも「先に登記を戻せ」とは言えない。「被害者だから優先」は出題者が仕込んだ罠だ。
🙋♂️生徒:危なかった…「解除」と「取消し」で言葉を入れ替えて揺さぶってくるんですね。
👨🏫講師:そう、それが「解除⇄取消しの入れ替え罠」。でも後片付けのアルゴリズムは完全に統一されている。どちらの言葉で聞かれても結論は同じだ。
🙋♂️生徒:整理できました。後片付け(原状回復)は ── 誰が悪かろうと、解除でも取消しでも、常に同時履行(§546・§533/§121の2)。罰は損害賠償で別。この2つを分けて見れば、後片付けの肢は全部さばけるんですね。
💡 深掘り:
後片付け(原状回復)は【誰の落ち度】も【解除か取消しか】も問わない。双方の返還義務は常に同時履行(§546・§533準用/取消し・無効も§121の2)。約束破りへの罰は損害賠償で別途取る。「後片付け=常に同時履行」「罰=別問題」の2軸だけで、悪い側フェイントも解除⇄取消しの入れ替え罠も見抜ける。
⚡ 仕上げ:引っかけ(○か×か、自分で答えてから開こう)
自らの債務不履行で解除されたBは、Aの代金返還を待たず先に原状回復せねばならず、同時履行の抗弁権を主張できない(改題/一般化肢) → ×:§546・§533。原状回復は落ち度を問わず常に同時履行。悪い側のBでも同時履行を主張できる。「先に返せ」は誤り。
第三者の詐欺で売買契約が取り消された。原状回復として、BのA登記移転義務とAのB代金返還義務は同時履行の関係になる(平成30年 問1 肢1) → ○:【逆罠】改正§121の2で取消し・無効の原状回復も同時履行に統一。詐欺の被害者でも「先に登記を戻せ」とは言えず、代金返還と同時。「被害者だから優先」は誤り。
約束を破ったBへの制裁は、Bに先に原状回復させることで果たす(損害賠償は別に取れない) → ×:罰は損害賠償で別途取る。後片付け(原状回復=常に同時履行)と罰はまったくの別問題。
(契約の解除と同時履行)第546条 第533条の規定は、前条の場合について準用する。
(同時履行の抗弁)第533条 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。(以下略)
(原状回復の義務)第121条の2 無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う。(※取り消された行為は初めから無効とみなされ〔§121〕、本条が適用される)
解除アルゴリズム:Phase 3(後片付け)
原状回復は常に同時履行(悪い側でも)
自らの債務不履行で解除された場合
📋 問題文
Bは、自らの債務不履行で解除されたので、Bの原状回復義務を先に履行しなければならず、Aの受領済み代金返還義務との同時履行の抗弁権を主張することはできない。(正しいか?)
🔑 条件の抽出
入口解除が成立した後の「後片付け」→ Phase 3(原状回復・同時履行)
着眼Bは自らの債務不履行で解除された=悪い側
🗺 Phase 3:原状回復は誰の落ち度を問う?
後片付け(原状回復)は理由・落ち度を一切問わない。双方の原状回復義務は常に同時履行(§546で§533を準用)。自分が悪い側でも先に返す必要はない。約束破りへの罰は損害賠償で別途取る。
結論
×(誤り)
§546・§533。原状回復は落ち度を問わず常に同時履行。Bが債務不履行をした悪い側でも、同時履行を主張できる。「先に返せ」は誤り。約束破りの罰は損害賠償で別途。
📋 問題文
Bは、自らの債務不履行で解除されたので、Bの原状回復義務を先に履行しなければならず、Aの受領済み代金返還義務との同時履行の抗弁権を主張することはできない。(正しいか?)
🗺 Phase 3:原状回復は誰の落ち度を問う?
自らの債務不履行で解除されたBは、同時履行を主張できる?
最終判定
「Bは同時履行の抗弁権を主張できない」は正しい?
結論
×(誤り)
§546・§533。原状回復は落ち度を問わず常に同時履行。Bが債務不履行をした悪い側でも、同時履行を主張できる。「先に返せ」は誤り。約束破りの罰は損害賠償で別途。
暗記ポイント
🎯 試験本番ではこう即答する
⚖️ 概念マップ:Phase 3の後片付け=原状回復は「常に同時履行」。落ち度・理由は無関係。罰は損害賠償で別。
- 解除の原状回復 → 常に同時履行(§546・§533)
- 自分が悪い側(債務不履行した側)でも同時履行を主張できる
- 取消し・無効の原状回復も同時履行(§121の2・改正で明文化)
⚠️ よくある引っかけ
- 「悪い側(債務不履行者)は先に返さなければならない」→ ✕。常に同時履行。
- 「罰がないのは不公平」→ 罰は損害賠償で別途取れる。後片付けと罰は別問題。
過去問「比較」道場(ひっかけ回避)
出題者は「解除」と「取消し」を入れ替えて惑わせます。でも後片付けのアルゴリズムは完全に統一=常に同時履行。「取消し」バージョンで確かめましょう。
【比較対象:平成30年 問1 肢1】甲土地につき売買代金の支払と登記の移転がなされた後、第三者の詐欺を理由に売買契約が取り消された場合、原状回復のため、BはAに登記を移転する義務を、AはBに代金を返還する義務を負い、各義務は同時履行の関係となる。
🗺 登場人物の関係
取消後:Bが登記を戻す ⇄ 同時履行 ⇄ Aが代金を返す
→ 取消による双方の原状回復義務も同時履行の関係になる
答え: ◯(正)
🎯 この問題の核心
「取消し」でも原状回復は同時履行(§121の2)。解除と取消しで後片付けは統一。騙された被害者でも「先に返せ」とは言えない。
解除アルゴリズム:Phase 3(後片付け)
取消しの原状回復も同時履行(統一)
平成30年 問1 肢1
📋 問題文
甲土地につき売買代金の支払と登記の移転がなされた後、第三者の詐欺を理由に売買契約が取り消された場合、原状回復のため、BはAに登記を移転する義務を、AはBに代金を返還する義務を負い、各義務は同時履行の関係となる。(正しいか?)
🔑 条件の抽出
入口契約を巻き戻す「後片付け」→ Phase 3
着眼今回は「解除」ではなく「取消し」。でも後片付けは同じ
🗺 Phase 3:取消しの原状回復も同時履行か?
改正§121の2で、無効・取消しの原状回復も同時履行と整理された。解除でも取消しでも、契約を巻き戻す後片付けは常に同時履行。騙された被害者Aでも「先に登記を戻せ」とは言えず、代金返還と同時。
結論
○(正しい)
改正§121の2で取消し・無効の原状回復も同時履行に。解除でも取消しでも後片付けは常に同時履行。「解除」と「取消し」のどちらの言葉で引っかけられても結論は同じ。
📋 問題文
甲土地につき売買代金の支払と登記の移転がなされた後、第三者の詐欺を理由に売買契約が取り消された場合、原状回復のため、BはAに登記を移転する義務を、AはBに代金を返還する義務を負い、各義務は同時履行の関係となる。(正しいか?)
🗺 Phase 3:取消しの原状回復も同時履行か?
取消しによる原状回復は同時履行?
最終判定
「各義務は同時履行の関係となる」は正しい?
結論
○(正しい)
改正§121の2で取消し・無効の原状回復も同時履行に。解除でも取消しでも後片付けは常に同時履行。「解除」と「取消し」のどちらの言葉で引っかけられても結論は同じ。
【まとめ】📌 この記事の核心
📌 この記事の核心
解除の後片付け(原状回復)は誰が悪かろうと常に同時履行(§546・§533)。罰は損害賠償で別。改正で取消し・無効の原状回復も同時履行に統一(§121の2)。これでPhase 1〜3の全ルートを走破!
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