まず1問 ― 公正証書と「持分割合」(平成13年 問15 肢1)
最初に建物の専有部分の全部を所有する者は,公正証書により,共用部分の全部について持分割合を定める規約を設定することができる。
📌 §32には「これらの規定を同条第三項において準用する場合を含む」の括弧書きもある(=§22③準用)が、4項目の枠は崩れない。本問の客体=「共用部分の持分割合」(§14)は、この4つのどれかに入っているか?
主語(最初に専有部分の全部を所有する者=分譲業者)も形式(公正証書)も○。だが客体=「共用部分の持分割合」(§14)は、§32が限定列挙する4項目のどれにも入っていない→公正証書では設定できない。
では、なぜ4つだけに絞られているのか? ここからが本題です。
🧠 なぜこうなる? ― 講師と生徒で”天秤”に乗せる
(a) 持分割合は普通の規約なら§14④で別段の定め可・公正証書では不可——H13の罠の正体はこの切り分けだ。「規約で定められる」という正しい知識を「なら公正証書でも可」に誤結合させる。
(b) 白リスト④「敷地利用権の割合」(§22②=数戸持ちの人の土地の割り振り)と、リスト外の「共用部分の持分割合」(§14=共用部分の取り分)は、名前が似た別物。割合どうしで混同するな。
- 公正証書は”設計図の4つ”だけ=①規約共用部分(§4②)②規約敷地(§5①)③分離処分OKの定め(§22①但書)④数戸持ちの敷地利用権の割合(§22②但書)
- お金の取り分=共用部分の持分割合(§14)はリスト外→公正証書では×。ただし普通の規約なら§14④で別段OK
- 「§22②敷地利用権の割合」(数戸持ちの土地の割り振り)と「§14持分割合」(共用部分の取り分)は名前が似た別物
- 判定は3チェック=主語(最初に全部所有?)→形式(公正証書?)→客体(4項目のどれか?)
- 正直な位置づけ:直接出題はH13〜H19に集中・H20以降なし=守りの知識。深追いせず白リスト4つ+持分割合の罠だけ持ち帰る
📖 条文チェック(§32・§4②・§5①・§22①②・§14)
§32(公正証書による規約の設定):最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、§4②・§5①並びに§22①ただし書及び同条②ただし書(これらの規定を§22③において準用する場合を含む)の規約を設定することができる=4項目の限定列挙。
§4②(規約共用部分):区分所有権の目的となりうる建物の部分・附属の建物は、規約で共用部分とすることができる(登記が第三者対抗要件)。
§5①(規約敷地):区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができる。
§22①ただし書:専有部分と敷地利用権の分離処分は原則禁止だが、規約で別段の定め(分離処分可)ができる。
§22②ただし書:数個の専有部分を所有する者の各専有部分に係る敷地利用権の割合は、規約で別段の割合を定めることができる。
§14①③(共用部分の持分):各共有者の持分は専有部分の床面積(壁その他の区画の内側線で囲まれた部分)の割合による。
§14④:持分割合は規約で別段の定めをすることを妨げない(=普通の規約なら可・公正証書では不可、の対比の根拠)。
最初に建物の専有部分の全部を所有する者は,公正証書により,共用部分の全部について持分割合を定める規約を設定することができる。
最初に建物の専有部分の全部を所有する者は,公正証書により,共用部分の全部について持分割合を定める規約を設定することができる。
公正証書規約(「最初に」の主語罠・法定共用部分の二段罠)を含む規約の過去問は、ドリルの論点③にまとめてあります。3手(見分ける→決め手→○×)で腕試し。
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