まず1問 ― 規約の変更と「特別の影響」(平成7年 問14 肢4)
規約の変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす場合で,その区分所有者の承諾を得られないときは,区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による決議を行うことにより,規約の変更ができる。
📌 どちらも多数決の外側のルール。本問は〔B〕の話。「承諾を得られないとき → 3/4決議で変更できる」と言っている ⇒ 鍵(承諾)を票数で開けようとしていて、条文の向きと食い違う。
§31①後段=規約の設定・変更・廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、その承諾を得なければならない。この承諾は多数決で代替できない=承諾が得られないなら、3/4決議を何度やっても規約変更はできない。肢は「承諾を得られないとき→3/4決議で変更できる」と順序をすり替えた×です。
※なお、この肢の母数は旧い表記(「出席した」がない)ですが、×の理由はそこではなく中身。旧い母数表記だけでは×にしません(正誤は中身で決まる)。
では、なぜ3/4という高いハードルを越えても、たった1人の承諾で止まるのか? ここからが本題です。
🧠 なぜこうなる? ― 講師と生徒で”天秤”に乗せる
- 特別の影響→承諾の鍵は2箇所=〔共用部分〕変更が専有部分の使用に→その所有者の承諾(§17②・管理にも§18③準用)/〔規約〕設定・変更・廃止が一部の者の権利に→その承諾(§31①後段)
- 承諾は多数決で代替不可=3/4を集めても、承諾がなければできない(「承諾を得られないとき→決議で変更できる」は向きが逆=×)
- 規約で下げられる3/4は重大変更§17①だけ(§31①は引下げの括弧書きなし=不可。同じ3/4でも非対称)
- 正誤は中身で判定=旧母数表記(「出席した」なし)だけでは×にしない
📖 条文チェック(§31①・§17②・§18③・§17①)
§31①後段(規約と特別の影響):規約の設定・変更・廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない(承諾は多数決で代替不可・令和8年改正後も無変更)。
§31①前段(対比):規約の設定・変更・廃止=出席した区分所有者及びその議決権の各3/4以上の多数による決議。引下げの括弧書きなし=規約で下げられない。
§17②(共用部分と特別の影響):共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。
§18③(管理への準用):§17②を共用部分の管理(§18①本文の決議による管理)に準用=管理でも特別の影響があれば承諾が要る。
§17①(対比):重大変更の各3/4だけは規約で過半数(2分の1超)まで引下げ可=頭数も議決権も両方。§31①との非対称に注意。
規約の変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす場合で,その区分所有者の承諾を得られないときは,区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による決議を行うことにより,規約の変更ができる。
規約の変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす場合で,その区分所有者の承諾を得られないときは,区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による決議を行うことにより,規約の変更ができる。
特別の影響→承諾(§17②・§31①後段)を含む規約まわりの過去問は、ドリルの論点③にまとめてあります。3手(見分ける→決め手→○×)で腕試し。
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