【区分所有法】令和8年大改正対応:「集会の決議要件」を判定するアルゴリズムと出席者ベースの罠

区分所有の順路 4 / 8 Phase1 決議要件

区分所有法の試験で最大の地殻変動が起きました——令和8年4月施行の大改正です。集会の決議要件は、これまでの「全区分所有者ベース」から「出席者ベース」へ母数が変わりました(=知識として押さえる点)。ただし過去問の正誤は「その肢が何を問うているか(中身)」で決まります。本問が本当に問うているのは「規約で定数を過半数まで減らせるか」。母数の旧表記に引っぱられず、論点を見抜けるかを試す典型問題です。

目次

本日のターゲット問題(令和3年 問13 肢2)

形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更については、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決するものであるが、規約でこの区分所有者の定数を過半数まで減ずることができる。

【Phase 1】集会決議要件の判定(令和8年改正・出席者ベース)

  Step 1:定足数の成立を確認
        過半数の区分所有者+議決権の過半数が出席 → 会議成立

  Step 2:議題の種類で要件が変わる

    重大変更(共用部分の重大変更)
      → 出席者の各 3/4 以上 ★本問
      → 規約で 賛成要件(頭数も議決権も両方)を
        過半数(2分の1超)まで 減らせる

    規約の設定・変更・廃止/法人の設立・解散
      → 出席者の各 3/4 以上
      → 規約での減額は 絶対不可

    普通決議(日常的な管理等)
      → 出席者の各 過半数

  本問の論点:「規約で定数を過半数まで減らせるか」
        → 減らせる(頭数も議決権も両方)=正しい
        母数の「出席した」の有無は本問の論点ではない(罠デコイ)
        → ○

答え:○(正しい)

🎯 この問題の核心

本問が問うのは「規約で定数を過半数まで減らせるか」。重大変更は規約で賛成要件(頭数も議決権も両方)を過半数まで減らせる=正しい。
母数の「区分所有者及び議決権の各3/4」(「出席した」の表記なし)は令和8年改正で出席者ベースになった旧表記だが、本問が問う点ではない(罠デコイ)ので、これだけでは×にしない。答えは

⚖️ 【天秤の世界】:旧法は「全区分所有者の3/4以上」が要件でした。これは一見「民主的」に見えますが、実はマンションが動かなくなる原因でもあった。所在不明の区分所有者がいたり、集会に出てこない人が多かったりすると、絶対多数決のハードルを超えられず、必要な改修や建替えが進まない——マンションが朽ちていく。

👨‍🏫
講師:「令和8年改正で天秤が振り切れた。『絶対多数決の硬直性』から『機動的な多数決による意思決定』へ。出席者ベースにすることで、集会に来た人たちの判断で議決ができる。ただし『過半数の出席(定足数)』というストッパーは置いた。少人数の出席者だけで重要事項が決まらないように。」
🙋‍♂️
生徒:「『規約で定数を過半数まで減らせる』は今でも生きているんですか?」
👨‍🏫
講師:「重大変更だけ生きている。賛成要件(出席した区分所有者及びその議決権の各3/4)は規約で過半数まで減らせる=頭数も議決権も両方。一方で、規約変更・法人設立解散は規約での減額が絶対不可。これらは『マンションの憲法を変える』レベルだから、緩和は許されない。改正でこの差はより明確になった。」

§17①(共用部分の変更)(改正後):共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く)は、集会に出席した区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この出席した区分所有者及び議決権の各4分の3(頭数も議決権も)は、規約で過半数まで減ずることができる。

定足数:集会は、区分所有者の過半数かつ議決権の過半数を有する者の出席により成立する(改正点)。

§31(規約の設定・変更・廃止)(改正後):規約の設定、変更又は廃止は、集会に出席した区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によってする。規約での減額不可(重大変更とはここが違う)。

【ポイント】改正後は「出席者ベース」。重大変更だけ賛成要件(頭数も議決権も両方)を規約で過半数まで減らせる。規約変更・法人設立解散は減額不可。

区分所有 / Phase 1:集会決議要件(論点=規約での定数減)
論点は「規約で定数を過半数まで減らせるか」=○(母数の旧表記は罠デコイ)
令和3年 問13 肢2
📋 問題文

形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更については、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決するものであるが、規約でこの区分所有者の定数を過半数まで減ずることができる。

🔑 条件の抽出
論点規約で重大変更の定数を過半数まで減らせるか
罠デコイ母数「区分所有者及び議決権の各3/4」(出席したの表記なし)
論点:規約での定数減の可否
重大変更は規約で賛成要件(頭数も議決権も両方)を過半数(2分の1超)まで減らせる=本問の「定数を過半数まで減ずることができる」は正しい
母数の「区分所有者及び議決権の各3/4」は令和8年改正で出席者ベース化した旧表記だが、本問が問う点ではない(罠デコイ)ので、これだけでは×にしない。
結論

○(正しい)

本問の論点は「規約で定数を過半数まで減らせるか」=減らせる(頭数も議決権も両方)=○。母数の旧表記は罠デコイで無関係。

📋 問題文

形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更については、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決するものであるが、規約でこの区分所有者の定数を過半数まで減ずることができる。

1 見分ける ▸ この肢が問う論点は?

この肢が本当に問うている論点は?

3 仕上げる ▸ ○か×か

「規約でこの区分所有者の定数を過半数まで減ずることができる」とする本問は正しい?

結論

○(正しい)

本問の論点は「規約で定数を過半数まで減らせるか」=減らせる(頭数も議決権も両方)=○。母数の旧表記は罠デコイで無関係。

暗記ポイント

🎯 試験本番ではこう即答する:決議要件の問題を見たら、まず「その肢は何を問うているか(中身)」を掴む。母数の「区分所有者及び議決権の各〇〇」(「出席した」の表記なし)は改正前の書き方だが、それだけでは×にしない——本問のように定数減の可否・数字・主体など別の論点を問う肢は、その論点で○×を決める。母数そのものを正面から問う肢のときだけ「出席者ベースが正・全員ベースは×」で判定する。

  • 定足数:過半数の区分所有者と議決権の過半数の出席
  • 重大変更:出席者の各3/4以上(賛成要件を規約で過半数まで=頭数も議決権も両方)
  • 規約変更・法人設立解散:出席者の各3/4以上(規約減額は絶対不可)
  • 普通決議:出席者の各過半数

⚠️ よくある引っかけ

  • 母数の「区分所有者及び議決権の各3/4以上」(出席したの表記なし)だけを見て即×にしない。中身(定数減の可否など)で判定。母数そのものを問う肢のときだけ出席者ベースで×
  • 「規約で重大変更の定数を過半数まで減らせる」→ (頭数も議決権も両方)/「規約で規約変更・法人設立解散の定数を減らせる」→ ×。減額は絶対不可

【まとめ】📌 この記事の核心

📌 この記事の核心
⚖ 令和8年大改正で母数は「出席者ベース」に(知識として押さえる)。ただし過去問の正誤は中身で決まる——母数の旧表記だけで即×にはしない。本問の論点は「規約で定数を過半数まで減らせるか」=○(重大変更だけ・頭数も議決権も両方)。規約変更・法人設立解散の定数減は不可(=そこを問う肢なら×)。

→ 次の記事:「Phase 2:共用部分のアクション仕分け」


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