まず1問 ― 建替え決議に「買取請求」?(平成10年 問13 肢4)
区分所有法第62条第1項に規定する建替え決議が集会においてなされた場合,決議に反対した区分所有者は,決議に賛成した区分所有者に対し,建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。
📌 本問は建替えなのに「買い取るべきことを請求できる」と言っている ⇒ 復旧の出口を建替えに移植した”方向スワップ”。※復旧の梯子(単独/過半数/2/3)の”なぜ”は復旧の深掘り記事で。この記事はその梯子の”その後”の話。
建替え決議に「買取請求」という出口は存在しない。建替えの出口は売渡し請求(§63⑤)=賛成側から不参加者への「売り渡せ」。「賛成した者へ時価で買い取れ」と請求できるのは大規模滅失の復旧決議(§61⑦)です。
では、なぜ復旧と建替えで請求の矢印が真逆になるのか? ここからが本題です。
🧠 なぜこうなる? ― 講師と生徒で”天秤”に乗せる
- 復旧(大規模滅失・出席者の各2/3)=「買い取れ」:賛成者以外(欠席・棄権含む)→賛成者へ・決議日から2週間経過後・買取指定者(§61⑧)が指定されたらその者のみへ・4月以上の催告期間経過で失権(§61⑪⑬)
- 建替え(各4/5・全員ベース)=「売り渡せ」:賛成側(参加回答者・買受指定者含む)→不参加回答者へ・回答期間満了から2月以内
- 参加義務はない:催告→2月以内に回答→無回答=不参加みなし(売渡し請求の対象になるだけ)
- 1行格下げ組:滅失日から6月以内に決議なし→各自が他の区分所有者へ買取請求(§61⑭)/小規模滅失を単独復旧した者は他の区分所有者へ§14割合で償還請求(§61②)/議事録の賛否記載は復旧・建替え共通
📖 条文チェック(§61⑤〜⑭・§62⑩・§63①③④⑤)
§61⑤(大規模滅失の復旧決議):建物価格の1/2超が滅失したときの復旧決議は、出席した区分所有者及びその議決権の各2/3以上の多数。
§61⑥:その集会の議事録には、決議についての各区分所有者の賛否をも記載・記録しなければならない。
§61⑦(買取請求):決議の日から2週間を経過したときは、決議賛成者以外の区分所有者(欠席・棄権含む)は、決議賛成者に対し、建物及びその敷地に関する権利を時価で「買い取れ」と請求できる。
§61⑧(買取指定者):買取指定者が指定され書面で通知されたときは、通知を受けた区分所有者は買取指定者に対してのみ請求できる。
§61⑪⑬(催告と失権):4月以上の期間を定めて「請求するか否か」を書面で催告→期間を経過すると買取請求はできなくなる(失権)。
§61⑭(決議がないとき):滅失日から6月以内に復旧・建替え等の決議がないときは、各区分所有者は他の区分所有者へ買取請求できる。
§62⑩:建替え決議をした集会の議事録に§61⑥を準用(=建替えも賛否を記載)。
§63①③④(催告→回答→みなし):招集者は賛成しなかった者へ参加するか否かを書面で催告→催告受領から2月以内に回答→無回答は参加しない旨を回答したものとみなす。
§63⑤(売渡し請求):回答期間満了の日から2月以内に、賛成者・参加回答者・買受指定者は、不参加回答者に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で「売り渡せ」と請求できる。
区分所有法第62条第1項に規定する建替え決議が集会においてなされた場合,決議に反対した区分所有者は,決議に賛成した区分所有者に対し,建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。
区分所有法第62条第1項に規定する建替え決議が集会においてなされた場合,決議に反対した区分所有者は,決議に賛成した区分所有者に対し,建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。
復旧・建替えまわりの過去問は、ドリルの論点①〈決議の数字〉と論点⑤〈復旧ほか〉にまとめてあります。3手(見分ける→決め手→○×)で腕試し。
▶ 区分所有法ドリルで腕試し →