まず1問 ― 大規模滅失の「復旧決議」(平成7年 問14 肢2)
区分所有建物の一部が滅失し,その滅失した部分が建物の価格の1/2を超える場合,滅失した共用部分の復旧を集会で決議するためには,区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数が必要であり,規約で別段の定めをすることはできない。
📌 本問は「価格の1/2を超える」=①で「大規模」と翻訳して②復旧決議の土俵へ。現行の決議数字は「出席した区分所有者及びその議決権の各2/3以上」⇒「各3/4以上が必要」と言っている本問と食い違う。
現行法(令和8年4月施行)では、大規模滅失(建物の価格の1/2超)の復旧決議は出席した区分所有者及びその議決権の各2/3以上(§61⑤)。「各3/4以上の多数が必要」は旧法の数字=この数字ひとつで×です(後半「規約で別段の定めをすることはできない」は現行でも正しい)。
では、なぜ復旧は重大変更(3/4)より軽い2/3で済むのか? 3つの“2/3”はどう仕分けるのか? ここからが本題です。
🧠 なぜこうなる? ― 講師と生徒で”天秤”に乗せる
① 滅失の大きさの話か(規模=しきい値1/2に翻訳)
② 直す決議の話か(復旧=§61⑤の2/3)
③ 危険除去・バリアフリーの作り替えの話か(読替え=§17⑤の2/3)
「どの2/3か」を先に仕分ければ混ざらない!
- 2/3は3つ=①規模(「価格の◯/◯滅失」→しきい値1/2に翻訳)②復旧決議(§61⑤・出席者ベース・規約で下げ不可=定足数の引上げのみ可)③読替え(§17⑤・瑕疵除去+バリアフリー・規約不要で当然に3/4→2/3・さらに規約で1/2超まで下げ可)
- 建替えの3/4は“第4の隣接数字”=2/3ファミリーに入れない(外壁・バリアフリーは建替えでは「4/5→3/4に緩和する客観的事由」・§62②三・五)
- 旧法の「大規模復旧=3/4」は現行の罠=肢に出たら×の決め手(母数の旧表記だけでは×にしない・正誤は中身で決まる)
📖 条文チェック(§61・§17⑤・§17①・§62)
§61①②(小規模滅失=建物の価格の1/2以下):各区分所有者が単独で滅失した共用部分・自己の専有部分を復旧できる(復旧決議・建替え決議等の後は不可)。単独で復旧した者は、他の区分所有者に§14の割合で費用の償還を請求できる。
§61③④:小規模滅失は集会で復旧決議(過半数)をすることもできる。①〜③は規約で別段の定め可。
§61⑤(大規模滅失=1/2超):定足数=頭数・議決権の各過半数の出席(規約で上回る割合のみ定め可)+賛成要件=出席した区分所有者及びその議決権の各2/3以上。この2/3には引下げの括弧書きがない=規約で下げられない。
§17⑤(読替え):瑕疵の除去・バリアフリー化に必要な共用部分の変更は、第1項・第3項の「四分の三」を「三分の二」と法律上当然に読み替える(規約不要)。
§17①括弧書き:読替え後もさらに規約で2分の1を超える割合まで引下げ可(ちょうど1/2は不可・「超」に限る)。
§62①(建替え):区分所有者及び議決権の各4/5(全員ベース・規約で下げ不可)。
§62②三・五:外壁等の剝離・落下により周辺に危害を生ずるおそれ/バリアフリー基準不適合などの客観的事由に該当すれば、法律上当然に3/4になる。
区分所有建物の一部が滅失し,その滅失した部分が建物の価格の1/2を超える場合,滅失した共用部分の復旧を集会で決議するためには,区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数が必要であり,規約で別段の定めをすることはできない。
区分所有建物の一部が滅失し,その滅失した部分が建物の価格の1/2を超える場合,滅失した共用部分の復旧を集会で決議するためには,区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数が必要であり,規約で別段の定めをすることはできない。
決議の数字(梯子・2/3・3/4・4/5)と復旧の過去問は、ドリルの論点①・⑤にまとめてあります。3手(見分ける→決め手→○×)で腕試し。
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