契約不適合の順路 6 / 10 Phase2A 権利行使の順序
1年通知をクリアした買主は、次に「どんな権利を、どの順番で行使するか」という関門に立ち向かいます。契約不適合の買主が持つ武器は4つ——①追完請求 ②代金減額 ③契約解除 ④損害賠償。これらは「使う順番」が決まっているのをご存じですか? 順番を間違えると、出題者の罠にハマります。
目次
本日のターゲット問題(令和3年 問7 肢3)
Bが引渡しを受けた甲自動車が故障を起こしたときは、修理が可能か否かにかかわらず、BはAに対して、修理を請求することなく、本件契約の解除をすることができる。
🗺 登場人物の関係
Bが受領した甲自動車が故障 → 修理請求なしでいきなり解除できる?
→ 誤り。修理が可能なら、まず追完(修理)請求が原則(§562)。いきなり解除はできない
【Phase 2A】権利行使の順序(ステップアップ原則)
Q. 修理可能な故障で、いきなり解除できる?
Step 1:① 追完請求(修理・代替品) ★まずここから
↓ 売主が拒否/追完不能/相当期間経過
Step 2:② 代金減額 ③ 契約解除 ④ 損害賠償(帰責事由必要)
本問:「修理が可能か否かにかかわらず、修理請求なく解除できる」
→ ステップアップ違反
→ ×(追完請求が先。修理可能なら直接解除はできない)
答え:×(誤り)
🎯 この問題の核心
契約不適合の権利は「ステップアップ」原則。原則は追完請求が先。追完が無理・拒否・相当期間経過してはじめて減額・解除に進める。修理可能なのにいきなり解除は不可。
🧭 判定軸=契約不適合の4つの武器は「ステップアップ」。まず①追完(修理)が先。いきなり解除・減額へ飛び級できるか、自分で判定しよう
⚖ なぜ追完が先か=契約をできる限り維持するのが両者にとって最小の損失だから。だから法は「まず追完→ダメなら減額・解除・損賠」の順序を設計した。解除も§541の催告解除が原則で、催告なしの即解除は例外だけ。
🙋♂️生徒:まず本問(令3問7肢3)。中古車が故障した ── 肢は「修理が可能か否かにかかわらず、修理を請求することなく、契約を解除できる」。買主保護なんだから、壊れてたらすぐ解除できるはず ── これ○ですよね?
👨🏫講師:引っかかったね、答えは×(令3問7肢3)。契約不適合の権利はステップアップ方式。原則は①追完(修理・代替品)請求が先(§562)。売主が拒否・追完不能・相当期間経過して、はじめて②減額・③解除・④損賠へ進める。解除も§541の催告解除が原則だから、修理可能なのに催告なしでいきなり解除はできない。「修理が可能か否かにかかわらず」が誤りだ ── これがステップアップ違反の罠。
🙋♂️生徒:具体的には、中古車のエアコンが効かないケースだと、まず「直して」とお願いして、断られたら解除、という流れですか?
👨🏫講師:その通り。相当の期間を定めて「直して」と催告→拒否/期間経過で、はじめて解除に進む。いきなり「解除する」は飛び級だ。……ところで、解除にはもう一つブレーキがあったね。もう1問いこう。「不適合が軽微でも、買主は契約を解除できる」──○か×か?
🙋♂️生徒:契約と違うんだから、解除はできそう… ○ですか?
👨🏫講師:これも×。§541ただし書で、不履行が軽微なら解除は封じられる(=軽微の壁)。ただし解除だけがNGで、代金減額や損害賠償はOK。ステップアップの中で『解除だけ止める』ブレーキなんだ。
🙋♂️生徒:つまり ── ①追完→催告→(②減額・③解除・④損賠)の順で、修理可能なら解除は飛び級できない。しかも軽微なら解除だけ封じられて、減額・損賠は生きる ── で合ってますか?
👨🏫講師:完璧だ。それがPhase 2Aの型。「いきなり解除」「修理なしで解除」と書いてあればステップアップ違反で即×。「軽微でも解除できる」も軽微の壁で×。ただし損害賠償だけは§415の帰責事由が要る点だけ別ルールとして押さえておこう。
💡 深掘り:
契約不適合の4つの武器はステップアップ。原則は①追完(修理・代替品)請求が先(§562)で、追完が無理・拒否・相当期間経過して、はじめて②代金減額(§563)・③解除・④損害賠償へ進める。解除は§541の催告解除が原則で、催告なしの即解除は例外(追完不能・拒絶明確・§542の無催告解除事由)だけ。さらに不適合が軽微なら解除はNG(§541ただし書)だが、代金減額・損害賠償は請求できる。損害賠償だけは§415の帰責事由が必要という別ルール。
⚡ 仕上げ:引っかけ(○か×か、自分で答えてから開こう)
修理可能な故障でも、追完(修理)請求をせず、直接いきなり契約解除できる(令3問7肢3) → ×:ステップアップ違反。原則は追完請求が先(§562)で、追完が無理・拒否・相当期間経過してはじめて解除へ。修理可能なら催告なしの即解除はできない。
不適合が軽微でも、買主は契約を解除できる(§541ただし書) → ×:軽微の壁。§541ただし書で、不履行が軽微なら解除は封じられる。
【逆罠】不適合が軽微でも、代金減額や損害賠償は請求できる → ○:軽微で封じられるのは解除だけ。代金減額(§563)・損害賠償は請求できる(ただし損害賠償は§415の帰責事由が必要)。
§562①(追完請求権):引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。
§563①(代金減額請求権):前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。
§541ただし書:その債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、解除はできない。
【ポイント】追完→催告→減額/解除のステップアップ。軽微なら解除は封じられる。
契約不適合 / Phase 2A:権利行使の順序
追完請求なしの解除は不可(ステップアップ原則)
令和3年 問7 肢3
📋 問題文
Bが引渡しを受けた甲自動車が故障を起こしたときは、修理が可能か否かにかかわらず、BはAに対して、修理を請求することなく、本件契約の解除をすることができる。
🔑 条件の抽出
不適合甲自動車の故障(種類・品質の不適合)
記述「修理請求なく直ちに解除可」と主張
Phase 2A:権利行使の順序
契約不適合の買主の権利は「ステップアップ」方式。原則は①追完請求(修理/代替品)から。追完が無理・拒否・相当期間経過してはじめて②減額・解除・損害賠償へ進める(§541・§563)。修理可能なら、いきなり解除はできない。
結論
×(誤り)
権利行使はステップアップ。追完請求が先で、追完が無理・拒否・相当期間経過してはじめて解除へ。「修理可能か否かにかかわらず」が誤り。
📋 問題文
Bが引渡しを受けた甲自動車が故障を起こしたときは、修理が可能か否かにかかわらず、BはAに対して、修理を請求することなく、本件契約の解除をすることができる。
Phase 2A:権利行使の順序
修理可能な故障で、いきなり契約解除できる?
最終判定
「修理が可能か否かにかかわらず、修理請求なく解除できる」は正しい?
結論
×(誤り)
権利行使はステップアップ。追完請求が先で、追完が無理・拒否・相当期間経過してはじめて解除へ。「修理可能か否かにかかわらず」が誤り。
暗記ポイント
🎯 試験本番ではこう即答する:4つの権利は「ステップアップ」。①追完請求が先、追完が無理・拒否・期間経過してはじめて②減額・③解除・④損害賠償へ進める。「いきなり解除」「修理なしで解除」と書いてあれば即×。
- 原則:追完請求 → 催告 → 減額・解除・損賠
- 催告不要例外:履行不能・拒絶明確・無催告解除事由(§542)
- 軽微の壁:軽微な不適合は解除NG(減額・損賠はOK)
- 損害賠償だけ別ルール:§415の帰責事由が必要
⚠️ よくある引っかけ
- 「修理可能でも、追完請求なしで直接解除できる」→ ×。ステップアップ違反
- 「軽微な不適合でも解除できる」→ ×。§541ただし書で解除NG
【まとめ】📌 この記事の核心
📌 この記事の核心
⚖ Phase 2Aは「権利行使の順序」。追完が先、ダメなら減額・解除・損賠のステップアップ。軽微なら解除NG。本問は「修理可能か否かにかかわらず修理請求なく解除」が誤り(ステップアップ違反)。
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