まず1問 ― 議決権は書面で出せない?(昭和63年 問14 肢1)
集会の議決権の行使は,集会に出席して行うことを要し,書面で,又は代理人によって行うことはできない。
📌 本問は長男の話。集会は開かれる前提で「出席して行うことを要し、書面・代理人ではできない」と断言 ⇒ §39②の明文と真っ向から食い違う。
§39②が明文で「議決権は、書面又は代理人によっても行使することができる」と保障しています。規約の定めも、全員の同意・承諾も不要=完全に自由。「できない」と断言する本肢は×。約38年前の肢ですが、§39②の骨格は現行法(令和8年4月施行)でも同じ=今出ても×です。
では、なぜ次男(書面による決議)には全員の承諾が要るのに、長男は自由なのか? ここからが本題です。
🧠 なぜこうなる? ― 講師と生徒で”天秤”に乗せる
「集会の議決権の行使は,集会に出席して行うことを要し,書面で,又は代理人によって行うことはできない。」
手1:集会は開かれる前提で「票の出し方」を断言している=長男(§39②)の論点。手2:§39②の明文に真っ向から反する。「書面決議=全員の承諾」の知識をここへ持ち込ませるのが出題者の狙いだ。手3:×。約38年前の肢だが、§39②の骨格は現行法でも同じ=今出ても×だ。
・同意=§36 招集手続の省略(全員の同意で招集通知をスキップ)
・承諾=§45① 書面による決議(”やり方”へのOK・中身は多数決)
・合意=§45②(中身への全員一致・即「決議があったものとみなす」)
ついでに1行だけ対比しておく。議事録の署名は議長+集会に出席した区分所有者の2名(「全員」は×)。招集省略や議事録の深掘りは姉妹記事の主戦場だから、ここではこの対比だけで十分だ。
- 三兄弟=長男§39②書面・代理行使(集会あり・完全に自由・出席に算入)/次男§45①書面による決議(集会なし・“やり方”に全員の承諾・中身は各議題の定数の多数決)/三男§45②全員の書面合意(採決なし・決議があったものとみなす)
- 三語割当=同意=§36招集省略/承諾=§45①/合意=§45②
- 電磁的方法だけは授権要(§39③・規約又は集会の決議。定めがあれば書面とみなして出席算入)
- 「全員」の正体=区分所有者(議決権を有しないものを除く)全員(§38の2の裁判で除外された者は頭数外)
📖 条文チェック(§39②③・§45①②③・§36・§38の2・§42③)
§39②(議決権の書面・代理行使):議決権は、書面又は代理人によっても行使することができる(=自由・規約の定め不要)。後段=書面・代理行使をした者の頭数と議決権は「出席した区分所有者」の数・議決権に算入する。
§39③(電磁的方法):規約又は集会の決議により、書面に代えて電磁的方法で議決権を行使できる。この場合、書面による行使とみなして後段(出席算入)を適用。
§45①(書面又は電磁的方法による決議):区分所有者(議決権を有しないものを除く)全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議ができる(=集会を開かない)。決議自体は各議題の定数の多数決。
§45②:区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があったときは、書面又は電磁的方法による決議があったものとみなす。
§45③:書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。
§36(招集手続の省略):区分所有者(議決権を有しないものを除く)全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで集会を開ける。
§38の2(所在等不明区分所有者):裁判所の裁判により議決権を有しない扱いにできる → 三兄弟の「全員」の頭数から外れる(単なる行方不明では自動除外されない)。
対比:§42③(議事録):議事録の署名は議長+集会に出席した区分所有者の2名(「全員」は×)。
集会の議決権の行使は,集会に出席して行うことを要し,書面で,又は代理人によって行うことはできない。
集会の議決権の行使は,集会に出席して行うことを要し,書面で,又は代理人によって行うことはできない。
書面・代理人による議決権行使、書面による決議、招集・集会運営の過去問は、ドリルの論点④にまとめてあります。3手(見分ける→決め手→○×)で腕試し。
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