抵当権・根抵当権 | アルゴリズムで解く
過去問を「型」で解く ─ 個別暗記をやめた瞬間、解き方が変わる
宅建で毎年問われる最重要分野を、「いま戦いはどの段階か」を決める5ステップで仕分ける。
こんな経験はありませんか?
テキストを読んで「法定地上権」「物上代位」「根抵当権」「順位の譲渡と放棄」…と用語は覚えた。問題集も何周もした。それなのに本試験で抵当権の問題が出るたびに「これは成立するんだっけ?」「誰が請求できるんだっけ?」「登記が先?差押えが先?」と迷ってしまう。覚えるルールが増えれば増えるほど、頭の中がごちゃごちゃになっていく。
それは勉強量の問題ではなく、型がないからです。抵当権・根抵当権は、論点を1つずつ暗記する分野ではなく、「いま戦っているのは契約段階か、第三者とのバトルか、競売・清算か」をまず仕分ける型さえ持てば、驚くほど機械的に解けるようになります。
この型で何ができるか
✅ 対象:抵当権・根抵当権を一通り勉強したが、問題を解くとき何から考えればいいか迷う方
まずは1問、体験してみてください。
A所有の甲土地に、BのCに対する借金を担保するCの抵当権が登記されている。その後、借金の主たる債務者であるBが、Aから甲土地を買い受けた。Bは「この土地の時価を払うので抵当権を消してほしい」と、抵当権消滅請求をすることができるか?
※この問題(令和4年 問4 肢4)はドリルにも収録されています=ドリルでは復習用
❌ 型がないと…
「Bは土地を買い受けて新しい所有者になったよね。抵当不動産を取得した“第三取得者”なんだから、抵当権消滅請求もできそう…いや、でも債務者だしどうだっけ?」と、「新所有者」という見た目に引っぱられて迷ってしまう。
⭕ 型があると…
Step 4:第三者バトルの「資格チェック」から始める。
「抵当権消滅請求ができるのはクリーンな第三取得者だけか?」
→ Bは土地を買っても借金の張本人=主たる債務者。
→ 債務者・保証人・連帯保証人は絶対に不可(§380)。
→ 時価だけ払って借金を踏み倒すズルを防ぐため。請求できない、と判断できる。
※ これは抵当権の「第三者バトル(抵当権消滅請求)」の問題です。型があれば、まず”誰が消せるのか”の資格チェックを通すので、「新しい所有者だから」という見た目に惑わされません。
なぜ型が必要か、そしてどこから来たのか
抵当権・根抵当権が難しく感じるのは、覚えることが多いからではありません。「いまどの場面の話か」を切り分けないまま、全部の論点を一列に暗記しようとするからです。型は、覚える対象そのものを変えます。
| 個別暗記 | 型(アルゴリズム) | |
|---|---|---|
| 覚える対象 | 問題ごとの答え | 判断の分岐点(条件) |
| 問題数が増えると | 記憶が崩れる | 応用できる |
| 覚える量 | 増え続ける | 構造は一定 |
※ 型は暗記をゼロにするのではなく、「何を覚えるか」を変えるものです。
このアルゴリズムは、型なしで個別に暗記を続けた経験を持つ筆者が、AIで宅建の過去問を分析する中で気づいた型です。ある試験の合格者から「すべて暗記する必要はない」と言われ、当時はまったく意味がわかりませんでした。AIと過去問を分析してみて初めて、あの言葉の意味が理解できました。過去問から抽象化した型を作り、その型で問題を解く。これがこのブログのアルゴリズムの出発点です。
【調査範囲】昭和63年〜令和7年の権利関係の過去問を自前で分析し、うち担保物権(抵当権・根抵当権が中心)の出題を対象にしています。
● フロー(5ステップの型+ダッシュボード)で解ける:大半
◐ 対象外・要深掘り:残り
※ よく出る論点(第三取得者・賃借人・物上代位・順位/配当・法定地上権)を中心に、型で機械的に仕分けられます。対象外は「時効」「物権変動」「契約不適合」など他カテゴリと複合する問題や、配当の細かい計算など。これらは無理にこの地図を使わず、該当分野へパスを回すのが正解です(解説記事の中で「パス回し」として明示しています)。
抵当権・根抵当権「5ステップ」の型
この分野は、問題文を読んだらまず「いまどのステップの話か」を仕分けるのが型の使い方です。5つのステップそれぞれに、判断の分岐点があります。
Step 1
抵当権の基礎
質権との違い・借地上建物への波及・効力の範囲(磁石の法則)・不可分性。
Step 2
根抵当権
随伴性なし(ダーツボード)・極度額のリミッター・元本の確定・変更と順位譲渡。
Step 3
順位と配当
順位の変更(外野はすっこんでろ)・譲渡/放棄の合算プール・共同抵当の配当。
Step 4
第三者バトル
消滅請求・代価弁済・賃借人の明渡猶予・物上代位・妨害排除・混同・時効。
Step 5
法定地上権・代位
法定地上権(📸シャッターの法則)・一括競売・再築の例外・保証人と物上保証人の代位。
この型の使い方
この型の練習は難しくありません。自分の過去問集を開いて、抵当権・根抵当権の問題が出たら、まず「いまどのステップの話か(設定/根抵当/配当/第三者バトル/競売清算)」から当てはめてみてください。
型を一度使ってみたあとは、練習の場もサイト内に用意してあります:
型で解けた体験が重なるたびに、テキストの知識が試験の得点に確かにつながっていく感覚が生まれます。「なぜこのルールなのか」が気になり始めたら、それは型が身についてきたサインです。そのときは各解説記事に進んでください。
🚀 まずここから始める
最初に「判断アルゴリズム全体マップ」で、5ステップとダッシュボードの地図を1枚で眺めてみてください。問題を読んで「いまどこの話か」を指させるようになれば、もう個別暗記には戻れません。
🗺 抵当権・根抵当権の判断アルゴリズムを使ってみる →