日本では土地と建物が別の不動産。土地だけ競売で他人のものになると、建物は不法占拠になり取り壊しに……それを防ぐ魔法の権利が法定地上権です。発動条件は「📸1番抵当権を設定した瞬間に、土地の上に建物があり、土地と建物の所有者が同じ」。今回はこの原則と、更地のときの救済「一括競売」を一撃で押さえます。
本日のターゲット問題(平成21年 問7 肢2/平成27年 問6 肢4)
①更地への設定(平成21年 問7 肢2)
更地である土地の抵当権者が抵当権設定後に地上建物が建築されることを承認した場合であっても、土地の抵当権設定時に土地と所有者を同じくする地上建物が存在していない以上、地上建物について法定地上権は成立しない。
更地に抵当設定(建物なし)→ 後で建物の建築を抵当権者が承認しても → 設定時に建物がなければ法定地上権は成立しない(一括競売は可)
②一括競売(平成27年 問6 肢4)
土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、一定の場合を除き、抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。
土地に抵当 → その後に建物が築造される → 抵当権者は土地と建物を一括競売できる → §389。一括競売できるが、優先弁済を受けられるのは"土地の代価"のみ
【Step 5】法定地上権 ─ 📸シャッターを切った写真で決まる
成立の絶対条件(§388)=1番抵当権の設定時に
① 土地の上に「建物」が存在 +
② 土地と建物が「同一所有者」
肢① 更地に設定(写真に建物なし)
→ 後で建物を建てても法定地上権は不成立(○)
※銀行は「更地=高く売れる」と期待して貸したから
肢② 救済=一括競売(§389)
更地に設定後に建物築造 → 土地と建物をセットで競売OK
ただし優先弁済は「土地の代金」からのみ(建物は担保外)→ ○
答え:①◯(正しい)/②◯(正しい)
法定地上権は1番抵当権設定の瞬間(📸シャッター)に建物があり同一所有が条件(§388)。更地なら後から建てても不成立(①○)。更地に建てた建物は取り壊し回避のため一括競売できるが、優先弁済は土地代のみ(建物は担保外=②○)。
§388(法定地上権):土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。
§389①(一括競売):抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。
【ポイント】成立は1番抵当権設定時に「建物あり+同一所有」。更地は不成立だが一括競売可(優先弁済は土地代のみ)。
暗記ポイント
🎯 試験本番ではこう即答する:1番抵当権設定時に「建物あり+同一所有」なら成立。更地なら不成立+一括競売(優先弁済は土地代のみ)。
| 設定時(📸) | 法定地上権 | 競売 | 優先弁済 |
| 更地 | × 不成立 | 一括競売できる | 土地代のみ |
| 建物あり+同一所有 | 〇 成立 | 土地だけ競売でOK | 土地代のみ |
🏋 過去問アルゴリズム道場
①更地への設定(平成21年 問7 肢2)
更地である土地の抵当権者が抵当権設定後に地上建物が建築されることを承認した場合であっても、土地の抵当権設定時に土地と所有者を同じくする地上建物が存在していない以上、地上建物について法定地上権は成立しない。
記述どおり ○
基準は1番抵当権設定時(📸シャッター)。更地なら建物が写っていないので後から建てても不成立。銀行の更地評価の期待を守るため。
①更地への設定(平成21年 問7 肢2)
更地である土地の抵当権者が抵当権設定後に地上建物が建築されることを承認した場合であっても、土地の抵当権設定時に土地と所有者を同じくする地上建物が存在していない以上、地上建物について法定地上権は成立しない。
成立判定の基準時は?
更地に設定後、建物のため法定地上権は?
『更地への設定後に建物が建っても、法定地上権は成立しない』は正しい?
記述どおり ○
基準は1番抵当権設定時(📸シャッター)。更地なら建物が写っていないので後から建てても不成立。銀行の更地評価の期待を守るため。
②一括競売(平成27年 問6 肢4)
土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、一定の場合を除き、抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。
記述どおり ○
更地に設定後の建物は取り壊し回避のため一括競売できるが、建物は担保外なので優先弁済は土地代のみ(§389)。
②一括競売(平成27年 問6 肢4)
土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、一定の場合を除き、抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。
設定後築造の建物も競売できる?
建物の代金から優先弁済を受けられる?
『一括競売できるが、優先権は土地の代価についてのみ行使できる』は正しい?
記述どおり ○
更地に設定後の建物は取り壊し回避のため一括競売できるが、建物は担保外なので優先弁済は土地代のみ(§389)。
【まとめ】📌 この記事の核心
📌 この記事の核心
⚖ 法定地上権は1番抵当権設定の瞬間(📸シャッター)に「建物あり+同一所有」なら成立(§388)。更地は不成立(銀行の更地評価の期待を守る)。更地に建てた建物は一括競売で取り壊しを回避できるが、優先弁済は土地代のみ(§389)。本問は①②とも○。