【抵当権・根抵当権】Step 5:法定地上権の例外 ─ 共同抵当+再築は不成立

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この記事は〈抵当権の型〉で迷った論点だけを読む場所です。順に全部読む必要はありません。

「シャッターを切った時には家があったのに、魔法のバリアが発動しない!?」──法定地上権の最凶トラップが「共同抵当+取り壊し・再築」です。土地と建物の両方を担保に取った銀行が、建物を壊されて土地まで安く売れなくなる大損を防ぐため、最高裁は例外的に法定地上権を不成立にしました。この例外コンボを一撃で押さえます。

目次

本日のターゲット問題(平成30年 問6 肢3)

Aが甲土地に抵当権を設定登記するのと同時に乙建物にもCのために共同抵当権を設定登記した後、乙建物を取り壊して丙建物を建築し、丙建物にCのために抵当権を設定しないまま甲土地の抵当権が実行された場合、丙建物のために法定地上権は成立しない。

【Step 5】法定地上権の例外 ─ 共同抵当+再築は不成立

  フローD:
   Q1 設定時に建物あった? → YES
   Q2 同一所有だった?     → YES(原則は成立ルート)
   Q3【例外トラップ】共同抵当の後で取り壊し・再築?
        → YES → 原則として法定地上権は不成立(最判平9.2.14)

  本問:土地建物に共同抵当→乙を壊して丙を再築(丙に抵当権なし)
        → 丙建物のために法定地上権は成立しない …… ○

  理由:銀行は土地+建物の合計で回収予定→建物消失で計算が狂う
        新建物に法定地上権を認めると土地まで暴落し大損

答え:◯(正しい)

🎯 この問題の核心

原則は成立しそうでも、共同抵当の後に建物が取り壊され再築されると、銀行が土地+建物で計算した担保が狂い、新建物に法定地上権を認めると土地まで暴落して大損する。だから例外的に不成立(最判平9.2.14)。本肢は「成立しない」で○。

🧭 判定軸=📸シャッター(設定時)に家があっても、“共同抵当+再築”でバリアは消える。まず自分で解こう
法定地上権は原則「設定時に建物あり+同一所有」で成立。でも共同抵当を組んだ土地建物で建物を壊して建て替えると、銀行の担保計算が狂うため例外的に不成立(最判平9.2.14)。まず自分で○×を出してみよう。
🙋‍♂️
生徒:まず本問(平成30年 問6 肢3)から。土地と建物に共同抵当を設定した後、乙建物を取り壊して丙建物を再築し、丙に抵当権を設定しないまま甲土地の抵当権が実行された。丙という新しい家が現に建っているんだから、その家のために法定地上権は成立しますよね。だから「成立しない」という本肢は×だと思います。
👨‍🏫
講師:きれいに引っかかったね。答えは。📸シャッター(設定時)に家があっても、共同抵当+取り壊し・再築のコンボが来ると例外でバリアは復活しない(最判平9.2.14)。銀行は『土地の価値+建物の価値』の合計で回収する計算だったのに、建物を壊されて計算が狂う。ここで新建物に法定地上権を認めたら、土地まで『他人の家が居座る安い底地』になって二重の大損。だから丙建物のために法定地上権は成立しない=本肢は○だ。
🙋‍♂️
生徒:なるほど…でも普通に建物が建っていて土地建物が同じ持ち主なら、法定地上権は成立しますよね? 何が例外の引き金なんですか?
👨‍🏫
講師:引き金は2つがセット=「共同抵当」+「取り壊し・再築」。土地だけの抵当なら関係ない。ではもう1問いくよ。「共同抵当ではなく土地のみに抵当権を設定し、建物を取り壊して再築した後に土地の抵当権が実行された場合、法定地上権は成立しない」──○か×か?
🙋‍♂️
生徒:さっき「再築があると不成立」って習ったばかりだから…ですか?
👨‍🏫
講師:今度は逆に引っかかったね。×だ。例外の要件は“共同抵当”。土地だけの抵当なら、建物を建て替えても原則どおり成立する。『再築』という言葉だけで飛びつくと足元をすくわれる。反転するのは共同抵当のときだけだよ。
🙋‍♂️
生徒:具体的にイメージできました。銀行が土地と建物の両方を担保に取ったのに、建物が消えて新しい家がタダで地上権を握ったら、土地は安い底地に暴落してしまう。だから共同抵当のときだけバリアを切って、更地として高く売れるようにするんですね。
👨‍🏫
講師:その通り。共同抵当は『土地+建物をワンセットで回収する』という約束だ。だから建物を壊されたら、新建物にバリアを付けず更地として評価できるようにするのが公平なんだ。
🙋‍♂️
生徒:つまり見るのは2軸だけ。①共同抵当か(土地だけなら原則どおり成立)②取り壊し・再築があるか。この両方がそろった時だけ、シャッター(設定時に家あり)を無視して不成立に反転する。これで全部さばけますね。
💡 深掘り:
例外の引き金は2つセット=「共同抵当(土地+建物を一括担保)」+「取り壊し・再築」。この両方がそろった時だけ、原則(設定時に建物あり+同一所有=成立)を破って不成立に反転する(最判平9.2.14)。共同抵当でなければ、再築があっても原則どおり成立。
⚡ 仕上げ:引っかけ(○か×か、自分で答えてから開こう)
土地建物に共同抵当を設定した後、建物を取り壊して再築(新建物に抵当権なし)し、土地の抵当権が実行された場合、新建物のために法定地上権は成立しない(平成30年 問6 肢3):共同抵当+再築は例外で原則不成立(最判平9.2.14)。本肢は「成立しない」なので
設定時に建物があり土地建物が同一所有で、共同抵当でも再築でもない通常のケースで抵当権が実行された場合、法定地上権は成立する(§388の原則):例外の引き金(共同抵当+再築)がそろっていないので、§388の原則どおり成立
共同抵当ではなく土地のみに抵当権を設定した場合でも、建物を取り壊して再築すれば法定地上権は成立しない×:【逆罠】例外の要件は“共同抵当”。土地だけの抵当なら原則どおり成立するので「成立しない」は誤り。“再築”の語だけで飛びつくと引っかかる。

§388(法定地上権):土地及び建物が同一所有者に属する場合に、抵当権の実行で所有者を異にするに至ったときは、建物について地上権が設定されたものとみなす(原則)。

最判平9.2.14土地と建物に共同抵当権が設定された後、建物が取り壊され再築された場合、特段の事情がない限り、新建物のために法定地上権は成立しない

【ポイント】原則(Q1建物あり・Q2同一所有)を満たしても、Q3=共同抵当+再築なら不成立に反転。

暗記ポイント

🎯 試験本番ではこう即答する:原則(建物あり+同一所有)でも、「共同抵当」+「取り壊し・再築」のコンボを見たら不成立に反転。フローDは最後にQ3(例外)まで通す。

パターンキーワード法定地上権
原則設定時に家が建っている+同一所有〇 成立
例外(本問)共同抵当+取り壊し・再築× 不成立(銀行の大損を防ぐ)

🏋 過去問アルゴリズム道場

Step 5:法定地上権
再築の例外 ─ 共同抵当+再築は不成立
平成30年 問6 肢3
📋 問題文

Aが甲土地に抵当権を設定登記するのと同時に乙建物にもCのために共同抵当権を設定登記した後、乙建物を取り壊して丙建物を建築し、丙建物にCのために抵当権を設定しないまま甲土地の抵当権が実行された場合、丙建物のために法定地上権は成立しない。

🔑 条件の抽出
状況土地建物に共同抵当→乙を壊し丙を再築
問い丙建物に法定地上権は成立するか
Step① フローD:例外トラップ検知
設定時に建物あり(Q1=YES)・同一所有(Q2=YES)で原則は成立ルート。だが共同抵当の後に取り壊し・再築(Q3=YES)があると例外。
Step② 原則不成立
銀行は土地+建物の合計で回収予定→建物消失で計算が狂う。新建物に法定地上権を認めると土地まで暴落して大損するから原則として法定地上権は不成立(最判平9.2.14)。本肢「成立しない」は
結論

記述どおり ○

共同抵当の後に建物が取り壊され再築されると銀行の担保計算が狂い、新建物に法定地上権を認めると土地まで暴落する。だから例外的に不成立(最判平9.2.14)。

📋 問題文

Aが甲土地に抵当権を設定登記するのと同時に乙建物にもCのために共同抵当権を設定登記した後、乙建物を取り壊して丙建物を建築し、丙建物にCのために抵当権を設定しないまま甲土地の抵当権が実行された場合、丙建物のために法定地上権は成立しない。

Step① フローD:例外トラップ検知

共同抵当+再築は何ルート?

Step② 原則不成立

丙建物に法定地上権は?

最終判定

『丙建物のために法定地上権は成立しない』は正しい?

結論

記述どおり ○

共同抵当の後に建物が取り壊され再築されると銀行の担保計算が狂い、新建物に法定地上権を認めると土地まで暴落する。だから例外的に不成立(最判平9.2.14)。

【まとめ】📌 この記事の核心

📌 この記事の核心
⚖ 法定地上権は原則(設定時に建物あり+同一所有)で成立するが、土地建物の共同抵当の後に建物が取り壊され再築されると、銀行の担保計算が狂い土地まで暴落するのを防ぐため、例外的に不成立(最判平9.2.14)。本問は共同抵当+再築なので「成立しない」=○。フローDは必ずQ3まで通す。


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