【抵当権・根抵当権】Step 5:法定地上権 ─ 更地は不成立・一括競売は【📸シャッターの法則】

📘 深掘り解説 | 抵当権の順路 3 / 4 Step 5:法定地上権の成立(📸シャッターの法則)と一括競売 のくわしい解説です
この記事は〈抵当権の型〉で迷った論点だけを読む場所です。順に全部読む必要はありません。

日本では土地と建物が別の不動産。土地だけ競売で他人のものになると、建物は不法占拠になり取り壊しに……それを防ぐ魔法の権利が法定地上権です。発動条件は「📸1番抵当権を設定した瞬間に、土地の上に建物があり、土地と建物の所有者が同じ」。今回はこの原則と、更地のときの救済「一括競売」を一撃で押さえます。

目次

本日のターゲット問題(平成21年 問7 肢2/平成27年 問6 肢4)

①更地への設定(平成21年 問7 肢2)
更地である土地の抵当権者が抵当権設定後に地上建物が建築されることを承認した場合であっても、土地の抵当権設定時に土地と所有者を同じくする地上建物が存在していない以上、地上建物について法定地上権は成立しない。

🗺 登場人物の関係
更地に抵当設定(建物なし)→ 後で建物の建築を抵当権者が承認しても
→ 設定時に建物がなければ法定地上権は成立しない(一括競売は可)

②一括競売(平成27年 問6 肢4)
土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、一定の場合を除き、抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。

🗺 登場人物の関係
土地に抵当 → その後に建物が築造される → 抵当権者は土地と建物を一括競売できる
→ §389。一括競売できるが、優先弁済を受けられるのは"土地の代価"のみ
【Step 5】法定地上権 ─ 📸シャッターを切った写真で決まる

  成立の絶対条件(§388)=1番抵当権の設定時に
    ① 土地の上に「建物」が存在 +
    ② 土地と建物が「同一所有者」

  肢① 更地に設定(写真に建物なし)
     → 後で建物を建てても法定地上権は不成立(○)
     ※銀行は「更地=高く売れる」と期待して貸したから

  肢② 救済=一括競売(§389)
     更地に設定後に建物築造 → 土地と建物をセットで競売OK
     ただし優先弁済は「土地の代金」からのみ(建物は担保外)→ ○

答え:①◯(正しい)/②◯(正しい)

🎯 この問題の核心

法定地上権は1番抵当権設定の瞬間(📸シャッター)に建物があり同一所有が条件(§388)。更地なら後から建てても不成立(①○)。更地に建てた建物は取り壊し回避のため一括競売できるが、優先弁済は土地代のみ(建物は担保外=②○)。

🧭 判定は📸シャッターを切った一枚で決まる ── まず自分で○×をコミット
法定地上権は「1番抵当権を設定した瞬間の写真」が全て。更地か、建物あり+同一所有か。本問(平21問7肢2・平27問6肢4)に自分で○×を出してから読み進めよう。
👨‍🏫
講師:📸 法定地上権は「1番抵当権を設定した瞬間の一枚の写真」で運命が決まる。土地だけ競売で持ち主が分かれると建物は取り壊し ── それを防ぐのが法定地上権(§388)だ。ではターゲットから。平21問7肢2:更地に抵当権を設定し、その後の地上建物の築造を抵当権者が承認した場合であっても、法定地上権は成立しない。○か×か、まず答えて。
🙋‍♂️
生徒:承認までしてるんですよね? 抵当権者が『建てていいよ』と認めたなら、その建物は守ってあげるべき…。だからこの肢『成立しない』は×だと思います。
👨‍🏫
講師:そこが罠。答えはだ。基準は設定した瞬間の📸写真 ── 更地なら写真に建物は写っていない。あとで承認しようが建てようが、後発の建物には絶対に成立しない。銀行は『更地=上に何もなく高く売れる』と評価して貸したのに、後から法定地上権で土地価値を暴落させるわけにいかないからね。だから平21問7肢2は○。
🙋‍♂️
生徒:写真に写ってなきゃダメか…。でも、せっかく建てた家を壊すのはもったいなくないですか?
👨‍🏫
講師:そこで救済が一括競売(§389)だ。次のターゲット、平27問6肢4:土地に抵当権設定後に建物が築造されたとき、抵当権者は土地とともに建物も競売できるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使できる。○か×?
🙋‍♂️
生徒:土地と建物をセットで競売できるなら、その代金も丸ごと回収できるはず。『土地の代価についてのみ』は狭すぎる気が…×でどうですか?
👨‍🏫
講師:また引っかかったね、答えは。一括競売で建物もセットで売れるけど、銀行が担保に取ったのは土地だけ。だから優先弁済を受けられるのは土地の代金からのみで、建物の代金は横取りできない(§389)。平27問6肢4は○だ。
🙋‍♂️
生徒:整理します。基準時=設定した瞬間の📸に『①建物あり+②同一所有』が写っているか。更地なら不成立だけど、取り壊し回避で一括競売はできる。ただし優先弁済は土地代のみ。この2つを見ればいいんですね。
👨‍🏫
講師:その通り。📸の一枚に何が写っているか ── それだけを見れば、法定地上権も一括競売も全部さばける。
👨‍🏫
講師:……ただ、ひとつ言い残した。さっき君は『取り壊し回避で一括競売はできる』と言い切ったね。肢2をもう一度読んでごらん。『一定の場合を除き』——僕はさっき、この一句を読み飛ばして復唱していた。
🙋‍♂️
生徒:本当だ。……『一定の場合』って、何ですか?
👨‍🏫
講師:先に、一括競売が何のための制度かを考えよう。更地に抵当権を設定した後、建物が建った。土地だけ競売にかけたら、買った人はどうなる?
🙋‍♂️
生徒:他人の建物が建っている土地を買うことになる……使えないですよね。
👨‍🏫
講師:そう。しかもその建物には法定地上権が成立しない——土地を使う権利がない。つまり、いずれ出ていく運命の建物だ。だったら?
🙋‍♂️
生徒:先に一緒に売ってしまった方が、土地も売れるし建物も無駄になりませんね。
👨‍🏫
講師:それが一括競売だ。居座れない建物を一緒に片付けて、土地を売れる形にする制度。……では逆に、その建物が居座れるとしたら?
🙋‍♂️
生徒:……あ。土地を使う権利を、抵当権者にもちゃんと主張できる建物なら、出ていく必要がない。
👨‍🏫
講師:そこだ。§389②は『その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない』と定める。正当に居座れる建物まで、抵当権者の都合で売り飛ばすのは行き過ぎだからだ。
🙋‍♂️
生徒:『一定の場合』の中身は、その建物が土地に居座れるかどうかなんですね。
👨‍🏫
講師:もう一つ見ておこう。条文は『誰が建てたか』を一言も問うていない。抵当権を設定した本人が建てようが、第三者が建てようが、一括競売できるかは『居座れるか』だけで決まる
🙋‍♂️
生徒:じゃあ『建物を第三者が建てた場合は一括競売できない』という肢が来たら——×。条文にない条件を足していますね。
👨‍🏫
講師:そのとおり。📸の写真で法定地上権を切り、居座れるかで一括競売を切る。逆に肢に『一定の場合を除き』と書いてあれば、出題者はこの例外を知った上で正確に書いているという合図だ。
💡 深掘り:
📸 基準時=1番抵当権の設定時の一枚に『①建物あり+②同一所有』が写っていれば法定地上権は成立(§388)。更地は不成立だが、取り壊し回避のため一括競売はできる。ただし建物は担保外なので優先弁済は土地の代価のみ(§389)。この2軸だけで法定地上権のひっかけは見抜ける。
⚡ 仕上げ:引っかけ(○か×か、自分で答えてから開こう)
更地に抵当権を設定後、抵当権者が建物の築造を承認しても、その建物に法定地上権は成立しない(平21問7肢2):基準は設定時の📸写真。更地なら後発の建物は成立しない(§388)。
一括競売では、抵当権者は建物の代価からも優先弁済を受けられる×:建物は担保外。優先弁済は土地の代価のみ(§389)。
設定時に建物があり土地と建物が同一所有なら、競売で所有者が分かれても法定地上権は成立する:【逆罠】更地でなく写真に『建物あり+同一所有』が写っていれば、法定地上権はちゃんと成立する(§388)。

§388(法定地上権):土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす

§389①(一括競売):抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。

【ポイント】成立は1番抵当権設定時に「建物あり+同一所有」。更地は不成立だが一括競売可(優先弁済は土地代のみ)。

暗記ポイント

🎯 試験本番ではこう即答する1番抵当権設定時に「建物あり+同一所有」なら成立更地なら不成立+一括競売(優先弁済は土地代のみ)

設定時(📸)法定地上権競売優先弁済
更地× 不成立一括競売できる土地代のみ
建物あり+同一所有〇 成立土地だけ競売でOK土地代のみ

🏋 過去問アルゴリズム道場

Step 5:法定地上権
法定地上権 ─ 更地に建物はつかない
平成21年 問7 肢2
📋 問題文

①更地への設定(平成21年 問7 肢2)
更地である土地の抵当権者が抵当権設定後に地上建物が建築されることを承認した場合であっても、土地の抵当権設定時に土地と所有者を同じくする地上建物が存在していない以上、地上建物について法定地上権は成立しない。

🔑 条件の抽出
📸1番抵当権設定時に建物が存在したか
状況更地に設定・後で建物承認
Step① シャッターを切った瞬間
法定地上権の絶対条件(§388)=1番抵当権設定時に①土地上に建物が存在+②土地建物が同一所有。設定時が📸シャッター。
Step② 更地は不成立
設定時が更地(写真に建物なし)なら、後で建物を建てても・承認しても法定地上権は不成立。銀行は「更地=高く売れる」と期待して貸したから。本肢「成立しない」は
結論

記述どおり ○

基準は1番抵当権設定時(📸シャッター)。更地なら建物が写っていないので後から建てても不成立。銀行の更地評価の期待を守るため。

📋 問題文

①更地への設定(平成21年 問7 肢2)
更地である土地の抵当権者が抵当権設定後に地上建物が建築されることを承認した場合であっても、土地の抵当権設定時に土地と所有者を同じくする地上建物が存在していない以上、地上建物について法定地上権は成立しない。

Step① シャッターを切った瞬間

成立判定の基準時は?

Step② 更地は不成立

更地に設定後、建物のため法定地上権は?

最終判定

『更地への設定後に建物が建っても、法定地上権は成立しない』は正しい?

結論

記述どおり ○

基準は1番抵当権設定時(📸シャッター)。更地なら建物が写っていないので後から建てても不成立。銀行の更地評価の期待を守るため。

Step 5:一括競売
一括競売 ─ 優先弁済は土地代のみ
平成27年 問6 肢4
📋 問題文

②一括競売(平成27年 問6 肢4)
土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、一定の場合を除き、抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。

🔑 条件の抽出
救済更地に設定後、建物築造
限度優先弁済は土地の代価のみ
Step① 一括競売で取り壊し回避
更地に設定後に建物が築造されたとき、抵当権者は土地とともに建物も競売できる(§389)。バラバラだと建物取り壊しになるのを避けるため。
Step② 優先弁済は土地代のみ
ただし建物は担保外なので、優先弁済は「土地の代金」からのみ(§389)。本肢「優先権は土地の代価についてのみ」は記述どおり○
結論

記述どおり ○

更地に設定後の建物は取り壊し回避のため一括競売できるが、建物は担保外なので優先弁済は土地代のみ(§389)。

📋 問題文

②一括競売(平成27年 問6 肢4)
土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、一定の場合を除き、抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。

Step① 一括競売で取り壊し回避

設定後築造の建物も競売できる?

Step② 優先弁済は土地代のみ

建物の代金から優先弁済を受けられる?

最終判定

『一括競売できるが、優先権は土地の代価についてのみ行使できる』は正しい?

結論

記述どおり ○

更地に設定後の建物は取り壊し回避のため一括競売できるが、建物は担保外なので優先弁済は土地代のみ(§389)。

【まとめ】📌 この記事の核心

📌 この記事の核心
⚖ 法定地上権は1番抵当権設定の瞬間(📸シャッター)に「建物あり+同一所有」なら成立(§388)。更地は不成立(銀行の更地評価の期待を守る)。更地に建てた建物は一括競売で取り壊しを回避できるが、優先弁済は土地代のみ(§389)。本問は①②とも○。


読み終えたら | 抵当権の順路 3 / 4
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