【抵当権・根抵当権】Step 4:抵当権消滅請求と代価弁済 ─ 消せるのは誰だ【ダミー警告(資格チェック)】

📘 深掘り解説 | 抵当権の順路 3 / 4 Step 4:第三取得者の保護(抵当権消滅請求・代価弁済) のくわしい解説です
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抵当権付きの家は「いつ爆発するか分からない時限爆弾」。その爆弾を消す制度が「抵当権消滅請求」と「代価弁済」です。本試験はこの2つをわざと混ぜて引っかけてきます。攻略の軸は3つだけ。①誰が消せるか(資格)②言い出しっぺは誰か(主導権)③いつまでか(タイムリミット)。これで爆弾処理問題を一撃判定します。

目次

本日のターゲット問題(令和4年 問4 肢4)

A所有の甲土地にBのCに対する債務を担保するためにCの抵当権が設定・登記された。BがAから甲土地を買い受けた場合、Bは抵当不動産の第三取得者として、本件抵当権について、Cに対して抵当権消滅請求をすることができる。(※Bは主たる債務者)

🗺 登場人物の関係
    抵当権(C)=Bの債務を担保
 A(元所有者)━ 甲土地を売却 ━▶ B
              (買主=第三取得者)
               =実は「主たる債務者」本人
               │抵当権消滅請求できる?

⇒ 第三取得者になっても、主たる債務者・保証人は消滅請求できない(§380)
  → B(主債務者)は消滅請求×【肢は誤り】
【Step 4】爆弾解除 ─ 3つの軸で仕分け

  ① 資格(誰が消せる?)§379・380
     第三取得者(クリーンな購入者)→ ○ できる
     主たる債務者・保証人・連帯保証人 → ✗ 絶対不可(ダミー警告)

  本問:買い受けたBは「主たる債務者」=張本人
        → 消滅請求できない …… ✗ 誤り

  ② 主導権(言い出しっぺ)
     抵当権消滅請求 = 第三取得者から「この金で消せ!」
     代価弁済       = 抵当権者から「払ったら消してやる」(§378)

  ③ タイムリミット
     消滅請求 = 差押えの効力発生【前】まで(§382)
     代価弁済 = 制限なし(抵当権者が納得しているから)

答え:✕(誤り)

🎯 この問題の核心

抵当権消滅請求ができるのはクリーンな第三取得者だけ。Bは土地を買い受けても主たる債務者=借金の張本人。これを認めると時価だけ払って借金を踏み倒せてズルいので、債務者・保証人・連帯保証人は絶対に不可(§380)。だから本肢は誤り。

🧭 判定軸=「時限爆弾(抵当権)を消せるのは誰か・いつまでか」。まず自分で解いてみよう
抵当権付きの家は”いつ爆発するか分からない時限爆弾”。爆弾を消す制度(抵当権消滅請求・代価弁済)は、①資格=誰が消せるか ②主導権=言い出しっぺは誰か ③タイムリミット=いつまでか、の3軸で一撃判定できます。
🙋‍♂️
生徒:まず本問(令和4年 問4 肢4)から。BはAから甲土地を買い受けたんだから、抵当不動産の第三取得者として抵当権消滅請求ができる ── これですよね? ちゃんとお金を出して買った人なんだし。
👨‍🏫
講師:引っかかったね。答えは×。たしかにBは形のうえでは買主だけど、カッコ書きに「Bは主たる債務者」とある。消滅請求ができるのはクリーンな第三取得者だけで、主たる債務者・保証人・連帯保証人は絶対に不可(§380)。これを認めると、借金1,000万・土地600万のとき600万だけ払って残り400万を踏み倒せてズルすぎる。だから令和4年問4肢4は×だ。
🙋‍♂️
生徒:なるほど…「買主」という顔に釣られました。じゃあ、抵当権が付いていると知らずに買っただけの普通の買主はどう守られるんですか? 爆弾を抱えたまま代金だけ払わされたら気の毒ですよね。
👨‍🏫
講師:いい問いだ。ではもう1問(平成21年 問10 肢4):「抵当権付きの不動産を買った買主は、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、売主への代金の支払を拒める」。○か×か?
🙋‍♂️
生徒:えっと…爆弾(抵当権)がまだ消えていない以上、契約したんだから代金は払わなきゃいけない気がします…×かな?
👨‍🏫
講師:逆だ、。§577①だね。爆弾解除(消滅請求)の手続が終わるまでは、買主は代金の支払をストップしてよい ── これが買主の防衛権だ。「払わされ損」を防ぐ制度だから、むしろ堂々と拒める。
🙋‍♂️
生徒:つまり…①資格=消せるのは第三取得者だけ(債務者・保証人は不可)、②主導権=抵当権者からなら代価弁済・第三取得者からなら消滅請求、③タイムリミット=消滅請求は差押え前まで・代価弁済は制限なし。この3軸で爆弾処理問題は全部さばけますね。
👨‍🏫
講師:その通り。あとはこの3軸を、似た顔の肢に当てるだけだ。「買主」「第三取得者」という言葉に釣られず、まずその人が債務者・保証人でないかを確かめる ── それが最初の一手だよ。
💡 深掘り:
爆弾解除は3軸で仕分ける。①資格=消せるのは第三取得者だけ(主たる債務者・保証人・連帯保証人は§380で絶対不可)。②主導権=抵当権者から持ちかければ代価弁済(§378)、第三取得者から請求すれば消滅請求(§379)。③タイムリミット=消滅請求は差押えの効力発生前まで(§382)、代価弁済は時期制限なし。「買主・第三取得者」の顔に釣られず、まず債務者・保証人でないかを確認する。
⚡ 仕上げ:引っかけ(○か×か、自分で答えてから開こう)
主たる債務者Bは、甲土地を買い受ければ第三取得者として抵当権消滅請求ができる(令和4年 問4 肢4)×:消せるのはクリーンな第三取得者だけ。Bは主たる債務者=借金の張本人なので絶対に不可(§380)。時価だけ払って踏み倒すのを防ぐため。
抵当権付きの不動産を買った買主は、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、売主への代金の支払を拒める(平成21年 問10 肢4):【逆罠】爆弾を抱えたまま代金だけ払わされるのは酷なので、買主は消滅請求の手続が終わるまで支払を拒める買主の防衛権が認められている(§577①)。
抵当権消滅請求は、抵当権の実行としての差押えの効力が発生した後でもすることができる×:消滅請求は差押えの効力が発生する『前』までに限られる(§382)。差押え後に横入りすると手続が大混乱するため手遅れ。代価弁済のみ時期制限なし。

§378(代価弁済):抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。

§379(抵当権消滅請求):抵当不動産の第三取得者は、§383の定めにより抵当権消滅請求をすることができる。
§380主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。

§382(時期):第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならない。

§577①(買主の代金支払拒絶):買い受けた不動産に契約不適合の抵当権登記があるときは、買主は抵当権消滅請求の手続が終わるまで、代金の支払を拒むことができる。

暗記ポイント

🎯 試験本番ではこう即答する:消せるのは第三取得者だけ(債務者・保証人は不可)言い出しっぺ=抵当権者なら代価弁済/第三取得者なら消滅請求。消滅請求は差押え前まで、代価弁済は時期制限なし

消滅請求できる?可否理由
第三取得者(購入者)〇 できる不動産流通を守るヒーロー
主たる債務者× 不可全額返すのが筋(踏み倒し防止)
保証人・連帯保証人× 不可債務者と同じく全額返す義務
制度言い出しっぺタイムリミット
抵当権消滅請求第三取得者(「この金で消せ!」)差押えの効力発生まで
代価弁済抵当権者(「払ったら消してやる」)制限なし

💡 もう一歩(代金支払拒絶権):抵当権付きの不動産を買った買主は、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、売主への代金支払を拒める(§577①)。爆弾解除中は支払いをストップしてよい、という買主の防衛権(平成21年 問10 肢4=○)。

🏋 過去問アルゴリズム道場

Step 4:第三者バトル
抵当権消滅請求 ─ 消せるのは誰だ
令和4年 問4 肢4
📋 問題文

A所有の甲土地にBのCに対する債務を担保するためにCの抵当権が設定・登記された。BがAから甲土地を買い受けた場合、Bは抵当不動産の第三取得者として、本件抵当権について、Cに対して抵当権消滅請求をすることができる。(※Bは主たる債務者)

🔑 条件の抽出
人物土地を買い受けたB=主たる債務者
問い抵当権消滅請求ができるか
Step① 資格チェック(誰が消せる?)
抵当権消滅請求ができるのはクリーンな第三取得者だけ(§379・380)。主たる債務者・保証人・連帯保証人は絶対不可(ダミー警告)。
Step② Bは張本人だから誤り
Bは土地を買い受けても主たる債務者=借金の張本人。これを認めると時価だけ払って借金を踏み倒せてズルいので不可。本肢は誤り(×)
結論

誤り ×

消滅請求ができるのはクリーンな第三取得者だけ。Bは主たる債務者=借金の張本人なので絶対不可(§380)。時価だけ払って踏み倒すのを防ぐため。

📋 問題文

A所有の甲土地にBのCに対する債務を担保するためにCの抵当権が設定・登記された。BがAから甲土地を買い受けた場合、Bは抵当不動産の第三取得者として、本件抵当権について、Cに対して抵当権消滅請求をすることができる。(※Bは主たる債務者)

Step① 資格チェック(誰が消せる?)

主たる債務者は消滅請求できる?

Step② Bは張本人だから誤り

本肢の結論は?

最終判定

『主たる債務者Bは第三取得者として抵当権消滅請求ができる』は正しい?

結論

誤り ×

消滅請求ができるのはクリーンな第三取得者だけ。Bは主たる債務者=借金の張本人なので絶対不可(§380)。時価だけ払って踏み倒すのを防ぐため。

【まとめ】📌 この記事の核心

📌 この記事の核心
⚖ 爆弾解除は3つの軸で仕分ける。①資格=消せるのは第三取得者だけ(債務者・保証人・連帯保証人は不可)②主導権=抵当権者からなら代価弁済・第三取得者からなら消滅請求③タイムリミット=消滅請求は差押え前まで・代価弁済は制限なし。本問はBが主たる債務者なので消滅請求できず×。買主は消滅請求の手続中、代金支払を拒める(§577)。


読み終えたら | 抵当権の順路 3 / 4
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