【相続】相続人の確定:「代襲相続」の絶対ルールと再代襲のトラップ

相続の順路 4 / 12 相続人の確定(代襲)

相続は「誰が・どの順位で・代わりに入るのは誰か」を順に確定するだけ。今回はPHASE 1のヤマ場「代襲相続」。ポイントは2つだけ——代襲が起こる「原因」と、どこまで下へ続くかの「範囲(再代襲)」。ここを固定すれば、複雑な家系図問題も判定できます。

目次

本日のターゲット問題(平成14年 問12 肢4)

被相続人の子が、相続の開始後に相続放棄をした場合、その者の子がこれを代襲して相続人となる。

【PHASE 1:相続人の確定】Step 3(代襲)
 Q. 本来相続する人が抜けた「原因」は?
   ├─ 死亡・欠格・廃除 → 代襲する
   └─ 相続放棄         → 代襲しない(§939)
 Q. どこまで下へ続く?(再代襲)
   ├─ 子の系統     → 孫・ひ孫…どこまでも
   └─ 兄弟姉妹の系統 → 甥姪まで(再代襲なし)

答え: ×(誤)

🎯 この問題の核心

代襲の原因は「死亡・欠格・廃除」の3つだけ。相続放棄は代襲しない(§939:初めから相続人でなかったとみなす)。

🧭 判定軸=「抜けた穴を子が埋める」制度の限界。まず自分で解いてみよう
代襲は、本来もらえるはずだった人の取り分を、その子に引き継がせる仕組み。ただし”いつでも・どこまでも”ではありません。
🙋‍♂️
生徒:まず本問(平14問12肢4)から。子が相続放棄したら、その子(孫)が代襲して相続人になる ── これ、ですよね? 代わりにもらえるはずだから。
👨‍🏫
講師:引っかかったね。答えは×。代襲が起こる原因は「死亡・欠格・廃除」の3つだけ。相続放棄は§939で「初めから相続人でなかった」とみなされる。最初からいなかった人の穴は、そもそも”埋める穴”が存在しないんだ。だから孫も代襲しない。
🙋‍♂️
生徒:なるほど…放棄は「原因」に入らないんですね。じゃあ範囲は? どこまで下へ続くんですか?
👨‍🏫
講師:これも系統で違う。子の系統は無限(子→孫→ひ孫…)に再代襲する。でも兄弟姉妹の系統は甥・姪までで打ち止め。血のつながりが遠いので、孫の代まで広げると関係が薄すぎるからね。ではもう1問。令2(10月)問8肢4:「兄弟姉妹及びその子(甥・姪)が死亡している場合でも、兄弟姉妹の孫が相続人となることはない」。○か×か?
🙋‍♂️
生徒:えっと…子の系統は無限だから兄弟姉妹も孫までいけそう…でも、さっき「甥姪で打ち止め」って言ってたから…
👨‍🏫
講師:正解、だ。兄弟姉妹の代襲は§889②が§887②(代襲)だけを準用し、再代襲の§887③は準用しない。だから甥・姪で止まり、その先(兄弟姉妹の孫)は相続人にならない。「ならない」とする本肢は正しい。
被相続人 ─ 弟(死亡)─ 甥(死亡)─ 甥の子、と並べてごらん。甥の子はもう入れない
🙋‍♂️
生徒:つまり…原因は「死亡・欠格・廃除」で放棄は”最初からいない”扱い、範囲は「子だけ無限・兄弟姉妹は甥姪まで」。この2軸だけ見れば代襲は全部さばけるんですね。
👨‍🏫
講師:その通り。あとはこの2軸を、似た顔の肢に当てるだけだ。
💡 深掘り:
「原因=死亡・欠格・廃除(放棄は×)」「範囲=子は無限・兄弟姉妹は甥姪まで」。この2軸だけで、代襲のひっかけは全て見抜けます。
⚡ 仕上げ:引っかけ3連発(○か×か、自分で答えてから開こう)
① 放棄した子の孫は代襲して相続人になる(平14問12肢4)→ ×:放棄は代襲原因でない(§939)。
② 兄弟姉妹の孫が相続人となることはない(令2(10月)問8肢4)→ :甥・姪で打ち止め(§889②は§887③を準用せず)。
③ 欠格した子の孫は代襲して相続人になる → 【逆罠】:欠格は代襲原因なので、孫はちゃんと代襲する(§887②)。

(相続の放棄の効力)第939条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

第887条2 被相続人の子が、相続開始以前に死亡したとき、又は欠格・廃除により相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる(再代襲=ひ孫以降も同様)。

第889条2 第887条第2項(代襲)の規定は、兄弟姉妹が相続人となる場合について準用する(※ただし再代襲はなく、甥姪までにとどまる)。

相続アルゴリズム:PHASE 1(相続人の確定)Step 3
代襲の「原因」(相続放棄は代襲しない)
平成14年 問12 肢4
📋 問題文

被相続人の子が、相続の開始後に相続放棄をした場合、その者の子がこれを代襲して相続人となる。(正しいか?)

🔑 条件の抽出
入口相続人は誰か→ PHASE 1(相続人の確定)
着眼子が「相続放棄」→その子(孫)が代襲するか?
🗺 PHASE 1 Step 3:権利を失った原因は?
代襲が起こる原因は「死亡・欠格・廃除」の3つだけ。相続放棄は代襲原因にならない。放棄した者は§939で「初めから相続人でなかった」とみなされ、その子も代襲しない。
結論

×(誤り)

代襲原因は「死亡・欠格・廃除」のみ。相続放棄は§939で初めから相続人でなかったとみなされ、代襲は生じない。「代襲する」は誤り。

📋 問題文

被相続人の子が、相続の開始後に相続放棄をした場合、その者の子がこれを代襲して相続人となる。(正しいか?)

🗺 PHASE 1 Step 3:権利を失った原因は?

子が「相続放棄」した。その子(孫)は代襲して相続人になる?

最終判定

「その者の子が代襲して相続人となる」は正しい?

結論

×(誤り)

代襲原因は「死亡・欠格・廃除」のみ。相続放棄は§939で初めから相続人でなかったとみなされ、代襲は生じない。「代襲する」は誤り。

暗記ポイント

🎯 試験本番ではこう即答する

⚖️ 概念マップ:PHASE 1=相続人の確定。代襲は「本来相続する人が抜けた穴を、その子が埋める」制度。入れるかどうかは「原因」と「範囲」の2軸で決まる。

  • 代襲の原因=死亡・欠格・廃除の3つ(相続放棄は×
  • 子の系統=再代襲あり(子→孫→ひ孫…どこまでも)
  • 兄弟姉妹の系統=甥姪まで(再代襲なし)

⚠️ よくある引っかけ

  • 「相続放棄した子の子が代襲する」→ ✕(放棄は代襲原因でない)
  • 「兄弟姉妹のが代襲する」→ ✕(甥姪まで)

過去問「比較」道場(ひっかけ回避)

「原因」の次は「範囲」。兄弟姉妹の代襲がどこで打ち止めになるかを、もう1問で固めましょう。

【比較対象:令和2年(10月) 問8 肢4】被相続人の兄弟姉妹が相続人となるべき場合であっても、相続開始以前に兄弟姉妹及びその子がいずれも死亡していたときは、その者の子(兄弟姉妹の孫)が相続人となることはない。

答え: ◯(正)

🎯 この問題の核心

兄弟姉妹の代襲は甥姪まで=再代襲なし。よって兄弟姉妹の孫は相続人にならない。子の系統(孫・ひ孫まで)との違いに注意。

相続アルゴリズム:PHASE 1(相続人の確定)Step 3
再代襲の「範囲」(兄弟姉妹は甥姪まで)
令和2年(10月)問8 肢4
📋 問題文

被相続人の兄弟姉妹が相続人となるべき場合であっても、相続開始以前に兄弟姉妹及びその子がいずれも死亡していたときは、その者の子(兄弟姉妹の孫)が相続人となることはない。(正しいか?)

🔑 条件の抽出
入口相続人は誰か→ PHASE 1
着眼兄弟姉妹+その子も死亡→「兄弟姉妹の孫」まで下がるか?
🗺 PHASE 1 Step 3:代襲はどこまで下がる?
子の系統は再代襲あり(子→孫→ひ孫…どこまでも)。一方兄弟姉妹の系統甥・姪までで打ち止め=再代襲なし。だから兄弟姉妹の孫は相続人にならない。
結論

○(正しい)

子の系統は再代襲あり(孫・ひ孫…)だが、兄弟姉妹の系統は甥姪まで=再代襲なし。よって兄弟姉妹の孫は相続人にならない。記述どおり。

📋 問題文

被相続人の兄弟姉妹が相続人となるべき場合であっても、相続開始以前に兄弟姉妹及びその子がいずれも死亡していたときは、その者の子(兄弟姉妹の孫)が相続人となることはない。(正しいか?)

🗺 PHASE 1 Step 3:代襲はどこまで下がる?

兄弟姉妹もその子(甥姪)も死亡。さらにその子(兄弟姉妹の孫)は相続人になる?

最終判定

「兄弟姉妹の孫が相続人となることはない」は正しい?

結論

○(正しい)

子の系統は再代襲あり(孫・ひ孫…)だが、兄弟姉妹の系統は甥姪まで=再代襲なし。よって兄弟姉妹の孫は相続人にならない。記述どおり。

【まとめ】📌 この記事の核心

📌 この記事の核心
代襲は「原因(死亡・欠格・廃除/放棄は×)」と「範囲(子は無限・兄弟姉妹は甥姪まで)」の2軸で確定する。複雑な家系図も、この2軸を順に当てるだけ。

→ 次の記事:「法定相続分の計算」


読み終えたら | 相続の順路 4 / 12
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