【相続】法定相続分の計算:ダミー情報の排除と半血兄弟の計算ルール

法定相続分の計算は、実は小学生の算数です。難しく見えるのは、出題者が「親権」「離婚」「内縁」「連れ子」といったダミー情報を山ほど混ぜてくるから。今回は、まず相続人を正しく絞り込み、「①組み合わせ→②頭割り(半血は半分)」で計算する型を固めます。

目次

本日のターゲット問題(令和3年(10月)問9 肢1)

Aには死亡した夫Bとの間に子Cがおり、Dには離婚した前妻Eとの間に子F及び子Gがいる。Fの親権はEが有し、Gの親権はDが有している。AとDが婚姻した後にDが死亡した場合における法定相続分は、Aが2分の1、Fが4分の1、Gが4分の1である。

🗺 登場人物の関係
被相続人D死亡 → 配偶者A(1/2)| 子F・子G〔前妻Eの子も実子〕で残り1/2
→ A=1/2、F=1/4、G=1/4(Aの連れ子CはDの子でないので相続しない)
【PHASE 2:法定相続分の計算】
 Step 1. 組み合わせ → 基本割合
   配偶者+子      = 1/2 : 1/2
   配偶者+直系尊属 = 2/3 : 1/3
   配偶者+兄弟姉妹 = 3/4 : 1/4
 Step 2. 同順位で頭割り(半血兄弟は全血の半分)
 ※ダミー:親権・離婚・内縁・連れ子(養子でない)は相続分に無関係

答え: ◯(正)

🎯 この問題の核心

Dの子はF・Gのみ(CはAの連れ子で非相続人、親権の所在は無関係)。配偶者A1/2、子1/2をF・Gで頭割りし各1/4

🧭 判定軸=「まず相続人を絞り、次に算数」。ダミーを外せるか自分で試そう
計算でミスる人の大半は、算数ではなく“相続人の絞り込み”でダミーに引っかかっています。まず本問を自分で解いてから、下を開いてください。
🙋‍♂️
生徒:まず本問(令和3年10月問9肢1)から。Aの連れ子CもDの子として数えると、子はC・F・Gの3人。だから子の1/2を3人で頭割りして各1/6…つまり「F4分の1・G4分の1」は×ですよね?
👨‍🏫
講師:そこが最初のワナ。答えはだよ。Cは配偶者Aが死別した夫Bとの間にもうけた連れ子。DはCと養子縁組していない以上、CはDの相続人ではない(=連れ子ダミー)。Dの子はF・Gだけ。§900一で配偶者A1/2、子の1/2をF・Gで頭割りして各1/4。だから「A1/2・F1/4・G1/4」は正しく○だ。
🙋‍♂️
生徒:もう一つ引っかかって…Gの親権はDが、Fの親権はEが持ってます。親権者D側の子Gの方が多くもらえるんじゃ?
👨‍🏫
講師:それも罠、名付けて親権ダミー。親権は相続分に1ミリも関係ない。同居も親権も無視して、血のつながり(実子・養子)だけで相続人を決める。子は頭割りだから、FもGも同じ各1/4だよ。
👨‍🏫
講師:では比較道場の1問(平成26問10肢3)を自分で解いてみよう。被相続人A、内縁の妻E、子なし・両親も死亡。兄弟は父だけ同じ半血の兄Bと、両親が同じ全血の弟C・D(C・Dは先死亡で子あり)。まず、誰が相続人になる?
🙋‍♂️
生徒:内縁のEは…さっきの理屈だと法律婚じゃないから相続人ではない(=内縁ダミー)。子も親もいないから、第3順位の兄弟姉妹B・C・Dですね。
👨‍🏫
講師:完璧。じゃあ配分。半血の兄Bと全血の弟、按分してごらん。数字で。
🙋‍♂️
生徒:全血が2、半血はその半分で1。だからC=2・D=2・B=1で計5。…C・Dは先に亡くなってるから代襲で、C分2を子F・Gで各1、D分2を子Hへ。B1/5・F1/5・G1/5・H2/5…あれ、問題文とピッタリ同じだ!じゃあ
👨‍🏫
講師:正解、。複雑に見えて実は記述どおり=逆罠だ。§900四ただし書の「半血は全血の半分」と、§901の代襲、この2つさえ外さなければ落ちない。
🙋‍♂️
生徒:つまり型は①ダミー(連れ子・親権・内縁)を外して相続人を絞る → ②組み合わせで基本割合 → ③頭割り(半血だけ全血の半分)。算数の前の“絞り込み”さえ間違えなければいいんですね。
💡 深掘り:
離婚した前妻の子も、親が違う半血兄弟も、れっきとした相続人(実子・実の兄弟)。一方で内縁の配偶者・連れ子(養子でない)は相続人でない。「血のつながり(または法律婚・養子縁組)があるか」で機械的に仕分けるのが第一関門。あとは ①相続人を絞る(ダミー排除)→ ②組み合わせで基本割合 → ③頭割り(半血は全血の半分) の3手順を回すだけ。計算でミスる人の大半は、算数ではなく“絞り込み”でダミーに引っかかっています。
⚡ 仕上げ:引っかけ(○か×か、自分で答えてから開こう)
Dの前妻Eとの子F・Gは、今の妻Aの子でないから相続しない(令和3年10月問9肢1)×:実子は前妻との子でも相続人。前婚・親権・同居は相続分に無関係(§900一)=連れ子ダミーとは別物。
内縁の妻Eにも相続分がある(平成26問10肢3)×:相続権があるのは法律婚の配偶者だけ。内縁には相続分なし=内縁ダミー。
親権者D側の子Gの方が、F より多く相続する(令和3年10月問9肢1)×:同順位の子は頭割りで各1/4。親権の所在は相続分に無関係(§900一)=親権ダミー。
半血兄B・全血弟の代襲で、B1/5・F1/5・G1/5・H2/5となる(平成26問10肢3):【逆罠】全血:半血=2:1(§900四ただし書)でC2・D2・B1=計5、先死亡のC・Dは代襲(§901)。複雑でも記述どおり正しい。

(法定相続分)第900条 一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1。二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者2/3、直系尊属1/3。三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者3/4、兄弟姉妹1/4。四 子・直系尊属・兄弟姉妹が複数あるときは各自均等。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹(半血)の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹(全血)の2分の1。

相続アルゴリズム:PHASE 2(法定相続分の計算)
ダミー情報を排除して相続人を確定
令和3年(10月)問9 肢1
📋 問題文

Aには死亡した夫Bとの間に子Cがおり、Dには離婚した前妻Eとの間に子F及び子Gがいる。Fの親権はEが有し、Gの親権はDが有している。AとDが婚姻した後にDが死亡した場合における法定相続分は、Aが2分の1、Fが4分の1、Gが4分の1である。(正しいか?)

🔑 条件の抽出
入口割合の計算→ PHASE 2
排除死亡したのはD。CはAの連れ子(Dの子でない)=ダミー/親権の所在もダミー
🗺 PHASE 2 Step 1:組み合わせは?
Dの相続人は配偶者ADの子(F・G)。CはAの連れ子でDの子ではない(養子縁組の記載なし)→相続人でない。組み合わせは「配偶者+子」→ 配偶者1/2・子1/2
🗺 PHASE 2 Step 2:子で分ける
子の取り分1/2を、子の人数(F・Gの2人)で頭割り → 各1/4。親権がE側かD側かは相続分に一切影響しない
結論

○(正しい)

Dの子はF・Gのみ(CはAの連れ子で非相続人、親権は無関係)。配偶者A1/2、子の1/2をF・Gで頭割りし各1/4。記述どおり。

📋 問題文

Aには死亡した夫Bとの間に子Cがおり、Dには離婚した前妻Eとの間に子F及び子Gがいる。Fの親権はEが有し、Gの親権はDが有している。AとDが婚姻した後にDが死亡した場合における法定相続分は、Aが2分の1、Fが4分の1、Gが4分の1である。(正しいか?)

🗺 PHASE 2 Step 1:組み合わせは?

Dの相続人の組み合わせは?

🗺 PHASE 2 Step 2:子で分ける

子の1/2をF・Gで分けると?

最終判定

「A2分の1・F4分の1・G4分の1」は正しい?

結論

○(正しい)

Dの子はF・Gのみ(CはAの連れ子で非相続人、親権は無関係)。配偶者A1/2、子の1/2をF・Gで頭割りし各1/4。記述どおり。

暗記ポイント

🎯 試験本番ではこう即答する

⚖️ 概念マップ:PHASE 2=割合の計算。①組み合わせで基本割合 → ②同順位で頭割り(半血は半分)。ダミー情報(親権・離婚・内縁・連れ子)に惑わされない。

  • 配偶者+子=1/2:1/2/配偶者+直系尊属=2/3:1/3/配偶者+兄弟姉妹=3/4:1/4
  • 同順位は頭割り半血兄弟は全血の半分(2:1)
  • 連れ子(養子でない)・内縁の配偶者は相続人でない/親権の所在は相続分に無関係

⚠️ よくある引っかけ

  • 「離婚した前妻との子は相続しない」→ ✕(親が離婚しても実子は相続人。親権・同居は無関係)
  • 「内縁の配偶者にも相続分がある」→ ✕(相続権は法律婚のみ)

過去問「比較」道場(ひっかけ回避)

計算の最難関「半血兄弟+代襲」を1問で攻略します。全血と半血の比率(2:1)と、先死亡の兄弟の代襲をセットで処理しましょう。

【比較対象:平成26年 問10 肢3】Aには、父のみを同じくする兄Bと、両親を同じくする弟C及び弟Dがいたが、C及びDはAより先に死亡した。Aの両親は既に死亡しており、Aには内縁の妻Eがいるが、子はいない。Cには子F及び子Gが、Dには子Hがいる。Aが遺言を残さずに死亡した場合の相続財産の法定相続分は、Bが5分の1、Fが5分の1、Gが5分の1、Hが5分の2である。

🗺 登場人物の関係
被相続人A(子・親なし)→ 兄弟姉妹B〔半血〕/C・D〔全血・先死亡で代襲〕
→ 半血は全血の半分。全血C系・D系=各2・半血B=1 → B 1/5、F・G 各1/5、H 2/5

答え: ◯(正)

🎯 この問題の核心

全血:半血=2:1(C2・D2・B1=計5)。先死亡のC・Dは代襲(C→F・G各1、D→H 2)。B1/5・F1/5・G1/5・H2/5。内縁Eは相続権なし。

相続アルゴリズム:PHASE 2(法定相続分の計算)
半血兄弟は全血の半分(+代襲)
平成26年 問10 肢3
📋 問題文

Aには、父のみを同じくする兄Bと、両親を同じくする弟C及び弟Dがいたが、C及びDは、Aより先に死亡した。Aの両親は既に死亡しており、Aには内縁の妻Eがいるが、子はいない。Cには子F及び子Gが、Dには子Hがいる。Aが遺言を残さずに死亡した場合の相続財産の法定相続分は、Bが5分の1、Fが5分の1、Gが5分の1、Hが5分の2である。(正しいか?)

🔑 条件の抽出
入口割合の計算→ PHASE 2
排除内縁の妻E=相続権なし/子なし・両親死亡→第3順位 兄弟姉妹
🗺 Step 1:相続人の順位は?
配偶者は内縁E=相続権なし。子なし・直系尊属(両親)死亡→第3順位の兄弟姉妹が相続人。兄B(半血)・弟C・弟D(全血)。
🗺 Step 2:半血の比率+代襲
全血:半血=2:1。C(全血2)・D(全血2)・B(半血1)=計5。C・Dは先死亡→代襲:C分2をF・Gで分け各1、D分2をHが取得。→ B1/5・F1/5・G1/5・H2/5
結論

○(正しい)

兄弟姉妹相続で全血:半血=2:1(C2・D2・B1=計5)。先死亡のC・Dは代襲(C→F・G各1、D→H 2)。B1/5・F1/5・G1/5・H2/5。記述どおり。

📋 問題文

Aには、父のみを同じくする兄Bと、両親を同じくする弟C及び弟Dがいたが、C及びDは、Aより先に死亡した。Aの両親は既に死亡しており、Aには内縁の妻Eがいるが、子はいない。Cには子F及び子Gが、Dには子Hがいる。Aが遺言を残さずに死亡した場合の相続財産の法定相続分は、Bが5分の1、Fが5分の1、Gが5分の1、Hが5分の2である。(正しいか?)

🗺 Step 1:相続人の順位は?

Aの相続人は?

🗺 Step 2:半血の比率+代襲

各人の相続分は?

最終判定

「B1/5・F1/5・G1/5・H2/5」は正しい?

結論

○(正しい)

兄弟姉妹相続で全血:半血=2:1(C2・D2・B1=計5)。先死亡のC・Dは代襲(C→F・G各1、D→H 2)。B1/5・F1/5・G1/5・H2/5。記述どおり。

【まとめ】📌 この記事の核心

📌 この記事の核心
法定相続分は「①相続人を絞る(ダミー排除)→②組み合わせで基本割合→③頭割り(半血は半分)」の3手順。連れ子・内縁・親権はダミー、実子・半血兄弟は相続人。代襲があれば取り分をその子に引き継ぐ。

→ 次の記事:「遺言と遺留分(兄弟姉妹の遺留分・配偶者居住権)」


読み終えたら | 相続の順路 5 / 12
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