【連帯債務・保証】総合:連帯債務と連帯保証の絶対効を一気に判定

連帯債務・保証の順路 12 / 13 総仕上げ(総合判定)

最終回は総合ボス戦連帯債務(横の対等)連帯保証(縦の主従)を並べ、免除・請求・時効・無効の4つの事由が「どこまで波及するか」を一気に判定します。これまでの型の総まとめです。

目次

本日のターゲット問題(平成20年 問6 ベース・肢1 免除)

Aが、Bに対して債務を免除した場合にはCが、Cに対して債務を免除した場合にはBが、それぞれ500万円分の債務を免れる(連帯債務)。Dが、Eに対して債務を免除した場合にはFが、Fに対して債務を免除した場合にはEが、それぞれ全額の債務を免れる(連帯保証)。

🗺 登場人物の関係
連帯債務:A・B・C→D(各自全額)/連帯保証:保証人Fが主債務者Eを保証→D
→ 免除:連帯債務は"相対効"(他は減らない)。連帯保証は主債務者の免除なら付従性で保証人も免れる
【総合:波及の早見表】
              連帯債務(横)      連帯保証(縦)
 免除      相対効=他は全額のまま  主→保証人:及ぶ/保証人→主:及ばず
 請求      相対効=及ばない        主→保証人:及ぶ/保証人→主:及ばず
 時効完成  相対効=他は全額のまま  主→保証人:及ぶ/保証人→主:及ばず
 契約無効  各独立=他は全額有効    主債務無効→保証も無効(付従性)
 ※連帯債務の絶対効は「更改・相殺・混同」だけ

答え: ×(誤)

🎯 この問題の核心

連帯債務の免除は相対効→他は500万円を免れず全額のまま(前半が誤り)。連帯保証も「保証人Fの免除→主債務者Eが全額免れる」は誤り(保証人の免除は主債務者に及ばない)。

🧠 なぜこうなる? ── 横と縦を混ぜると事故る

早見表を丸暗記しても、改正の話や「連帯保証も対等でしょ?」という似た論点が混ざった瞬間にぐらつきます。なぜ横(連帯債務)と縦(連帯保証)で結論が真逆になるのかを腹落ちさせれば、初見の総合問題でも当てられて忘れません。

🧭 🧭 まず「横(連帯債務=対等)か縦(連帯保証=主従)か」を仕分け、そのうえで波及を当てる。
横は「絶対効3兄弟(更改・相殺・混同)以外は相対効」、縦は「主→従だけ及び、従→主は及ばない(弁済等の消滅事由を除く)」。
⚖️ まず天秤に乗せる
⚖️ ここで綱引きしているのは、「他の債務者を不意打ちの巻き添えにしない(相対効=独立性)」と、「更改・相殺・混同のように債務が本当に満足・消滅した事由は全員で共有すべき(絶対効=共同性)」の2つの利益です。波及するかどうかは金額の大小で決まるのではなく、「その事由が“借金そのものを消す満足”なのか、それとも一人の債権者側の都合なのか」という中身で決まります。だから免除・請求・時効完成は(改正後は)相対効、更改・相殺・混同だけが絶対効なのです。
🙋‍♂️
生徒:総合問題、なんとなく分かってきました。連帯債務で債権者が一人を免除したら、その人の負担部分(500万)だけは他のみんなも一緒に免れますよね?昔そう習った気がして。
👨‍🏫
講師:それが一番危ない旧法の亡霊だ。改正前は「負担部分だけ絶対効」というルールがあったが、今は違う。免除はまるごと相対効になった。具体例で追い込むぞ。令和8年にA・B・Cが債権者Dに300万円の連帯債務を負っている。DがCを免除した。さて、DはAとBにいくら請求できる?
🙋‍♂️
生徒:えっと…Cの負担部分100万を引いて、A・Bには200万ずつ…?
👨‍🏫
講師:引かない。DはAにもBにも300万円“全額”を請求できる。免除は他の連帯債務者に一切及ばないからだ。負担部分すら減らない。「一人を免除したら他も負担部分だけ免れる」という感覚は、その負担部分ぶんも含めて丸ごと間違いだと上書きしてくれ。
🙋‍♂️
生徒:なるほど…!じゃあ数字を引きたくなったら“旧法の亡霊”だと思えばいいんですね。……あ、でも連帯保証も横並びで対等でしょう?だったら保証人Fを免除すれば主債務者Eの借金も消えるはずですよね。
👨‍🏫
講師:そこで横と縦を混ぜる合体技をやってしまった。連帯保証は対等じゃない。EとFは主債務者と保証人の縦の主従だ。付従性は主→従の一方通行。主債務者Eに起きたこと(免除・請求・時効)はFに流れ落ちるが、Fに起きたことはEへ遡らない。だからFを免除してもEの借金はそのまま。上流には登れないんだ。
🙋‍♂️
生徒:川の流れみたいですね。上(主債務者)から下(保証人)へは流れるけど、下から上へは逆流しない。
👨‍🏫
講師:その比喩でいい。ではここまでを君の言葉でまとめ直してごらん。
🙋‍♂️
生徒:はい。連帯債務(横)は絶対効がコウ・ソウ・コン=更改・相殺・混同の3兄弟だけ。免除・請求・時効完成は相対効で、他は負担部分すら減らず全額のまま連帯保証(縦)は主→従の一方通行で、主債務者の事由は保証人に及ぶけど、保証人の事由は主債務者に及ばない(弁済など消えた事由は別)。
👨‍🏫
講師:完璧だ。では本試験の肢で腕試しといこう。①【旧法の亡霊】「連帯債務で債権者が一人を免除すると、他の連帯債務者も負担部分だけは免れる」――これは○か×か、理由付きで。
🙋‍♂️
生徒×です。免除は相対効で他は全額のまま、負担部分すら減りません。令和8年300万の連帯債務でDがCを免除しても、A・Bに300万全額請求できる。「負担部分だけ免れる」は旧法の亡霊。平20問6 肢1でも同じく×とされています。
👨‍🏫
講師:よし。②【主従の逆流】「連帯保証人Fを免除(または時効完成)すれば、主債務者Eも免れる」――どうだ?
🙋‍♂️
生徒×です。付従性は主→従の一方通行なので、連帯保証人→主債務者へは及びません。債権者が連帯保証人を免除しても、主債務者の債務は全額のまま(平20問6 肢1後半=「連帯保証人の免除・時効完成で主債務者も免れる」を×とする)。逆流させたら罠です。
👨‍🏫
講師:最後だ。求償に足を掬われる人が多いぞ。③【求償額のすり替え】「1,000万円を弁済した連帯保証人Fは、主債務者に“負担部分の500万”だけ求償できる」――○か×か。
🙋‍♂️
生徒:うっ、500万で合ってそう…いや、×です!負担部分で割るのは連帯債務どうしの話。H16-6 肢3=連帯債務者Aは他のBに500万(負担部分)求償だが、連帯保証人は主債務者に“全額1,000万”求償。保証人は肩代わりした全額を主債務者に請求できます。連帯債務の「負担部分求償」を連帯保証にすり替えると事故る、と覚えます。
👨‍🏫
講師:その取り違えを一度自分でやって、拾い直せたなら本物だ。横は負担部分・縦は全額――求償の非対称までセットで押さえれば、総合問題はもう落とさない。
連帯債務アルゴリズム:総合(連帯債務 vs 連帯保証)
免除の波及
平成20年 問6 肢1 ベース
📋 問題文

Aが、Bに対して債務を免除した場合にはCが、Cに対して債務を免除した場合にはBが、それぞれ500万円分の債務を免れる(連帯債務)。Dが、Eに対して債務を免除した場合にはFが、Fに対して債務を免除した場合にはEが、それぞれ全額の債務を免れる(連帯保証)。(正しいか?)

🔑 条件の抽出
入口連帯債務(横の対等)と連帯保証(縦の主従)を並べて波及を判定
着眼免除は連帯債務/連帯保証でどう波及するか
🗺 免除はどう波及する?
連帯債務の免除は相対効(改正)→他の連帯債務者は債務を免れない(全額のまま)。連帯保証は主債務者Eの免除→保証人Fに及ぶ(付従性)が、保証人Fの免除→主債務者Eには及ばない
結論

×(誤り)

連帯債務の免除は相対効(改正)→他は500万円を免れず全額のまま(前半が誤り)。連帯保証も「保証人Fの免除→主債務者Eが全額免れる」は誤り(保証人の免除は主債務者に及ばない)。よって全体として誤り。

📋 問題文

Aが、Bに対して債務を免除した場合にはCが、Cに対して債務を免除した場合にはBが、それぞれ500万円分の債務を免れる(連帯債務)。Dが、Eに対して債務を免除した場合にはFが、Fに対して債務を免除した場合にはEが、それぞれ全額の債務を免れる(連帯保証)。(正しいか?)

🗺 免除はどう波及する?

連帯債務で一人を免除すると、他の連帯債務者は500万円免れる?

最終判定

この記述は正しい?

結論

×(誤り)

連帯債務の免除は相対効(改正)→他は500万円を免れず全額のまま(前半が誤り)。連帯保証も「保証人Fの免除→主債務者Eが全額免れる」は誤り(保証人の免除は主債務者に及ばない)。よって全体として誤り。

暗記ポイント

🎯 試験本番ではこう即答する

⚖️ 概念マップ:総合=①横(連帯債務)か縦(連帯保証)か→②波及を当てる。連帯債務は絶対効3兄弟(更改・相殺・混同)以外は相対効/連帯保証は主→従だけ及ぶ

  • 連帯債務:免除・請求・時効=相対効(他は全額のまま)/契約無効=各独立(他は全額有効)
  • 連帯保証:主債務者の免除・請求・時効・無効=保証人に及ぶ(付従性)/保証人の事由=主債務者に及ばない(弁済等を除く)

⚠️ よくある引っかけ

  • 「連帯債務で一人の免除・時効により他も負担部分だけ免れる」→ ✕(相対効・全額のまま)
  • 「連帯保証人の免除・時効で主債務者も免れる」→ ✕(保証人→主債務者は及ばない)

過去問「比較」道場(ひっかけ回避)

残る3つの事由「請求・時効完成・契約無効」も同じ型で斬ります。横(連帯債務)と縦(連帯保証)を仕分けて判定しましょう。

【比較対象①:肢2 履行請求】Aが、Bに対して履行を請求した効果はCに及び、Cに対して請求した効果はBに及ぶ(連帯債務)。Dが、Eに対して請求した効果はFに及び、Fに対して請求した効果はEに及ぶ(連帯保証)。

🗺 登場人物の関係
同じ構造で「履行の請求」をした場合
→ 請求は原則"相対効"。連帯保証は主→保証のみ及ぶ(§457)、保証→主は及ばない

答え: ×(誤)

🎯 この問題の核心

連帯債務の請求は相対効(及ばない)。連帯保証も「Fへの請求→Eに及ぶ」は誤り(保証人→主債務者は及ばない)。

連帯債務アルゴリズム:総合(連帯債務 vs 連帯保証)
履行請求の波及
平成20年 問6 肢2 ベース
📋 問題文

Aが、Bに対して履行を請求した効果はCに及び、Cに対して請求した効果はBに及ぶ(連帯債務)。Dが、Eに対して請求した効果はFに及び、Fに対して請求した効果はEに及ぶ(連帯保証)。(正しいか?)

🔑 条件の抽出
入口連帯債務(横の対等)と連帯保証(縦の主従)を並べて波及を判定
着眼請求は連帯債務/連帯保証でどう波及するか
🗺 請求はどう波及する?
連帯債務の請求は相対効(改正)→他の連帯債務者に及ばない。連帯保証は主債務者Eへの請求→保証人Fに及ぶ(§457①)が、保証人Fへの請求→主債務者Eには及ばない(相対効)。
結論

×(誤り)

連帯債務の請求は相対効→他に及ばない(前半が誤り)。連帯保証も「Fへの請求→Eに及ぶ」は誤り(保証人への請求は主債務者に及ばない)。よって全体として誤り。

📋 問題文

Aが、Bに対して履行を請求した効果はCに及び、Cに対して請求した効果はBに及ぶ(連帯債務)。Dが、Eに対して請求した効果はFに及び、Fに対して請求した効果はEに及ぶ(連帯保証)。(正しいか?)

🗺 請求はどう波及する?

連帯債務で一人に請求した効果は、他の連帯債務者に及ぶ?

最終判定

この記述は正しい?

結論

×(誤り)

連帯債務の請求は相対効→他に及ばない(前半が誤り)。連帯保証も「Fへの請求→Eに及ぶ」は誤り(保証人への請求は主債務者に及ばない)。よって全体として誤り。

【比較対象②:肢3 時効完成】Bについて時効が完成した場合にはCが、Cについて時効が完成した場合にはBが、それぞれ500万円分の債務を免れる(連帯債務)。Eについて時効が完成した場合にはFが、Fについて時効が完成した場合にはEが、それぞれ全額の債務を免れる(連帯保証)。

🗺 登場人物の関係
同じ構造で一人に「時効完成」
→ 連帯債務は相対効(他は減らない)。連帯保証は主債務者の時効完成なら付従性で保証人も免れる

答え: ×(誤)

🎯 この問題の核心

連帯債務の時効完成は相対効→他は全額のまま。連帯保証も「Fの時効完成→Eが全額免れる」は誤り(保証人→主債務者は及ばない)。

連帯債務アルゴリズム:総合(連帯債務 vs 連帯保証)
時効完成の波及
平成20年 問6 肢3 ベース
📋 問題文

Bについて時効が完成した場合にはCが、Cについて時効が完成した場合にはBが、それぞれ500万円分の債務を免れる(連帯債務)。Eについて時効が完成した場合にはFが、Fについて時効が完成した場合にはEが、それぞれ全額の債務を免れる(連帯保証)。(正しいか?)

🔑 条件の抽出
入口連帯債務(横の対等)と連帯保証(縦の主従)を並べて波及を判定
着眼時効完成は連帯債務/連帯保証でどう波及するか
🗺 時効完成はどう波及する?
連帯債務の時効完成は相対効(改正)→他の連帯債務者は影響なし(全額のまま)。連帯保証は主債務者Eの時効完成→保証人Fも全額免れる(付従性で主債務消滅を援用)が、保証人Fの時効完成→主債務者Eには及ばない
結論

×(誤り)

連帯債務の時効完成は相対効→他は500万円を免れず全額のまま(前半が誤り)。連帯保証も「Fの時効完成→Eが全額免れる」は誤り(保証人の時効は主債務者に及ばない)。よって全体として誤り。

📋 問題文

Bについて時効が完成した場合にはCが、Cについて時効が完成した場合にはBが、それぞれ500万円分の債務を免れる(連帯債務)。Eについて時効が完成した場合にはFが、Fについて時効が完成した場合にはEが、それぞれ全額の債務を免れる(連帯保証)。(正しいか?)

🗺 時効完成はどう波及する?

連帯債務で一人の時効が完成すると、他の連帯債務者は500万円免れる?

最終判定

この記述は正しい?

結論

×(誤り)

連帯債務の時効完成は相対効→他は500万円を免れず全額のまま(前半が誤り)。連帯保証も「Fの時効完成→Eが全額免れる」は誤り(保証人の時効は主債務者に及ばない)。よって全体として誤り。

【比較対象③:肢4 契約無効】AB間の契約が無効ならCが、AC間の契約が無効ならBが、それぞれ1,000万円の債務を負う(連帯債務)。DE間の契約が無効ならFが、DF間の契約が無効ならEが、それぞれ1,000万円の債務を負う(連帯保証)。

🗺 登場人物の関係
同じ構造で一人の契約が「無効」
→ 連帯債務:一人が無効でも他は全額有効(独立性)。連帯保証:主債務が無効なら保証も無効(付従性)

答え: ×(誤)

🎯 この問題の核心

連帯債務は各独立(一人無効でも他は全額)。だが連帯保証は付従性→主債務(DE)が無効なら保証も無効でFは負わない。「DE無効→Fが1,000万円負う」は誤り。

連帯債務アルゴリズム:総合(連帯債務 vs 連帯保証)
契約無効の波及(付従性)
平成20年 問6 肢4 ベース
📋 問題文

AB間の契約が無効ならCが、AC間の契約が無効ならBが、それぞれ1,000万円の債務を負う(連帯債務)。DE間の契約が無効ならFが、DF間の契約が無効ならEが、それぞれ1,000万円の債務を負う(連帯保証)。(正しいか?)

🔑 条件の抽出
入口連帯債務(横の対等)と連帯保証(縦の主従)を並べて波及を判定
着眼一人の契約無効が連帯債務/連帯保証でどう影響するか
🗺 一人の契約無効はどう影響する?
連帯債務は各債務が独立→一人の契約が無効でも他は全額有効(前半は正しい)。連帯保証は付従性主債務(DE)が無効なら保証も無効でFは負わない。一方、保証契約(DF)が無効でも主債務者Eは1,000万円を負う。
結論

×(誤り)

連帯債務は各独立で一人無効でも他は全額(前半○)。だが連帯保証は付従性により、主債務(DE)が無効なら保証も無効でFは1,000万円を負わない。「DE無効→Fが1,000万円負う」は誤り。よって全体として誤り。

📋 問題文

AB間の契約が無効ならCが、AC間の契約が無効ならBが、それぞれ1,000万円の債務を負う(連帯債務)。DE間の契約が無効ならFが、DF間の契約が無効ならEが、それぞれ1,000万円の債務を負う(連帯保証)。(正しいか?)

🗺 一人の契約無効はどう影響する?

連帯保証で主債務(DE間)が無効なら、連帯保証人Fは1,000万円を負う?

最終判定

この記述は正しい?

結論

×(誤り)

連帯債務は各独立で一人無効でも他は全額(前半○)。だが連帯保証は付従性により、主債務(DE)が無効なら保証も無効でFは1,000万円を負わない。「DE無効→Fが1,000万円負う」は誤り。よって全体として誤り。

🏋 この論点の過去問を、もっと解く
連帯債務・保証の過去問は、連帯債務・保証ドリルに論点別にまとめてあります。「現在地スキャン→決め手→○×」の3手で腕試し。

【まとめ】📌 この記事の核心

📌 この記事の核心
総合問題は「横(連帯債務)か縦(連帯保証)か」を見極めてから波及を当てる。連帯債務=絶対効3兄弟(更改・相殺・混同)以外は相対効/連帯保証=主→従は及ぶ・従→主は及ばず(消滅事由を除く)。これで連帯債務・保証はコンプリート!

→ 全体を振り返る:「連帯債務・保証債務の判断アルゴリズム(全体マップ)」


読み終えたら | 連帯債務・保証の順路 12 / 13
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