【共有】過去問を『型』で解く判定フロー

過去問で腕試し
このアルゴで解ける共有の過去問を、論点別に46肢そろえました
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⚖ 共有を貫く1本 ―「同意の梯子」:他の共有者に響くほど同意が重くなる
「保存は単独/管理は過半数/重大変更は全員」はバラバラに暗記しなくてもこの1本から導けます:他の共有者の利益を害する度合いが重いほど、必要な同意が重くなる(単独→過半数→全員の梯子)
🟢 害さない=現状を守るだけ(保存行為:修理・無権利者の登記抹消・不法占拠者への明渡し。他の共有者のためにもなる)→ 単独でできる(同意不要)
🟡 使い方を左右する(管理行為:短期賃貸借の締結・解除・利用者の決定+軽微変更:大規模修繕等)→ 持分価格の過半数(多数決は「頭数」ではなく「持分の価格」で数える)
🔴 物自体を失わせる・作り替える(重大変更:全体の売却・建替え・増改築。全員の利益に大きくかかわる)→ 全員の同意
横串2本:①金銭は持分に応じて割る(賃料・管理費の負担・損害賠償は自分の持分のみ)/②自分の持分は自由・他人の持分に触るなら同意(自己の持分だけの売却は誰の同意も不要)
⚠ この梯子から導けない・数字と例外は逐語で覚える:①短期賃貸借の上限=建物3年・土地5年・山林10年(以内なら管理行為=過半数)②不分割特約は5年以内(更新も更新の時から5年以内)③持分放棄・相続人なし→他の共有者に帰属(国庫ではない・「相続人なし」は特別縁故者への分与が先)④改正=軽微変更(大規模修繕等)は過半数所在等不明共有者は裁判所の決定で母数から除外(残りの持分の過半数で管理・不明者を除いた全員の同意で変更)
🛡️
ここは多くの人が正解する基本問題。だからこそ”落とすと痛い”
共有は合格者の多くが得点する分野。狙うのは満点ではなく、たった1つの引っかけ(保存行為は単独/管理は過半数/重大変更は全員/持分放棄は他の共有者へ=国庫ではない…)を外さないこと第1部フローを過去問で何度も回せば、その”行為の種類”を自分で仕分けられるようになります。
このアルゴの本体は第1部フロー(保存/管理/軽微変更/重大変更の仕分け)です。過去問で何度も回すと本番でも解けるようになります(得点への近道)。第2部【ダッシュボード】はフローを回した結論を点検・確認する一覧表。その引き方は第2部の直後に実演(🔎 3ステップで判定する手順)を付けました。⚠改正対応=軽微変更(大規模修繕等)は過半数・所在等不明共有者は裁判所の決定で母数から除外、も押さえておくと盤石。
🧭 Step 0|現在地スキャン まずここだけ見る
肢を読んだら、最初に「①何をする行為か(保存/管理/変更)→ ②誰への請求か → ③分割か」だけを見る。それで入口が1つに決まります。
保存・管理・軽微変更・重大変更・同意の数 Step 1:行為の性質必要な同意レベル
妨害排除・明渡し・登記抹消・誰に請求 Step 2:請求の相手単独でできるか
分割・分割請求・現物/代金/価格賠償 Step 3:共有関係からの脱出分割の3方法
🤔 迷ったら:まず「何をする行為か」(Step 1)で必要な同意の数を確定。請求の相手が論点ならStep 2、分割ならStep 3へ。
Civil Law Algorithm
『共有』の判断アルゴリズム
令和5年改正対応版
1
行為の性質(決定要件)を判定する
A. 変更行為(重大)
全員の同意

形状・効用の著しい変更(宅地化、建築、全体売却、長期賃貸借など)

※肢に「著しい」の語がなくても、物理的な損傷・改変を伴う変更は原則こちら(全員)で読む(§251①・H15問4肢2)
B. 変更行為(軽微)
過半数(持分)

砂利道のアスファルト舗装、大規模修繕工事(外壁・防水等)など

過半数(持分)

短期賃貸借の締結・解除、利用者の決定。※建物3年/土地5年/山林10年以内

単独で可能

日常的な補修(屋根修理)、無権利者の登記抹消請求、不法占拠者への明渡し。

行方不明者がいる場合の例外
所在を知ることができない
Must
「裁判所の決定」
「不明者を除いた共有者の同意」のみでA〜Cが可能に
2
トラブル・請求の相手は誰か?
ケース1:【不法占拠者(第三者)】への請求
Q. 「出ていけ(明渡し)」と言いたい 単独で可能
Q. 「損害賠償(金銭)」を請求したい 自分の持分のみ
ケース2:【他の共有者】への請求
Q. 共有者Aが独占使用している。「出ていけ」と言える?
当然には不可 利用料相当額(持分分)の金銭を請求する
Q. 共有者Aが勝手に全体を売却した
売買契約:有効(他人物売買) 他の共有者の持分移転:無効
ケース3:【持分の行方】(放棄・死亡)
Abandonment
持分放棄・相続人不在
Outcome
他の共有者に帰属
※国庫ではない
3
共有関係からの脱出(分割
大原則:いつでも分割請求可能
不分割特約のブロック

共有者間の契約で分割を禁止できる期間の限度

5 年以内
ROUTE A
協議(話し合い)
分け方は自由自在
現物分割 価格賠償 代金分割
ROUTE B
裁判(協議不調)
原則 現物分割
例外(現物不可等の場合)
競売(代金分割)
全面的価格賠償
Trigger Dashboard 決め手の武器庫
問題文のトリガー 論点 結論(決め手ワード)
「保存行為(修理等)」 行為の判定 単独で可能
「改良・解除(管理)」 行為の判定 過半数(持分)
「重大な変更(売却等)」 行為の判定 全員の同意
自己の持分の売却・譲渡」 持分の処分 【 〇 自由(誰の同意も不要) / × 同意必要 】
⚠「全体の売却=全員」と混同させるのが定番の罠!持分だけなら自由
「不法占拠者への損害賠償」 第三者への請求 自分の持分のみ
「他の共有者への明渡し」 共有者間の請求 当然にはできない
「持分放棄・相続人なし」 帰属先 他の共有者に帰属
※「相続人なし」の場合は特別縁故者への分与が先=それでも残った持分が他の共有者へ

Civil Law Co-ownership Algorithm Widget | Created with Precise Logical Design


🔎 ダッシュボードの「引き方」:3ステップで判定する手順
早見表は”引き方”を知らないと使えません。実際の本試験で、キーワード→該当行→即答 の動作を実演します。
手順は3ステップだけ:① 問題文からキーワードを拾う → ② 上の表で該当行を引く → ③ 結論(決め手ワード)をそのまま当てる
実演A(令和7年度 問8 肢2=この問の正解肢)
肢:「Aが甲土地についての自己の持分を放棄した場合には、その持分は国庫に帰属する。」
  1. キーワードを拾う:「持分放棄」+「帰属先」
  2. 表を引く:→ 【「持分放棄」または「相続人なし」→ 〇 他の共有者 / × 国庫】
  3. 即答:持分放棄は他の共有者に帰属(§255)。「国庫」は表と逆 → この肢は×(誤り)=この問の正解 ── 表を引くだけで判定できる
実演B(令和6年度 問3 肢3=この問の正解肢)
肢:「(A・B・C・Dが各4分の1を共有しDが所在不明の事案で)A、B、C3人の同意があれば、甲土地を資材置場として賃借したいFとの間で期間を3年とする賃貸借契約を締結することができる。」
  1. キーワードを拾う:「短期(3年)の賃貸借の締結」=利用に関する管理行為
  2. 表を引く:→ 【「改良・解除(管理)」→ 〇 過半数 / × 全員】(土地の賃借権は5年以内なら管理行為)
  3. 即答:A・B・Cで持分4分の3=過半数 → 締結できる → この肢は○(正しい)=この問の正解(Dが所在不明でも過半数を満たせば可)
💡 コツ:問題文の行為(修理・抹消登記=保存/短期賃貸借・解除・利用者決定=管理/砂利道舗装・大規模修繕=軽微変更=過半数/造成・売却・抵当権設定=重大変更=全員)に印をつけ、表で「単独/過半数/全員」を引くだけ。⚠唯一の例外=「自己の持分」の売却・譲渡は完全に自由(誰の同意も不要)——「売却」の語に反射する前に「全体か持分か」を見る。表と同じなら○、逆なら×。
⚡ 追加の即答7行(1行ずつで取れる)
・「各共有者の持分」が不明 ➡ 相等しい(平等)と推定(§250)
・「管理費・固定資産税の負担」 ➡ 持分に応じて負担(「利用の程度に応じて」は×・§253①)。1年以内に払わない共有者がいたら ➡ 他の共有者は相当の償金を払ってその持分を取得できる(§253②)
・「共有に関する債権」と「持分の譲受人」 ➡ 譲受人(特定承継人)にも請求できる(§254)
・「不分割特約の更新」 ➡ 更新できる(更新の時から5年以内・§256②)
・「共有物の使用」 ➡ 各共有者は持分に応じて共有物の全部を使用できる(§249①・「持分の割合の部分だけ」は×)
・「相続した共有持分の分割」 ➡ 共同相続人どうしの間では、遺産分割前は共有物分割の訴えは不可=遺産分割手続による(§258の2①)。⚠相続人ではない通常の共有者からの訴えは可能(「相続人E・Fに対してB・Cは訴え提起できる」は○・R7問8肢3)
・「共有者の1人から占有使用を承認された第三者」 ➡ その共有者の持分の限度で占有使用できる(他の共有者は当然には明渡し請求できない・H19問4肢1)
🧠 結論を思い出す(タップで答え)
保存行為(修理・不法占拠者への明渡し・無権利者の登記抹消) でできる(同意不要)
管理行為(短期賃貸借・解除・利用者の決定)=持分価格の (頭数ではない)
軽微変更(砂利道舗装・大規模修繕) (⚠改正論点・全員ではない)
重大変更(全体の売却・建替え等) の同意
短期賃貸借の上限(以内なら管理行為)=建物 /土地 /山林 
自己の持分の売却・譲渡 (誰の同意も不要・「全体の売却=全員」と混同させるのが定番の罠)
不法占拠者への損害賠償 のみ請求できる(明渡し請求のほうは単独で可能)
共有者の独占使用に「出ていけ」=当然には  (持分分)の金銭を請求する
持分放棄・相続人なし に帰属(国庫ではない・「相続人なし」は への分与が先)
不分割特約 以内(更新も更新の時から 以内)
金銭の横串=管理費・固定資産税は 負担(持分が不明なら相等しい(平等)と推定)
所在等不明共有者(改正) で母数から除外→残りの持分の過半数で管理・不明者を除いた全員の同意で変更
🛡️ 落とさない型の戦い方:主役は確実に・枝葉は△で保留
確実に取るべき主役=行為の仕分け(保存=単独/管理=過半数/軽微変更=過半数/重大変更=全員)・第三者への請求(損害賠償は持分のみ)・共有者間の明渡し(当然にはできない)・持分の帰属(放棄/相続人なし→他の共有者)・共有物分割の方法。ここは合格者の多くが正解する基本=落とすと痛い。ダッシュボードの行為分類を外さなければOK。
一方、所在等不明共有者の持分取得・譲渡の裁判手続の細部・遺産共有と通常共有が併存する場面の細かい処理(※ただし「遺産分割前の共有物分割の訴え=不可」だけは上の⚡即答7行で取れる)など知識型・新制度の枝葉は、見たことがなければ△で保留して次へ枝葉を全部取ろうとして時間を溶かさないことが、満点より価値があります。
⚠改正対応:軽微変更(大規模修繕等)は過半数/所在等不明共有者は裁判所の決定で議決の母数から除外でき、持分の取得・譲渡も可能。数字(過半数・全員・単独)の取り違えに注意。
📖 用語ミニ辞典 ― 言葉に詰まったらここ
共有の型でよく出る専門用語を、やさしい言葉でまとめました。意味に詰まったら戻ってください。
共有きょうゆう
1つの物を複数人で持ち合っている状態。
例:兄弟3人で1つの土地を相続して持っている。
この型では まず「①その行為は何か(保存/管理/変更)→②トラブルの相手→③分割」の順で考える。
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持分もちぶん
各共有者が持っている「取り分」の割合。
例:3人で等しく持てば各自の持分は3分の1。
この型では 多数決は「頭数」ではなく「持分の価格」で数える。自分の持分は自由に処分できる。
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持分の処分もちぶんのしょぶん
自分の持分を売る・譲る・担保に入れること。
例:共有者の1人が自分の持分だけをCに売る。
この型では 自分の持分は他の共有者の同意なしで自由にできる。一方、共有物そのものを売る(他人の持分も動かす)には全員の同意が必要。
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保存行為ほぞんこうい
共有物の現状を維持する行為(修理・不法占拠者の追い出しなど)。
例:雨漏りの修理、無断で住む人への明渡し請求。
この型では 各共有者が単独でできる(同意不要)。
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管理行為かんりこうい
共有物をどう使う・活用するかを決める行為(短期の賃貸など)。
例:駐車場として貸す、3年以内の建物賃貸借。
この型では 持分の価格の過半数で決める。軽微変更(大規模修繕など)もこの過半数ルート。
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変更行為へんこうこうい
共有物に変更を加える行為。
例:共有の建物を取り壊す、土地全部を売る(重大)/外壁の大規模修繕(軽微)。
この型では 重大な変更は共有者全員の同意が必要。軽微な変更は持分価格の過半数でよい。
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共有物分割きょうゆうぶつぶんかつ
共有関係を解消して、各自の単独所有などに分けること。
例:土地を3つに区切る、売って代金を分ける。
この型では いつでも請求できる(5年以内の不分割特約は有効)。方法は現物分割・代金分割・全面的価格賠償の3つ。
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過半数かはんすう
半分を超えること。共有では「人数」でなく「持分の価格」で数える。
例:持分6割の1人だけで管理行為を決められる(人数は1人でも過半数)。
この型では 管理行為・軽微変更の決定ライン。
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読み終えたら | 共有の順路 3 / 9
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