【共有】Step 3:対内部(独占共有者)─ 持分の盾で「当然」明渡し不可

共有の順路 6 / 9 Step3 対内部(独占共有者)

Step 2と表裏の関係にあるのが「内部の共有者」への対応です。共有者の一人が建物全部を独占して使っている——感情的には「追い出したい」と思います。でも法律はそれを「当然には」許しません。なぜなら独占しているBも「持分」という財産権の盾を持っているから。Step 2の不法占拠者と混同すると罠にハマります。

目次

本日のターゲット問題(平成13年 問1 肢2)

Bが、その持分に基づいて単独でこの建物全部を使用している場合は、A・Cは、Bに対して、理由を明らかにすることなく当然に、その明渡しを求めることができる。

🗺 登場人物の関係
共有者Bが建物"全部"を使用中 ← A・Cが「明渡せ」と請求できる?
→ Bも持分に応じて使う権利あり。A・Cは当然には明渡しを求められない(§249)
【Step 3】対内部(独占する共有者)の対応

  Q. 独占している共有者を「当然に」追い出せる?

    相手=B(持分を持つ共有者)
       「持分」という財産権の盾あり
       不法占拠者ではない
       → 「当然に」明渡しを求めることはできない
       → 判例(最判昭41.5.19)

  ★明渡しを求めるには
    AC側で「明渡しを求める正当な理由」を示す必要あり
    (Bの独占が他の共有者の利益を著しく害する等)

  本問:「理由を明らかにすることなく当然に明渡しを求められる」
        → 持分の盾を無視している
        → ×

答え:×(誤り)

🎯 この問題の核心

独占している共有者Bにも「持分」という財産権の盾あり。「当然に」「理由を明らかにすることなく」明渡し請求はできない(最判昭41.5.19)。Step 2の不法占拠者と混同する罠。

🧭 判定軸=相手は「持分の盾」を持つ内部の共有者か。まず自分で○×を出してみよう
独占していても、1%でも持分があれば「当然には」追い出せません。相手が内部の共有者か、盾を持たない外部の占有者か——ここが分かれ道です。
🙋‍♂️
生徒:まず本問(平13問1肢2)から。共有者Bが建物“全部”を独占してるんだから、A・Cは当然に明渡しを求められますよね。でいきます。
👨‍🏫
講師:そこが罠。答えは×だ。独占しているBも「持分」という財産権の盾を持っている。§249で各共有者は全部について持分に応じた使用ができるからね。だから最判昭41.5.19は「他の共有者は当然には明渡しを請求できない」とした。本問の「理由を明らかにすることなく当然に」は、その盾を無視しているから誤りなんだ。
🙋‍♂️
生徒:でもBは“全部”を独占してますよ。100%は持分を超えてるのに、A・Cは一生明渡しを求められないんですか?
👨‍🏫
講師:そこは別問題。「当然には」ダメというだけで、AC側が「明渡しを求める正当な理由」を示せば認められる余地はある(最判昭41.5.19)。入口で「当然に」と言い切る肢が×なんだ。ではシーンを変えてもう1問。もしBが持分を1つも持たない全くの他人(不法占拠者)だったら? A一人で建物全部の明渡しを求められる? ○か×か。
🙋‍♂️
生徒:さっき「当然にはダメ」って習ったばかりだから…他人でも一人じゃ無理そう…×ですか?
👨‍🏫
講師:逆だ、。それは外部の不法占拠者=持分の盾を持たない敵だ。共有者の一人が保存行為として単独で建物全部の明渡しを求められる。さっきの「当然にはダメ」は、相手が持分を持つ内部の共有者だったときの話。相手が内部か外部かで扱いが180度違うんだ。
🙋‍♂️
生徒:つまり相手が持分を持つ内部の共有者か、持たない外部の占有者か——ここを最初に見ればいいんですね。内部なら盾があって当然にはNG(正当な理由が要る)、外部なら一人で全部の明渡しOK。
👨‍🏫
講師:その通り。「独占=即追い出し」と条件反射せず、まず相手の持分の有無を確かめる。それが共有Step3の核心だ。
💡 深掘り:
相手が「持分を持つ内部の共有者」「持分のない外部の占有者」かをまず見る。内部なら持分の盾があり当然には明渡し不可(§249・最判昭41.5.19/求めるには正当な理由=最判昭41.5.19)。外部なら共有者の一人が保存行為として単独で全部の明渡し可。「独占」の語に釣られず、まず持分の有無を確認する。
⚡ 仕上げ:引っかけ(○か×か、自分で答えてから開こう)
共有者Bが建物全部を独占。A・Cは理由を明らかにすることなく当然に明渡しを求められる(平13問1肢2)×:Bも持分の盾を持つ。§249・最判昭41.5.19で当然には明渡し不可。
独占する共有者に対しても、AC側が正当な理由を示せば明渡しを認める余地がある【逆罠】「共有者には一切明渡せない」は誤解。最判昭41.5.19=正当な理由があれば可。
持分を持たない外部の不法占拠者に対しては、共有者の一人が単独で建物全部の明渡しを求められる:保存行為。外部の敵は内部の共有者と違い盾がないので、単独で追い出せる。

§249(共有物の使用):各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

判例(最判昭41.5.19):共有者の一人が共有物を単独で占有する場合でも、他の共有者は当然にその明渡しを請求することはできない。

判例(最判昭41.5.19):独占している共有者に対して明渡しを求めるには、独占の不当性等の正当な理由が必要。

【ポイント】共有者は持分の範囲で全部使用可(§249)。独占している共有者を「当然に」追い出せない(最判昭41.5.19)。

共有 / Step 3:対内部(独占する共有者)への対応
持分を持つ共有者は「当然に」追い出せない
平成13年 問1 肢2
📋 問題文

Bが、その持分に基づいて単独でこの建物全部を使用している場合は、A・Cは、Bに対して、理由を明らかにすることなく当然に、その明渡しを求めることができる。

🔑 条件の抽出
相手B=持分を持つ共有者(内部の人)
主張「当然に明渡しを求められる」と主張
Step 3:内部の共有者は持分の盾で守られる
独占しているBも「持分」という財産権の盾を持っている。不法占拠者と違い、当然に追い出すことはできない(判例・最判昭41.5.19)。AC側が明渡しを求めるには「明渡しを求める正当な理由」を示す必要がある。「当然に」「理由を明らかにすることなく」は誤り。
結論

×(誤り)

Bは持分を持つ共有者で財産権の盾あり。「当然に」「理由を明らかにすることなく」明渡しを求めることはできない。

📋 問題文

Bが、その持分に基づいて単独でこの建物全部を使用している場合は、A・Cは、Bに対して、理由を明らかにすることなく当然に、その明渡しを求めることができる。

Step 3:内部の共有者は持分の盾で守られる

持分を持つ共有者を「当然に」追い出せる?

最終判定

「A・Cは理由を明らかにすることなく当然に明渡しを求められる」は正しい?

結論

×(誤り)

Bは持分を持つ共有者で財産権の盾あり。「当然に」「理由を明らかにすることなく」明渡しを求めることはできない。

暗記ポイント

🎯 試験本番ではこう即答する:相手が持分を持つ共有者(内部の人)なら、たとえ独占していても「当然に」「理由を明らかにすることなく」明渡しは求められない。「持分の盾」を思い出す。「当然に追い出せる」は即×

  • 持分の盾:1%でも持分があれば「当然」の明渡し請求は不可
  • 明渡しに必要な要件:AC側が「正当な理由」を示すこと
  • 不法占拠者(外部)独占共有者(内部)の扱いの違いに注意

【まとめ】📌 この記事の核心

📌 この記事の核心
⚖ Step 3は対内部(独占する共有者)。持分の盾があるので「当然に」追い出せない。正当な理由が必要。外部の敵と内部の共有者で扱いが180度違う。

→ 次の記事:「Step 4:分割(出口戦略)─裁判の3方法」


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