「代理人が売上金を着服しようとしている」「代理人が騙されて変な契約を結んできた」。複雑に見える代理のトラブルを⚖天秤の世界で一撃で解決します。Step 4の§107濫用と§101瑕疵を、相手方の悪意と本人の指図でスキャンしましょう。
本日のターゲット問題(平成30年度 問2 肢1)
Aが、所有する甲土地の売却に関する代理権をBに授与し、BがCとの間で、Aを売主、Cを買主とする甲土地の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
肢1
Bが売買代金を着服する意図で本件契約を締結し、Cが本件契約の締結時点でこのことを知っていた場合であっても、本件契約の効果はAに帰属する。
【本人】
A ━━━━ Aに効果帰属? ━━━━━┓
(売主) ┃
①│代理権の授与 ┃
▼ ② 本件契約 ┃
B ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━> C
(代理人) (買主)
(着服の意図) (Bの意図を知っていた)
答え:×(誤)
代理権濫用+相手方Cが悪意 → §107で無権代理とみなす → 本人Aに効果帰属しない。「効果はAに帰属する」は誤り
(代理権の濫用)
第107条 代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。
暗記ポイント
🎯 試験本番ではこう即答する
⚖️ 概念マップ:Step 4は「§107濫用/§101瑕疵」の例外スイッチを最初にスキャン。
- □ 即答パターン①(§107濫用):「代理人が着服・自己/第三者の利益+相手方悪意 or 有過失」→ 無権代理とみなす(本人不帰属)
- □ 即答パターン②(§101瑕疵 原則):「詐欺・強迫・錯誤+本人の指図なし」→ 代理人を基準で判定(代理人が善意無過失なら本人は取消不可)
- □ 即答パターン③(§101瑕疵 例外=但書):「本人の指図あり+本人が知っていた」→ 本人を基準で判定(本人悪意なら本人は取消不可)
💡 必殺Tips:問題文を見たら、真っ先に「本人の指図/委託」のキーワードをスキャンする。あれば例外ルート(本人基準)、なければ原則ルート(代理人基準)。
⚠️ よくある引っかけ
- 「本人の選択に従い、本人又は代理人のいずれか」と書く → ×(§101は選択制ではない)
- 「濫用+相手方善意無過失」でも無権代理 → ×(相手方善意無過失なら通常の有権代理)
- 「指図」と「委託」を区別 → 改正後は「特定の法律行為をすることを委託」が正式表現(旧表現は「指図」)
過去問「比較」道場(ひっかけ回避)
👨🏫:では「意思表示の瑕疵(§101)」の2つの罠を見破ろう。実戦テクニックは「本人の指図/委託」のキーワードを先にスキャンすること。
【比較問題①:判定基準の罠】(平成26年 問2 肢エ)
意思表示の効力が詐欺や強迫などによって影響を受けるべき場合、その事実の有無は、本人の選択に従い、本人又は代理人のいずれかについて決する。
答え:×(誤)
§101は選択制ではない。原則「代理人を基準」で判定(例外的に本人の指図がある場合のみ本人基準)。「本人の選択でいずれか」は誤り
【比較問題②:本人の指図】(平成13年度 問8 肢2)
Aが、B所有の建物の売却(それに伴う保存行為を含む。)についてBから代理権を授与されている場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
肢2
Aが、買主Dから虚偽の事実を告げられて売買契約をした場合でも、Bがその事情を知りつつAに対してDとの契約を指図したものであるときには、BからDに対する詐欺による取消はできない。
【本人】
B ━━━━━ ③ 取消? ━━━━━━━┓
(売主) ┃
①│代理権授与 + 特定の指図 ┃
│(事情を知りつつ命令した) ┃
▼ ② 売買契約 ▼
A ━━━━━━━━━━━━━━━> D
(代理人) (買主)
【善意】 【詐欺】
答え:◯(正)
「指図あり+本人B悪意」→ §101但書で本人基準に切替 → 本人Bが事情を知っていた以上、Bからの詐欺取消は不可
👨🏫:⚖天秤は「原則:現場の代理人を基準 vs 例外:本人の指図があれば本人を基準」。比較①では指図なし→原則ルート(選択制ではない)、比較②では指図あり→例外ルート発動。
🙋♂️:問題①は「本人の選択でいずれか」と書いてあるけど、§101は選択制じゃないからバツ(×)!
👨🏫:その通り。次に問題②。問題文に「Bが事情を知りつつAに対してDとの契約を指図」とモロに書いてある → 例外ルート発動 → 基準が「現場の代理人A」から「指示を出した本人B」に切り替わる。
🙋♂️:プレイヤー(本人B)が「あいつが罠を張ってる」と知っていたのに、あえてアバターを突っ込ませた → 自業自得 → 取消し不可!マル(〇)。
👨🏫:⚖指図の重み:本人が事情を知って指図した時点で、本人は「知らなかった」と主張する資格を失う(§101③項)。アバターを介してリスクを移転しようとした本人を法律が保護する理由はない。
(代理行為の瑕疵)
第101条 代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
2 相手方が代理人に対してした意思表示の効力が意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
3 特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。
【まとめ】📌 この記事の核心
📌 この記事の核心
⚖Step 4は「異常スキャン」。§107(濫用)と§101(瑕疵)を並列チェック。
・§107濫用:相手方悪意/有過失 → 無権代理とみなす(本人不帰属)
・§101瑕疵原則:代理人を基準で判定(選択制ではない)
・§101瑕疵例外(但書/③項):本人の指図/委託+本人悪意 → 本人基準(本人は知らなかったと主張不可)
実戦では問題文に「指図/委託/知っていた」のキーワードを先にスキャンするだけで罠は半分以上回避できます。
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