【相殺】アルゴで解ける過去問ドリル
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【相殺】アルゴで解ける過去問ドリル
「相殺の判断アルゴリズム」で正誤に到達できる過去問だけを、論点(相殺適状・§509・§508・§511)順に集めた22肢(うち6肢はアルゴリズム記事内で実演済み=復習用。初見の演習は16肢)。
すべて本試験の原文そのまま。各カードは「📖解説で理解」→「🏋練習で定着」の2タブ式です。
22肢/4論点
相殺適状・不法行為・時効・差押え
⚠ ここに載るのは「相殺そのものの可否」だけです。連帯債務者の相殺(絶対効)は連帯債務カテゴリ、債権譲渡と相殺(469条)は債権譲渡カテゴリ、抵当権の物上代位と相殺は抵当権カテゴリで扱うため対象外です。
⚠ 「過失相殺」「損益相殺」は名前は似ていますが相殺(505条)とは別の制度なので含みません。法改正で結論が変わる肢は除き、すべて現行民法で判定しています。
論点1:相殺適状(弁済期・同種の債権)8問
相殺するには「自働債権の弁済期が到来」していること。受働債権(自分の債務)は期限の利益を放棄すれば弁済期前でもよい。
弁済期の定めがない自働債権と、期限の利益を放棄した受働債権で相殺できる?
令和5年 問4 ア(A・Bが互いに貸金債権/相殺できないものを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
AがBに対して貸金債権である甲債権を、BがAに対して貸金債権である乙債権をそれぞれ有している。「弁済期の定めのない甲債権と、弁済期到来前に、AがBに対して期限の利益を放棄する旨の意思表示をした乙債権」の場合、Aは一方的な意思表示により甲債権と乙債権とを対当額にて相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「対当額にて相殺」=論点1 相殺の基本要件・相殺適状の型。まず自働/受働を仕分け、自働債権の弁済期と受働債権の期限の利益を順に見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|自働/受働の仕分け
相殺を仕掛ける側Aが持つ甲債権が自働債権、Aが負う乙債権が受働債権。
S2|自働債権(甲)の弁済期は到来(または定めなし)?
甲債権は弁済期の定めがない=成立時から請求でき、弁済期到来として扱える。自働債権の絶対条件はクリア。
S3|受働債権(乙)は相殺できる状態か(期限の利益)
乙債権は弁済期前だが、Aが期限の利益を放棄すれば受働債権は弁済期前でも相殺できる。両要件を満たすので、Aは一方的な意思表示で相殺できる(§505①・§506)。肢は正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=自働債権(甲)は弁済期の定めなし=到来扱いで絶対条件をクリアし、受働債権(乙)はAが期限の利益を放棄すれば弁済期前でも相殺できる。両要件を満たすので、Aは一方的な意思表示で相殺できる(§505①・§506)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。自働債権(甲)は弁済期の定めがなく到来扱い、受働債権(乙)はAが期限の利益を放棄しているので、Aは一方的な意思表示により対当額で相殺できる(§505①・§506)。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
AがBに対して貸金債権である甲債権を、BがAに対して貸金債権である乙債権をそれぞれ有している。「弁済期の定めのない甲債権と、弁済期到来前に、AがBに対して期限の利益を放棄する旨の意思表示をした乙債権」の場合、Aは一方的な意思表示により甲債権と乙債権とを対当額にて相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|相殺を仕掛ける側Aの“自働債権”はどれ?
(自働=攻撃を仕掛ける側の債権)
🔁 Step 2|自働債権(甲)の弁済期は?
(相殺の絶対条件)
🔁 Step 3|受働債権(乙)は弁済期前。相殺できる状態?
(受働債権と期限の利益)
自働債権の弁済期が来ていれば、受働債権の弁済期がなくても相殺できる?
令和5年 問4 イ(A・Bが互いに貸金債権/相殺できないものを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
AがBに対して貸金債権である甲債権を、BがAに対して貸金債権である乙債権をそれぞれ有している。「弁済期が到来している甲債権と、弁済期の定めのない乙債権」の場合、Aは一方的な意思表示により甲債権と乙債権とを対当額にて相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「Aが一方的に相殺を仕掛ける」=論点1 相殺の基本要件・相殺適状の型。まず自働/受働を仕分け、自働債権の弁済期を見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|自働/受働の仕分け
相殺を仕掛ける側=A。Aの甲債権が自働債権、消されるBの乙債権が受働債権。争点は甲(自働債権)の弁済期。
S2|自働債権の弁済期は到来している?
相殺の絶対条件=自働債権(甲)の弁済期が到来していること。甲は弁済期到来済み→相殺可。受働債権(乙)の弁済期(定めなし)は問わない。よって相殺できる。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=自働債権(甲)の弁済期が到来していれば、受働債権(乙)の弁済期は問わない(自分の債務はいつでも弁済できる)。だから相殺できる。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。自働債権(甲)の弁済期が到来しているので、受働債権(乙)の弁済期の定めがなくても相殺できる(§505①)。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
AがBに対して貸金債権である甲債権を、BがAに対して貸金債権である乙債権をそれぞれ有している。「弁済期が到来している甲債権と、弁済期の定めのない乙債権」の場合、Aは一方的な意思表示により甲債権と乙債権とを対当額にて相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|相殺を仕掛けるA側の“自働債権”はどれ?
(自働=攻撃を仕掛ける側の債権)
🔁 Step 2|自働債権(甲)の弁済期は?
(相殺の絶対条件)
弁済期の定めのない債権を自働債権にして、自分から相殺できる?
令和5年 問4 ウ(A・Bが互いに貸金債権/相殺できないものを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
AがBに対して貸金債権である甲債権を、BがAに対して貸金債権である乙債権をそれぞれ有している。「弁済期の定めのない甲債権と、弁済期が到来している乙債権」の場合、Aは一方的な意思表示により甲債権と乙債権とを対当額にて相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「一方的な意思表示で相殺」=論点1 相殺の基本要件・相殺適状の型。まず自働/受働を仕分け、自働債権(甲)の弁済期を見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|自働/受働の仕分け
相殺を仕掛けるAの甲債権=自働債権、消されるB側の乙債権=受働債権。自働債権(甲)の弁済期が争点。
S2|自働債権(甲)の弁済期は到来(または定めなし)?
相殺の絶対条件=自働債権の弁済期が到来(または定めなし)していること。甲は弁済期の定めがなく成立と同時に請求できる=弁済期にあると扱えるので相殺できる(受働債権=乙の弁済期は問わない)。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=弁済期の定めのない自働債権(甲)は弁済期にあると扱える(成立と同時に請求できる)。だから受働債権(乙)の弁済期を問わず、Aは自分から相殺できる(§505①)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。弁済期の定めのない自働債権(甲)は成立と同時に請求でき弁済期到来として扱えるので、受働債権(乙)の弁済期を問わずAは相殺できる(§505①)。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
AがBに対して貸金債権である甲債権を、BがAに対して貸金債権である乙債権をそれぞれ有している。「弁済期の定めのない甲債権と、弁済期が到来している乙債権」の場合、Aは一方的な意思表示により甲債権と乙債権とを対当額にて相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|相殺を仕掛けるAの“自働債権”はどれ?
(自働=攻撃を仕掛ける側の債権)
🔁 Step 2|自働債権(甲)の弁済期は?
(相殺の絶対条件)
自働債権(甲)の弁済期が来ていなくても、自分から相殺できる?
令和5年 問4 エ(A・Bが互いに貸金債権/相殺できないものを選ぶ問題の正解)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
AがBに対して貸金債権である甲債権を、BがAに対して貸金債権である乙債権をそれぞれ有している。「弁済期が到来していない甲債権と、弁済期が到来している乙債権」の場合、Aは一方的な意思表示により甲債権と乙債権とを対当額にて相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「一方的な意思表示により相殺」=論点1 相殺の基本要件・相殺適状の型。まず自働/受働を仕分け、相殺を仕掛ける側(自働債権)の弁済期を見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|自働/受働の仕分け
相殺を仕掛けるのはA。Aの債権=甲債権が自働債権、消される側のBの債権=乙債権が受働債権。争点は自働債権(甲)の弁済期。
S2|自働債権(甲)の弁済期は到来している?
相殺の絶対条件=自働債権(甲)の弁済期が到来(または定めなし)していること。甲は「弁済期が到来していない」=未到来なので、Aから相殺はできない。受働債権(乙)の弁済期が到来していても関係ない。肢は「相殺することができる」としており誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=自分から相殺するには自働債権(甲)の弁済期の到来が必須(受働債権=乙の弁済期は問わない)。🔴罠=受働債権(乙)が到来していれば足りると思わせ、自働債権(甲)の弁済期未到来を見逃させる。🔴罠の型=要件の欠落(自働債権の弁済期を無視)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。自分から相殺するには自働債権(甲)の弁済期の到来が必要(§505①)。甲は弁済期未到来なので「相殺することができる」は誤り。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
AがBに対して貸金債権である甲債権を、BがAに対して貸金債権である乙債権をそれぞれ有している。「弁済期が到来していない甲債権と、弁済期が到来している乙債権」の場合、Aは一方的な意思表示により甲債権と乙債権とを対当額にて相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|相殺を仕掛ける側の“自働債権”はどれ?
(自働=攻撃を仕掛ける側の債権)
🔁 Step 2|自働債権(甲)の弁済期は?
(相殺の絶対条件)
受働債権の弁済期が来ていなくても、相殺できる?
平成7年 問8 肢2(A・Bが互いに100万円の債権/誤りを選ぶ問題の正解)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
AがBに対して100万円の金銭債権、BがAに対して100万円の同種の債権を有する場合において、Aの債権について弁済期の定めがなく、Aから履行の請求がないときは、Bは、Bの債権の弁済期が到来しても、相殺をすることができない。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「同種の債権」が互いに対立=論点1 相殺の基本要件・相殺適状の型。相殺を仕掛けるB視点で自働/受働を仕分け、自働債権(Bの債権)の弁済期を見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|自働/受働の仕分け
相殺を仕掛けるのはB。攻撃に使うBの債権=自働債権、消されるAの債権(Bの債務)=受働債権。
S2|自働債権(Bの債権)の弁済期は到来している?
相殺の絶対条件=自働債権の弁済期の到来。肢では「Bの債権の弁済期が到来」しており、この条件を満たす。
S3|受働債権(Aの債権)の弁済期は問わない
受働債権は弁済期の定めがなく履行請求がなくても、Bは期限の利益を放棄していつでも自分の債務を弁済できる=相殺の妨げにならない。よってBは相殺でき、肢の「できない」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=自分(B)から相殺するには自働債権(Bの債権)の弁済期の到来で足りる。受働債権(Aの債権)の弁済期は問わない(Bは期限の利益を放棄していつでも弁済できる)。🔴罠=受働債権に弁済期の定めがなく履行請求もないから「相殺できない」と思わせる。🔴罠の型=自働/受働の取り違え(弁済期を問うべきは自働債権なのに、受働債権の弁済期に目を向けさせる)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。自働債権(Bの債権)の弁済期が到来していれば、受働債権(Aの債権)の弁済期にかかわらずBは相殺できる(§505①)。「相殺をすることができない」は誤り。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
AがBに対して100万円の金銭債権、BがAに対して100万円の同種の債権を有する場合において、Aの債権について弁済期の定めがなく、Aから履行の請求がないときは、Bは、Bの債権の弁済期が到来しても、相殺をすることができない。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|相殺を仕掛けるB側の“自働債権”はどれ?
(自働=攻撃を仕掛ける側の債権)
🔁 Step 2|自働債権(Bの債権)の弁済期は?
(相殺の絶対条件)
🔁 Step 3|受働債権(Aの債権)は弁済期の定めがなく履行請求もない——相殺の妨げになる?
(受働債権の弁済期は問うか)
弁済期がまだ来ていない貸金債権を使って、自分から相殺できる?
平成30年 問9 肢1(A・B間の売買代金債務との相殺/正しいものを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
Aは、平成30年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。BがAに対して同年12月31日を支払期日とする貸金債権を有している場合には、Bは同年12月1日に売買代金債務と当該貸金債権を対当額で相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「貸金債権で相殺(自働債権)」=論点1 相殺の基本要件・相殺適状の型。まず自働/受働を仕分け、自働債権の弁済期を見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|自働/受働の仕分け
相殺を仕掛けるBが使う側=自働債権=貸金債権(支払期日12/31)。消される側=受働債権=Bが負う売買代金債務(支払期日12/1)。
S2|自働債権の弁済期は到来している?
相殺の絶対条件=自働債権の弁済期の到来(または定めなし)。貸金債権の弁済期は12/31で、12/1にはまだ未到来。受働債権(売買代金債務)の期限は放棄できても、自働債権の弁済期を一方的に早めることはできず、12/1には相殺できない。肢は「相殺することができる」としており誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=自分から相殺するには自働債権(貸金債権)の弁済期の到来が必須(§505①)。受働債権(売買代金債務)の期限は放棄できるが、自働債権の弁済期は一方的に早められない。🔴罠=弁済期12/31の貸金債権を使って12/1に「相殺することができる」とする。🔴罠の型=要件の欠落(自働債権の弁済期未到来を無視)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。自働債権である貸金債権の弁済期は12/31で未到来のため、12/1には相殺できない(§505①)。「相殺することができる」は誤り。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
Aは、平成30年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。BがAに対して同年12月31日を支払期日とする貸金債権を有している場合には、Bは同年12月1日に売買代金債務と当該貸金債権を対当額で相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|相殺を仕掛けるBの“自働債権”はどれ?
(自働=攻撃を仕掛ける側の債権)
🔁 Step 2|自働債権(貸金債権)の弁済期は?
(相殺の絶対条件・支払期日は12/31、相殺の実行日は12/1)
まだ発生していない敷金返還請求権を自働債権にして相殺できる?
平成16年 問8 肢1(A=賃借人/賃料債務に関する相殺・正しいものを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
Aは、B所有の建物を賃借し、毎月末日までに翌月分の賃料50万円を支払う約定をした。敷金300万円をBに預託し、敷金は賃貸借終了後明渡し完了後にBがAに支払うと約定された。Aは、Bが支払不能に陥った場合は、特段の合意がなくても、Bに対する敷金返還請求権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「敷金返還請求権を自働債権として」=論点1 相殺の基本要件・相殺適状の型。まず自働/受働を仕分け、その自働債権が発生済みで弁済期が到来しているかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|自働/受働の仕分け
相殺を仕掛ける側の債権=自働債権。Aは自分の敷金返還請求権(B負担)を自働債権、支払うべき賃料債務を受働債権として相殺しようとしている。
S2|自働債権は発生・弁済期到来している?
相殺の絶対条件=自働債権の弁済期が到来(または定めなし)していること。⚠敷金返還請求権は賃貸借終了・明渡し完了後に初めて発生する=賃貸借継続中はまだ債権が現実化せず弁済期未到来。相殺適状にならず、相手(B)の支払不能を理由に一方的に早めることもできない。肢は「相殺できる」としており誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=自分から相殺するには自働債権の弁済期の到来が必須。敷金返還請求権は賃貸借終了・明渡し完了後に初めて発生し、賃貸借継続中は弁済期未到来で相殺適状にならない。🔴罠=相手(B)の支払不能を理由に、まだ発生していない敷金返還請求権で一方的に相殺できるとする。🔴罠の型=要件の欠落(自働債権が未発生・弁済期未到来)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。敷金返還請求権は賃貸借終了・明渡し完了後に初めて発生し、賃貸借継続中は弁済期未到来で相殺適状にならない(§505①)。相手の支払不能でも一方的に相殺はできず「相殺することができる」は誤り。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
Aは、B所有の建物を賃借し、毎月末日までに翌月分の賃料50万円を支払う約定をした。敷金300万円をBに預託し、敷金は賃貸借終了後明渡し完了後にBがAに支払うと約定された。Aは、Bが支払不能に陥った場合は、特段の合意がなくても、Bに対する敷金返還請求権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|相殺を仕掛ける側の“自働債権”はどれ?
(自働=攻撃を仕掛ける側の債権)
🔁 Step 2|その自働債権(敷金返還請求権)は使える状態?
(敷金返還請求権が発生するのはいつ?)
敷金返還請求権を自働債権に、契約期間中でも相殺できる?
平成13年 問9 肢1(A=賃借人/敷金返還請求権に関する・正しいものを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
Aは、BからB所有の建物を賃借し、敷金として50万円をBに交付した。賃貸借契約期間中でもBの返済能力に客観的な不安が生じた場合は、Aは、賃料支払債務と敷金返還請求権とを対当額にて相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「敷金返還請求権で相殺」=論点1 相殺の基本要件・相殺適状の型。まず自働/受働を仕分け、相殺を仕掛ける側の自働債権が発生済みで弁済期が来ているかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|自働/受働の仕分け
相殺を仕掛ける側の債権=自働債権。ここでAが仕掛ける自働債権は敷金返還請求権。
S2|自働債権の弁済期は到来している?
相殺の絶対条件=自働債権の弁済期が到来(または定めなし)していること。ところが敷金返還請求権は賃貸借の終了・明渡し完了後に初めて発生する債権で、契約期間中はまだ発生しておらず弁済期も未到来。よって相殺適状にならず相殺できない。肢は「契約期間中でも相殺できる」としており誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=自分から相殺するには自働債権の弁済期の到来が必須。敷金返還請求権は賃貸借の終了・明渡し後に発生するので、契約期間中は自働債権がまだ存在せず相殺適状にならない。🔴罠=「返済能力に不安が生じた」だけで相殺できるかのように見せる。🔴罠の型=要件の欠落(自働債権が未発生=弁済期未到来を無視)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。敷金返還請求権は賃貸借の終了・明渡し後に発生するため、契約期間中は自働債権の弁済期が未到来で相殺適状にならない(§505①)。「相殺することができる」は誤り。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
Aは、BからB所有の建物を賃借し、敷金として50万円をBに交付した。賃貸借契約期間中でもBの返済能力に客観的な不安が生じた場合は、Aは、賃料支払債務と敷金返還請求権とを対当額にて相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|Aが相殺を仕掛ける“自働債権”はどれ?
(自働=攻撃を仕掛ける側の債権)
🔁 Step 2|その自働債権は、契約期間中にもう発生している?
(敷金返還請求権はいつ発生する?)
論点2:不法行為等と相殺(民法509条)5問
§509が禁じるのは「加害者(損害賠償債務の債務者)」からの相殺。被害者が損害賠償債権を自働債権として相殺するのは自由。※改正で禁止対象は「悪意の不法行為」「生命・身体の侵害」に限定された。
悪意の不法行為の損害賠償債権でも、被害者側からなら相殺できる?
令和7年 問4 肢4(A=借主かつ被害者/正しいものを選ぶ問題の正解)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
AがBから弁済の期限の定めなく金1,000万円を借り入れる金銭消費貸借契約において、Aが、期限が到来しているBの悪意による不法行為に基づく金1,000万円の損害賠償請求債権をBに対して有している場合、Aは本件契約に基づく返還債務をBに対する当該損害賠償請求債権で相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「悪意による不法行為に基づく損害賠償請求債権」が登場=論点2 受働債権の制限(§509・§510)の型。まずNGワードか、次に誰がどちら側で使うかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|§509のNGワードを確認
相殺に悪意による不法行為に基づく損害賠償債権が登場。§509(受働債権の制限)の型に入る。
S2|誰がどちら側で使う?
仕掛けているのは被害者Aで、自分の損害賠償請求債権を自働債権にして返還債務(受働債権)と相殺する。§509が禁じるのは加害者が損害賠償債権を受働債権にする相殺だけで、被害者が自働債権として相殺するのは自由にできる。よって相殺できる。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=§509が禁じるのは加害者からの相殺(損害賠償債権を受働債権にする場合)だけ。被害者Aが自分の損害賠償債権を自働債権として相殺するのは自由にできる。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。§509が禁じるのは加害者からの相殺だけ。被害者Aが悪意の不法行為に基づく損害賠償請求債権を自働債権として相殺するのは自由にできる。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
AがBから弁済の期限の定めなく金1,000万円を借り入れる金銭消費貸借契約において、Aが、期限が到来しているBの悪意による不法行為に基づく金1,000万円の損害賠償請求債権をBに対して有している場合、Aは本件契約に基づく返還債務をBに対する当該損害賠償請求債権で相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|§509・§510が関わるNGワード債権は登場している?
(悪意の不法行為の損賠/生命・身体侵害の損賠/差押禁止債権)
🔁 Step 2|その損害賠償債権を、誰がどちら側の債権として使う?
(§509は加害者からの相殺だけを禁じる)
被害者の側からなら、不法行為の損害賠償債権でも相殺できる?
平成30年 問9 肢3(B=買主かつ被害者/正しいものを選ぶ問題の正解)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
Aは、平成30年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。同年10月10日、BがAの自動車事故によって被害を受け、Aに対して不法行為に基づく損害賠償債権を取得した場合には、Bは売買代金債務と当該損害賠償債権を対当額で相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵相殺に「不法行為に基づく損害賠償債権」が出てきたら論点2 受働債権の制限(§509・§510)の型。自働/受働を仕分け、その損害賠償債権を「加害者が受働債権にする」のか「被害者が自働債権にする」のかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|自働/受働の仕分け+NGワードの確認
相殺に登場する2つの債権を仕分ける。BはAに不法行為に基づく損害賠償債権(§509がにらむNGワード)を持ち、逆にBはAに売買代金債務を負う。この損害賠償債権を誰がどう使うのかを見る。
S2|加害者からか、被害者からか?
§509が絶対に禁じるのは加害者からの相殺(被害者の損害賠償債権を受働債権にして踏み倒すこと)。本肢は被害者Bが自分の損害賠償債権を自働債権とし、売買代金債務(受働債権)と相殺するもの。§509の制限の外なので相殺できる。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=§509が禁じるのは加害者からの相殺だけ。被害者Bが損害賠償債権を自働債権として売買代金債務(受働債権)と相殺するのは制限の外(§509)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。§509は加害者からの相殺を禁じる規定にすぎず、被害者Bが損害賠償債権を自働債権として相殺するのは妨げられない(§509)。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
Aは、平成30年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。同年10月10日、BがAの自動車事故によって被害を受け、Aに対して不法行為に基づく損害賠償債権を取得した場合には、Bは売買代金債務と当該損害賠償債権を対当額で相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|§509がにらむ「NGワード」はある?
(悪意の不法行為の損賠/人の生命・身体侵害の損賠/差押禁止債権)
🔁 Step 2|その損害賠償債権を、誰がどう使う?
(加害者が受働債権にする=不可/被害者が自働債権にする=可)
被害者は、不法行為の損害賠償請求権を自働債権として相殺できない?
平成16年 問8 肢2(A=賃借人かつ被害者/正しいものを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
Aは、B所有の建物を賃借し、毎月末日までに翌月分の賃料50万円を支払う約定をした。AがBに対し不法行為に基づく損害賠償請求権を有した場合、Aは、このBに対する損害賠償請求権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することはできない。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「不法行為に基づく損害賠償請求権」で相殺=論点2 受働債権の制限(§509)の型。損害賠償請求権が自働債権か受働債権か、そして加害者側か被害者側かを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|自働/受働の仕分け
相殺を仕掛ける側の債権=自働債権。Aは不法行為の損害賠償請求権を自働債権とし、消される側(受働債権)は賃料債務。損害賠償請求権は”仕掛ける側”にある。
S2|§509はどちら側を封じる?
§509が禁じるのは加害者が損害賠償請求権を受働債権にして相殺すること。被害者が損害賠償請求権を自働債権にして相殺するのは制限されない。Aは被害者で自働債権にしているので相殺できる。肢は「相殺することはできない」としており誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=§509が封じるのは加害者からの相殺(損害賠償請求権が受働債権のとき)。被害者が損害賠償請求権を自働債権にする相殺は自由。🔴罠=「加害者×/被害者○」を取り違え、被害者からの相殺まで「できない」とする。🔴罠の型=自働受働の取り違え(加害者と被害者の逆転)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。§509が禁じるのは加害者からの相殺。被害者Aが自分の不法行為損害賠償請求権を自働債権として相殺するのは自由なので、「できない」は誤り。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
Aは、B所有の建物を賃借し、毎月末日までに翌月分の賃料50万円を支払う約定をした。AがBに対し不法行為に基づく損害賠償請求権を有した場合、Aは、このBに対する損害賠償請求権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することはできない。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|Aの不法行為の損害賠償請求権は、自働債権?受働債権?
(自働=相殺を仕掛ける側/受働=消される側)
🔁 Step 2|§509が「相殺できない」とするのはどちら側からか?
(§509=受働債権が悪意の不法行為・生命身体侵害の損賠のとき)
不法行為の損害賠償債権でも、被害者の側からなら相殺できる?
平成18年 問11 肢3(使用者責任/正しいものを選ぶ問題の正解)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
事業者Aが雇用している従業員Bが行った不法行為につき、Aに使用者としての損害賠償責任が発生する場合、Aが被害者に対して売買代金債権を有していれば、被害者は不法行為に基づく損害賠償債権で売買代金債務を相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「不法行為に基づく損害賠償債権」が出たら=論点2 受働債権の制限(§509・§510)の型。まず“消される側(受働債権)”がNGワードかを見て、次に誰の側から相殺かを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|受働債権(消される側)はNGワードか?
相殺で消される側=受働債権を特定する。ここでは受働債権=売買代金債務。§509の悪意の不法行為・生命身体侵害の損害賠償債権でも、§510の差押禁止債権でもない=NGワードなし。
S2|不法行為の損害賠償債権はどちら側?誰から相殺?
残る不法行為の損害賠償債権は、被害者が持つ自働債権。§509が縛るのは受働債権が不法行為債権のとき(=加害者からの相殺)だけで、被害者が自働債権として相殺するのは制限外=自由(§509)。よって正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=§509が禁じるのは受働債権が不法行為の損害賠償債権のとき(=加害者からの相殺)だけ。本肢は不法行為の損害賠償債権を自働債権にした被害者からの相殺なので§509の制限外で自由(加害者×/被害者○)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。被害者は不法行為の損害賠償債権を自働債権として、加害者に負う売買代金債務と相殺できる。§509が禁じるのは加害者側からの相殺だけで、被害者からの相殺は制限の外(§509)。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
事業者Aが雇用している従業員Bが行った不法行為につき、Aに使用者としての損害賠償責任が発生する場合、Aが被害者に対して売買代金債権を有していれば、被害者は不法行為に基づく損害賠償債権で売買代金債務を相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|相殺で“消される側(受働債権)”はどれ?それはNGワード?
(NGワード=悪意の不法行為/生命身体侵害の損賠・差押禁止債権)
🔁 Step 2|不法行為の損害賠償債権は、誰がどちら側の債権に使っている?
(§509が縛るのは受働債権が不法行為債権のとき=加害者からの相殺)
不法行為の被害者は、損害賠償債権を自働債権として相殺できない?
平成4年 問9 肢1(不法行為/正しいものを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
不法行為の被害者は、損害賠償債権を自働債権として、加害者に対する金銭返還債務と相殺することができない。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「損害賠償債権を自働債権として」=被害者側から仕掛ける相殺。論点2 受働債権の制限(§509・§510)の型。受働債権がNGワードか、そして『誰から相殺か』を見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|受働債権はNGワードか(§509・§510)
受働債権(チャラにされる側)=被害者が負う金銭返還債務。悪意の不法行為・生命身体侵害の損害賠償債権でも差押禁止債権でもなく、NGワードに当たらない。損害賠償債権は自働債権の側にある。
S2|誰の側から相殺か(§509は加害者×/被害者○)
§509が禁じるのは損害賠償債務を負う加害者が損賠を受働債権にして相殺する場合だけ。本肢は被害者が損害賠償債権を自働債権にして相殺しており、§509の制限は及ばず相殺できる。肢は「できない」としており誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=§509が禁じるのは加害者からの相殺だけ。被害者が損害賠償債権を自働債権として相殺するのは制限されない(加害者×/被害者○)。🔴罠=「できない」と、被害者からの相殺まで禁止したように見せる。🔴罠の型=表と逆(§509は加害者だけ禁止なのに被害者まで禁止と誤る)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。§509は加害者からの相殺だけを禁じ、被害者は損害賠償債権を自働債権として相殺できる。「できない」は誤り。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
不法行為の被害者は、損害賠償債権を自働債権として、加害者に対する金銭返還債務と相殺することができない。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|受働債権(チャラにされる側)はNGワードか?
(§509は加害者からは不可/被害者からは可)
🔁 Step 2|誰の側から相殺しようとしている?
(§509は加害者からは不可/被害者からは可)
論点3:時効で消滅した債権による相殺(民法508条)5問
自働債権が時効で消滅しても、消滅「以前」に相殺適状にあったなら相殺できる。消滅前に適状になっていなければ不可。
時効で消えた債権でも、消滅前に相殺適状なら相殺できる?
平成7年 問8 肢1(A・Bが互いに100万円の債権/誤りを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
AがBに対して100万円の金銭債権、BがAに対して100万円の同種の債権を有する場合において、Aの債権が時効によって消滅した後でも、時効完成前にBの債権と相殺適状にあれば、Aは、Bに対して相殺をすることができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「時効によって消滅した後でも」=論点3 時効で消滅した債権による相殺の型(§508)。自働債権が時効で消滅していても、時効完成“前”に相殺適状だったかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|§508の論点か?(自働債権は時効で消滅している?)
相殺を仕掛けるAの債権(自働債権)が時効で消滅している。自働債権が時効消滅した後の相殺=§508の論点。
S2|時効完成“前”に相殺適状になっていた?
§508では、自働債権が時効で消滅していても、時効完成前に相殺適状(互いの弁済期が到来)にあったなら相殺できる。肢は「時効完成前に…相殺適状にあれば」としており、この要件を満たす。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=自働債権が時効で消滅しても、時効完成前に相殺適状にあったなら相殺できる(§508)。相殺適状にあった当事者の「もう清算済み」という期待を保護する。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。自働債権が時効で消滅しても、時効完成前に相殺適状にあれば相殺できる(§508)。肢は時効完成前に相殺適状にあるので正しい。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
AがBに対して100万円の金銭債権、BがAに対して100万円の同種の債権を有する場合において、Aの債権が時効によって消滅した後でも、時効完成前にBの債権と相殺適状にあれば、Aは、Bに対して相殺をすることができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|この肢はどの型?
(相殺を仕掛ける側=Aの債権に注目)
🔁 Step 2|時効完成“前”に相殺適状になっていた?
(相殺適状=互いの弁済期が到来してチャラにできる状態)
時効で消滅した債権は、時効完成の後に発生した債務と相殺できる?
平成30年 問9 肢4(A・B間の売買代金債務との相殺/正しいものを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
Aは、平成30年10月1日、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。BがAに対し同年9月30日に消滅時効の期限が到来する貸金債権を有していた場合には、Aが当該消滅時効を援用したとしても、Bは売買代金債務と当該貸金債権を対当額で相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「消滅時効を援用した債権で相殺」=論点3 時効で消滅した債権による相殺の型(§508)。時効完成“前”に相殺適状になっていたかを確かめる。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|自働債権はすでに時効で消滅している?
相殺を仕掛けるBの自働債権=貸金債権は、Aが消滅時効を援用して時効消滅している。時効で消えた債権での相殺=§508の論点。
S2|時効完成“前”に相殺適状になっていた?
§508で相殺できるのは時効完成“前”に相殺適状(互いの弁済期が到来)になっていた場合だけ。受働債権の売買代金債務は10月1日発生で、時効完成(9月30日)より後。消滅前に相殺適状になったことが一度もなく、§508は使えず相殺できない。「できる」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=§508で相殺できるのは時効完成“前”に相殺適状(互いの弁済期が到来)になっていた場合だけ。🔴罠=受働債権(売買代金債務)が時効完成より後に発生し相殺適状が一度もなかったのに「相殺できる」とする。🔴罠の型=前後の取り違え(時効完成前に相殺適状になっていない)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。売買代金債務は時効完成(9/30)より後の10/1に発生し、消滅前に相殺適状になったことがない。§508で相殺できず「できる」は誤り。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
Aは、平成30年10月1日、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。BがAに対し同年9月30日に消滅時効の期限が到来する貸金債権を有していた場合には、Aが当該消滅時効を援用したとしても、Bは売買代金債務と当該貸金債権を対当額で相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|Bが相殺に使う“自働債権”(貸金債権)はすでに時効で消滅している?
(§508の論点かどうかの入口)
🔁 Step 2|時効完成“前”に相殺適状(互いの弁済期が到来)になっていた?
(§508で相殺できるかの分かれ目)
時効で消滅した債権でも、消滅前に相殺できる状態だったなら相殺できる?
平成17年 問4 肢3(消滅時効/正しいものを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
AのCに対する債権が、CのAに対する債権と相殺できる状態であったにもかかわらず、Aが相殺することなく放置していたためにAのCに対する債権が時効により消滅した場合、Aは相殺することはできない。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「時効により消滅した」自働債権での相殺=論点3 時効で消滅した債権による相殺の型。時効で消滅した自働債権でも、時効の完成前に相殺適状になっていたかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|時効で消滅した債権での相殺か?
自働債権(AのCに対する債権)がすでに時効により消滅している。これは論点3(§508)の型。次に時効の完成前に相殺適状があったかを確認する。
S2|時効の完成前に相殺適状になっていた?
肢では消滅前に「相殺できる状態」=相殺適状にあった。§508により、自働債権が時効で消滅していても相殺できる(放置していたかは問わない)。肢は「相殺することはできない」としており誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=時効で消滅した自働債権でも、時効の完成前に相殺適状になっていれば§508で相殺できる(放置していたかは問わない)。🔴罠=「放置していたから相殺できない」と相殺適状があった事実を無視する。🔴罠の型=表と逆(§508では相殺できるのに、できないと逆に結論づける)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。消滅前に相殺適状にあった以上、自働債権が時効で消滅してもAは相殺できる(§508)。「相殺することはできない」は誤り。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
AのCに対する債権が、CのAに対する債権と相殺できる状態であったにもかかわらず、Aが相殺することなく放置していたためにAのCに対する債権が時効により消滅した場合、Aは相殺することはできない。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|この肢はどの型?
(自働債権が時効で消えている=§508の論点)
🔁 Step 2|時効の完成前に相殺適状(互いの弁済期が到来)になっていた?
(§508が使えるかの分かれ目)
時効で消滅した債権では、もう相殺できない?
平成1年 問2 肢4(金銭債権の時効/正しいものを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
BがAに対する債権を有する場合において、その債権が既に時効により消滅しているときは、その時効完成前にAの金銭債権と相殺し得る状態にあったとしても、Bは、相殺することはできない。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「時効で消滅した債権で相殺」=論点3 時効消滅した債権による相殺の型(§508)。自働債権が時効消滅していても、時効完成“前”に相殺適状だったかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|§508の論点か(自働債権が時効消滅)
Bの自働債権(Aに対する債権)がすでに時効で消滅している。時効消滅した債権で相殺できるかは§508の論点。
S2|時効完成“前”に相殺適状だった?
§508は、時効完成前に相殺適状(互いの弁済期が到来してチャラにできる状態)になっていれば、消滅後も相殺できるとする。肢は「時効完成前に相殺し得る状態にあった」としており、Bは相殺できる。「できない」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=時効完成前に相殺適状になっていれば、自働債権が時効消滅しても§508によりBは相殺できる。🔴罠=相殺適状が先にあったのに「相殺することはできない」と結論を逆にする。🔴罠の型=表と逆(相殺できるのに『できない』)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。時効完成前に相殺し得る状態(相殺適状)にあったので、消滅後もBは相殺できる(§508)。「相殺することはできない」は誤り。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
BがAに対する債権を有する場合において、その債権が既に時効により消滅しているときは、その時効完成前にAの金銭債権と相殺し得る状態にあったとしても、Bは、相殺することはできない。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|これは何の論点?
(Bの自働債権はすでに時効で消滅している)
🔁 Step 2|時効完成“前”に相殺適状だった?
(互いの弁済期が到来してチャラにできる状態か)
時効で消滅した債権でも、消滅前に相殺適状になっていれば相殺できる?
平成16年 問8 肢3(A=賃借人/正しいものを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
Aは、B所有の建物を賃借している。AがBに対して商品の売買代金請求権を有しており、それが平成16年9月1日をもって時効により消滅した場合、Aは、同年9月2日に、このBに対する代金請求権を自働債権として、同年8月31日に弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することはできない。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「時効により消滅した」債権で相殺=論点3 時効で消滅した債権による相殺の型(§508)。自働債権が消える“前”に相殺適状になっていたかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|自働債権はもう時効で消滅している?
相殺を仕掛ける側の自働債権(Bへの代金請求権)が9月1日に時効消滅済み=§508の論点3に入る。次は“消滅前に相殺適状だったか”を見る。
S2|時効完成“前”に相殺適状になっていた?
受働債権(賃料債務)の弁済期が8月31日に到来し、その時点で互いの弁済期がそろって相殺適状が成立。自働債権の時効消滅は翌9月1日。消滅前に相殺適状にあったので§508により相殺できる。肢は「できない」としており誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=自働債権が時効で消滅していても、消滅前に相殺適状になっていれば相殺できる(§508)。8月31日に適状→9月1日消滅でも相殺可。🔴罠=「相殺することはできない」と、消滅後だから不可と思わせる。🔴罠の型=前後の取り違え(時効完成前に相殺適状が成立していた点を見落とす)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。8月31日に相殺適状が成立し、翌9月1日に自働債権が時効消滅しても§508により相殺できる。「相殺することはできない」は誤り。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
Aは、B所有の建物を賃借している。AがBに対して商品の売買代金請求権を有しており、それが平成16年9月1日をもって時効により消滅した場合、Aは、同年9月2日に、このBに対する代金請求権を自働債権として、同年8月31日に弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することはできない。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|自働債権はどうなっている?=どの型か
(時効で消滅した債権で相殺=§508の論点)
🔁 Step 2|時効完成“前”に相殺適状になっていた?
(互いの弁済期が到来してチャラにできる状態か)
論点4:差押えと相殺(民法511条)4問
差押え「前」から有する債権なら相殺を差押債権者に対抗できる(弁済期の先後は問わない)。差押え「後」に取得した債権では対抗できない。
差押えの後に取得した債権でも、差押債権者に相殺を対抗できる?
平成7年 問8 肢4(A・Bが互いに100万円の債権/誤りを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
AがBに対して100万円の金銭債権、BがAに対して100万円の同種の債権を有する場合において、CがAの債権を差し押えた後、BがAに対する債権を取得したときは、Bは、Aに対して相殺をすることができるが、それをもってCに対抗することはできない。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「差し押えた後に取得した債権で相殺」=論点4 差押えと相殺 §511の型。自働債権を取得したのが差押えの“前”か“後”かを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|差押えと自働債権取得の時系列
Cが受働債権(Aの債権)を差し押さえた。争点は、Bが自働債権(Aに対する債権)を取得したのが差押えの前か後か。肢では「差し押えた後」に取得している。
S2|差押え「後」の取得→対抗できるか
差押え後に取得した債権を自働債権とする相殺は、差押債権者Cに対抗できない(§511①)。ただし当事者A・B間では相殺自体は有効に成立する。肢は「相殺はできるが(Cに)対抗できない」としており正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=差押え“後”に取得した自働債権による相殺は差押債権者Cに対抗できない(§511①)。ただし当事者A・B間では相殺自体は有効に成立するので、「相殺はできるが対抗できない」という記述が正確。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。差押え後に取得した債権を自働債権とする相殺は差押債権者Cに対抗できない(§511①)。当事者間で相殺が成立しても、Cには主張できない。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
AがBに対して100万円の金銭債権、BがAに対して100万円の同種の債権を有する場合において、CがAの債権を差し押えた後、BがAに対する債権を取得したときは、Bは、Aに対して相殺をすることができるが、それをもってCに対抗することはできない。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|自働債権を取得したのは差押えの“前”か“後”か?
(時系列が§511の分かれ目)
🔁 Step 2|差押え「後」に取得した債権での相殺の効力は?
(「相殺できる」と「対抗できる」を混同しない)
差押えの“後”に取得した債権で相殺し、差押債権者に対抗できる?
平成30年 問9 肢2(A・B間の売買代金債務との相殺/正しいものを選ぶ問題)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
Aは、平成30年10月1日、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。同年11月1日にAの売買代金債権がAの債権者Cにより差し押さえられても、Bは、同年11月2日から12月1日までの間にAに対する別の債権を取得した場合には、同年12月1日に売買代金債務と当該債権を対当額で相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「差し押さえられても…相殺」=論点4 差押えと相殺(§511)の型。相殺を仕掛ける自働債権を取得したのが、差押えの“前”か“後”かを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|受働債権と自働債権を仕分け
差し押さえられたAのBに対する売買代金債権=Bから見た受働債権。Bが相殺に使う「別の債権」=自働債権。この自働債権を取得した時期が争点。
S2|自働債権を取得したのは差押えの前か後か
Bの別の債権は11月2日〜12月1日に取得=差押え(11月1日)の後。差押え後に取得した債権を自働債権とする相殺は差押債権者Cに対抗できない(§511①)。肢は差押え後取得なのに「相殺することができる」としており誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=自働債権を取得したのが差押えの前か後か。前なら差押債権者に対抗でき、後なら対抗できない(弁済期の先後は問わない)。🔴罠=差押え(11/1)後(11/2〜)に取得した債権なのに「相殺することができる」とする。🔴罠の型=前後の取り違え(差押え後取得を対抗可と誤認)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。差押え(11/1)後に取得した債権を自働債権とする相殺は差押債権者に対抗できない(§511①)。「相殺できる」は誤り。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
Aは、平成30年10月1日、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。同年11月1日にAの売買代金債権がAの債権者Cにより差し押さえられても、Bは、同年11月2日から12月1日までの間にAに対する別の債権を取得した場合には、同年12月1日に売買代金債務と当該債権を対当額で相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|Bが相殺に使う「別の債権」は、自働債権?受働債権?
(相殺を仕掛ける側の債権=自働債権)
🔁 Step 2|Bがその自働債権を取得したのは、差押えの前?後?
(差押え=11月1日/別の債権の取得=11月2日〜)
🔁 Step 3|差押えの“後”に取得した債権を自働債権とする相殺は?
(差押債権者に対抗できるか)
差押え前から持っていた債権なら、差押債権者に相殺を対抗できる?
平成16年 問8 肢4(A=賃借人/正しいものを選ぶ問題の正解)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
Aは、B所有の建物を賃借している。AがBに対してこの賃貸借契約締結以前から貸付金債権を有しており、その弁済期が平成16年8月31日に到来する場合、同年8月20日にBのAに対するこの賃料債権に対する差押があったとしても、Aは、同年8月31日に、このBに対する貸付金債権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「差押があったとしても」=論点4 差押えと相殺 §511の型。受働債権が差し押さえられたら、自働債権を取得したのが差押えの“前”か“後”かで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|受働債権が差し押さえられている?
Aが相殺で消したい賃料債務(受働債権)が、8/20にBの賃料債権として差し押さえられた。→§511「差押えと相殺」の型で判定する。
S2|自働債権を取得したのは差押えの前か後か?
自働債権=貸付金債権。これは賃貸借契約締結以前から=差押え(8/20)より前に取得している。差押え前に取得した債権なら、その相殺を差押債権者に対抗できる(§511①)。自働債権の弁済期到来(8/31)が差押え後でも差し支えない。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=自働債権(貸付金債権)を差押えより前に取得しているか。差押え前に取得した債権なら、相殺を差押債権者に対抗できる(§511①)。自働債権の弁済期が差押え後(8/31)に到来しても差し支えない(弁済期の先後は問わない)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。差押え(8/20)より前から有していた貸付金債権を自働債権とする相殺は、差押債権者に対抗できる(§511①)。自働債権の弁済期が差押え後(8/31)に到来しても差し支えない。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
Aは、B所有の建物を賃借している。AがBに対してこの賃貸借契約締結以前から貸付金債権を有しており、その弁済期が平成16年8月31日に到来する場合、同年8月20日にBのAに対するこの賃料債権に対する差押があったとしても、Aは、同年8月31日に、このBに対する貸付金債権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|差し押さえられたのは、どちらの債権?
(§511「差押えと相殺」の型に乗るか確認)
🔁 Step 2|自働債権(貸付金債権)を取得したのは、差押え(8/20)の前?後?
(時系列で判定)
🔁 Step 3|差押え「前」に取得した自働債権での相殺は?
(差押債権者との関係)
差押え前に取得した債権なら、弁済期の先後を問わず相殺を差押債権者に対抗できる?
平成23年 問6 肢1(A=賃貸人/正しいものを選ぶ問題の正解)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)
Aは自己所有の甲建物をBに賃貸し賃料債権を有している。Aの債権者Cが、AのBに対する賃料債権を差し押さえた場合、Bは、その差し押さえ前に取得していたAに対する債権と、差し押さえにかかる賃料債務とを、その弁済期の先後にかかわらず、相殺適状になった段階で相殺し、Cに対抗することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔵「差押え」=論点4 差押えと相殺の型。受働債権が第三者に差し押さえられたとき、自働債権を取得したのは差押えの“前”か“後”かで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|受働債権が差し押さえられている?
Bが負う賃料債務(=消される側の受働債権)が、Aの債権者Cに差し押さえられている。差押えと相殺の型で処理する。
S2|自働債権を取得したのは差押えの“前”か“後”か?
Bが持つAへの債権(相殺を仕掛ける自働債権)は、肢文どおり差押え前に取得している。差押え前取得なら弁済期の先後を問わず、相殺適状になれば差押債権者Cに対抗できる(§511①・無制限説)。肢はこの通り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=差押え前に取得した自働債権による相殺は、自働・受働の弁済期の先後を問わず、相殺適状になれば差押債権者Cに対抗できる(§511①・無制限説)。(差押え“後”に取得した債権なら対抗できない=横入り禁止だが、本肢は前取得なのでクリア。)
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。差押え前に取得した債権による相殺は、弁済期の先後を問わず差押債権者に対抗できる(§511①)。本肢はその通りで正しい。
📋 問題文(ヒントなし・自分で解く)
Aは自己所有の甲建物をBに賃貸し賃料債権を有している。Aの債権者Cが、AのBに対する賃料債権を差し押さえた場合、Bは、その差し押さえ前に取得していたAに対する債権と、差し押さえにかかる賃料債務とを、その弁済期の先後にかかわらず、相殺適状になった段階で相殺し、Cに対抗することができる。
🎯 Step 0|どの型か
🔁 Step 1|Bの自働債権(Aへの債権)を取得したのは差押えの“前”?“後”?
(肢文の時系列をそのまま読む)
🔁 Step 2|差押え“前”に取得した自働債権による相殺は、差押債権者に対抗できる?
(弁済期の先後は問う?問わない?)
この型の元になった「相殺の判断アルゴリズム」はこちら
なぜこの結論になるのか、相殺適状→不法行為(509条)→時効(508条)→差押え(511条)の流れを1枚のフローチャートで確認できます。
▶ 相殺の判断アルゴリズムを見る
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相殺はここまでです。おつかれさまでした。
つづけて読むなら債権譲渡の順路へ。対抗要件・二重譲渡・抗弁の関係を整理します。
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