📘 深掘り解説 | 抵当権の順路 3 / 4 Step 4:混同の例外(後ろに誰かいるなら消えない) のくわしい解説です
この記事は〈抵当権の型〉で迷った論点だけを読む場所です。順に全部読む必要はありません。
1番手の権利者が、後からその土地そのもの(所有権)を買った。自分の土地に自分の担保は不要なので、原則その権利は混同で消滅します。でも後ろに2番手(後順位者)がいるとき、消すと2番手が棚ぼたで1番に繰り上がってしまう。それを防ぐため「後ろに誰かいるなら消えない」──混同の例外を一撃で押さえます。
目次
本日のターゲット問題(令和6年 問6 肢ア)
Aの所有する甲土地にBを地上権者とする地上権が設定・登記された後に、甲土地にCを抵当権者とする抵当権が設定・登記された場合。BがAとの売買契約に基づき、甲土地の所有権を取得したときは、本件地上権は消滅する。
【Step 4】混同 ─ 所有権を取得したら、自分の権利は消える?
原則(§179①本文):同一人が所有権+他の物権を持つ → 消滅
(自分の土地に自分でバリアを張る意味がない)
例外(§179①ただし書):その権利が「第三者の権利の目的」のとき
= 後ろに後順位者がいる → 消えない
本問:Bの地上権(1番)の後ろに C の抵当権(2番)あり
消すと C が棚ぼたで繰り上がる(漁夫の利)
→ Bの地上権は消えない …… 「消滅する」は ✗ 誤り
答え:✕(誤り)
🎯 この問題の核心
原則は混同で消滅するが、後ろに後順位者Cがいる。地上権を消すとCが棚ぼたで繰り上がる(漁夫の利)。それを防ぐため、Bの地上権はシールドとして例外的に消えない(§179①ただし書)。だから「消滅する」は誤り。「所有権を取得」を見たら後ろを振り返るクセを。
🧭 混同の判定軸=「所有権を取得したら後ろを振り返る」。まず自分で○×を出そう
後ろに後順位者(第三者の権利の目的)がいれば、漁夫の利を防ぐシールドとして権利は消えない(§179①ただし書)。同じ「所有権取得」でも後ろ次第で○×が真逆に。
🙋♂️生徒:まず本問(令和6年 問6 肢ア)から。BがAから甲土地の所有権を買った以上、自分の土地に自分の地上権は要らない。だから本件地上権は消滅する=○ですよね?
👨🏫講師:きれいに引っかかったね。答えは×だ。たしかに原則は混同で消滅する(§179①本文)。でもこの肢、Bの地上権(1番)の後ろにCの抵当権(2番)が控えている。この一行を読み飛ばすと即失点だよ。
🙋♂️生徒:後ろにCがいると、何がまずいんですか?
👨🏫講師:Bの地上権を消すと、邪魔だった1番が自滅したおかげでCの抵当権が棚ぼたで1番に繰り上がる(漁夫の利)。Cは何もしていないのに大儲け、Bは大損だ。⚖ だから法律は「後ろに第三者がいるなら、漁夫の利を与えないシールドとして権利を残してよい」とした(§179①ただし書)。よって「消滅する」は×。
🙋♂️生徒:じゃあ逆に、後ろにCがいなくてBの地上権だけだったら? そのときは所有権を取得すれば消滅する=○でいいですか?
👨🏫講師:そう、そこが対比だ。後ろに誰もいなければ原則どおり消滅(○)(§179①本文)。後ろに後順位者がいれば例外で残る(ただし書)。同じ「所有権を取得」でも、後ろを振り返るかどうかで○×が真逆になる。
🙋♂️生徒:つまり「所有権を取得した」を見たら後ろを振り返る。後ろに後順位者(第三者の権利の目的)がいれば消えない、いなければ消える。この1軸だけで混同はさばけるんですね。
💡 深掘り:
「所有権を取得した」を見たら後ろを振り返る。後ろに後順位者(=第三者の権利の目的)がいれば、漁夫の利を防ぐシールドとして例外で消えない(§179①ただし書)。後ろが空なら原則どおり消滅(本文)。この1軸だけで混同のひっかけは全て見抜けます。
⚡ 仕上げ:引っかけ(○か×か、自分で答えてから開こう)
【令6問6肢ア】Bの地上権の後ろにC抵当権がある。Bが甲土地の所有権を取得すれば、本件地上権は消滅する。 → ×:後ろにC(後順位者)がいる。消すとCが棚ぼたで1番に繰り上がる(漁夫の利)ため、例外で消えない(§179①ただし書)。「消滅する」は誤り。
【逆罠】後ろに後順位者が誰もいなければ、所有権を取得した権利は混同で消滅する。 → ○:これは原則どおり(§179①本文)。「後ろがいれば残る」を覚えた反動で×と誤りやすいが、後ろが空なら素直に消える。
後ろにC抵当権がいるBの地上権は、混同の例外として消えずに残る。 → ○:第三者(C)の権利の目的だから消滅しない(§179①ただし書)。漁夫の利を防ぐシールドとして残る。
§179①(混同):同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
【ポイント】本文=原則消滅。ただし書=後ろに第三者(後順位者)がいれば消えない。漁夫の利を防ぐシールド。
暗記ポイント
🎯 試験本番ではこう即答する:「所有権を取得した」を見たら後ろを振り返る。後ろに誰もいなければ消滅、後ろに後順位者がいれば消えない(漁夫の利を防ぐシールド)。
🏋 過去問アルゴリズム道場
Step 4:混同
混同の例外 ─ 後ろに誰かいれば消えない
令和6年 問6 肢ア
📋 問題文
Aの所有する甲土地にBを地上権者とする地上権が設定・登記された後に、甲土地にCを抵当権者とする抵当権が設定・登記された場合。BがAとの売買契約に基づき、甲土地の所有権を取得したときは、本件地上権は消滅する。
🔑 条件の抽出
状況B地上権(1番)の後にC抵当権(2番)→Bが土地所有権取得
問いBの地上権は混同で消滅するか
Step① 原則は混同で消滅
同一人が所有権+他の物権を持つと原則消滅(§179①本文)。自分の土地に自分でバリアを張る意味がないから。
Step② 後ろに誰かいれば消えない
その権利が第三者の権利の目的のとき=後ろに後順位者がいると消えない(§179①ただし書)。Bの地上権を消すとC抵当権が棚ぼたで繰り上がる(漁夫の利)→Bの地上権はシールドとして消えない。本肢「消滅する」は誤り(×)。
結論
誤り ×
原則は混同で消滅だが、後ろにC抵当権がいる。消すとCが棚ぼたで繰り上がるため、Bの地上権はシールドとして例外的に消えない(§179①ただし書)。
📋 問題文
Aの所有する甲土地にBを地上権者とする地上権が設定・登記された後に、甲土地にCを抵当権者とする抵当権が設定・登記された場合。BがAとの売買契約に基づき、甲土地の所有権を取得したときは、本件地上権は消滅する。
Step② 後ろに誰かいれば消えない
後ろにC抵当権があるとBの地上権は?
最終判定
『Bが土地所有権を取得すると、Bの地上権は消滅する』は正しい?
結論
誤り ×
原則は混同で消滅だが、後ろにC抵当権がいる。消すとCが棚ぼたで繰り上がるため、Bの地上権はシールドとして例外的に消えない(§179①ただし書)。
【まとめ】📌 この記事の核心
📌 この記事の核心
⚖ 同一人が所有権+他の物権を持つと原則は混同で消滅(§179①本文)。ただし後ろに後順位者(第三者の権利の目的)がいれば消えない(ただし書)=漁夫の利を防ぐシールド。本問はBの地上権の後ろにCの抵当権があるので消えず、「消滅する」は×。