📘 深掘り解説 | 抵当権の順路 3 / 4 Step 2:根抵当権(随伴性の欠如) のくわしい解説です
この記事は〈抵当権の型〉で迷った論点だけを読む場所です。順に全部読む必要はありません。
多くの受験生が「捨て問にしたい!」と叫ぶ最大の鬼門、根抵当権。でも「壁に固定された巨大なダーツボード」というイメージ1つで攻略できます。普通の抵当権=1本の矢が刺さった小さな的、根抵当権=何本でも抜き差しできるボード。今回は「借金(矢)だけ譲渡しても、ボードはついてこない」=随伴性の欠如を一撃で押さえます。
目次
本日のターゲット問題(平成23年 問4 肢2)
元本の確定前に根抵当権者から被担保債権の範囲に属する債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することはできない。
【Step 2】根抵当権の随伴性 ─ 借金だけ譲渡したら担保はついてくる?
普通の抵当権=1本の矢が刺さった小さな的(随伴性あり)
根抵当権 =壁に固定された巨大ダーツボード(随伴性なし)
Q. 元本確定「前」に個別債権(矢)を譲渡。根抵当権(ボード)は?
① 確定前は矢を抜き差しする継続取引の枠組み
② 矢1本を抜いて譲渡しても、壁のボードは剥がせない
→ 根抵当権は移転しない(§398の7)
→ 譲受人はその債権について根抵当権を行使できない …… ○
答え:◯(正しい)
🎯 この問題の核心
元本確定前の根抵当権には随伴性がない。個別の借金(矢)を譲り受けても、壁に固定された根抵当権(ボード)はついてこないので、譲受人は根抵当権を行使できない(§398の7)。継続取引の枠組みを守るための特別ルール。記述どおりで○。
🧭 判定軸=「確定前は壁のダーツボード・確定後は普通の的」。まず自分で○×を出してみよう
根抵当権の随伴性は「元本確定の前か後か」ひとつで決まる。普通の抵当権の感覚(借金が動けば担保も動く)をそのまま持ち込むと即死します。
🙋♂️生徒:まず本問(平成23年 問4 肢2)から。「元本確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することはできない」── 借金(矢)を譲り受けたなら担保もついてくるはずだから、行使できる。だからこの肢は×ですよね?
👨🏫講師:引っかかったね。答えは○だ。普通の抵当権の感覚(随伴性あり)を根抵当権に持ち込むと即死する。根抵当権は壁に固定された巨大なダーツボード。元本確定「前」は矢を抜き差しする継続取引の枠組みだから、矢1本(個別債権)を抜いて譲渡しても、壁のボードはついてこない(§398の7)。だから譲受人は根抵当権を行使できない=記述どおり○だよ。
🙋♂️生徒:なるほど…確定前は「随伴性なし」なんですね。じゃあ元本が確定した後はどうなるんですか? ずっと壁のボードのまま?
👨🏫講師:いい問いだ。そこでもう1問。「元本確定後に根抵当権の被担保債権を譲り受けた者は、その債権について根抵当権を行使できる」── これは○か×か?
🙋♂️生徒:えっと…確定前はボードだから随伴性なし…でも条文チェックに「確定後は普通の抵当権に変身する」ってありました…変身するなら随伴性が生じて、債権と一緒に移る…だから○ですか?
👨🏫講師:正解、○だ。元本確定でボードに刺さった矢が固定され、根抵当権は普通の抵当権(的)に変身する。以後は随伴性が生じ、債権が移れば根抵当権も一緒についていく。決め手は条文の「確定前」の3文字だけだったんだ。
🙋♂️生徒:つまり判定軸は時点ひとつ。確定前=壁のダーツボード(随伴性なし・§398の7)、確定後=普通の的(随伴性あり)。肢に「確定前」とあれば『債権だけ移ってボードは残る』で即答できますね。
👨🏫講師:その通り。出題者は毎回「確定前/確定後」をそっと入れ替えて受験生を試す。この2文字だけを拾えば、根抵当の随伴性の肢は全部さばける。あとは似た顔の肢にこの軸を当てるだけだ。
💡 深掘り:
随伴性は「時点」ひとつで決まる。元本確定前=壁に固定された巨大ダーツボード=随伴性なし(矢=個別債権だけ抜いて譲渡してもボードはついてこない・§398の7)/元本確定後=普通の抵当権(的)に変身=随伴性あり。肢の「確定前/確定後」の2文字だけ拾えば、根抵当権の随伴性のひっかけは全て見抜ける。
⚡ 仕上げ:引っかけ(○か×か、自分で答えてから開こう)
元本確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することはできない(平成23年 問4 肢2) → ○:確定前の根抵当に随伴性はない。矢(個別債権)だけ抜いても壁のボードはついてこない(§398の7)。記述どおり○。
元本確定前でも、債権を譲り受けた者は当然にその根抵当権を行使できる → ×:確定前は随伴性なし(§398の7)。ボードは壁に残るので譲受人は行使できない。「できる」とする本肢は誤り。
元本確定後に根抵当権の被担保債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使できる → ○:【逆罠】確定後は普通の抵当権に変身し随伴性が生じる(条文チェック・§398の7)。確定「後」なら債権とともに根抵当権も移転するので行使できる=○。
§398の7①(根抵当権の被担保債権の譲渡等):元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。(後略)
【ポイント】普通の抵当権は随伴性あり(債権が移れば抵当権も移る)。元本確定前の根抵当権は随伴性なし(債権だけ移っても根抵当権は移らない)。確定後は普通の抵当権に変身し随伴性が生じる。
暗記ポイント
🎯 試験本番ではこう即答する:根抵当権=ダーツボード(壁に固定)。元本確定前に債権(矢)だけ譲渡しても根抵当権は移転しない(随伴性なし)。「確定前+債権を取得+根抵当権を行使できない」は○。
🏋 過去問アルゴリズム道場
Step 2:根抵当権
根抵当の随伴性なし ─ 借金だけ譲渡したら?
平成23年 問4 肢2
📋 問題文
元本の確定前に根抵当権者から被担保債権の範囲に属する債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することはできない。
🔑 条件の抽出
時点元本確定「前」
問い債権だけ譲渡したら根抵当もついてくるか
Step① 確定前は壁のダーツボード
普通抵当=1本の矢が刺さった小さな的(随伴性あり)/根抵当=壁に固定された巨大ダーツボード(随伴性なし)。確定前は矢を抜き差しする継続取引の枠組み。
Step② 譲受人は行使できない
矢1本(個別債権)を譲り受けても、壁のボード(根抵当)はついてこない(§398の7)。だから譲受人はその債権について根抵当権を行使できない=記述どおり○。
結論
記述どおり ○
確定前の根抵当には随伴性がない(§398の7)。個別債権を譲り受けてもボードはついてこない。継続取引の枠組みを守るため。
📋 問題文
元本の確定前に根抵当権者から被担保債権の範囲に属する債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することはできない。
Step① 確定前は壁のダーツボード
確定前の根抵当権に随伴性は?
Step② 譲受人は行使できない
譲受人は根抵当を行使できる?
最終判定
『譲受人はその債権について根抵当権を行使できない』は正しい?
結論
記述どおり ○
確定前の根抵当には随伴性がない(§398の7)。個別債権を譲り受けてもボードはついてこない。継続取引の枠組みを守るため。
【まとめ】📌 この記事の核心
📌 この記事の核心
⚖ 元本確定前の根抵当権には随伴性がない(§398の7)。根抵当権は「壁に固定されたダーツボード」だから、個別の借金(矢)を譲り受けても、ボード(根抵当権)はついてこない。継続取引の枠組みを守るため。本問は記述どおりで○。