【制限行為能力者】アルゴで解ける過去問ドリル

制限行為能力者の順路 15 / 15 過去問ドリル
← 14. 比較道場(R03問5・R06問1)これで最後。おつかれさまでした。
🏋️【制限行為能力者】アルゴで解ける過去問ドリル

「判断の地図」のどの分岐を問う肢かをStepごとにまとめました。各問は実在の過去問(機構原本で照合済み)。解説で理解→練習で定着の順にどうぞ。

31 肢が型で解ける / 6つの論点
第0部 ─ 審判・保護者の権限4問
誰がいつ保護者になるか。補助開始だけ本人同意が必要/保佐人にも代理権が付くことがある。
補助開始の審判は、本人の同意がなくてもできる?
平成20年 問1 肢3|補助開始の審判
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者につき、4親等内の親族から補助開始の審判の請求があった場合、家庭裁判所はその事実が認められるときは、本人の同意がないときであっても同審判をすることができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「補助開始の審判をすることができるか」=Phase 0 制度の仕組みの型。契約の有効性より前に、開始審判の要件(本人の同意が要るか)を暗記で判定する場面。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|どのPhase 0論点か?
本肢は「補助開始の審判をすることができるか」を問う=開始審判に本人の同意が要るかの論点。症状が重いほど本人同意は不要、という軸で判定する。
S2|開始審判の本人同意(症状が軽いほど必要)
後見開始(§7)・保佐開始(§11)は本人の同意不要。これに対し補助開始(§15②)だけは本人の同意が必要(残存能力があり自己決定権を尊重するため)。本肢は「同意がなくてもできる」とするので誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=補助開始の審判には本人の同意が必要(§15②)。後見開始(§7)・保佐開始(§11)と違い、補助開始だけは本人同意が必須。🔴罠=「同意がないときであってもできる」と、後見・保佐開始(同意不要)のルールを補助開始に持ち込む。🔴罠の型=混同(補助開始に“同意不要”を適用)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。補助開始の審判には本人の同意が必要(§15②)。「本人の同意がないときであっても同審判をすることができる」とする本肢は誤り。
保佐人には代理権が付与されることはない?
令和4年 問3 肢3|保佐人の代理権
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

成年後見人は成年被後見人の法定代理人である一方、保佐人は被保佐人の行為に対する同意権と取消権を有するが、代理権が付与されることはない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「保佐人に代理権が付与されるか」=Phase 0 制度の型。制限行為能力者の保護者がもつ権限を、制度の仕組み(暗記)で判定する場面。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|どのPhase 0論点か?
「保佐人に代理権が付与されるか」を問う=Phase 0の⑤代理権の付与の論点。保護者ごとの代理権の持ち方(暗記)で判定する。
S2|代理権付与の暗記ルール
成年後見人は当然に代理権をもつが、保佐人・補助人は審判で付与されて初めて代理権をもつ。保佐人にも家庭裁判所の審判で特定の法律行為について代理権が付与されうる(§876の4)。よって「付与されることはない」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=保佐人は当然には代理権をもたないが、家庭裁判所の審判で特定の法律行為について代理権を付与されうる(§876の4)。🔴罠=同意権・取消権があることを正しく述べたうえで、代理権付与の審判が存在しないかのように「付与されることはない」と言い切る。🔴罠の型=断定の罠(付与されうる制度を“ない”と言い切る)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。保佐人にも家庭裁判所の審判によって特定の法律行為の代理権が付与されうる(§876の4)ので、「代理権が付与されることはない」は誤り。
成年後見人が成年被後見人の法律行為を取り消すのに、後見監督人の同意は必要?
令和4年 問3 肢1|成年後見人の取消権
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

成年後見人は、後見監督人がいる場合には、後見監督人の同意を得なければ、成年被後見人の法律行為を取り消すことができない。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「成年後見人が成年被後見人の法律行為を取り消す」=Phase 0 制度の型。誰がどの手続を単独でできるか(同意・許可の要否)を暗記ルールで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|どのPhase 0論点か?
成年後見人が成年被後見人の法律行為を「取り消す」場面=取消権の行使(Phase 0 ④)。誰がどんな要件で取り消せるかを問う論点。次へ。
S2|取消権の行使に同意・許可は要るか?
取消権の行使は本人・保護者が単独でできる。同意も家裁の許可も不要で、後見監督人がいてもその同意は要らない。成年後見人は単独で取り消せるから、「同意を得なければ取り消せない」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=取消権の行使は本人・保護者が単独でできる=後見監督人の同意は不要(成年後見人は単独で取り消せる)。🔴罠=後見監督人の同意が必要になるのは§864の一定の行為(営業・重要な財産の処分など)を「する」場合で、すでにした行為を「取り消す」のは含まれないのに、取消しにも同意が要るかのように広げる。🔴罠の型=要件の混同(“する”行為の同意ルールを“取り消す”に持ち込む)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。取消権の行使に後見監督人の同意は不要で、成年後見人は単独で成年被後見人の法律行為を取り消せる。「同意を得なければ取り消せない」は誤り。
後見人が任務を辞するのに必要なのは、後見監督人の許可?
令和4年 問9 肢ウ|後見人の辞任
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

後見人は、正当な事由があるときは、後見監督人の許可を得て、その任務を辞することができる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「後見人が正当な事由があるときに、その任務を辞する」=Phase 0 制度の型。誰がどの手続にどんな同意・許可を要するかを、暗記ルールで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|どのPhase 0論点か?
後見人が「その任務を辞する」場面=保護者の辞任の許可(Phase 0 ②)。辞めるのに誰の許可が要るかを問う論点。次へ。
S2|辞任にはどの許可が要るか?
後見人の辞任は「正当な事由」+家庭裁判所の許可が要件(§844)。後見監督人がいても、その許可で辞任することはできない。だから「後見監督人の許可を得て」辞任できるとする本肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=後見人の辞任は正当な事由+家庭裁判所の許可(§844)。🔴罠=許可を出す相手を、実在する別の立場「後見監督人」にすり替える。後見監督人の同意が要るのは§864(営業や§13①各号の行為を「する」とき)で、辞任を許可する立場ではない。🔴罠の型=主体のすり替え(許可権者の差し替え)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。後見人が任務を辞するには家庭裁判所の許可が必要で(§844)、後見監督人の許可では辞任できない。
Step 0 ─ 意思能力5問
判断力ゼロの状態でした契約は「取消し」ではなく初めから「無効」。
泥酔して意思無能力の間にした契約は、追認を拒絶した時点から無効になる?
平成19年 問1 肢4|泥酔・意思無能力
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

AB間の売買契約が、Aが泥酔して意思無能力である間になされたものである場合、Aは、酔いから覚めて売買契約を追認するまではいつでも売買契約を取り消すことができ、追認を拒絶すれば、その時点から売買契約は無効となる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Aが泥酔して意思無能力である間になされた」=意思能力の前提チェックの型。4類型(制限行為能力)の判定に入る前の大前提として、行為の時に意思能力があったかをまず確かめる。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|行為の時に意思能力はあったか?
契約は「Aが泥酔して意思無能力である間」になされている=行為の時に意思能力を欠く。4類型の判定に入るより手前の大前提で切れる。次へ。
S2|意思能力を欠く行為の効果は?
意思能力を欠く状態でした法律行為は、取消しの対象ではなく初めから無効(§3の2)。取り消す必要すらなく、「追認拒絶の時点から無効になる」でもない。後見開始の審判を受けているか否かも無関係。肢の取消し構成も「その時点から無効」も誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=意思能力を欠く行為は初めから無効(§3の2)。取り消す必要すらなく、追認・取消しという構成そのものが誤り。🔴罠=「追認するまで取り消せる」「追認を拒絶した時点から無効になる」と、初めから無効を取消しにすり替える。🔴罠の型=無効を取消しにすり替え(初めから無効↔取消し・効力発生時点の混同)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。意思無能力の契約は初めから無効(§3の2)。取消しを要するとし、追認拒絶の時点から無効になるとする本肢は誤り。
意思無能力者は、契約を取り消せば無効にできる?
平成17年 問1 肢2|意思無能力者の契約
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

買主Cが意思無能力者であった場合、Cは、Aとの間で締結した売買契約を取り消せば、当該契約を無効にできる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「買主Cが意思無能力者であった」=意思能力の前提チェックの型(§3の2)。4類型(制限行為能力)の判定に入る前の大前提で、その契約が無効か取消しかを判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|行為の時に意思能力はあったか?
買主Cは意思無能力者=契約の時に意思能力を欠く(泥酔・重度の認知症・幼児等の場面=§3の2)。次へ。
S2|その効果は?
意思能力を欠く者の法律行為は初めから無効(§3の2)。取り消す必要すらなく、「取り消せば無効にできる」という取消し構成そのものが誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=意思能力を欠く者の法律行為は初めから当然に無効(§3の2)。取り消す行為は不要かつ不適切。🔴罠=「取り消せば無効にできる」と、初めから無効なものを取消し構成にすり替える。🔴罠の型=無効と取消しの混同
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。意思無能力者の法律行為は初めから当然に無効(§3の2)で、取り消す必要はない。「取り消せば無効にできる」という取消し構成は誤り。
比較道場
【意思無能力】営業を許された未成年者でも → Step 0で無効
R06 問1 肢1 / 営業許可・意思無能力・Step 0
📋 問題文

営業を許された未成年者が、その営業に関する意思表示をした時に意思能力を有しなかった場合は、その法律行為は無効である。(正しいか?)

🔑 条件の抽出
Step 0「意思能力を有しなかった」→ 意思無能力 → 無効(民法3条の2)
営業を許された未成年者であっても、意思能力がなければStep 0で確定 → 無効 → ○
Step 0.意思無能力チェック ← 最優先!

「営業を許された未成年者」→ 民法6条により営業に関しては成年者と同一の能力

しかし「意思表示をした時に意思能力を有しなかった」→ 意思無能力

民法3条の2:意思無能力者のした法律行為は無効

→ 営業許可があっても意思能力がなければ無効(3条の2はすべてに優先)

→ 「その法律行為は無効である」は ○ 正しい

結論

判定:○(正しい)

意思無能力(民法3条の2)→ 無効。営業許可があっても意思能力のない状態での法律行為は無効。Step 0で確定。

📋 問題文

営業を許された未成年者が、その営業に関する意思表示をした時に意思能力を有しなかった場合は、その法律行為は無効である。(正しいか?)

Step 0.意思無能力チェック

「意思表示をした時に意思能力を有しなかった」→ 意思無能力が認められるか?

最終判定

「その法律行為は無効である」は正しいか?

結論

判定:○(正しい)

意思無能力(民法3条の2)→ 無効。営業許可(民法6条)があっても意思能力のない状態での法律行為は無効。

意思能力を欠く状態でした不動産の売買は、後見開始の審判の有無にかかわらず無効?
令和3年 問5 肢4|意思無能力
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

意思能力を有しないときに行った不動産の売買契約は、後見開始の審判を受けているか否かにかかわらず効力を有しない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「意思能力を有しないときに行った不動産の売買」=意思能力の前提チェックの型(§3の2)。4類型(制限行為能力)の判定に入る前の大前提として、行為の時に意思能力があったかをまず確認する場面。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|行為の時に意思能力はあったか?
「意思能力を有しないとき」に行った契約=行為の時に意思能力を欠く(意思無能力)。これは4類型の判定に入る前の§3の2の問題。次へ。
S2|意思無能力でした契約の効果は?
意思能力を欠く者の法律行為は最初から無効(§3の2)。取消しの対象ではない。後見開始の審判を受けているか否かは無関係(意思無能力なら誰でも無効)。「効力を有しない」とする肢は正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=意思能力を欠く状態でした法律行為は最初から無効(§3の2)。後見開始の審判を受けているかどうかは無関係で、契約は効力を生じない。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。意思能力を欠く状態でした不動産の売買契約は§3の2により最初から無効で、後見開始の審判の有無を問わず効力を有しない。
意思能力を欠く者の土地売買は、親族が取り消せば将来に向かって無効になる?
平成15年 問1 肢1|意思無能力
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

意思能力を欠いている者が土地を売却する意思表示を行った場合、その親族が当該意思表示を取り消せば取消しの時点から将来に向かって無効となる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「意思能力を欠いている者がした土地の売買」=意思能力の前提チェックの型(§3の2)。4類型(制限行為能力)の判定に入る前に、まず行為の時に意思能力があったかを見る場面。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|行為の時に意思能力はあったか?
売却の意思表示をした時点で意思能力を欠いていた(意思無能力)。制限行為能力の4類型の判定に入る前に、この前提でつまずく。次へ。
S2|意思無能力の法律行為の効果は?
意思能力を欠く者の法律行為は初めから当然に無効(§3の2)。取り消すという手続も、「将来に向かって」という時点も不要で誤り。最初から効力がない。後見開始の審判の有無は無関係。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=意思無能力の法律行為は初めから当然に無効(§3の2)。取り消すまでもなく最初から効力がない。🔴罠=「取り消せば」「取消しの時点から将来に向かって無効」と、初めから無効を取消し(+将来効)にすり替える。🔴罠の型=混同(当然無効を取消しにすり替え)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。意思能力を欠く者の法律行為は取り消すまでもなく初めから当然に無効で(§3の2)、「取り消せば取消しの時点から将来に向かって無効」は誤り。
Step 1 ─ 詐術2問
「私は能力者だ」とだまして契約した制限行為能力者は、もう取り消せない。
被保佐人が詐術を用いてした土地の売却は、取り消すことができる?
平成20年 問1 肢4|被保佐人の詐術
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

被保佐人が、保佐人の同意又はこれに代わる家庭裁判所の許可を得ないでした土地の売却は、被保佐人が行為能力者であることを相手方に信じさせるため詐術を用いたときであっても、取り消すことができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「被保佐人がした土地の売却(詐術あり)」=Phase 1 行為の有効性の型。意思能力はある前提で、その契約が取り消せるかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
被保佐人が「行為能力者だ」と相手を信じさせるため詐術を用いた。制限行為能力者が詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない(§21・だました者は保護に値しない)。ここで確定。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=制限行為能力者が詐術(能力者だと相手を信じさせる術)を用いたときは取り消すことができない(§21)。🔴罠=「同意なき売却だから、詐術を用いても取り消せる」と、通常の取消しルールをそのまま適用する。🔴罠の型=要件の欠落(詐術=取消権を失う§21を見落とす)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。被保佐人が行為能力者だと信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない(§21)。「取り消すことができる」とする本肢は誤り。
被補助人が詐術で『補助人の同意を得た』と偽った行為は、取り消せない?
平成28年 問2 肢4|詐術(§21)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

被補助人が、補助人の同意を得なければならない行為について、同意を得ていないにもかかわらず、詐術を用いて相手方に補助人の同意を得たと信じさせていたときは、被補助人は当該行為を取り消すことができない。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「被補助人が詐術を用いてした行為」=Phase 1 行為の有効性の型。意思能力はある前提で、その行為を取り消せるかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
被補助人が「補助人の同意を得た」と偽って相手方を誤信させている=詐術(§21)。詐術を用いた制限行為能力者は取消権を失う(保護に値しない)。「同意を得た」と偽ることも詐術に当たる(判例)。被補助人も制限行為能力者なので同じ。ここで確定。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=詐術を用いた制限行為能力者は取消権を失う(§21)。「補助人の同意を得た」と偽ることも詐術に当たる(判例)。被補助人も制限行為能力者だから同じで、取り消せない。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。被補助人が「補助人の同意を得た」と詐術で相手方を誤信させたときは、取消権を失う(§21)。当該行為を取り消すことができないは正しい。
Step 2 ─ 日用品1問
日用品の購入など日常生活に関する行為は、同意なしで単独で有効。
被保佐人は、日用品を購入する場合も保佐人の同意が必要?
平成22年 問1 肢3|被保佐人の日用品
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

被保佐人については、不動産を売却する場合だけではなく、日用品を購入する場合も、保佐人の同意が必要である。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「被保佐人が日用品を購入する行為」=Phase 1 行為の有効性の型。意思能力はある前提で、その行為に保佐人の同意が要るか(取り消せるか)をフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」「同意を得た」等と偽った事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
日用品の購入は日常生活に関する行為=被保佐人でも単独で有効にでき、保佐人の同意は不要(§13①但書)。不動産売却は同意が必要(§13①3号)だが、日用品購入まで「同意が必要」とした肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=日用品の購入その他日常生活に関する行為は、被保佐人でも保佐人の同意なしで有効(§13①但書)。🔴罠=不動産売却が同意必要(§13①3号)なのは正しいが、そこに「日用品も同意が必要」と例外まで巻き込んだ点が誤り。🔴罠の型=例外を同意対象に含めた(表と逆)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。日用品の購入その他日常生活に関する行為は被保佐人でも同意なしで有効(§13①但書)で、「日用品も保佐人の同意が必要」とする本肢は誤り。
Step 3 ─ 4類型の同意・取消ルール18問
後見・未成年・保佐・補助で「単独でできる範囲」と「居住用不動産の特則」を仕分ける。
A 成年被後見人
成年後見人が本人の居住用建物を売却するには、家庭裁判所の許可が必要?
平成22年 問1 肢2|成年被後見人の居住用不動産
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却するためには、家庭裁判所の許可が必要である。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「成年後見人が成年被後見人の居住している建物を売却する」=Phase 1 行為の有効性の型。成年後見人が本人の居住用不動産を処分するのに家庭裁判所の許可が要るかを、フローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」等と偽った事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
居住用建物の売却は日常生活に関する行為ではない=有効の例外(§9但)に当たらない。次へ。
S3|4類型のどれか(成年被後見人)
成年後見人が成年被後見人の居住用不動産を処分(売却・賃貸・抵当権設定等)するには、家庭裁判所の許可が必要(§859の3・生活の本拠を守るための重い手続)。許可が必要とする本肢は正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=成年後見人が成年被後見人の居住用不動産を処分するには家庭裁判所の許可が必要(§859の3)。「許可が必要」とする本肢は正しい。生活の本拠を守るための重い手続で、非居住用の財産と違い後見人の代理権だけでは処分できない。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。成年後見人が成年被後見人の居住用不動産(居住している建物)を売却するには家庭裁判所の許可が必要(§859の3)。本肢は正しい。
居住用建物の売却は、後見監督人の許可があれば家庭裁判所の許可は不要?
平成28年 問2 肢3|居住用不動産・許可主体
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する際、後見監督人がいる場合には、後見監督人の許可があれば足り家庭裁判所の許可は不要である。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「成年被後見人が居住している建物を売却」=Phase 1 行為の有効性の型。成年後見人が本人に代わって居住用不動産を処分する場面で、その処分に何の許可が要るかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」等と偽った事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
居住用建物の売却は日常生活に関する行為ではない=有効の例外(§9但)に当たらない。次へ。
S3|4類型のどれか(成年被後見人)
成年被後見人の居住用不動産の処分は、家庭裁判所の許可がなければ無効(§859の3)。許可主体は家庭裁判所に限られ、後見監督人の同意・許可では代用できない。後見監督人の許可で足りるとする肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=居住用不動産の処分の許可主体は家庭裁判所に限られる(§859の3)。後見監督人の同意・許可では代用できない。🔴罠=「後見監督人の許可があれば足り」として許可主体を後見監督人にすり替え、「家庭裁判所の許可は不要」とする。🔴罠の型=混同(許可主体を家庭裁判所→後見監督人にすり替え)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。居住用不動産の処分の許可主体は家庭裁判所に限られ(§859の3)、後見監督人の許可では代用できない。「後見監督人の許可で足り、家庭裁判所の許可は不要」は誤り。
成年被後見人が受けた建物の贈与は、取り消せない?
平成26年 問9 肢1|成年被後見人の取消権
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

成年被後見人が第三者との間で建物の贈与を受ける契約をした場合には、成年後見人は、当該法律行為を取り消すことができない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「成年被後見人が受けた建物の贈与」=Phase 1 行為の有効性の型。意思能力はある前提で、その契約が取り消せるかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」「同意を得た」等と偽って相手を誤信させた事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
建物の贈与を受けることは、日用品の購入その他日常生活に関する行為ではない=有効の例外(§9但)に当たらない。次へ。
S3|4類型のどれか(成年被後見人)
成年被後見人は、日用品など日常生活に関する行為を除き、たとえ利益だけの行為(贈与を受ける)でも取り消せる(§9本文)。未成年者と違い「単に権利を得る行為は有効」の例外はない。取り消せないとする肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=成年被後見人は、日用品など日常生活に関する行為を除き、たとえ利益だけの行為でも取り消せる(§9)。🔴罠=「贈与を受ける(権利を得るだけ)なら取り消せない」と、未成年者の「単に権利を得る行為は有効」ルール(§5①)を持ち込む。🔴罠の型=類型の混同(未成年者のルールを成年被後見人に適用)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。成年被後見人は、日常生活に関する行為を除き、利益だけの行為(贈与を受けること)でも取り消せる(§9)。「取り消すことができない」は誤り。
成年被後見人の行為は、判断能力がある状態でされても取り消せる?
平成20年 問1 肢1|成年被後見人の取消し
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

成年被後見人が行った法律行為は、事理を弁識する能力がある状態で行われたものであっても、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りではない。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「成年被後見人が行った法律行為」=Phase 1 行為の有効性の型。その行為が取り消せるかを、詐術→日用品→4類型のフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」等と偽って相手を誤信させた事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
肢の対象は日用品等を除いた一般の法律行為=有効の例外(§9但)には当たらない。次へ。
S3|4類型のどれか(成年被後見人)
後見は「その時の状態」ではなく「資格」で判断する。成年被後見人の行為は、事理を弁識する能力がある状態でされても取り消せる(後見人に同意権はない・§9本文)。例外は日用品その他日常生活に関する行為のみ(§9但)。本肢はこの原則と例外を正しく述べている。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=成年被後見人の行為は、事理を弁識する能力がある状態でされても取り消せる(後見は「その時の状態」ではなく「資格」で判断する・後見人に同意権はない・§9本文)。例外は日用品その他日常生活に関する行為のみ(§9但)。本肢はこの原則と例外を正しく述べており正しい。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。成年被後見人の行為は、事理を弁識する能力がある状態でされても取り消せる(後見人に同意権はなく、資格で判断・§9本文)。例外は日用品その他日常生活に関する行為のみ(§9但)で、本肢はこれを正しく述べている。
B 未成年者
婚姻していない未成年者が土地を売却するのに、法定代理人の同意は必要ない?
平成22年 問1 肢1|未成年者の不動産売却
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

土地を売却すると、土地の管理義務を免れることになるので、婚姻していない未成年者が土地を売却するに当たっては、その法定代理人の同意は必要ない。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「婚姻していない未成年者が土地を売却する」=Phase 1 行為の有効性の型。制限行為能力者の売買が、法定代理人の同意なしで取り消せるかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」「同意を得た」等と偽って相手を誤信させた事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
未成年者は小遣いの範囲(§5①③)が例外だが、土地の売却はこれに当たらない。次へ。
S3|4類型のどれか(未成年者)
未成年者が単独でできるのは「単に権利を得、又は義務を免れる法律行為」だけ(§5①但)。土地の売却=財産の処分はこれに当たらず、法定代理人の同意が必要(§5①)。同意不要とする肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=未成年者が単独でできるのは「単に権利を得、又は義務を免れる」行為のみ(§5①但)。土地の売却=財産の処分は範囲外で、法定代理人の同意が必要。🔴罠=「管理義務を免れるから同意不要」=売却は権利(所有権)の喪失を伴う重要な処分行為で、単独では取り消せる。🔴罠の型=要件のすり替え(「義務を免れる」の悪用で処分行為を単独可と誤認)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。未成年者の土地の売却は財産の処分であり、単独でできる「単に権利を得、又は義務を免れる」行為に当たらないため、法定代理人の同意が必要(§5①)。「同意は必要ない」は誤り。
C 被保佐人
被保佐人が保佐人の同意を得ずにした売買契約は、当初から無効?
平成17年 問1 肢1|被保佐人の行為の効力
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

買主Bが被保佐人であり、保佐人の同意を得ずにAとの間で売買契約を締結した場合、当該売買契約は当初から無効である。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「被保佐人が保佐人の同意を得ずにした売買契約」=Phase 1 行為の有効性の型。意思能力はある前提で、その契約が「無効」なのか「取り消せる」だけなのかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」「同意を得た」等と偽って相手を誤信させた事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
売買契約は日用品の購入その他日常生活に関する行為ではない=有効の例外(§13①但)に当たらない。次へ。
S3|4類型のどれか(被保佐人)
被保佐人が§13①の重要な財産行為(保佐人の同意を要する売買)を同意なくした場合、その契約は取り消すことができるにとどまる(§13④)。取り消されるまでは有効で、当初から無効ではない。当初から無効になるのは意思無能力の場合(§3の2)。本肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=被保佐人が§13①の重要な財産行為を保佐人の同意なくしても、取り消すことができるにとどまる(§13④)。取り消されるまでは有効で、当初から無効ではない。🔴罠=制限行為能力者の行為を「当初から無効」とし、意思無能力(§3の2で無効)と取り違える。🔴罠の型=混同(取消しと無効の混同・意思無能力との取り違え)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。被保佐人が保佐人の同意を得ずにした重要な財産行為は、取り消すことができるにとどまる(§13④)。取り消されるまでは有効で、当初から無効ではない。「当初から無効」は誤り。
D 被補助人
被補助人が法律行為をするには、常に補助人の同意が必要?
平成22年 問1 肢4|被補助人の同意
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

被補助人が法律行為を行うためには、常に補助人の同意が必要である。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「被補助人が法律行為をするとき」=Phase 1 行為の有効性の型。意思能力はある前提で、その行為に補助人の同意が要るかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」「同意を得た」等と偽って相手を誤信させた事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
本肢は「法律行為」一般を問うもので、日常生活に関する行為の例外(§17①但)に限られない。次へ。
S3|4類型のどれか(被補助人)
被補助人が同意を要するのは、家庭裁判所が個別に指定した特定の法律行為に限られる(§17①)。それ以外は行為能力者として単独で有効にできる。「常に同意が必要」とする肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=被補助人が同意を要するのは、家庭裁判所が個別に指定した特定の行為だけ(§17①)。それ以外は単独で有効にできる。🔴罠=補助は最も軽い類型なのに、「常に補助人の同意が必要」とすべての行為に同意を要求する。🔴罠の型=断定の罠(「常に」で全行為へ拡張・指定という要件の欠落)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。被補助人が補助人の同意を要するのは、家庭裁判所が個別に指定した特定の法律行為に限られる(§17①)。それ以外は単独で有効にできるので、「常に同意が必要」は誤り。
営業を許された未成年者が営業外で受けた負担付贈与は、取り消せない?
令和3年 問5 肢3|営業の許可
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

営業を許された未成年者が、その営業に関するか否かにかかわらず、第三者から法定代理人の同意なく負担付贈与を受けた場合には、法定代理人は当該行為を取り消すことができない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「営業を許された未成年者が受けた負担付贈与」=Phase 1 行為の有効性の型。意思能力はある前提で、その行為が取り消せるかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」「同意を得た」等と偽って相手を誤信させた事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
負担付贈与を受けることは、日用品の購入その他日常生活に関する行為ではない(未成年者は小遣いの範囲§5①③で判定するが、これにも当たらない)。次へ。
S3|4類型のどれか(未成年者・営業の許可)
営業を許された未成年者が成年と同一の行為能力をもつのは「その営業に関する行為」に限る(§6①)。営業外の行為は通常の未成年者と同じで、負担付贈与は「単に権利を得る」に当たらず(負担がある)、法定代理人の同意がなければ取り消せる。「関するか否かにかかわらず取り消せない」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=営業の許可で成年と同一の行為能力をもつのは「その営業に関する行為」に限る(§6①)。営業外の負担付贈与は同意が必要で、同意がなければ取り消せる。🔴罠=「営業に関するか否かにかかわらず」取り消せないとして、営業の許可の効果を営業外の行為にまで広げる。🔴罠の型=要件の欠落(営業の許可の範囲=営業に関する行為に限る、を落とす)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。営業の許可で成年と同一の行為能力をもつのは「その営業に関する行為」に限る(§6①)。営業外の負担付贈与は同意が必要で、同意がなければ取り消せる。「関するか否かにかかわらず取り消せない」は誤り。
制限行為能力者が単独でした取消しを、法定代理人は取り消せる?
令和5年 問8 肢1(A=未成年者/B=法定代理人)|取消権の行使
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

AがBの同意を得ずに制限行為能力を理由として本件売買契約を取り消した場合、Bは、自己が本件売買契約の取消しに同意していないことを理由に、Aの当該取消しの意思表示を取り消すことができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「制限行為能力を理由として本件売買契約を取り消した」=Phase 0 制度の型。制限行為能力者による取消権の行使に、法定代理人の同意が要るかを暗記ルールで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|Phase 0のどの論点か?
問われているのは制限行為能力者がした「取消し」の効力=Phase 0④取消権の行使。開始審判の同意でも、保護者の辞任の許可でも、居住用不動産の処分でも、代理権の付与でもない。次へ。
S2|取消権の行使ルール
取消権の行使は本人(未成年者本人を含む)・保護者が単独でできる(§120①)。取消しは「義務を負う」行為ではなく保護のための行為なので同意・許可は不要で、取消しの意思表示自体は取消しの対象にならない。よってAの取消しは有効で、法定代理人Bがこれを取り消すことはできない。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=取消権の行使は制限行為能力者が単独で有効にできる(§120①・同意不要)。取消しの意思表示自体は取消しの対象にならない。🔴罠=法定代理人が同意していなければ取消しをさらに取り消せる、と「契約には同意が要る」ルールを取消しにも持ち込む。🔴罠の型=混同(同意が要る契約と、同意不要の取消しのすり替え)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。制限行為能力者の取消しは単独で有効にでき(§120①・同意不要)、取消しの意思表示自体は取消しの対象にならないので、法定代理人Bがこれを取り消すことはできない。
成年被後見人が後見人の同意を得てした土地の売却は、取り消せる?
平成15年 問1 肢3|成年被後見人
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

成年被後見人が成年後見人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合、成年後見人は、当該意思表示を取り消すことができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「成年被後見人がした土地の売却」=Phase 1 行為の有効性の型。意思能力はある前提で、その契約が取り消せるかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」「同意を得た」等と偽って相手を誤信させた事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
土地の売却は日常生活に関する行為ではない=有効の例外(§9但)に当たらない。次へ。
S3|4類型のどれか(成年被後見人)
成年被後見人の行為は、成年後見人の同意があっても取り消せる(後見人に同意権はない・§9本文。例外は日用品等§9但)。事前の同意を得て土地を売却しても、成年後見人はこれを取り消せる。本肢は正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=成年被後見人の行為は成年後見人の同意があっても取り消せる(後見人に同意権はない・§9本文)。事前の同意は取消しを妨げない。🔴引っかけ=「事前の同意を得て」いれば取り消せないと、被保佐人・被補助人の同意ルールを成年後見に持ち込ませる。🔴罠の型=類型の混同(成年後見に“同意で有効”を適用)
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。成年被後見人の行為は成年後見人の同意があっても取り消せる(後見人に同意権はない・§9本文)。事前の同意を得ていても、成年後見人は当該意思表示を取り消すことができる。
被保佐人が保佐人の同意を得てした土地の売却は、取り消せる?
平成15年 問1 肢4|被保佐人
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

被保佐人が保佐人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合、保佐人は、当該意思表示を取り消すことができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「被保佐人が保佐人の同意を得てした土地の売却」=Phase 1 行為の有効性の型。意思能力はある前提で、その意思表示(契約)が取り消せるかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」「同意を得た」等と偽って相手を誤信させた事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
土地の売却は日常生活に関する行為ではない=取り消せない例外(§13①但)に当たらない。次へ。
S3|4類型のどれか(被保佐人)
被保佐人にとって土地の売却は§13①の重要な財産行為だが、本肢は保佐人の事前の同意を得てしている。同意を得てした行為は完全に有効で、後から保佐人が取り消すことはできない(成年被後見人と違い、被保佐人には同意による有効化が働く・§13①)。「取り消せる」とする肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=被保佐人が保佐人の同意を得てした行為は完全に有効で、後から取り消せない(同意による有効化が働く・§13①)。🔴罠=「事前の同意を得て」いるのに「取り消すことができる」と、同意を得た行為を取り消せる側に流す。🔴罠の型=表と逆(同意を得た行為を取り消せるとした)+成年被後見人との混同
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。被保佐人が保佐人の事前の同意を得てした土地の売却は完全に有効で、後から取り消すことはできない(同意による有効化が働く・§13①)。「取り消すことができる」は誤り。
営業を許された未成年者が、居住用の建物を同意なく買っても取り消せない?
平成28年 問2 肢1|営業の許可
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

古着の仕入販売に関する営業を許された未成年者は、成年者と同一の行為能力を有するので、法定代理人の同意を得ないで、自己が居住するために建物を第三者から購入したとしても、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「営業を許された未成年者がした建物の購入」=Phase 1 行為の有効性の型。意思能力はある前提で、その売買を法定代理人が取り消せるかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」「同意を得た」等と偽って相手を誤信させた事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
建物の購入は日常生活に関する行為ではない(未成年者には§9但のような明文の例外はなく、小遣いの範囲§5①③で判定するが、いずれにも当たらない)。次へ。
S3|4類型のどれか(未成年者・営業の許可)
未成年者が成年と同一に扱われるのは、許可された営業(古着の仕入販売)に関する行為だけ(§6①)。自分が住む建物の購入は古着営業と無関係で範囲外だから、法定代理人の同意がなければ取り消せる。同意なしでも取り消せないとする肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=営業を許された未成年者が成年と同一に扱われるのは、その営業(古着の仕入販売)に関する行為だけ(§6①)。居住用建物の購入は営業と無関係で範囲外=同意なしなら取り消せる。🔴罠=「営業を許された→成年者と同一の行為能力→取り消せない」と、許可の効果を全ての行為へ広げる。🔴罠の型=要件の欠落(「その営業に関する行為」だけという範囲の限定を外している)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。営業を許された未成年者が成年と同一に扱われるのは、その営業(古着の仕入販売)に関する行為だけ(§6①)。居住用建物の購入は営業と無関係で範囲外だから、法定代理人は同意のない契約を取り消せる。「取り消すことができない」は誤り。
被保佐人が贈与の申出を拒絶するのに、保佐人の同意は不要?
平成28年 問2 肢2|被保佐人(§13①)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

被保佐人が、不動産を売却する場合には、保佐人の同意が必要であるが、贈与の申し出を拒絶する場合には、保佐人の同意は不要である。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「被保佐人が贈与の申出を拒絶する」=Phase 1 行為の有効性の型。意思能力はある前提で、その行為が取り消せるか(保佐人の同意が要るか)をフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」「同意を得た」等と偽った事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
贈与の申出を拒絶することは日常生活に関する行為ではない=有効の例外(§13①但)に当たらない。次へ。
S3|4類型のどれか(被保佐人)
被保佐人の§13①の重要行為は、保佐人の同意なしなら取り消せる。ここで逆転注意=もらう(受諾)は同意不要だが、贈与の申込みを拒絶することは§13①7号で保佐人の同意が必要(もらえる贈与を断るのは本人に不利になりうるため)。「不要」とする肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=被保佐人は、もらう(受諾)のは同意不要でも、贈与の申込みを拒絶することは§13①7号で保佐人の同意が必要(もらえる贈与を断るのは本人に不利になりうるため)。🔴罠=「もらうのは自由なのだから、断るのも自由(同意不要)」と、受諾と拒絶を同じに扱う。🔴罠の型=逆転の見落とし(受諾は自由でも拒絶は要同意)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。贈与の申出の拒絶も§13①7号で保佐人の同意が必要。「同意は不要である」とする本肢は誤り(不動産の売却に同意が必要な点は正しい)。
成年後見人が本人の居住用建物を売るのに、家庭裁判所の許可は要らない?
平成26年 問9 肢2|居住用不動産(§859の3)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する場合には、家庭裁判所の許可を要しない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「成年後見人が本人の居住用建物を売却する」=Phase 1 行為の有効性の型。成年被後見人の財産行為として、家庭裁判所の許可がいるかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」等と偽った事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
居住用建物の売却は日常生活に関する行為ではない=有効の例外(§9但)に当たらない。次へ。
S3|4類型のどれか(成年被後見人)
成年被後見人の居住用不動産の処分(売却)は家庭裁判所の許可がなければできない(§859の3)。住まいを失う重大な行為だから。許可を要しないとする肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=成年後見人が本人の居住用不動産を売却するには家庭裁判所の許可が必要(§859の3)。🔴罠=代理権があるから後見人の判断だけで売れる、と居住用不動産の特則を見落とす。🔴罠の型=要件の欠落(§859の3の家裁許可を落とす)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。成年後見人が成年被後見人の居住用建物を売却するには家庭裁判所の許可が必要(§859の3)。「許可を要しない」は誤り。
成年後見人が被後見人の乗用車を売るのに、家庭裁判所の許可は必要?
令和3年(12月)問3 肢1|居住用不動産(§859の3)|命題化
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

成年後見人が成年被後見人を代理して、成年被後見人が所有する乗用車を第三者へ売却するには、家庭裁判所の許可が必要である

🎯 Step 0|どの型か
🔵「成年後見人が成年被後見人を代理して乗用車を売却」=Phase 1 行為の有効性の型。成年被後見人の財産処分に、どんな要件(許可・同意)が要るかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人の側が「能力者だ」等と偽って相手を誤信させた事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
乗用車の売却は日常生活に関する行為ではない=有効の例外(§9但)に当たらない。次へ。
S3|4類型のどれか(成年被後見人)
成年被後見人について家庭裁判所の許可が要るのは居住用不動産の処分だけ(§859の3)。乗用車は居住用不動産(そもそも不動産)ではないので、許可は不要。「許可が必要」とする肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=家庭裁判所の許可が要るのは居住用不動産の処分だけ(§859の3)。乗用車は居住用不動産ではないので許可は不要。🔴罠=あらゆる財産の処分に家裁の許可が要ると思い込ませる。🔴罠の型=要件の欠落(許可の対象を「居住用不動産」に限る要件を落とす)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。家庭裁判所の許可が必要なのは居住用不動産の処分だけ(§859の3)。乗用車は居住用不動産ではないので許可は不要であり、「必要」とする本肢は誤り。
成年後見人が居住用建物に第三者の抵当権を設定するには、家裁の許可が要る?
令和3年(12月)問3 肢2|居住用不動産(§859の3)|命題化
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

成年後見人が成年被後見人を代理して、成年被後見人が居住の用に供する建物に第三者の抵当権を設定するには、家庭裁判所の許可が必要である。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「成年被後見人が居住の用に供する建物に抵当権を設定する」=Phase 1 行為の有効性の型。成年後見人が代理してする居住用不動産の処分に、家庭裁判所の許可が要るかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人(成年被後見人)が「能力者だ」等と偽った事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
居住用建物への抵当権の設定は日常生活に関する行為ではない=§9但の例外に当たらない。次へ。
S3|4類型のどれか(成年被後見人)
成年被後見人の居住用不動産の処分は、成年後見人が代理してする場合でも家庭裁判所の許可がなければ無効(§859の3)。§859の3の対象は売却だけでなく賃貸・賃貸借の解除・抵当権の設定も含み、居住用建物に抵当権を設定すると競売で住まいを失う恐れがあるため許可が必要。よって家裁の許可が必要とする本肢は正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=居住用建物への抵当権の設定は§859の3の対象(対象は売却だけでなく賃貸・賃貸借の解除・抵当権の設定も含む)で、成年後見人が代理する場合でも家庭裁判所の許可が必要。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。居住用建物への抵当権の設定は§859の3の対象で、成年後見人が代理する場合でも家庭裁判所の許可が必要。本肢は正しい。
成年被後見人のオフィスビルに抵当権を設定するには、家裁の許可が必要?
令和3年(12月)問3 肢3|居住用不動産(§859の3)|命題化
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

成年後見人が成年被後見人を代理して、成年被後見人が所有するオフィスビルに第三者の抵当権を設定するには、家庭裁判所の許可が必要である。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「成年後見人が代理して成年被後見人のオフィスビルに抵当権を設定する」=Phase 1 行為の有効性の型。意思能力はある前提で、後見人の処分に家庭裁判所の許可が要るかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
本人が「能力者だ」等と偽った事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
オフィスビルへの抵当権設定は日常生活に関する行為ではない=有効の例外に当たらない(§9但)。次へ。
S3|4類型のどれか(成年被後見人)
成年被後見人の財産を後見人が代理して処分する場合、家庭裁判所の許可が必要なのは居住用不動産の処分に限られる(§859の3)。オフィスビルは本人が住む建物ではなく居住用ではないので、抵当権を設定しても家裁の許可は不要。「必要である」とする肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=家庭裁判所の許可が必要なのは居住用不動産の処分だけ(§859の3)。事業用のオフィスビルは居住用ではないので許可は不要。🔴罠=「居住用に限る」という限定を外し、あらゆる不動産の処分に家裁の許可が要ると思い込ませる。🔴罠の型=要件の欠落(「居住用」の限定を落とす)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。家庭裁判所の許可が必要なのは居住用不動産の処分に限られる(§859の3)。オフィスビルは居住用ではないので抵当権の設定に許可は不要で、「必要である」は誤り。
成年後見人が成年被後見人所有の倉庫の賃貸借契約を解除するには、家庭裁判所の許可が必要?
令和3年(12月)問3 肢4|居住用不動産(§859の3)|命題化
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

成年後見人が成年被後見人を代理して、成年被後見人が所有する倉庫についての第三者との賃貸借契約を解除するには、家庭裁判所の許可が必要である。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「成年被後見人が所有する倉庫の賃貸借契約を解除する行為」=Phase 1 行為の有効性の型。成年被後見人をめぐる行為に家裁の許可などの保護手続が要るかをフローで判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|詐術を用いたか?
肢に「能力者だ」「同意を得た」等と偽った事情はない=詐術なし(§21は働かない)。次へ。
S2|日用品その他日常生活に関する行為か?
倉庫の賃貸借契約の解除は日常生活に関する行為ではない=§9但の例外に当たらない。次へ。
S3|4類型のどれか(成年被後見人)
成年被後見人について家裁の許可が要るのは、§859の3の居住用不動産の処分(賃貸借の解除を含む)に限る。倉庫は本人の住まい=居住用不動産ではないので、その賃貸借解除に家裁の許可は不要。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=§859の3で家裁の許可が必要なのは居住用不動産の処分(賃貸借の解除を含む)に限る。倉庫は居住用不動産ではないので許可は不要。🔴罠=「賃貸借契約を解除」だけを見て、対象が居住用でなくても家裁の許可が要ると思わせる。🔴罠の型=要件の欠落(「居住用不動産」という限定を落とす)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。§859の3で家裁の許可が必要なのは居住用不動産の処分(賃貸借の解除を含む)に限る。倉庫は居住用不動産ではないので、その賃貸借解除に家裁の許可は不要。「必要」とする本肢は誤り。
Phase 2 ─ 追認・第三者との対抗3問
追認のタイミングと、善意無過失の相手方・第三者との優劣。
相手方が善意無過失なら、制限行為能力を理由に取り消せない?
令和5年 問8 肢2|善意無過失の相手方
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

本件売買契約締結時にAが未成年者であることにつきCが善意無過失であった場合、Bは、Aの制限行為能力を理由として、本件売買契約を取り消すことはできない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Aの制限行為能力を理由として取り消せるか(相手方Cは善意無過失)」=Phase 2 事後の事情・対抗の型。取り消せる行為について、相手方の善意無過失が取消しを妨げるかを判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|事後の事情(追認・法定追認・時効)はあるか?
肢には追認(§124)・法定追認・時効(§126)といった事後の事情はない。取り消せる行為のまま確定していない。次へ。
S2|対抗=相手方の善意無過失で取消しは妨げられるか?
制限行為能力を理由とする取消しは、相手方が善意無過失であっても主張できる(取引の安全<本人保護)。詐欺取消しが善意無過失の第三者に対抗できない§96③との最大の違い。よってBは取り消せる。「取り消すことはできない」とする肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=制限行為能力を理由とする取消しは、相手方が善意無過失でも主張できる(取引の安全<本人保護)。🔴罠=相手方が善意無過失なら取り消せないと、詐欺取消し(§96③)の善意者保護を持ち込む。🔴罠の型=混同(制限行為能力に詐欺取消しの善意者保護を適用)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。制限行為能力を理由とする取消しは相手方が善意無過失でも主張できる(取引の安全<本人保護)。「取り消すことはできない」は誤り。
成年に達し取消権を知って追認したら、もう取り消せない?
令和5年 問8 肢3|成年到達後の追認
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

本件売買契約につき、取消しがなされないままAが成年に達した場合、本件売買契約についてBが反対していたとしても、自らが取消権を有すると知ったAは、本件売買契約を追認することができ、追認後は本件売買契約を取り消すことはできなくなる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Aが成年に達した後に追認できるか」=Phase 2 事後の事情・対抗関係の型。取り消せる行為が、追認・法定追認・時効で確定して取り消せなくなるかを判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|事後の事情か、対抗・催告か
成年に達した本人が契約を認める=追認の場面(事後の事情)。相手方の善意無過失や催告の宛先を問う対抗関係ではない。追認のルールへ。
S2|追認は有効か(§124の要件)
追認は、取消しの原因が消滅し(未成年者が成年に達した)、かつ取消権があると知った後に本人がすれば有効(§124)。Aは成年に達し、取消権を有すると知って追認している=要件を満たす。追認すると以後取り消せなくなる(§122)。法定代理人Bの反対は関係ない。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=成年到達(取消原因の消滅)後に、取消権があると知って本人が追認すれば有効(§124)。追認すると以後取り消せなくなる(§122)。法定代理人Bの反対は関係ない。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。成年到達後、取消権があると知ってAが追認すれば有効で(§124)、追認後は取り消せなくなる(§122)。Bの反対は関係ない。
未成年者が成年に達する前にした売却は、法定追認として取消権を消す?
令和5年 問8 肢4|法定追認の時系列
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

本件売買契約につき、Bが追認しないまま、Aが成年に達する前にBの同意を得ずに甲建物をDに売却した場合、BがDへの売却について追認していないときでも、Aは制限行為能力を理由として、本件売買契約を取り消すことはできなくなる

🎯 Step 0|どの型か
🎯Step 0|どの型か:🔵「甲建物をDに売却した」=取り消せる契約の後にした処分行為だからPhase 2 事後の事情・対抗の型。この売却で法定追認が成立して取消権が消えるかを判定する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|事後の事情か、対抗・催告か?
問題になっているのは『成年に達する前の売却で法定追認が成立するか』=追認・法定追認・時効の事後の事情の話(相手方Dの善意無過失や催告の宛先=対抗の話ではない)。法定追認§125のルールへ。
S2|法定追認§125のルール
法定追認が成立するのは追認できる時以後(=成年到達後)に履行・処分等をした場合。未成年者が成年に達する前にした売却は、まだ追認できる状態ではないので法定追認にならない=取消権は失われない(§125)。しかも本肢はBも追認していない。「取り消すことはできなくなる」とする本肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=法定追認(§125)は「追認できる時(=成年到達後)」以後の行為に限られ、成年に達する前にした売却は法定追認にならず取消権は失われない。🔴罠=「売却したのだから追認扱い→もう取り消せない」と、処分行為さえあれば当然に取消権が消えると思い込ませる。🔴罠の型=要件の欠落(『追認できる時以後』という時期の要件を飛ばす)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。法定追認(§125)は追認できる時以後の行為に限られ、未成年者が成年に達する前にした売却は法定追認にならないので取消権は失われない。「取り消すことはできなくなる」は誤り。
つぎの順路へ

制限行為能力者はここまでです。おつかれさまでした。
つづけて読むなら代理の順路へ。顕名・無権代理・表見代理の分岐を見分けられるようになります。

代理の順路へ →
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