【意思表示】アルゴで解ける過去問ドリル

意思表示の順路 9 / 10 過去問ドリル
民法・意思表示(心裡留保・虚偽表示・錯誤・詐欺・強迫)/ アルゴで解ける過去問ドリル
【意思表示】アルゴで解ける過去問ドリル
5つの判断アルゴリズム(心裡留保§93・虚偽表示§94・錯誤§95・詐欺§96・強迫)で正誤に到達できる過去問を、パターン別に集めた58肢。すべて本試験の原文そのまま。各カードは「📖解説で理解」→「🏋練習で定着」の2タブ式です。
58肢/5パターン型で判定 → 順送りで定着(2タブ式)
2020年改正の罠:錯誤は「無効 → 取消し」に、詐欺の第三者保護は「善意 → 善意無過失」に変わりました。旧法時代の「無効」「善意のみ」を引きずる肢は誤りです。
第三者保護の3段階:虚偽表示・心裡留保=善意だけでOK(無過失は不要)、錯誤・詐欺=善意+無過失が必要、強迫=保護なし(善意無過失の第三者にも表意者が勝つ)。
⚠ すべて現行法で判定・解説しています。難解な判例肢は型の対象外として除いています。
1. 心裡留保4問
相手方が悪意 or 有過失なら無効/善意無過失なら有効(§93)
相手方が有過失でも有効?
令和7年 問3肢ア|心裡留保の例外
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

表意者が真意でないことを知ってした意思表示は無効であるが、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知らなければ、知らないことにつき過失があっても、当該意思表示は有効となる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「表意者が真意でないことを知ってした意思表示」=心裡留保(§93)の型。相手方Bとの間の効力を問う話で、第三者Cは出てこない → 場面=当事者間の効果(取消し(無効)前後の第三者の話ではない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定(A vs B)
「Aが本心(真意)とは違うことを言ったか?」
本肢の表意者Aは「真意でないことを知って」意思表示=本心と違うことを言った=YES。
YES → 原則として、その言葉通りに【有効】(嘘をついたA本人が責任を負うべきだから)
Step 2|相手方Bの状態チェック(無効になる例外)
「相手方Bは、Aの言葉が「嘘・冗談(真意ではないこと)」だと知っていたか、または不注意で知らなかったか?」
本肢の相手方は真意でないことを知らなかったが、「知らないことにつき過失があった」=不注意で知らなかった=YES。
YES(Bが悪意、または有過失)→ 例外適用で【 無効 】にひっくり返る(§93①ただし書)=「過失があっても有効となる」とする本肢は× 誤り
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=有過失でも無効(§93①但書「知り、又は知ることができた」)。本肢は「過失があっても…有効となる」=🔴罠。🔴罠の型=可否の反転(有過失なら無効なのに“有効”と言い切る)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。相手方に過失があれば無効(§93①但書)。「過失があっても有効」は誤り。
相手方が悪意なら無効を主張できる
平成10年 問7肢3|心裡留保
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aが、自分の真意ではないと認識しながらBに対する売却の意思表示を行った場合で、BがそのAの真意を知っていたとき、Aは、売却の意思表示の無効を主張できる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「自分の真意ではないと認識しながら」した意思表示=心裡留保(§93)の型。相手方Bとの当事者間の話で、第三者Cは出てこない → 場面は当事者間の効果
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定(A vs B)
「Aが本心(真意)とは違うことを言ったか?」
本肢のAは「自分の真意ではないと認識しながら」売却の意思表示をした=YES(心裡留保)。
YES → 原則として、その言葉通りに【 有効 】(嘘をついたA本人が責任を負うべき)
Step 2|相手方Bの状態チェック(無効になる例外)
「相手方Bは、Aの言葉が「嘘・冗談(真意ではないこと)」だと知っていたか、または不注意で知らなかったか?」
本肢は「BがそのAの真意を知っていたとき」=Bは悪意 → YES。
YES(Bが悪意、または有過失)→ 例外適用で【 無効 】にひっくり返る(§93①ただし書)→ Aは無効を主張できる=本肢は○ 正しい
💡 決め手と罠は?
決め手=相手方Bが悪意(真意を知っていた)なら無効(§93①ただし書)。本肢は「BがそのAの真意を知っていたとき」=🟡悪意を素直に述べている。悪意のBの信頼は守るに値しない → 無効を主張できる。🔴罠の型なし(素直に正しい)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。相手方Bが悪意だから§93①ただし書で無効。Aは無効を主張できる。
意思が合致=有効?
平成16年 問1肢1|心裡留保
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aの売渡し申込みの意思は真意ではなく、BもAの意思が真意ではないことを知っていた場合、AとBの意思は合致しているので、売買契約は有効である

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=「Aの売渡し申込みの意思は真意ではなく」=真意でないと自分で分かったまま意思表示 → 心裡留保(§93)の型。相手方Bとの当事者間の話で、第三者Cは出てこない → 場面は当事者間の効力判定
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定(A vs B)
「Aが本心(真意)とは違うことを言ったか?」
本肢のAは「売渡し申込みの意思は真意ではなく」=本心と違うことを自分で分かったまま言った=YES。
YES → 原則として、その言葉通りに【有効】(嘘をついたA本人が責任を負うべき)。ただし相手方Bの状態チェックへ。
Step 2|相手方Bの状態チェック(無効になる例外)
「相手方Bは、Aの言葉が「嘘・冗談(真意ではないこと)」だと知っていたか、または不注意で知らなかったか?」
本肢のBは「Aの意思が真意ではないことを知っていた」=悪意=YES。
YES(Bが悪意、または有過失)→ 例外適用=【 無効 】にひっくり返る(§93①ただし書)。「意思は合致しているので売買契約は有効である」とする本肢は× 誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=相手方Bが悪意なら無効(§93①但書)。Bは真意でないと知っていた(悪意)=例外が発動して原則の「有効」がひっくり返る。本肢は「意思は合致しているので…売買契約は有効である」=🔴罠。🔴罠の型=可否の反転(悪意なら無効なのに、意思の合致を理由に“有効”とすり替える)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。相手方Bが悪意だから無効(§93①但書)。「意思が合致したから有効」は誤り。
相手方が悪意でも契約成立?
平成19年 問1肢1|心裡留保
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aは甲土地を「1,000万円で売却する」という意思表示を行ったが当該意思表示はAの真意ではなく、Bもその旨を知っていた。この場合、Bが「1,000万円で購入する」という意思表示をすれば、AB間の売買契約は有効に成立する

🎯 Step 0|どの型か
🔵「当該意思表示はAの真意ではなく」=心裡留保(§93)の型。真意でない意思表示を、相手方Bに向けて自分でしている。第三者Cは出てこない → 場面=当事者間の効果(AB間で契約が有効か無効か)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定(A vs B)
「Aが本心(真意)とは違うことを言ったか?」
本肢のAは「1,000万円で売却する」と意思表示したが、当該意思表示はAの真意ではない=YES。
YES → 原則として、その言葉通りに【有効】(嘘をついたA本人が責任を負うべき・§93①本文)。ただし例外がないか次のStepでチェック。
Step 2|相手方Bの状態チェック(無効になる例外)
「相手方Bは、Aの言葉が「嘘・冗談(真意ではないこと)」だと知っていたか、または不注意で知らなかったか?」
本肢のBは「その旨(Aの真意ではないこと)を知っていた」=悪意 → YES。
YES(Bが悪意、または有過失)→ 例外適用で【 無効 】にひっくり返る(§93①ただし書)。悪意のBが「購入する」と意思表示しても契約は無効=「売買契約は有効に成立する」は× 誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=相手方Bが悪意なら無効(§93①ただし書)。Bは「その旨を知っていた」=悪意。本肢は「Bが購入の意思表示をすれば…有効に成立する」=🔴罠。🔴罠の型=可否の反転(悪意のBが承諾しても無効なのに“有効に成立”と言い切る)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。相手方Bが悪意だから無効(§93①但書)。悪意のBが購入の意思表示をしても有効に成立しない。
2. 虚偽表示21問
通謀仮装は無効。善意の第三者には対抗できない=無過失は不要(§94②)
抵当権者が悪意なら無効を主張できる
平成7年 問4肢1|虚偽表示
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Bがこの土地にCに対する抵当権を設定し、その登記をした場合で、CがAB間の契約の事情を知っていたときは、Aは、Cに対して抵当権設定行為の無効を主張することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=「AB間の契約の事情を知っていた」→ 前提はAとBの通謀による仮装虚偽表示(§94)の型。その仮装の土地にBから抵当権の設定を受けた第三者Cが登場 → 場面は無効(取消し)前の第三者との勝負。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本問の前提=AとBが通謀して土地の売買契約を仮装=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢はBがこの土地にCのための抵当権を設定し登記=担保に入れた=YES・第三者C登場。
YES(第三者C登場) → Step 3 へ進む
Step 3|第三者Cの該当性チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
Cは仮装の土地そのものに抵当権という新たに独立した法律上の利害関係を持った=該当する例(買主、抵当権者、差押債権者)の抵当権者そのもの。
YES / 該当する → Step 4 へ進む
Step 4|第三者Cの善意チェック
「第三者Cは、AB間の契約がウソ(虚偽表示)であることを知っていたか?」
本肢のCは「AB間の契約の事情を知っていた」=YES(知っていた)=悪意。
YES(知っていた)=Cが【悪意】 → 【 〇 / Aの勝ち 】無効を主張できる → 肢の記述どおり=○ 正しい
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=第三者Cの善悪。本肢のCは「事情を知っていた」=悪意 → §94②の保護なし。だから「Aは無効を主張できる」は正しい。🔴罠の型=善意/悪意のすり替え(悪意の第三者を守ってしまう誤り)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。第三者Cが悪意だから§94②の保護なし。Aは無効を主張できる。
善意でも過失があれば負ける?
平成7年 問4肢2|虚偽表示・善意の第三者
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Bがこの土地をDに売却し、所有権移転登記をした場合で、DがAB間の契約の事情を知らなかったことについて過失があるときは、Aは、Dに対してこの土地の所有権を主張することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵AとBの通謀による仮装の売買 → 虚偽表示(§94)の型。仮装の土地をBから買い受けた第三者Dが登場 → 場面は無効(取消し前)の第三者との勝負(当事者間の話ではない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢の前提=AとBが通謀の上でこの土地の売買契約を仮装=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢はBがこの土地をDに売却し、所有権移転登記まで済ませた=第三者D登場=YES。
YES(第三者D登場)→ Step 3 へ進む
Step 3|第三者の「該当性」チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
Dは仮装の土地そのものをBから買った買主=新たに独立した法律上の利害関係を持った者=該当する。
YES / 該当する → Step 4 へ進む(該当する例:買主、抵当権者、差押債権者)
Step 4|第三者の「善意」チェック
「第三者Cは、AB間の契約がウソ(虚偽表示)であることを知っていたか?」
Dは事情を知らなかった=善意。過失はあるが、過失不要=善意であれば保護される。
NO(知らなかった)→ Cが【善意】の場合=【 × / Aの負け 】無効を対抗できない → 「Aは主張できる」とする本肢は× 誤り
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=善意なら過失があっても保護(§94②)。Dは善意(知らなかった)。本肢は「過失があるときは、Aは…所有権を主張することができる」=🔴罠。🔴罠の型=善意・過失レベルの混同(虚偽表示に無過失を要求してしまう)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。虚偽表示の第三者は善意で足りる(無過失不要・§94②)。D善意なら過失があっても保護され、Aは主張できない。
転得者が善意なら取得できる
平成7年 問4肢4|虚偽表示・転得者
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

BがFに、さらにFがGに、それぞれこの土地を売却し、所有権移転登記をした場合で、AB間の契約の事情について、Fは知っていたが、Gが知らなかったときGは、Aに対しこの土地の取得を主張することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=AB間の契約の「事情」=通謀の仮装売買 → 虚偽表示(§94)の型。場面=B→F→Gと転売され、最後の転得者GがAに取得を主張 → 無効(取消し)前の第三者の場面(当事者間の効果でも、取消し後§177でもない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢の前提=AとBが通謀して土地の売買契約を仮装(=AB間の契約の事情)=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢ではBが土地をFに売却し、さらにFがGに売却=第三者が登場=YES。
YES(第三者登場) → Step 3 へ進む
Step 3|第三者の「該当性」チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
F・Gはいずれも仮装された土地そのものを買った買主=新たに独立した法律上の利害関係を持った者=該当する。
YES / 該当する → Step 4 へ進む
Step 4|第三者の「善意」チェック
「第三者Cは、AB間の契約がウソ(虚偽表示)であることを知っていたか?」
まず最初の買主F=このStepのC。「Fは知っていた」=悪意=YES。
YES(知っていた) → Cが【悪意】の場合=本来は【 〇 / Aの勝ち 】。ただし本肢はFがさらにGへ転売済み → 転得者の判定へ
Step 5|転得者の判定
「C(悪意)がさらにD(転得者)に転売していた場合、Dは善意か?」
C=F(悪意)・D=G。「Gが知らなかった」=転得者Gは善意=YES。
YES(Dが善意) → 【 × / Aの負け(Dの勝ち) 】=AはGに無効を対抗できない。よって「Gは、Aに対しこの土地の取得を主張することができる」=○ 正しい
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=最後の転得者Gの善悪。間のFは悪意でも、「Gが知らなかった」=善意。だから「Gは…取得を主張することができる」は正しい。🔴罠の型=主体すり替え(誰の善悪を見るか=守られたい本人Gを見る)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。間のFが悪意でも、最後の転得者Gが善意なら§94②で保護される。Gは取得を主張できる。
差押債権者は「第三者」に該当する
平成24年 問1肢1|第三者該当性
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aが所有する甲土地につき、AとBが通謀の上で売買契約を仮装し、AからBに所有権移転登記がなされた場合に、B名義の甲土地を差し押さえたBの債権者C

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=AとBが通謀の上で売買契約を仮装虚偽表示(§94)の型。仮装のB名義の甲土地を差し押さえた債権者Cが登場 → 場面は無効(取消し)前の第三者
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢はAとBが通謀の上で売買契約を仮装し、AからBへ所有権移転登記までしている=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢はBの債権者Cが、B名義の甲土地を差し押さえた=第三者Cの登場でYES。
YES(第三者C登場)→ Step 3 へ進む
Step 3|第三者Cの「該当性」チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
Cは仮装譲受人B名義の土地を差し押さえた債権者=仮装の目的物そのもの(甲土地)に独立の利害を刺している。
YES / 該当する(該当する例:買主、抵当権者、差押債権者)→ 本肢の結論は【 ○ 正しい 】
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=仮装の目的物そのものに利害関係を持ったか。Cは「B名義の甲土地を差し押さえた」=仮装の土地そのものに利害関係あり=該当する。🔴罠の型=対象すり替え(土地そのものか/Bの一般債権かを取り違える)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。差押債権者Cは仮装目的物に利害関係を持つ=§94②の「第三者」に該当する。
単なる貸金債権者は「第三者」か
平成24年 問1肢3|第三者該当性
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aが所有する甲土地につき、AとBが通謀の上で売買契約を仮装し、AからBに所有権移転登記がなされた場合に、Bが甲土地の所有権を有しているものと信じてBに対して金銭を貸し付けたC

🎯 Step 0|どの型か
問題文の「AとBが通謀の上で売買契約を仮装」→虚偽表示(§94)の型。🔵仮装のB名義を信じてBに金銭を貸し付けた債権者Cが登場=無効(取消し)前の第三者の場面。まず§94②の「第三者」に当たるかの入口判定。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢は「AとBが通謀の上で売買契約を仮装」し、AからBへ所有権移転登記まで済ませた=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢はBが土地を転売したのではなく、B名義を信じてBに金銭を貸し付けたCが登場=第三者を名乗る者が現れた場面=YESで該当性チェックへ。
YES(第三者C登場)→ Step 3 へ進む
Step 3|第三者Cの該当性チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
合言葉は「目的物そのものに刺したか」。Cは仮装の甲土地そのものではなく、Bという人にお金を貸しただけの単なる金銭債権者=新たに独立した法律上の利害関係なし=NO。
NO / 該当しない → 【 〇 / Aの勝ち 】(AはCに無効を主張できる)=Cを§94②の第三者とする本肢は【 × 誤り 】
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=仮装の土地そのものに利害関係を持ったか。Cは「Bに対して金銭を貸し付けた」だけ =仮装の土地そのものには利害関係なし =該当しない。🔴罠の型=対象すり替え(土地への利害か/人への一般債権かを取り違える)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。Bに金銭を貸しただけのCは仮装の土地に利害関係がなく、§94②の第三者に該当しない。
善意なら登記なしでも勝てる
平成27年 問2肢1|虚偽表示
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

善意のCがBから甲土地を買い受けた場合Cがいまだ登記を備えていなくても、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=AとBが通謀して売買を仮装+そのBから「善意のCが甲土地を買い受けた」→ 虚偽表示(§94)の型。場面=当事者間ではなく、無効の主張前に現れた第三者Cとの関係。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢はAとBが通謀の上で甲土地の売買契約を仮装=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢はBが甲土地を第三者Cに売却(Cが買い受けた)=YES。
YES(第三者C登場) → Step 3 へ進む
Step 3|第三者Cの「該当性」チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
CはBから甲土地を買い受けた買主=仮装の目的物について新たに独立した法律上の利害関係を持った者=該当する。
YES / 該当する → Step 4 へ進む(該当する例:買主、抵当権者、差押債権者)
Step 4|第三者Cの「善意」チェック
「第三者Cは、AB間の契約がウソ(虚偽表示)であることを知っていたか?」
本肢のCは善意(知らなかった)=NO。しかもCは登記をまだ備えていない。
NO(知らなかった)=Cが【善意】の場合 →【 × / Aの負け 】無効を対抗できない(§94②)。登記不要=Cは登記を備えていなくてもAに対抗できる → 本肢「AはCに無効を主張することができない」=○ 正しい
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=善意なら登記がなくても保護。本肢は「善意のC」で「登記を備えていなくても…無効を主張することができない」=正しい。🔴罠の型=要件の追加(登記を保護要件だと言い足す誤り)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。善意の第三者Cは登記不要で保護される(§94②)。AはCに無効を対抗できない。
建物賃借人は土地仮装の「第三者」?
平成27年 問2肢2|第三者該当性
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

善意のCが、Bとの間で、Bが甲土地上に建てた乙建物の賃貸借契約 (貸主B、借主C)を締結した場合、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない

🎯 Step 0|どの型か
🔵共通の設定=AとBが通謀して甲土地の売買を仮装虚偽表示(§94)の型。この肢は、無効の主張前に現れた第三者C(甲土地上の乙建物の賃借人)との場面=取消し(無効)前の第三者。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢の共通設定=AとBが通謀の上で甲土地の売買契約を仮装=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢ではB(名義人)がCとの間で乙建物の賃貸借契約を締結=第三者Cが登場=YES。
YES(第三者C登場)→ Step 3 へ進む
Step 3|第三者Cの「該当性」チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
Cが結んだのは乙建物の賃貸借=土地の仮装譲渡で、その土地上の建物を借りただけの建物賃借人(土地について利害なし)→ 仮装の目的物(甲土地)そのものに利害を刺していない。
NO / 該当しない → 【 〇 / Aの勝ち 】(AはCに無効を主張できる)=「無効をCに主張することができない」とする本肢は × 誤り
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=仮装の目的物=土地への利害関係か。Cが借りたのは「乙建物の賃貸借契約」=土地そのものの第三者ではない。だから「無効をCに主張することができない」は🔴罠。🔴罠の型=対象すり替え(土地の第三者か/建物の賃借人かを取り違える)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。建物賃借人Cは甲土地の仮装譲渡の「第三者」(§94②)に当たらず、AはCに無効を主張できる。
悪意者を経た善意者は守られる
平成27年 問2肢4|転得者
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

甲土地がBから悪意のCへ、Cから善意のDへと譲渡された場合、AはAB間の売買契約の無効をDに主張することができない

🎯 Step 0|どの型か
🔵前提=AとBが通謀して甲土地の売買を仮装 →虚偽表示(§94)の型。この肢は「悪意のCへ、Cから善意のDへと譲渡された」=無効の主張前に第三者(転得者D)が登場する場面。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢の前提=AとBが通謀して甲土地の売買契約を仮装=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢は甲土地がBからCへ譲渡され、さらにCからDへ=第三者登場=YES。
YES(第三者C登場)→ Step 3 へ進む
Step 3|第三者Cの「該当性」チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
Cは仮装譲受人Bから甲土地そのものを買った買主=新たに独立した法律上の利害関係を持った者=該当する。
YES / 該当する → Step 4 へ進む(該当する例=買主、抵当権者、差押債権者)
Step 4|第三者Cの「善意」チェック
「第三者Cは、AB間の契約がウソ(虚偽表示)であることを知っていたか?」
問題文でCは「悪意のC」=ウソを知っていた=YES。
YES(知っていた)→ Cが【悪意】の場合=【 〇 / Aの勝ち 】。ただし本肢はCがさらにDへ転売済み → 転得者の判定(次のStep)へ
Step 5|転得者の判定
「C(悪意)がさらにD(転得者)に転売していた場合、Dは善意か?」
問題文でDは「善意のD」=YES。見るのは途中のCではなく、最後に守られたい本人D。
YES(Dが善意)→ 【 × / Aの負け(Dの勝ち) 】AはDに無効を対抗できない = 本肢「主張することができない」は○ 正しい
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=最後に来る転得者Dの善悪。途中のCは悪意でも「Cから善意のDへ」=Dは善意。「中間者が悪意でも転得者が善意なら保護(浄化法則)」だから「無効をDに主張することができない」は正しい。🔴罠の型=主体すり替え(Cの悪意につられない・守られたい本人Dを見る)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。途中のCが悪意でも、最後の善意の転得者Dは§94②で保護される。AはDに無効を対抗できない。
転売先が善意なら対抗できない
平成30年 問1肢3|虚偽表示
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

AB間の売買契約が仮装譲渡であり、その後BがCに甲土地を転売した場合、Cが仮装譲渡の事実を知らなければAは、Cに虚偽表示による無効を対抗することができない

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=「仮装譲渡」(AとBが通謀してウソの売買)→ 虚偽表示(§94)の型。場面=仮装のBから甲土地を転売で買った第三者Cが登場 → 当事者間ではなく取消し(無効)前の第三者の場面。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢はAB間の売買契約が仮装譲渡=AとBが通謀の上で売買を仮装=YES。
YES(通謀・仮装あり)→ 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢はBがCに甲土地を転売=第三者C登場=YES。
YES(第三者C登場)→ Step 3 へ進む
Step 3|第三者Cの「該当性」チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
Cは仮装譲渡の目的物である甲土地そのものをBから買った買主=新たに独立した法律上の利害関係を持った者=該当する。
YES / 該当する(該当する例:買主、抵当権者、差押債権者)→ Step 4 へ進む
Step 4|第三者Cの「善意」チェック
「第三者Cは、AB間の契約がウソ(虚偽表示)であることを知っていたか?」
本肢のCは「仮装譲渡の事実を知らなければ」=知らなかった(善意)の場合の話。
NO(知らなかった)=Cが【 善意 】の場合 → 【 × / Aの負け 】=無効を対抗できない(§94②)→ 肢の「Aは、Cに虚偽表示による無効を対抗することができない」はそのとおり=○ 正しい
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=転売先Cの善悪。「Cが仮装譲渡の事実を知らなければ」=善意 → §94②で保護される。だから「無効を対抗することができない」は正しい。過失不要・登記不要=Cに過失(不注意)があっても、登記がなくても、善意であれば保護されます。🔴罠の型=善意/悪意のすり替え(善意者を守れるかどうか)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。善意の転得者Cには§94②で無効を対抗できない。
第三者に登記が必要?
平成20年 問2肢2|虚偽表示・登記不要
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

DはBとの間で売買契約を締結したが、AB間の所有権移転登記はAとBが通じてした仮装の売買契約に基づくものであった場合、DがAB間の売買契約が仮装であることを知らず、知らないことに無過失であっても、Dが所有権移転登記を備えていなければ、Aは所有者であることをDに対して主張できる

🎯 Step 0|どの型か
問題文の🔵入口の語=「AとBが通じてした仮装の売買契約」=通謀+仮装 → 虚偽表示(§94)の型。場面=仮装名義人Bから買い受けた第三者Dが登場 → 取消し(無効)前の第三者の場面(当事者間の話でも、取消し後でも、型の外でもない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
AB間の所有権移転登記は「AとBが通じてした仮装の売買契約」に基づく=通謀・仮装あり=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
仮装名義人Bは甲土地をDに売却(本肢のD=アルゴのC役)=第三者が登場=YES。
YES(第三者D登場)→ Step 3 へ進む
Step 3|第三者の「該当性」チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
Dは仮装名義人Bから土地そのものを買った買主=目的物について新たに独立した法律上の利害関係を持った者=該当する。
YES / 該当する → Step 4 へ進む(該当する例:買主、抵当権者、差押債権者)
Step 4|第三者の「善意」チェック
「第三者Cは、AB間の契約がウソ(虚偽表示)であることを知っていたか?」
Dは「仮装であることを知らず」=知らなかった(善意)。そして登記不要=登記を備えていなくてもAに対抗できる(判例)。
NO(知らなかった)→ Cが【 善意 】の場合=【 × / Aの負け 】無効を対抗できない。登記不要なので、Dが登記を備えていなくてもAは主張できない → 本肢は【 × 誤り 】
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=善意なら登記がなくても保護。Dは「仮装であることを知らず」=善意。本肢は「登記を備えていなければ、Aは…主張できる」=🔴罠。🔴罠の型=要件の追加(登記を保護要件だと言い足す誤り)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。虚偽表示の第三者は登記不要(§94②・判例)。D善意なら無過失かどうかに関係なく登記なしで保護され、Aは所有者であることを主張できない。
仮装譲受人は無権利=登記なしで勝てる
平成15年 問3肢4|虚偽表示
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

AとFが、通謀して甲地をAからFに仮装譲渡し、所有権移転登記を得た場合、Bは登記がなくとも、Fに対して甲地の所有権を主張することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「AとFが、通謀して甲地をAからFに仮装譲渡し」=通謀+仮装 → 虚偽表示(§94)の型。場面=仮装譲受人Fは当事者側の無権利者で、新たに現れた第三者ではない → 当事者間の効果の場面(§94②の第三者保護や取消し後§177の話ではない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢はAとF(このアルゴの「B=仮装譲受人」の位置)が通謀の上、甲地の譲渡を仮装=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢の名義人はF。Fは甲地を誰かに転売も担保設定もしておらず、仮装の目的物に新たに利害関係を持った第三者は登場しない=NO。
NO → 【 〇 / 真の権利者側の勝ち 】(Step 1の「当事者間の無効」のまま)。仮装名義人Fは無権利者=177条の「第三者」に非該当で、Bは登記がなくてもFに甲地の所有権を主張できる → 本肢は【○ 正しい】。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=仮装譲受人Fは無権利者だから登記不要で対抗できる。本肢は「Bは登記がなくとも…主張することができる」=正しい。無権利者Fは§177の「第三者」ではなく、対抗に登記は要らない。🔴罠の型=要件の追加(無権利者相手に登記を要求する誤り)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。仮装譲受人Fは無権利者(AF間の仮装譲渡は§94①で無効)。真の買主Bは登記なしでFに対抗でき、肢は正しい。
登記を任せた者は守られる(94条2項類推)
平成22年 問4肢4|94条2項類推
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Cは債権者の追及を逃れるために売買契約の実態はないのに登記だけBに移し、Bがそれに乗じてAとの間で売買契約を締結した場合には、CB間の売買契約が存在しない以上、Aは所有権を主張することができない

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=「登記だけBに移し」=売買の実態がないのに登記名義だけ移す→虚偽表示(§94)の型(通謀なしにCが1人で作った虚偽の外観にBが乗じた=§94②類推の場面)。B名義を信じて買ったAが登場→取消し(無効)前の第三者の話。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢は役どころが入替わり=アルゴのA役(真の権利者)=C/B役(名義人)=B/C役(第三者)=A。CとBに通謀はないが、Cが実態なく登記だけBに移した=自ら虚偽の外観を作り、Bがそれに乗じた場面。
NO(通謀なし)── ただし「※通謀がなくても、権利者が自ら虚偽の外観(実態なく登記だけ他人名義に移す等)を作り、相手がそれに乗じた場合は §94②類推 で同じ扱い」。CB間に権利移転はなく、Bは無権利の名義人のまま次のStepへ。
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢では名義人役のBが、B名義の登記を信じたAとの間で売買契約を締結=第三者役(=A)が登場=YES。
YES(第三者登場)→ Step 3 へ進む。
Step 3|第三者の「該当性」チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
第三者役=A。Aは名義人Bから土地を買った買主=仮装の目的物そのものについて、新たに独立した法律上の利害関係を持った者。
YES / 該当する(該当する例:買主、抵当権者、差押債権者)→ Step 4 へ進む。
Step 4|第三者の「善意」チェック
「第三者Cは、AB間の契約がウソ(虚偽表示)であることを知っていたか?」
第三者役=A。肢には、Aが「登記だけで実態がない」ことを知っていたという事実は書かれていない=善意のAで判定する。
NO(知らなかった)=Aが善意 →【 × / 真の権利者Cの負け 】=CはAに実態のなさを対抗できず、Aは所有権を主張できる → 「Aは所有権を主張することができない」と言い切る本肢は誤り=×。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=自ら外観を作った者は、それを信じた善意者に責任を負う。Cは「登記だけBに移し」た=自ら外観を作出。だから「Aは所有権を主張することができない」は🔴罠。🔴罠の型=可否の反転(善意のAは主張できるのに“できない”と言う)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。C自身が外観を作出した以上、善意のAは§94②類推で保護される。「Aは主張できない」は誤り。
善意でも過失があれば対抗できる?
令和7年 問3肢イ|虚偽表示・善意の第三者
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効であり、第三者がその虚偽表示につき善意であっても過失があれば、当該第三者にその無効を対抗することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=「相手方と通じてした虚偽の意思表示」=通謀・仮装 → 虚偽表示(§94)の型。場面=虚偽表示につき利害を持った第三者が登場 → 取消し(無効)前の第三者の保護が問われている。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢は「相手方と通じてした虚偽の意思表示」=AとBが通謀の上で仮装=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢の後半に「第三者がその虚偽表示につき善意であっても」=第三者が登場している=YES。
YES(第三者C登場) → Step 3 へ進む
Step 3|第三者Cの「該当性」チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
本肢の第三者は「その虚偽表示につき」利害を持った者として登場=虚偽表示の目的物について新たに独立した法律上の利害関係を持った者=該当する。
YES / 該当する → Step 4 へ進む(虚偽表示の目的物について、新たに独立した法律上の利害関係を持った者)
Step 4|第三者Cの「善意」チェック
「第三者Cは、AB間の契約がウソ(虚偽表示)であることを知っていたか?」
本肢の第三者は「善意であっても」=虚偽表示を知らなかった。そのうえで肢は「過失があれば無効を対抗できる」と主張している。
NO(知らなかった)→ Cが【 善意 】の場合=【 × / Aの負け 】無効を対抗できない。過失不要=善意なら過失があっても保護(§94②) → 「過失があれば…無効を対抗することができる」とする本肢は × 誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=善意なら過失があっても保護。本肢は「善意であっても過失があれば…無効を対抗することができる」=🔴罠。🔴罠の型=善意・過失レベルの混同(虚偽表示に無過失を要求してしまう)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。虚偽表示の第三者は善意のみで保護(無過失不要・§94②)。善意なら過失があっても対抗できず、「過失があれば対抗できる」は誤り。
動機を相手が知れば仮装でも有効?
平成19年 問1肢2|虚偽表示
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

AB間の売買契約が、AとBとで意を通じた仮装のものであったとしても、Aの売買契約の動機が債権者からの差押えを逃れるというものであることをBが知っていた場合には、AB間の売買契約は有効に成立する

🎯 Step 0|どの型か
問題文の🔵「AとBとで意を通じた仮装」=当事者2人が示し合わせてウソの売買契約を作った → 虚偽表示(§94)の型。第三者Cは登場しないので、場面はAB当事者間の効力の話。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢は「AとBとで意を通じた仮装」=AとBが通謀の上で売買契約を仮装=YES。動機(差押え逃れ)をBが知っていたかどうかは、このStepの問いに関係しない。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)。動機(差押え逃れなど)が不法でも、虚偽表示としての無効は主張できる → 「有効に成立する」とする本肢は【× 誤り】で確定。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=通謀があれば無効・動機の認識は無関係。本肢は「意を通じた仮装」なのに「Bが知っていた場合には…有効に成立する」=🔴罠。🔴罠の型=可否の反転(無効なのに“有効”と言い切る/動機の認識を効力にすり替え)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。通謀した仮装売買は§94①で無効。「動機を知っていたから有効」は誤り。
執行逃れの仮装は無効
平成16年 問1肢2|虚偽表示
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aが、強制執行を逃れるために、実際には売り渡す意思はないのにBと通謀して売買契約の締結をしたかのように装った場合、売買契約は無効である

🎯 Step 0|どの型か
🔵「売り渡す意思はないのにBと通謀して」装った売買 → 虚偽表示(§94)の型。第三者Cは登場しない=当事者間(AB間)の効力の場面。取消し前後の話でもない。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢はAが売り渡す意思はないのにBと通謀して売買契約を装った=YES。動機は強制執行逃れだが、動機が不法でも結論は変わらない。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)=「売買契約は無効である」は正しい → ○
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=通謀+売る意思なし=仮装で無効。本肢は「売り渡す意思はないのにBと通謀して」装った=仮装だから「売買契約は無効である」は正しい。🔴罠の型=なし(素直に正しい)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。強制執行逃れの通謀仮装は§94①で無効。正しい。
登記を移しても当事者間では無効
平成12年 問4肢1|虚偽表示
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

BがAから所有権移転登記を受けていた場合でもAは、Bに対して、AB間の契約の無効を主張することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵前提=AとBが通謀してした仮装の売買(AB間の契約)→虚偽表示(§94)の型。本肢はその無効を相手方Bに対して主張する話で、第三者は登場しない→当事者間の場面(取消し前後の第三者の話ではない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢の前提=AとBが通謀の上で売買を仮装し、登記までBに移している=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)。AはBに対して、いつでも土地の返還や登記の抹消を請求できます。
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢に第三者Cは登場しない。Aが相手方B本人に無効を主張する話=NO。
NO → 【 〇 / Aの勝ち 】※Step 1の「当事者間の無効」のまま=登記をBに移していてもAはBに無効を主張できる → 本肢は○ 正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=登記を移しても当事者間なら無効主張可。本肢は「登記を受けていた場合でも」「無効を主張することができる」=正しい。🔴罠の型=なし(登記があっても当事者間なら素直に無効)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。仮装譲渡は登記を移しても当事者間で無効(§94①)。AはBに無効を主張できる。
善意無過失の第三者は登記なしで勝つ
平成12年 問4肢2|虚偽表示の第三者
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Cが、AB間の契約の事情につき善意無過失で、Bからこの土地の譲渡を受けた場合は、所有権移転登記を受けていないときでも、Cは、Aに対して、その所有権を主張することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「AB間の契約の事情につき善意無過失で」譲渡を受けた第三者Cが登場。AB間はAとBが通謀して仮装した契約 → 虚偽表示(§94)の型。場面=無効の主張より前に現れた取消し(無効)前の第三者
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢の前提=AとBが通謀の上で土地の売買契約を仮装=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢はBがこの土地を第三者Cに譲渡(転売)した=YES(第三者C登場)。
YES(第三者C登場)→ Step 3 へ進む
Step 3|第三者Cの該当性チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
Cは仮装譲受人Bから土地の譲渡を受けた買主=仮装の目的物そのものに新たに独立した法律上の利害関係を持った者=YES。
YES / 該当する → Step 4 へ進む(該当する例:買主、抵当権者、差押債権者)
Step 4|第三者Cの善意チェック
「第三者Cは、AB間の契約がウソ(虚偽表示)であることを知っていたか?」
本肢のCは「AB間の契約の事情につき善意無過失」=ウソと知らなかった=NO(善意)。
NO(知らなかった)→ Cが【 善意 】の場合=【 × / Aの負け 】(無効を対抗できない)。しかも過失不要・登記不要(判例)=Cは登記を受けていなくてもAに所有権を主張できる → 本肢は○ 正しい
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=善意なら登記がなくても元所有者に所有権を主張できる(§94②・判例)。本肢は「善意無過失」で「登記を受けていないときでも…所有権を主張することができる」=正しい。🔴罠の型=要件の追加(登記を保護要件だと言い足す誤り)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。善意の第三者Cは§94②で保護され、登記がなくてもAに対抗できる。
善意の差押債権者も「第三者」
平成27年 問2肢3|虚偽表示の第三者
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Bの債権者である善意のCが、甲土地を差し押さえた場合AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない

🎯 Step 0|どの型か
問題文の🔵入口の語=「Bの債権者である善意のCが、甲土地を差し押さえた」。前提はAB間の通謀による仮装売買 → 虚偽表示(§94)の型。場面=仮装譲渡のあとに現れた第三者C=無効主張前の第三者(当事者間の話ではない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本問の前提=AとBは通謀の上で甲土地の売買契約を仮装=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
Bの債権者Cが甲土地を差し押さえた=B名義を起点に第三者Cが登場=YES。
YES(第三者C登場)→ Step 3 へ進む
Step 3|第三者Cの「該当性」チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
Cは仮装の甲土地そのものを差し押さえた債権者=新たに独立した法律上の利害関係を持った者。合言葉は「目的物そのものに刺したか」=刺している。
YES / 該当する → Step 4 へ進む(該当する例:買主、抵当権者、差押債権者)
Step 4|第三者Cの「善意」チェック
「第三者Cは、AB間の契約がウソ(虚偽表示)であることを知っていたか?」
本肢のCは善意=ウソだと知らなかった=NO。
NO(知らなかった)=Cが【善意】→【 × / Aの負け 】=無効を対抗できない → 肢の「AはCに無効を主張することができない」は○ 正しい
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=仮装の土地を差し押さえた善意者は§94②の第三者=保護される。本肢は「善意のCが甲土地を差し押さえた」から「無効をCに主張することができない」は正しい。🔴罠の型=対象すり替え(土地への利害か/一般債権かを取り違える)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。善意の差押債権者Cは§94②の第三者。Aは無効を対抗できない。
転抵当権者は「第三者」に該当
平成24年 問1肢2|§94②の第三者該当性
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aが所有する甲土地につき、AとBの間には債権債務関係がないにもかかわらず、両者が通謀の上でBのために抵当権を設定し、その旨の登記がなされた場合に、Bに対する貸付債権を担保するためにBから転抵当権の設定を受けた債権者C

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=「AとBの間には債権債務関係がない」のに「両者が通謀の上で」抵当権を設定 → 虚偽表示(§94)の型。場面=無効な仮装抵当を前提に、Bから転抵当を受けた債権者Cが登場取消し(無効)前の第三者の場面。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢はAとBの間に債権債務関係がないのに、両者が通謀の上でBのために抵当権を設定=仮装=YES。
YES → 契約(抵当権設定)は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢はB(仮装の抵当権者)が、その抵当権を使って債権者Cに転抵当権を設定=第三者C登場=YES。
YES(第三者C登場) → Step 3へ進む
Step 3|第三者Cの該当性チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
本肢のCは仮装の抵当権者Bから転抵当を受けた債権者=仮装の抵当権そのものに手をかけた=目的物そのものに刺している。
YES / 該当する(仮装の目的物について、新たに独立した法律上の利害関係を持った者) → 本肢の記述どおり=【 ○ 正しい 】
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=仮装抵当を前提に新たな利害を持ったか。Cは「Bから転抵当権の設定を受けた」=仮装抵当を前提に利害関係を持った =該当する。🔴罠の型=対象すり替え(仮装を前提にした新たな利害かどうか)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。仮装抵当を前提に転抵当を受けたCは§94②の第三者に該当する。
仮装債権の譲受人も「第三者」に該当
平成24年 問1肢4|§94②の第三者該当性
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

AとBが通謀の上で、Aを貸主、Bを借主とする金銭消費貸借契約を仮装した場合に、当該仮装債権をAから譲り受けたC

🎯 Step 0|どの型か
🔵AとBが通謀の上で金銭消費貸借契約を仮装虚偽表示(§94)の型。さらに当該仮装債権をAから譲り受けたCが登場 → 場面は無効の主張を受ける前の第三者(入口=§94②の第三者に当たるか)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢はAとBが通謀の上で金銭消費貸借契約を仮装=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢では第三者Cが登場(仮装した金銭消費貸借の債権をAから譲り受けた)=YES。
YES(第三者C登場)→ Step 3 へ進む
Step 3|第三者Cの該当性チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
Cは「仮装債権を譲り受けた人(=仮装されたその債権そのものを買った)」=仮装の目的物に新たに独立した法律上の利害関係を持った者。合言葉「目的物そのものに刺したか」=刺している。
YES / 該当する → 本肢の記述どおり=【 ○ 正しい 】(仮装債権の譲受人Cは§94②の第三者に該当)
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=仮装を前提に新たな利害を持ったか。Cは「仮装債権をAから譲り受けた」=虚偽表示を前提に新たな利害関係を持った=該当する。🔴罠の型=対象すり替え(「存在しない債権だから保護されない」方向へ目をそらす。問われているのは仮装を前提にした新たな利害かどうか)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。仮装債権の譲受人Cは§94②の第三者に該当する。
善意無過失のCには無効を対抗できない
平成2年 問4肢4|虚偽表示の第三者
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aが差押えを免れるため、Bと通謀して登記名義をBに移した場合、Aは、AB間の契約の無効を主張することはできるが、Cに対して所有権を主張することはできない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Bと通謀して登記名義をBに移した」=通謀+仮装の事実 → 虚偽表示(§94)の型。場面は二段構え=前半は当事者間(AB)の効果、後半(勝負どころ)は無効(取消し)前の第三者Cへの主張の可否。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「AとBが通謀(示し合わせて)して、売買契約などを仮装したか?」
本肢は「Bと通謀して登記名義をBに移した」=Aが差押えを免れるためにBと示し合わせた仮装=YES。
YES → 契約は【 × / 無効 】(民法94条1項)。動機(差押え逃れなど)が不法でも、虚偽表示としての無効は主張できます=Aは無効を主張できる。
Step 2|第三者の登場判定
「B(名義人)が、勝手に第三者Cに転売したり、担保に入れたりしたか?」
本肢では、B名義となった不動産について第三者Cが登場し、AがCに所有権を主張できるかが勝負どころ=YES。
YES(第三者C登場)→ Step 3 へ進む。
Step 3|第三者Cの該当性チェック
「Cは民法94条2項で保護される「第三者」に当たるか?」
CはBから不動産を取得=仮装の目的物について新たに独立した法律上の利害関係を持った者(該当する例=買主)=該当する。
YES / 該当する → Step 4 へ進む。
Step 4|第三者Cの善意チェック
「第三者Cは、AB間の契約がウソ(虚偽表示)であることを知っていたか?」
本肢のCは善意=AB間の契約が仮装であることを知らなかった。
NO(知らなかった)→ Cが【善意】の場合=【 × / Aの負け 】=AはCに無効を対抗できない(§94②)。当事者間で無効を主張できること(§94①)とは両立 → 本肢「無効を主張することはできるが、Cに対して所有権を主張することはできない」=○ 正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=当事者間の無効主張(§94①)と、善意Cへの対抗不可(§94②)は両立する。本肢は「通謀して登記名義をBに移した」で「無効を主張することはできるが、Cに…所有権を主張することはできない」=正しい。🔴罠の型=なし(両論点を正しく述べている素直な肢)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。当事者間では無効を主張できるが、善意のCには§94②で対抗できない。正しい。
3. 錯誤8問
2020改正で「無効→取消し」。動機の錯誤は表示が必要(§95)
錯誤は「無効」?
令和7年 問3肢ウ|錯誤・2020改正
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

意思表示は、当該意思表示に対応する意思を欠く錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、無効であるが、その錯誤につき善意でかつ過失がない第三者には、その無効を対抗することができない。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「錯誤に基づくもの」=意思表示に対応する意思を欠く勘違い → 錯誤(§95)の型。場面は当事者間の効果(前段の「無効であるが」=効果の言葉が決め手。後段の第三者は§95④のデコイ)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|錯誤のタイプ判定(動機か表示か)
「「 動機の錯誤 」か「表示の錯誤」か?」
本肢は「意思表示に対応する意思を欠く錯誤」=表示そのものがズレたタイプ=表示の錯誤
表示の錯誤 → 原則として取消しの対象 ➡ Step 3 へ(動機の表示を問うStep 2は通らない)
Step 3|表意者Aの重過失チェック
「表意者Aに「重大な過失(重過失)」はあるか?」
錯誤は「重要なもの」と明示=要件クリア。一方「重大な過失によって」の明示は本肢になし → 重過失を前提にせず NO で進む。
NO(重過失なし) → 取消し可(Aの勝ち)=フローの出口は「取消し」。本肢は「無効であるが」=2020年改正で消えた言葉で、現行§95①の効果と食い違う → × 誤り
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=錯誤の効果は「取消し」(現行§95①)。本肢は「重要なものであるときは、無効であるが」=🔴罠。🔴罠の型=効果時期/改正で消えた「無効」ワード(旧§95は無効だったが現行は取消し)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。現行法で錯誤は「取消し」。前段の「無効」が誤りで、肢全体は誤り。
動機を表示+共通錯誤なら取り消せる
令和2年 問6肢3|錯誤
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aは、自己所有の時価100万円の名匠の絵画を贋作だと思い込み、Bに対し「贋作であるので、10万円で売却する」と言ったところ、Bも同様に贋作だと思い込み「贋作なら10万円で購入する」と言って、AB間に売買契約が成立した場合

🎯 Step 0|どの型か
🔵「贋作だと思い込み」=勘違い → 錯誤(§95)の型。「贋作だから安く売る」という動機・理由の思い違い。AとBの当事者間の話で、第三者も取消し後の場面も出てこない → 場面=当事者間の効果(取り消せるかどうかの話)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|動機の錯誤か、表示の錯誤か
「「動機の錯誤」か「表示の錯誤」か?」
本肢のAは「名匠の絵画を贋作だと思い込み」=絵の中身・理由についての思い違い(書き間違い・言い間違いではない)=動機の錯誤。
動機の錯誤(動機・理由の思い違い) → Step 2 へ(条件付きで対象)
Step 2|動機は「表示」されていたか
「動機の錯誤の場合、その動機が相手方Bに伝わっていたか?」
本肢のAは「贋作であるので、10万円で売却する」と動機を口に出してBに伝えている=YES。
YES(表示されていた) → 明示または黙示に伝わっていれば、重要な錯誤となり得る ➡ Step 3 へ
Step 3|表意者Aに重過失はあるか
「重要な錯誤であっても、Aにうっかり度合いが強すぎる(重過失)か?」
問題文に「重大な過失によって」の明示はない → 重過失を前提にせず NO で進む。
NO(重過失なし) → 取消し可・Aの勝ち = 本肢は「取消しできるもの」に当たる → ○ 正しい
💡 決め手と罠は?
決め手=動機を表示したか。本肢は「贋作であるので、10万円で売却する」と動機を口に出し、Bも贋作と思い込む共通錯誤=🟡取消しできる。🔴罠の型=「思い込みを口に出していない未表示」パターン(本肢には無い=素直に取消可)
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。動機を表示し重要な錯誤だから取り消せる(§95①②)。「取消しできるもの」に当たる。
重過失の言い間違いは取り消せる?
令和2年 問6肢1|錯誤・重過失(正解:×/取消し不可)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aは、自己所有の自動車を100万円で売却するつもりであったが、重大な過失によりBに対し「10万円で売却する」と言ってしまい、Bが過失なく「Aは本当に10万円で売るつもりだ」と信じて購入を申し込み、AB間に売買契約が成立した場合

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=「重大な過失により」10万円と言い間違えた=勘違いによる意思表示 → 錯誤(§95)の型
第三者Cは登場せず、表意者Aと相手方Bの当事者間の場面(取消し前後の第三者の話ではない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|動機の錯誤か、表示の錯誤か
「「動機の錯誤」か「表示の錯誤」か?」
本肢のAは100万円のつもりで「10万円で売却する」と言ってしまった=言い間違い=表示の錯誤。
表示の錯誤(書き間違い、言い間違いなど)→ 原則として取消しの対象 ➡ Step 3 へ
Step 3|表意者Aに重過失はあるか
「表意者Aに「重大な過失(重過失)」はあるか?」
問題文に「重大な過失により」と明示されている=YES(重過失あり)。
YES(重過失あり)→ 原則 取消し不可 だが、例外の例外をチェック ➡ Step 4(逆転ルール)へ
Step 4|逆転ルール(相手方Bの状態)
「【逆転ルール】相手方Bの状態は?」
Bは過失なく「Aは本当に10万円で売るつもりだ」と信じた=善意無過失。悪意・重過失・共通錯誤のいずれにも該当しない。
NO(Bが善意で重過失なし)→ 取消し不可 Aの負け(§95③)=本肢は「取消しできるもの」に当たらず【× 誤り】
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=A重過失+Bに落ち度なし=取消し不可。本肢は「Bが過失なく」信じた=例外にも当たらない。🔴罠の型=可否の反転(重過失なのに取り消せると錯覚させる)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。A重過失かつB善意無過失なので、§95③で取り消せない。「取消しできるもの」には当たらない。
表示しない動機の錯誤は取り消せる?
令和2年 問6肢2|動機の錯誤(正解:×/取消し不可)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aは、自己所有の時価100万円の壺を10万円程度であると思い込み、Bに対し「手元にお金がないので、10万円で売却したい」と言ったところ、BはAの言葉を信じ「それなら10万円で購入する」と言って、AB間に売買契約が成立した場合

🎯 Step 0|どの型か
🔵「10万円程度であると思い込み」=価額(基礎事情)を勝手に思い込んだ動機の錯誤錯誤(§95)の型。当事者A-Bだけの話で第三者Cは登場しない → 当事者間の場面。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|動機の錯誤か、表示の錯誤か
「まず、Aの勘違いがどのタイプかを見極めます。」
本肢のAは時価100万円の壺を「10万円程度」と思い込んだ=値打ちについての理由・事情の思い違い=動機の錯誤。
動機の錯誤 → 【 Step 2 へ 】(条件付きで対象)
Step 2|動機は表示されていたか
「動機の錯誤の場合、その動機が相手方Bに伝わっていたか?」
Aが口に出したのは「手元にお金がないので、10万円で売却したい」=お金の事情だけで、壺を10万円程度と思い込んだ動機はBに伝えていない=NO。
NO(表示なし) → 自分だけで勝手に思い込んでいた場合はここで終了=【 取消し不可 】(§95②)。取り消せるとする本肢は【 × 誤り 】
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=思い込んだ動機を表示したか。本肢が口に出したのは「手元にお金がないので、10万円で売却したい」=お金の事情であって、価額を安く思い込んだ動機は表示していない=🔴取り消せない。🔴罠の型=語のすり替え(別の動機を表示させて錯誤の動機を隠す)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。時価を安く思い込んだ動機を表示していないので、錯誤取消しはできない(§95②)。
重過失でも「無効」を主張できる?
令和2年12月 問7肢4|錯誤
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

本件契約が、Aの重大な過失による錯誤に基づくものであり、その錯誤が重要なものであるときは、Aは本件契約の無効を主張することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Aの重大な過失による錯誤」=表意者A本人の勘違い → 錯誤(§95)の型。第三者Cは登場せず、AがBに主張できるかだけの話 = 当事者間の場面。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|錯誤のタイプ(動機か表示か)
「「動機の錯誤」か「表示の錯誤」か?」
本肢はタイプ(動機か表示か)を明示せず、「その錯誤が重要なものであるとき」と重要性を前提として与えている=タイプで争わせる肢ではない。
タイプの明示なし(動機の錯誤の可能性も残る)→ 念のため Step 2(表示チェック)を経由して進む
Step 2|動機は表示されていたか
「動機の錯誤の場合、その動機が相手方Bに伝わっていたか?」
本肢は表示の有無も書いておらず、「その錯誤が重要なものであるとき」=取消しの対象になり得る重要な錯誤であることを前提として与えている=この関門は通過扱い。
YES扱い(重要な錯誤となり得ることが前提)→ Step 3 へ
Step 3|表意者Aの重過失チェック
「表意者Aに「重大な過失(重過失)」はあるか?」
本肢は「Aの重大な過失による錯誤」と明示=重過失あり。※試験では重過失は問題文に明示されるのが通例で、本肢はその典型。
YES(重過失あり)→ 原則 取消し不可 だが、例外の例外をチェック → Step 4(逆転ルール)へ
Step 4|逆転ルール(相手方Bの状態)
「Aに重過失があっても、相手方Bが以下のいずれかに該当するか?」
逆転事由=Bが悪意/Bに重過失/Bも同一の錯誤(共通錯誤)。本肢にはBの事情が一切書かれていない=該当なし。
NO(該当なし)→ 取消し不可(Aの負け)。しかも現行の効果は「取消し」であって「無効」ではない(2020年改正・§95①③)→ 「無効を主張することができる」とする本肢は【 × 誤り 】
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=効果は取消し+重過失で原則不可。本肢は「無効を主張することができる」=🔴二重の罠。🔴罠の型=効果時期(改正で消えた「無効」)+可否の反転(重過失なのに主張できると言う)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。現行§95①の効果は「取消し」であり「無効」でない。かつ§95③の重過失で原則取り消せない。二重に誤り。
相手方Aが錯誤取消し?
平成28年 問3肢4|錯誤・取消権者
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

AB間の売買契約が、Bの意思表示の動機に錯誤があって締結されたものである場合、Bが所有権移転登記を備えていても、AはBの錯誤を理由にAB間の売買契約を取り消すことができる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=「Bの意思表示の動機に錯誤」→ 錯誤(§95)の型。第三者Cは登場せず、場面は当事者AB間。ただし取消しを主張しているのが錯誤した本人ではなく相手方A=「誰が取り消せるか(取消権者)」のすり替えの場面。
🔁 アルゴを最初から回す
型の外(仕上げ)
本肢で勘違いした本人(表意者)はBなのに、取消しを主張しているのは相手方A=「取り消せるか」ではなく「誰が取り消せるか」の話。
型の外 → 使う道具は【取消権者ルール(§120②)】=取消しを主張できるのは勘違いした本人(表意者B)のみ。相手方Aは取り消せない → 本肢の「Aは…取り消すことができる」は× 誤り
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=取り消せるのは表意者B、相手方Aではない。本肢は「AはBの錯誤を理由に」取り消せるとする=🔴罠。🔴罠の型=主体すり替え(誰の取消権かをすり替える)。登記の有無も無関係。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。取消権者は錯誤に陥った表意者B。相手方Aは取り消せない(§120②)。
勝手な思い込みで取り消せる?
平成23年 問1肢1|動機の錯誤
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Bは、甲土地は将来地価が高騰すると勝手に思い込んで売買契約を締結したところ、実際には高騰しなかった場合、動機の錯誤を理由に本件売買契約を取り消すことができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「将来地価が高騰すると勝手に思い込んで」=勘違いの事実 → 錯誤(§95)の型。しかも「地価が上がるはず」という動機(基礎事情)の錯誤。第三者は登場せず、取消しの前後の話でもない → 当事者間の場面。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|動機の錯誤か、表示の錯誤か
「まず、Aの勘違いがどのタイプかを見極めます。」
本肢は買主Bが勘違いした側(錯誤アルゴの表意者A役)。「将来地価が高騰すると勝手に思い込んで」=将来の見込みという動機・理由の思い違い=動機の錯誤。
動機の錯誤 → Step 2 へ(条件付きで対象)
Step 2|動機は「表示」されていたか
「動機の錯誤の場合、その動機が相手方Bに伝わっていたか?」
本肢は「勝手に思い込んで」いるだけで、高騰の期待という動機を売主(相手方役)に表示した事実はない=NO。
NO(表示なし) → 自分だけで勝手に思い込んでいた場合はここで終了=【 取消し不可 】(§95②)。よって「取り消すことができる」とする本肢は × 誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=期待という動機を表示したか。本肢は「勝手に思い込んで」いるだけで表示がない。よって「動機の錯誤を理由に本件売買契約を取り消すことができる」は🔴罠。🔴罠の型=可否の反転(未表示の動機なのに取消可とする)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。将来高騰の期待という動機を表示していないので、錯誤取消しはできない(§95②)。
重過失の表意者は取り消せる?
令和2年 問6肢4|錯誤と重過失(正解:×=取消しできない)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aは、自己所有の腕時計を100万円で外国人Bに売却する際、当日の正しい為替レート(1ドル100円)を重大な過失により1ドル125円で計算して「8,000ドルで売却する」と言ってしまい、Aの錯誤について過失なく知らなかったBが「8,000ドルなら買いたい」と言って、AB間に売買契約が成立した場合

🎯 Step 0|どの型か
🔵「重大な過失により」為替レートを計算し間違えて「8,000ドルで売却する」と言ってしまった=勘違い → 錯誤(§95)の型。登場人物はAとBだけで第三者Cは出てこない → 当事者間の場面(取消し前後の第三者の話ではない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|動機の錯誤か表示の錯誤か
「「動機の錯誤」か「表示の錯誤」か?」
本肢のAは為替レートの計算を間違え、100万円のつもりで「8,000ドルで売却する」と言ってしまった=言い値そのものの間違い=表示の錯誤。
表示の錯誤 → Step 3 へ(原則として取消しの対象)
Step 3|表意者Aに重過失はあるか
「表意者Aに「重大な過失(重過失)」はあるか?」
本肢は「重大な過失により」1ドル125円で計算したと問題文に明示=Aに重過失あり=YES。
YES(重過失あり) → 原則 取消し不可 だが、例外の例外をチェック ➡ Step 4(逆転ルール)へ
Step 4|逆転ルール・相手方Bの状態は
「Aに重過失があっても、相手方Bが以下のいずれかに該当するか?」
本肢のBは「Aの錯誤について過失なく知らなかった」=善意無過失。Bの悪意・Bの重過失・共通錯誤のどれにも該当しない=NO。
NO(Bが善意で重過失なし) → 取消し不可 Aの負け(§95③)=「取消しできるもの」に当たらず、本肢は × 誤り
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=A重過失+Bに落ち度なし=取消し不可。本肢は「Aの錯誤について過失なく知らなかったB」=例外(Bの悪意・重過失・共通錯誤)にも当たらない。🔴罠の型=可否の反転(重過失なのに取り消せると錯覚させる)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。A重過失かつB善意無過失なので、§95③で取り消せない。「取消しできるもの」には当たらない。
4. 詐欺13問
取消し可。第三者は善意+無過失で保護。取消し後は対抗問題(§96)
取消前の善意無過失の第三者には対抗できない
令和7年 問3肢エ|詐欺
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

詐欺による意思表示は取り消すことができるが、その詐欺につき善意でかつ過失がない取消し前の第三者には、その取消しを対抗することができない。

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=「詐欺による意思表示は取り消すことができる」+「取消し前の第三者」→ 詐欺(§96)の型。場面=当事者間の効果ではなく、取消し前の第三者が守られるかの話(取消し後§177でも型の外でもない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|誰が騙したのか?
「誰がAを騙したのか?」
本肢に「第三者に騙された」という限定はない=契約の相手方に騙された基本の場面。取消し自体は可。
契約の相手方 → 〇 取消し可(原則・§96①)→ Step 3(第三者の登場)へ
Step 3|取消しの前か、後か?
「Aが詐欺を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢の第三者は「取消し前の第三者」と明示=取消しの前に登場=YES。
YES → 取消し「前」の第三者 D → Step 4 へ
Step 4|取消し前の第三者の善意・無過失チェック
「Dは詐欺の事実を知らず、過失もなかったか?」
本肢の第三者は「善意でかつ過失がない」=詐欺を知らず過失もない=YES。
YES → Dが善意無過失 → Aは取り消しを対抗できない(§96③)=本肢の記述どおりで【○ 正しい】
💡 決め手と罠は?
決め手=善意かつ無過失なら対抗できない(§96③)。本肢は「善意でかつ過失がない…対抗することができない」=🟡§96③そのまま。🔴罠の型=善意/無過失の要件レベル混同(本肢には無い=素直に正しい)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。取消前の善意無過失の第三者には取消しを対抗できない(§96③)。
取消後はCとの対抗問題
令和元年 問2肢1|詐欺取消後
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

AがBとの売買契約をBの詐欺を理由に取り消した後、CがBから甲土地を買い受けて所有権移転登記を備えた場合、AC間の関係は対抗問題となり、Aは、いわゆる背信的悪意者ではないCに対して、登記なくして甲土地の返還を請求することができない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Bの詐欺を理由に取り消した後」にCが登場 → 詐欺(§96)の型。場面=取消し後の第三者(もう契約の効力の話ではなく、AとCの対抗問題の場面)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|誰が騙したのか
「誰がAを騙したのか?」
本肢は「Bの詐欺を理由に」取り消した=Aを騙したのは契約の相手方B。
契約の相手方 B → 〇 取消し可(原則)→ Step 3(第三者の登場)へ
Step 3|第三者との関係(取消し前か後か)
「Aが詐欺を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢のCは、Aが「取り消した後」にBから甲土地を買い受けた=取消し「後」の第三者。
NO → 取消し「後」の第三者 → 対抗問題=先に「登記」を備えた方が勝つ(早い者勝ち・§177)※善意・悪意は関係なし。登記を備えたCにAは登記なくして対抗できない → 本肢は【○ 正しい】
💡 決め手と罠は?
決め手=登記を備えたCにAは登記なしでは対抗できない。本肢は「対抗問題となり」「登記なくして…返還を請求することができない」=🟡§177どおり。🔴罠の型=善意悪意で決まるという主体すり替え(本肢には無い=素直に正しい)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。取消し後の第三者とは対抗問題。登記あるCにAは登記なしで返還請求できない(§177)。
取消前でも悪意の第三者は守られない
令和元年 問2肢2|詐欺取消前・悪意
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

AがBとの売買契約をBの詐欺を理由に取り消す前に、Bの詐欺について悪意のCが、Bから甲土地を買い受けて所有権移転登記を備えていた場合、AはCに対して、甲土地の返還を請求することができる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=「Bの詐欺を理由に」(だまされた)→ 詐欺(§96)の型。場面=当事者AB間の効果の話ではなく、取り消す前に現れた第三者Cとの関係=取消し前の第三者
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|誰が騙したのか?
「誰がAを騙したのか?」
本肢は「Bの詐欺を理由に」取り消す話=騙したのは契約の相手方B。
契約の相手方 B → ○ 取消し可(原則)→ Step 3(第三者の登場)へ
Step 3|第三者との関係(取消し前か、取消し後か)
「Aが詐欺を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢のC(アルゴのD役)は、Aが取り消す前にBから甲土地を買い受けた=取消し「前」の第三者→YES。
YES → 取消し「前」の第三者 → Step 4(善意・無過失チェック)へ
Step 4|取消し前の第三者の善意・無過失チェック
「Dは詐欺の事実を知らず、過失もなかったか?」
本肢のC(D役)はBの詐欺について「悪意」=事情を知っていた→NO。
NO → Dが悪意 または 有過失 → Aの勝ち=Aは取り消して取り戻せる → 本肢は【○ 正しい】
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=悪意なら§96③の保護なし。§96③が守るのは「善意でかつ過失がない第三者」だけ。本肢のCは「悪意のC」=保護に当たらない → Aは返還請求できる(○)。🔴罠の芽は「所有権移転登記を備えていた」だが、取消し前の第三者との勝負に登記の有無は関係ない。悪意Cは素直に非保護。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。取消し前でも悪意のCは§96③で守られず、AはCに返還請求できる。
取消後の原状回復は同時履行
平成30年 問1肢1|詐欺取消・原状回復
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

甲土地につき売買代金の支払と登記の移転がなされた後、第三者の詐欺を理由に売買契約が取り消された場合、原状回復のため、BはAに登記を移転する義務を、AはBに代金を返還する義務を負い、各義務は同時履行の関係となる

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=「第三者の詐欺を理由に…取り消された」=詐欺(§96)の型。ただしこの肢が問うのは、取り消された後の原状回復(後始末)=効力の判定ではない → 勝負どころは型の外(仕上げ)。詳しくは総仕上げ記事へ。
🔁 アルゴを最初から回す
型の外(仕上げ)
本肢は詐欺による取消し自体はもう済んでいて、聞かれているのは原状回復(Bの登記移転とAの代金返還)=契約の効力ではなく後始末(清算)の話。
型の外(仕上げ) → 取消し後の清算は同時履行(§533類推・判例)=双方の原状回復義務は同時履行の関係 → 本肢は【 ○ 正しい 】
💡 決め手と罠は?
決め手=どちらが先ではなく同時履行。本肢は「各義務は同時履行の関係となる」=🟡正しい。🔴罠の型=「まず〜を終えなければ…できない」の先履行ワード(本肢には無い=素直に正しい)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。取消し後の双方の原状回復義務は同時履行の関係(§533類推)。
転得者Dが悪意なら取り消せる?
平成30年 問1肢4|第三者詐欺
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aが第三者の詐欺によってBに甲土地を売却し、その後BがDに甲土地を転売した場合、Bが第三者の詐欺の事実を知らなかったとしても、Dが第三者の詐欺の事実を知っていれば、Aは詐欺を理由にAB間の売買契約を取り消すことができる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「第三者の詐欺によって」=だまされた事実キーワード → 詐欺(§96)の型。転得者Dも登場するが、問われているのは「AがAB間の売買契約を取り消すことができるか」=当事者間の効果(第三者詐欺§96②)の場面。取消し前後の第三者保護の話ではない。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|誰が騙したのか?
「誰がAを騙したのか?」
本肢は「第三者の詐欺によって」=Aを騙したのは契約の相手方Bではなく、部外者(第三者)。
部外者(第三者) → Step 2(第三者詐欺)へ
Step 2|第三者詐欺・相手方Bは事情を知っていたか?
「第三者Cに騙されたAは、相手方Bに対して契約を取り消したい。Bは騙された事情を知っていた、または不注意があったか?」
本肢のBは第三者の詐欺の事実を知らなかった(不注意の指摘もなし)=善意無過失。転得者Dの悪意はこの問いには登場しない=判定基準はあくまで相手方B。
NO(Bが善意無過失)→ 取消し不可(Bが保護される・§96②)=「Dが知っていれば取り消すことができる」とする本肢は × 誤り
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=相手方B基準(Bの善悪だけを見る)。本肢は「Bが…知らなかったとしても、Dが…知っていれば」取消せるとする=🔴罠。🔴罠の型=主体すり替え(門番は相手方Bなのに転得者Dの善悪で判定させる)。§96②の門番はあくまでB。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。第三者詐欺の取消し可否は相手方B基準(§96②)。Bが善意なら取消せず、転得者Dの悪意は無関係。
取消前の第三者は善意悪意問わず勝つ?
平成28年 問3肢2|詐欺取消前
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

AがBの詐欺を理由に甲土地の売却の意思表示を取り消しても、取消しより前にBが甲土地をDに売却し、Dが所有権移転登記を備えた場合には、DがBの詐欺の事実を知っていたか否かにかかわらず、AはDに対して甲土地の所有権を主張することができない

🎯 Step 0|どの型か
問題文の「Bの詐欺を理由に…取り消し」→詐欺(§96)の型。「取消しより前」にBから買ったDが登場=取消し前の第三者の場面(当事者間の効果の話ではない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|誰が騙したのか
「誰がAを騙したのか?」
本肢は「Bの詐欺を理由に」取り消し=騙したのは契約の相手方B。
契約の相手方 B → 〇 取消し可(原則)→ Step 3(第三者の登場)へ
Step 3|第三者との関係:取消し前か後か
「Aが詐欺を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢は「取消しより前」にBが甲土地をDに売却=Dの登場は取消しの前。
YES → 取消し「前」の第三者 D → Step 4 へ
Step 4|取消し前の第三者:Dの善意・無過失チェック
「Dは詐欺の事実を知らず、過失もなかったか?」
本肢は「詐欺の事実を知っていたか否かにかかわらず」=Dが悪意の場合まで含めて「主張できない」と言い切っている。
NO(Dが悪意 または 有過失)→ Aの勝ち=Aは取り消して取り戻せる(§96③・登記の有無は関係なし)。悪意のDにはAが主張できるのに「善悪問わず主張できない」は言い過ぎ →【× 誤り】
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=悪意のDは§96③で守られない。本肢は「知っていたか否かにかかわらず…主張することができない」=🔴罠。🔴罠の型=言い過ぎ/善意悪意の要件レベル混同(悪意Dは守られないのに「善悪問わず主張できない」と言い切る)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。取消し前でも悪意のDは§96③で守られない。悪意ならAはDに所有権を主張できる。「善悪問わず主張することができない」は誤り。
相手方Aが詐欺を知っていても取り消せない?
平成23年 問1肢2|第三者詐欺
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Bは、第三者であるCから甲土地がリゾート開発される地域内になるとだまされて売買契約を締結した場合、AがCによる詐欺の事実を知っていたとしても、Bは本件売買契約を詐欺を理由に取り消すことはできない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「第三者であるCから」だまされて契約=詐欺(§96)の型、その中の第三者詐欺。場面は当事者間——だまされたBが相手方Aに対して取り消せるか(取消し前後の第三者・転得者は登場しない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|誰が騙したのか?
「誰がAを騙したのか?」
⚠本肢はアルゴと役名が逆(だまされたのがB・相手方がA)。Bをだましたのは契約の相手方Aではなく、部外者Cだ。
部外者(第三者)C → Step 2(第三者詐欺)へ
Step 2|第三者詐欺・相手方は事情を知っていたか?
「第三者Cに騙されたAは、相手方Bに対して契約を取り消したい。Bは騙された事情を知っていた、または不注意があったか?」
本肢の相手方Aは「Cによる詐欺の事実を知っていた」=悪意 → YES。
YES(悪意、または善意有過失)→ 取消し可(§96②)。本肢は「知っていたとしても…取り消すことはできない」と可否を反転させているので × 誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=相手方が悪意なら取消せる(§96②)。本肢は「Aが…知っていたとしても…取り消すことはできない」=🔴罠。🔴罠の型=可否の反転(相手方が悪意なら取消せるのに“取消せない”と逆に言う)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。第三者詐欺でも相手方Aが詐欺を知っていれば取消せる(§96②)。「知っていても取消せない」は誤り。
取消後の転得者から取り戻せる?
平成23年 問1肢3|詐欺取消後
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

AがBにだまされたとして詐欺を理由にAB間の売買契約を取り消した後、Bが甲土地をAに返還せずにDに転売してDが所有権移転登記を備えても、AはDから甲土地を取り戻すことができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Bにだまされた」「詐欺を理由に…取り消した後」→ 詐欺(§96)の型。場面=当事者間でも取消し前の第三者でもなく、取消し「後」に登場した第三者Dとの勝負。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|誰が騙したのか
「誰がAを騙したのか?」
本肢は「AがBにだまされた」=騙したのは契約の相手方B。
契約の相手方 B → 〇 取消し可(原則)→ Step 3(第三者の登場)へ
Step 3|第三者との関係(取消し前か後か)
「Aが詐欺を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢のDは、Aが「取り消した後」にBから転売を受けて登場=取消しの前ではない(NO)。
NO → 取消し「後」の第三者 D=対抗問題。先に「登記」を備えた方が勝つ(早い者勝ち)※Dの善意・悪意は関係なし → 登記を備えたDにAは対抗できず、本肢「取り戻すことができる」は× 誤り
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=登記あるDにAは対抗できない。本肢は「Dが…登記を備えても…取り戻すことができる」=🔴罠。🔴罠の型=可否の反転(登記済みDには対抗できないのに“取り戻せる”と言う)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。取消し後の第三者Dは対抗問題(§177)。登記を備えたDからAは取り戻せない。
取消後は登記がないと対抗できない
平成19年 問6肢1|詐欺取消後
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

不動産売買契約に基づく所有権移転登記がなされた後に、売主が当該契約に係る意思表示を詐欺によるものとして適法に取り消した場合、売主は、その旨の登記をしなければ、当該取消後に当該不動産を買主から取得して所有権移転登記を経た第三者に所有権を対抗できない

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=「詐欺によるものとして適法に取り消した場合」→ 詐欺(§96)の型。場面=売主が取り消したに買主から取得して登記した第三者との勝負(当事者間の効力の話ではない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|誰が騙したのか
「誰がAを騙したのか?」
本肢のA=売主。売主は「詐欺によるものとして適法に取り消した」=騙したのは契約の相手方(買主)で、取消しはすでに有効に成立している。
契約の相手方 → 〇 取消し可(原則)→ Step 3(第三者の登場)へ
Step 3|第三者との関係(取消し前か後か)
「Aが詐欺を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢の第三者は、売主が取り消した後に買主から不動産を取得して所有権移転登記まで経ている=取消しの「後」に登場=NO。
NO → 取消し「後」の第三者 → 対抗問題=先に「登記」を備えた方が勝つ(早い者勝ち・§177/第三者の善意・悪意は関係なし)→ 売主も登記をしなければ対抗できない=本肢は【○ 正しい】
💡 決め手と罠は?
決め手=売主も登記をしなければ対抗できない。本肢は「その旨の登記をしなければ…第三者に所有権を対抗できない」=🟡§177どおり。🔴罠の型=登記不要という言い過ぎ(本肢には無い=素直に正しい)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。取消し後の第三者とは対抗問題。売主は登記をしなければ対抗できない(§177)。
相手方の善意悪意問わず取り消せない?
平成16年 問1肢3|第三者詐欺
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aが、Cの詐欺によってBとの間で売買契約を締結した場合、Cの詐欺をBが知っているか否かにかかわらず、Aは売買契約を取り消すことはできない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Cの詐欺によって」=契約の外の人物にだまされて意思表示 → 詐欺(§96)の型。場面=当事者間(だまされたAが相手方Bに対して取り消せるか。取消し前後の第三者はまだ登場しない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|誰が騙したのか?
「誰がAを騙したのか?」
本肢でAを騙したのは、契約の相手方Bではなく部外者C=第三者詐欺。
部外者(第三者)C → Step 2(第三者詐欺)へ
Step 2|第三者詐欺・相手方Bは事情を知っていたか?
「第三者Cに騙されたAは、相手方Bに対して契約を取り消したい。Bは騙された事情を知っていた、または不注意があったか?」
本肢は「Bが知っているか否かにかかわらず取り消せない」と言い切るが、Bが知っていれば(悪意)YES側に入る。
YES(Bが悪意、または善意有過失)→ 取消し可(§96②)。Bが知っていれば取消せる以上、「知っているか否かにかかわらず取り消すことはできない」は【× 誤り】
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=相手方B基準。本肢は「Bが知っているか否かにかかわらず…取り消すことはできない」=🔴罠。🔴罠の型=言い過ぎ/可否の反転(Bが悪意なら取消せるのに“善悪問わず取消せない”と言い切る)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。第三者Cの詐欺でも相手方Bが知っていれば取消せる(§96②)。「善悪問わず取消せない」は誤り。
第三者詐欺は相手方が知っていれば取消可
平成10年 問7肢1|第三者詐欺
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

AのBに対する売却の意思表示がCの詐欺によって行われた場合で、BがそのCによる詐欺の事実を知っていたとき、Aは、売却の意思表示を取り消すことができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Cの詐欺によって行われた」=だまされてした意思表示 → 詐欺(§96)の型。だましたのは相手方Bではなく部外者C(第三者詐欺)。争うのは表意者Aと相手方B=当事者間(取消しできるか)の場面。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|誰が騙したのか?
「誰がAを騙したのか?」
本肢でAを騙したのは、契約の相手方Bではなく部外者C=第三者詐欺のケース。
部外者(第三者)C → Step 2(第三者詐欺)へ
Step 2|第三者詐欺・相手方Bは事情を知っていたか?
「第三者Cに騙されたAは、相手方Bに対して契約を取り消したい。Bは騙された事情を知っていた、または不注意があったか?」
本肢は「BがそのCによる詐欺の事実を知っていたとき」=Bは悪意=YES。
YES(Bが悪意、または善意有過失)→ 取消し可(§96②)。本肢の「取り消すことができる」=○ 正しい
💡 決め手と罠は?
決め手=相手方Bが悪意なら取消せる。本肢は「BがそのCによる詐欺の事実を知っていたとき…取り消すことができる」=🟡§96②どおり。⚠🔴罠の型=常に取消せると言う言い過ぎ(本肢には無い=素直に正しい)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。第三者Cの詐欺で相手方Bが悪意なら、Aは取消せる(§96②)。
強迫は取り消すまでもなく無効?
令和6年 問1肢3|詐欺・強迫の効果
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

詐欺による意思表示は取り消すことによって初めから無効であったとみなされるのに対し、強迫による意思表示取り消すまでもなく無効である

🎯 Step 0|どの型か
🔵「強迫による意思表示」の効果を問う肢 → 強迫(§96①)の型。詐欺(§96)と効果を並べて比較させる型またぎの肢。場面=相手方との当事者間の効果の話で、第三者は出てこない(取消しの前後も無関係)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「表意者Aは、強迫を受けて契約の意思表示をしたか?」
本肢の後段=強迫による意思表示。表意者は強迫を受けて意思表示をした=YES。
YES →【 〇 / 取消し可(取り消すことができる) 】※「初めから無効」ではありません。取り消しの意思表示をして初めて無効になります(§96①)→「取り消すまでもなく無効」とする本肢は【× 誤り】
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=強迫の効果は「取消し」(§96①)。本肢は「取り消すまでもなく無効である」=🔴罠。🔴罠の型=効果時期のすり替え(取消し↔当然無効)。取り消して初めて無効になるのであって、当然無効ではない。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。強迫も詐欺と同じく効果は「取消し」(§96①)。「取り消すまでもなく無効」は誤り。
詐欺取消も20年経過で行使できなくなる
平成6年 問2肢3|詐欺と取消権の期間
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aは、当該契約の締結は詐欺に基づくものであるとして、その取消しを主張することができるが、締結後20年を経過したときは、取り消すことができない

🎯 Step 0|どの型か
🔵入口の語=「詐欺に基づくもの」=詐欺(§96)の型。ただしこの肢の勝負どころは、効力や第三者ではなく取消権そのものの期間制限型の外(仕上げ)。期間の確認は早見表記事の※注(§126)へ。
🔁 アルゴを最初から回す
型の外(仕上げ)
本肢の勝負どころは「締結後20年を経過したときは取り消すことができない」=取消権そのものの期間制限。誰が騙したかも第三者の登場も問うていない=型のフローには乗らない。
乗らない → 型の外(仕上げ)。使う道具は取消権の期間(§126)=追認できる時から5年・行為の時から20年で取消権は消滅 → 20年経過後は取消せない=本肢は【 ○ 正しい 】
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=20年で取消権は消滅。本肢は「締結後20年を経過…取り消すことができない」=§126どおり。🔴罠の型=期間の数字すり替え(5年↔20年)(本肢は行為から20年で正しい=素直に○)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。取消権は行為の時から20年で消滅する(§126)。20年経過後は取消せない。
5. 強迫12問
Aは完全な被害者。第三者保護なし=善意無過失でも表意者が勝つ
強迫でも善意無過失の第三者には勝てない?
令和7年 問1肢4|強迫・第三者
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

AB間の売買契約が、BC間の売買契約よりも前にBの強迫を理由として取り消されていた場合、又は、BC間の売買契約締結後にBの強迫を理由として取り消された場合のいずれの場合であっても、Cは、Bの強迫につき善意でかつ過失がなければ、Aに対して自己の所有権を主張することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Bの強迫を理由として取り消された」→ 強迫(§96①)の型。場面=本肢の中心はBC契約締結に取り消された場合=取消し前に現れた第三者Cとの勝負(なお前半の「BC契約より前に取消し済み」ならCは取消し後の第三者=登記の勝負)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「表意者Aは、強迫を受けて契約の意思表示をしたか?」
本肢のAはBに強迫されてAB間の売買契約の意思表示をした=YES。
YES → 【 〇 / 取消し可(取り消すことができる) 】(§96①)
Step 2|第三者による強迫の判定
「契約相手Bではなく、部外者CがAを強迫した場合、AはBに対して取り消せるか?」
本肢でAを強迫したのは契約相手B本人=部外者による強迫ですらない。仮に部外者の強迫でも相手の善悪不問で取消し可=YES。
YES 相手の善意悪意不問 → いつでも【 〇 / 取消し可 】
Step 3|第三者との関係:取消し前か後か
「Aが強迫を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢後半=BC間の売買契約締結の後に取り消された=買主Cの登場は取消しの「前」=YES。
YES → 取消し前の第三者 → Step 4 へ(NO=取消し後なら、善意悪意は関係なく先に登記を備えた方が勝つ対抗問題=§177)
Step 4|取消し前の第三者の善意チェック
「第三者Dが善意無過失などの事情があった場合、Aは取り消して取り戻せるか?」
本肢のCは善意無過失を備えていても、強迫には第三者保護規定がない(§96③は詐欺だけ)=Aは取り戻せる。
YES → 【 〇 / Aの勝ち(取り戻せる) 】=善意無過失のCも所有権を主張できず、前半(取消し後)の基準も善意無過失ではなく登記の先後(§177)→「いずれの場合でもCが主張できる」とする本肢は × 誤り
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=強迫には第三者保護規定がない(§96③は詐欺だけ)。本肢は「Cは…善意でかつ過失がなければ、Aに対して自己の所有権を主張することができる」=🔴罠。🔴罠の型=保護要件の水増し(詐欺の§96③を強迫に流用)。強迫の被害者Aは完全な被害者で、善意無過失のCでも守られない。なお前半(取消し後の第三者)の基準も善意無過失ではなく登記の先後(§177)=どちらの場合でも本肢は誤り。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。強迫には第三者保護がなく、C善意無過失でも表意者Aが守られる。「Cが主張できる」は誤り。
悪意のときだけ強迫取消しを対抗できる?
平成20年 問2肢4|強迫・第三者
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

FはBとの間で売買契約を締結して所有権移転登記をしたが、その後AはBの強迫を理由にAB間の売買契約を取り消した場合、FがBによる強迫を知っていたときに限り、Aは所有者であることをFに対して主張できる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Bの強迫を理由に…売買契約を取り消した」→ 強迫(§96①)の型。FはBから買って所有権移転登記まで得た後にAが取り消した=取消し前に現れた第三者Fと表意者Aの場面。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「表意者Aは、強迫を受けて契約の意思表示をしたか?」
本肢はAがBの強迫を受けて売買契約の意思表示をした=YES。
YES → 【 〇 / 取消し可(取り消すことができる) 】(§96①)※「初めから無効」ではなく、取り消して初めて無効になる。
Step 2|第三者による強迫の判定
「契約相手Bではなく、部外者CがAを強迫した場合、AはBに対して取り消せるか?」
本肢の強迫は部外者ではなく契約相手B自身によるもの。仮に部外者の強迫だったとしても、強迫なら相手の善意悪意不問で取り消せる=YES。
YES → 相手の善意悪意不問で、いつでも【 〇 / 取消し可 】。
Step 3|第三者との関係:取消し前か、後か
「Aが強迫を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢のFがこのDにあたる。FはBから買って所有権移転登記まで得た後に、Aが取り消した=Fの登場は取消しの「前」。
YES → 取消し前の第三者F → Step 4へ。(取消し「後」なら登記の早い者勝ち=§177の勝負になる)
Step 4|取消し前の第三者の善意チェック
「第三者Dが善意無過失などの事情があった場合、Aは取り消して取り戻せるか?」
強迫には第三者保護規定がない(§96③は詐欺だけ・強迫には不適用)。本肢のFが善意でも悪意でも、Aは所有者であることを主張できる。
YES → 【 〇 / Aの勝ち(取り戻せる) 】。Fの善意悪意は不問なので、「FがBによる強迫を知っていたときに限り」と限定する本肢は × 誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=強迫は第三者の善意悪意を問わず対抗できる。本肢は「FがBによる強迫を知っていたときに限り」=🔴罠。🔴罠の型=言い過ぎ・限定のすり替え(「〜に限り」)。Fが善意でもAは主張できるのに、悪意に限定している。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。強迫は第三者の善意悪意を問わず対抗できる(§96③の第三者保護は詐欺だけ・強迫には不適用)。「悪意のときに限り」は誤り。
善意の第三者には強迫取消しを対抗できない?
平成10年 問7肢2|強迫・第三者
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

AのBに対する売却の意思表示がBの強迫によって行われた場合、Aは、売却の意思表示を取り消すことができるが、その取消しをもって、Bからその取消し前に当該土地を買い受けた善意のDに対抗できない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Bの強迫によって行われた」=入口の語 → 強迫(§96①)の型。場面=当事者間の効力ではなく、取消し前にBから買い受けた善意の第三者Dに取消しを対抗できるか=取消し前の第三者の場面。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「表意者Aは、強迫を受けて契約の意思表示をしたか?」
本肢はAの売却の意思表示が「Bの強迫によって行われた」=YES。
YES → 【 〇 / 取消し可(取り消すことができる) 】(§96①。初めから無効ではなく、取り消して初めて無効)
Step 2|第三者による強迫の判定
「契約相手Bではなく、部外者CがAを強迫した場合、AはBに対して取り消せるか?」
本肢の強迫者は相手方B自身(部外者Cではない)。部外者の強迫でも取り消せるのだから、B自身の強迫なら当然に取消し可=通過。
YES → 相手の善意悪意不問で、いつでも【 〇 / 取消し可 】
Step 3|第三者との関係(取消しの前か後か)
「Aが強迫を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢のDは「その取消し前に当該土地を買い受けた」=取消しの前に登場した第三者。
YES(取消し「前」)→ 取消し前の第三者D → Step 4 へ(取消し「後」なら登記の早い者勝ち=§177)
Step 4|取消し前の第三者Dの善意チェック
「第三者Dが善意無過失などの事情があった場合、Aは取り消して取り戻せるか?」
本肢のDは善意で買い受けたが、強迫には第三者保護の規定がない(§96③は詐欺だけ)。
YES → 【 〇 / Aの勝ち(取り戻せる) 】=Aは善意のDにも取消しを対抗できる → 「対抗できない」とする本肢は【 × 誤り 】
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=取消前の善意の第三者にも対抗できる(強迫に第三者保護規定なし・§96③は詐欺だけ)。本肢は「善意のDに対抗できない」=🔴罠。🔴罠の型=可否の反転(対抗できるのに「できない」)。詐欺の§96③の第三者保護を強迫に持ち込んでいる。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。強迫は取消前の善意の第三者Dにも対抗できる。「対抗できない」は誤り。
強迫取消しは善意の第三者にも対抗できる
平成1年 問3肢4|強迫
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aは、Bに強迫されて土地を売ったので、その売買契約を取り消した場合、そのことを善意のCに対し対抗することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Bに強迫されて土地を売った」→ 強迫(§96①)の型。取り消した契約の効果を善意の第三者Cに対抗できるかの話 → 場面は取消し前の第三者との勝負。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「表意者Aは、強迫を受けて契約の意思表示をしたか?」
本肢はAがBに強迫されて土地を売った=YES。
YES → 【 〇 / 取消し可(取り消すことができる) 】(民法96条1項)※「初めから無効」ではなく、取り消して初めて無効になる。
Step 2|第三者による強迫の判定
「契約相手Bではなく、部外者CがAを強迫した場合、AはBに対して取り消せるか?」
本肢で強迫したのは契約相手B本人(本肢のCは強迫者ではなく後で出てくる第三者)=この落とし穴は不発。仮に部外者の強迫でも答えは同じ。
YES 相手の善意悪意不問 → いつでも【 〇 / 取消し可 】。本肢は相手B自身の強迫なのでなおさら取消し可。
Step 3|第三者との関係 ― 取消し前か後か
「Aが強迫を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢の善意のCがこのDにあたる。「取り消した場合、そのことをCに対抗できるか」=取消しより前に現れていた第三者との勝負=YES(取消し「前」)。
YES(取消し「前」) → 取消し前の第三者 → Step 4へ。(取消し「後」なら先に登記を備えた方が勝つ対抗問題になる)
Step 4|取消し前の第三者・善意チェック
「第三者Dが善意無過失などの事情があった場合、Aは取り消して取り戻せるか?」
本肢のCは善意=このDと同じ立場。強迫には第三者保護規定がない(善意無過失の第三者保護は詐欺だけで、強迫には不適用)。
YES → 【 〇 / Aの勝ち(取り戻せる) 】=Aは善意のCにも取消しを対抗できる → 本肢「善意のCに対し対抗することができる」=○ 正しい。
💡 決め手と罠は?
決め手=善意の第三者にも対抗できる。本肢は「善意のCに対し対抗することができる」=🟡正しい。🔴罠の型=詐欺の第三者保護(§96③善意無過失)を持ち込む言い回し(本肢にはそれが無く素直に正しい)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。強迫(§96①)には第三者保護規定がなく(§96③は詐欺だけ)、Aは善意のCにも取消しを対抗できる。
善意無過失なら明渡しを拒める?
平成3年 問2肢3|強迫
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

〔設定(平成3年 問2 柱書)〕 Aがその所有地をBに譲渡し、移転登記を完了した後、Cが、Bからその土地を賃借して、建物を建て、保存登記を完了した。その後、AがBの強迫を理由としてAB間の売買契約を取り消し、Cに対して土地の明渡し及び建物の収去を請求した。 Cは、AがBから強迫を受けたことを知らないことについて善意無過失であるとして、Aの請求を拒むことができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Bの強迫を理由として…取り消し」=おどされた話 → 強迫(§96①)の型。賃借人Cは取消しよりにBから土地を借りて登場した第三者 → 場面=取消し前の第三者との勝負。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「表意者Aは、強迫を受けて契約の意思表示をしたか?」
本肢のAはBの強迫を受けて土地を譲渡する意思表示をした=YES。
YES → 【 〇 / 取消し可(取り消すことができる) 】(民法96条1項)※「初めから無効」ではない
Step 2|第三者による強迫の判定
「契約相手Bではなく、部外者CがAを強迫した場合、AはBに対して取り消せるか?」
本肢で強迫したのは契約相手のB本人(部外者による強迫ではない)。仮に部外者の強迫でも答えはYES。
YES(相手の善意悪意不問)→ いつでも 【 〇 / 取消し可 】。B本人の強迫である本肢は当然に取消し可=このStepは通過。
Step 3|第三者との関係 ― 取消しの前か後か
「Aが強迫を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
賃借人Cは、Aが取り消すより前にBから土地を借りて建物を建てた=取消し「前」に登場した第三者。
YES(取消し「前」)→ 取消し前の第三者 → Step 4 へ(取消し「後」なら登記の早い者勝ちだが、本肢は違う)
Step 4|取消し前の第三者の善意チェック
「第三者Dが善意無過失などの事情があった場合、Aは取り消して取り戻せるか?」
本肢のCは「強迫を知らないことについて善意無過失」を主張して、Aの明渡し・収去請求を拒めるかが問われている。
YES → 【 〇 / Aの勝ち(取り戻せる) 】=第三者がどんなに良い人(善意無過失)でも強迫されたAは必ず勝てる(§96③の第三者保護は詐欺だけ・強迫にはない)→ Cは請求を拒めず、「拒むことができる」とする本肢は【 × 誤り 】。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=強迫には第三者保護規定がない(§96③は詐欺だけ)。本肢は「善意無過失であるとして、Aの請求を拒むことができる」=🔴罠。🔴罠の型=保護要件の水増し(詐欺§96③の善意無過失を強迫に流用)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。強迫は善意無過失の第三者でも守られない(§96③の第三者保護は詐欺だけ)。Cは明渡しを拒めない。
相手方が善意なら強迫取消しできない?
平成16年 問1肢4|第三者強迫
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aが、Cの強迫によってBとの間で売買契約を締結した場合、Cの強迫をBが知らなければ、Aは売買契約を取り消すことができない

🎯 Step 0|どの型か
問題文の🔵「Cの強迫によってBとの間で売買契約を締結した」=おどされてした意思表示 → 強迫(§96①)の型。場面=強迫したのは部外者Cだが、争いは表意者Aが相手方Bとの契約を取り消せるか=当事者間の効果の話(取消しの前後に現れる第三者は登場しない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「表意者Aは、強迫を受けて契約の意思表示をしたか?」
本肢はAがCの強迫によってBとの売買契約を締結=強迫を受けた意思表示=YES。
YES → 【 〇 / 取消し可(取り消すことができる) 】(民法96条1項)
Step 2|第三者による強迫の判定
「契約相手Bではなく、部外者CがAを強迫した場合、AはBに対して取り消せるか?」
本肢はまさにこの場面=部外者CがAを強迫し、相手方BはCの強迫を知らない(善意)。
YES・相手の善意悪意不問 → いつでも【 〇 / 取消し可 】。よって「Bが知らなければ取り消せない」とする本肢は × 誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=第三者強迫は相手方の善意悪意を問わず取消可。本肢は「Cの強迫をBが知らなければ、Aは取り消すことができない」=🔴罠。🔴罠の型=詐欺の要件(§96②相手方の善意で制限)を強迫に流用。§96②は詐欺だけの制限で、強迫には不適用。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。第三者強迫は相手方Bの善意悪意を問わず取り消せる(§96①)。「Bが知らなければ取り消せない」は誤り。
第三者の強迫は相手方の善意悪意を問わず取り消せる
平成19年 問1肢3|第三者強迫
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aが第三者Cの強迫によりBとの間で売買契約を締結した場合、Bがその強迫の事実を知っていたか否かにかかわらず、AはAB間の売買契約に関する意思表示を取り消すことができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「第三者Cの強迫によりBとの間で売買契約を締結した」=おどされて意思表示した → 強迫(§96①)の型。場面=第三者Cに強迫された表意者Aが、相手方Bとの契約を取り消せるか=当事者A-B間の効果の話(取消しの前後の第三者は登場しない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「表意者Aは、強迫を受けて契約の意思表示をしたか?」
本肢はAが第三者Cの強迫により、Bとの売買契約の意思表示をした=YES。
YES → 【 〇 / 取消し可(取り消すことができる) 】(民法96条1項)
Step 2|第三者による強迫の判定
「契約相手Bではなく、部外者CがAを強迫した場合、AはBに対して取り消せるか?」
本肢はまさに部外者Cによる強迫。おどされたAには落ち度(帰責性)がないため、相手方Bの信頼保護よりAの保護が優先される。
YES 相手の善意悪意不問 → いつでも【 〇 / 取消し可 】(§96①)=本肢「Bが知っていたか否かにかかわらず取り消すことができる」は ○ 正しい
💡 決め手と罠は?
決め手=相手方の善意悪意を問わず取消可。本肢は「知っていたか否かにかかわらず、AはAB間の売買契約に関する意思表示を取り消すことができる」=🟡正しい。🔴罠の型=詐欺の§96②制限(相手方の善意で制限)を持ち込む言い回し(本肢にはそれが無く素直に正しい)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。第三者強迫は相手方Bの善意悪意を問わず取り消せる(§96①)。
取消前の第三者からも取り戻せる
平成23年 問1肢4|強迫取消前
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

BがEに甲土地を転売した後に、AがBの強迫を理由にAB間の売買契約を取り消した場合には、EがBによる強迫につき知らなかったときであっても、AはEから甲土地を取り戻すことができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Bの強迫を理由にAB間の売買契約を取り消した」→ 強迫(§96①)の型。BからEへの転売はAの取消しより → 場面は取消し前の第三者Eとの勝負。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「表意者Aは、強迫を受けて契約の意思表示をしたか?」
本肢はAがBの強迫を受けてAB間の売買契約を締結=YES。
YES → 【 〇 / 取消し可(取り消すことができる) 】(§96①)※「初めから無効」ではなく、取り消して初めて無効。
Step 2|第三者による強迫の判定
「契約相手Bではなく、部外者CがAを強迫した場合、AはBに対して取り消せるか?」
本肢で強迫したのは契約相手B自身(部外者ではない)=当然に取消し可。仮に部外者の強迫でも答えは同じ。
YES(相手の善意悪意不問)→ いつでも 【 〇 / 取消し可 】
Step 3|第三者との関係(取消し前か、後か)
「Aが強迫を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢は「BがEに転売した後に、Aが…取り消した」=第三者Eの登場はAの取消しより前。
YES(取消し「前」)→ 取消し前の第三者 → Step 4へ
Step 4|取消し前の第三者の善意チェック
「第三者Dが善意無過失などの事情があった場合、Aは取り消して取り戻せるか?」
本肢のEは強迫を知らなかった(善意)=この第三者Dにあたる。
YES → 【 〇 / Aの勝ち(取り戻せる) 】(強迫は§96③不適用=第三者保護なし)=本肢は「○ 正しい」
💡 決め手と罠は?
決め手=取消前の善意の第三者からも取り戻せる(強迫は§96③不適用=第三者保護なし)。本肢は「知らなかったときであっても、AはEから甲土地を取り戻すことができる」=🟡正しい。🔴罠の型=詐欺の§96③(善意の第三者保護)を持ち込む言い回し(本肢にはそれが無く素直に正しい)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。強迫(§96①)は取消し前の善意のEにも対抗でき(§96③不適用)、Aは甲土地を取り戻せる。
時期を問わず登記なしで勝てる?
平成22年 問4肢2|強迫・取消後の死角
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

甲土地はCからB、BからAと売却されており、CB間の売買契約がBの強迫により締結されたことを理由として取り消された場合には、BA間の売買契約締結の時期にかかわらず、Cは登記がなくてもAに対して所有権を主張することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Bの強迫により…取り消された」→ 強迫(§96①)の型。ただし本肢は「BA間の売買契約締結の時期にかかわらず」と言い、第三者Aの登場が取消しの前か後かを区別していない=取消し後の第三者との関係を含む場面。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「表意者Aは、強迫を受けて契約の意思表示をしたか?」
本肢は「CB間の売買契約がBの強迫により締結された」=売主Cが強迫を受けて意思表示している=YES。
YES → 【 〇 / 取消し可(取り消すことができる) 】(§96①)。注意:「初めから無効」ではなく、取り消しの意思表示をして初めて無効になる。
Step 2|第三者による強迫の判定
「契約相手Bではなく、部外者CがAを強迫した場合、AはBに対して取り消せるか?」
本肢で強迫したのは部外者ではなく契約相手B本人。部外者の強迫でも取り消せるのだから、相手方本人による強迫なら当然に取消し可。
YES(相手の善意悪意不問)→ いつでも【 〇 / 取消し可 】。おどされた本人には落ち度(帰責性)がないため、相手方の信頼保護より被害者の保護が優先される。
Step 3|第三者との関係(取消しの前か、後か)
「Aが強迫を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢の第三者はA(Bから甲土地を買った人)。肢は「BA間の売買契約締結の時期にかかわらず」と言い、Aの登場が取消しの前か後かを区別していない=取消し「後」の場合を含む。
取消し「後」を含む → 取消し後の第三者とは【 早い者勝ち(対抗問題) 】=先に「登記」を備えた方が勝つ(§177・強迫の善意・悪意は関係なし)。「時期にかかわらず、Cは登記がなくてもAに対して所有権を主張することができる」とは言えない → × 誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=取消後は先に登記した者が優先。本肢は「BA間の…時期にかかわらず、Cは登記がなくてもAに対して所有権を主張することができる」=🔴罠。🔴罠の型=取消前後の区別のすり替え(取消後も登記不要と言い切る)。取消後は§177で登記が要る。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。取消後に現れた第三者とは対抗問題で登記が必要(§177)。「時期を問わず登記なし」は誤り。
強迫取消では第三者Cは請求を拒めない
平成3年 問2肢4|強迫と第三者
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

〔設定(平成3年 問2 柱書)〕 Aがその所有地をBに譲渡し、移転登記を完了した後、Cが、Bからその土地を賃借して、建物を建て、保存登記を完了した。その後、AがBの強迫を理由としてAB間の売買契約を取り消し、Cに対して土地の明渡し及び建物の収去を請求した。 Cは、Aの請求を拒むことができない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Bの強迫を理由として…取り消し」→ 強迫(§96①)の型。Bから借地して建物を建てたCは、取消しよりに登場した第三者なので、場面は取消し前の第三者との勝負。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「表意者Aは、強迫を受けて契約の意思表示をしたか?」
本肢はAがBの強迫を受けて土地売買の意思表示をした=YES。
YES → 【 〇 / 取消し可(取り消すことができる) 】(§96①)
Step 2|第三者による強迫の判定
「契約相手Bではなく、部外者CがAを強迫した場合、AはBに対して取り消せるか?」
このStepは部外者が強迫した場合の確認。本肢で強迫したのは契約相手B本人なので、なおさら取り消せる。
YES 相手の善意悪意不問 → いつでも【 〇 / 取消し可 】
Step 3|第三者との関係―取消しの前か後か
「Aが強迫を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢のC(Bから土地を借りて建物を建てた借地人)は、Aが取り消すより前に登場=取消しの「前」。
YES(取消し「前」)→ 取消し前の第三者 → Step 4 へ
Step 4|取消し前の第三者の「善意」チェック
「第三者Dが善意無過失などの事情があった場合、Aは取り消して取り戻せるか?」
強迫には第三者保護規定がない(§96③は詐欺だけ)ので、借地人Cがどんなに善意無過失でもAが勝つ。
YES → 【 〇 / Aの勝ち(取り戻せる) 】=CはAの明渡し請求を拒めない → 本肢「Cは、Aの請求を拒むことができない」は○ 正しい
💡 決め手と罠は?
決め手=強迫には第三者保護規定がない(§96③は詐欺だけ)。本肢は「Cは、Aの請求を拒むことができない」=🟡正しい。🔴罠の型=詐欺の§96③(善意無過失の第三者保護)を持ち込む言い回し(本肢にはそれが無く素直に正しい)。取消しでBは無権利者となり、借地人Cは明渡しを拒めない。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。強迫には第三者保護がなく、借地人CはAの明渡し請求を拒めない。
借地権があれば強迫取消に対抗できる?
平成3年 問2肢1|強迫と第三者
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

〔設定(平成3年 問2 柱書)〕 Aがその所有地をBに譲渡し、移転登記を完了した後、Cが、Bからその土地を賃借して、建物を建て、保存登記を完了した。その後、AがBの強迫を理由としてAB間の売買契約を取り消し、Cに対して土地の明渡し及び建物の収去を請求した。 Cは、借地権に基づき、Aの請求を拒むことができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Bの強迫を理由として…取り消し」→ 強迫(§96①)の型。取り消したAと、取消しのにBから土地を賃借した第三者Cとの関係=取消し(無効)前の第三者の場面。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「表意者Aは、強迫を受けて契約の意思表示をしたか?」
本肢のAはBの強迫を受けて土地売買の意思表示をした=YES。
YES → 【 〇 / 取消し可(取り消すことができる) 】(民法96条1項)。初めから無効ではなく、取り消して初めて無効になる。
Step 2|第三者による強迫の判定
「契約相手Bではなく、部外者CがAを強迫した場合、AはBに対して取り消せるか?」
本肢でAを強迫したのは契約相手Bその人=部外者による強迫の場面ですらなく、当然に取消し可。
YES(相手の善意悪意不問)→ いつでも【 〇 / 取消し可 】。B自身の強迫ならなおさら取り消せる。
Step 3|第三者との関係=取消しの前か後か
「Aが強迫を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢の第三者はC。CはAの取消しより前にBから土地を賃借し建物の保存登記まで済ませた=取消し「前」に登場。
取消し「前」→ 取消し前の第三者 → 次のStep(善意チェック)へ。
Step 4|取消し前の第三者の善意チェック
「第三者Dが善意無過失などの事情があった場合、Aは取り消して取り戻せるか?」
本肢のCが借地権+建物の保存登記を備えていても、強迫には第三者保護規定がない(§96③は詐欺だけ)。
YES → 【 〇 / Aの勝ち(取り戻せる) 】。取消しの遡及効でBは初めから無権利者となり、Bから借りたCの借地権も基礎を失う → Cは請求を拒めない=本肢「拒むことができる」は × 誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=取消しの遡及効で借地権も基礎を失う。本肢は「借地権に基づき、Aの請求を拒むことができる」=🔴罠。🔴罠の型=無権利者から得た権利で対抗できると言い過ぎ。Bが無権利なら、その借地権も土台がない。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。取消しでBは無権利者となり、Cの借地権も基礎を失う。Cは請求を拒めず「拒める」は誤り。
登記を信じれば強迫取消に対抗できる?
平成3年 問2肢2|強迫と公信力
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

〔設定(平成3年 問2 柱書)〕 Aがその所有地をBに譲渡し、移転登記を完了した後、Cが、Bからその土地を賃借して、建物を建て、保存登記を完了した。その後、AがBの強迫を理由としてAB間の売買契約を取り消し、Cに対して土地の明渡し及び建物の収去を請求した。 Cは、Bの登記名義を善意無過失に信じたとして、Aの請求を拒むことができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「Bの強迫を理由として…取り消し」→ 強迫(§96①)の型。場面=Cは取消しよりにBから土地を賃借して現れた第三者 → 取消し前の第三者との勝負(当事者間の効力の話ではない)。
🔁 アルゴを最初から回す
Step 1|当事者間の効力判定
「表意者Aは、強迫を受けて契約の意思表示をしたか?」
本肢のAはBの強迫を受けて売買の意思表示をした=YES。
YES → 【 〇 / 取消し可(取り消すことができる) 】(§96①・初めから無効ではない)
Step 2|第三者による強迫の判定
「契約相手Bではなく、部外者CがAを強迫した場合、AはBに対して取り消せるか?」
本肢で強迫したのは部外者ではなく契約相手B本人。部外者の強迫でも取消し可なのだから、B本人の強迫なら当然に取消し可=YES。
YES(相手の善意悪意不問)→ いつでも【 〇 / 取消し可 】
Step 3|第三者との関係=取消しの前か後か
「Aが強迫を理由に取り消すとして、その物件が既にBから第三者Dに渡っていた場合、Dの登場は取消しの「前」か?」
本肢のC(このDの位置)は、Aが取り消すより前にBから土地を賃借して建物を建てた=YES(取消し前の第三者)。
取消し「前」→ 取消し前の第三者 → 次のStepへ(取消し「後」なら登記の早い者勝ち=§177)
Step 4|取消し前の第三者の「善意」チェック
「第三者Dが善意無過失などの事情があった場合、Aは取り消して取り戻せるか?」
本肢のCは「B名義を善意無過失に信じた」と主張するが、強迫に第三者保護規定はなく(§96③は詐欺だけ)、登記に公信力もない。
YES → 【 〇 / Aの勝ち(取り戻せる) 】=C善意無過失でも請求を拒めず、「拒むことができる」とする本肢は【× 誤り】
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=登記に公信力なし+強迫の第三者に保護規定なし(§96③は詐欺だけ)。本肢は「Bの登記名義を善意無過失に信じたとして、Aの請求を拒むことができる」=🔴罠。🔴罠の型=登記の公信力の捏造+詐欺§96③の保護の流用(善意無過失でも守られない)。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。登記に公信力はなく、強迫にも第三者保護がない。C善意無過失でも請求を拒めず「拒める」は誤り。
この型の元になった「意思表示」の5つの判断アルゴリズムはこちら
意思表示は型ごとに「無効か取消しか」「第三者がどこまで守られるか」が違います。なぜその結論になるのか、各判断アルゴリズム(フローチャート)で確認できます。
読み終えたら | 意思表示の順路 9 / 10
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