【不法行為】アルゴで解ける過去問ドリル

不法行為の順路 2 / 2 過去問ドリル
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【不法行為】アルゴで解ける過去問ドリル
不法行為の型(誰が責任を負うか+賠償の中身)で、機構原典の過去問10肢を解いてみましょう。📖解説で流れを確認し、🏋練習で○×を判定できるか試せます。
正当防衛でやむを得ず加害しても不法行為責任を負う?
平成20年 問11 肢2 / 柱①一般§709
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aの加害行為がBからの不法行為に対して自らの利益を防衛するためにやむを得ず行ったものであっても、Aは不法行為責任を負わなければならないが、Bからの損害賠償請求に対しては過失相殺をすることができる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「防衛するためにやむを得ず」=他人の不法行為に対してやむを得ず反撃した=正当防衛にあたるかを問う柱①一般§709(正当防衛・緊急避難は責任なし)の論点。
🔁 アルゴを最初から回す
柱①|どの論点か?
本肢は「Bからの不法行為に対して自らの利益を防衛するためにやむを得ず行った」=正当防衛にあたる加害行為の責任を問う論点。
ルール適用|正当防衛は責任なし
他人の不法行為に対し、自己の利益を防衛するためやむを得ず加害した場合(正当防衛)は、不法行為責任を負わない(§720①)。よって「責任を負わなければならない」とする本肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=正当防衛にあたる加害行為は§720①で不法行為責任を負わない。🔴罠=「不法行為責任を負わなければならない」と、責任を負う前提で過失相殺まで論じている点。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。他人の不法行為に対し、自己の利益を防衛するためやむを得ず加害した場合(正当防衛)は、不法行為責任を負わない(§720①)。「責任を負わなければならない」とする点が誤り。
無断運転でも使用者責任は発生する?
平成18年 問11 肢2 / 柱②使用者§715
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Bが営業時間中にA所有の自動車を運転して取引先に行く途中で前方不注意で人身事故を発生させても、Aに無断で自動車を運転していた場合、Aに使用者としての損害賠償責任は発生しない。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「使用者としての損害賠償責任」=被用者が事業の執行につき加害したとき使用者も責任を負うかを問う柱②使用者§715の論点。
🔁 アルゴを最初から回す
柱②|どの論点か?
本肢は「使用者としての損害賠償責任」の有無を問う=被用者Bが事業の執行につき加害したとき、使用者Aも責任を負うか(§715)。
ルール適用|外形標準
使用者責任は、客観的に見て事業の執行につき行われたと認められれば発生する(外形標準)。営業時間中・取引先へ向かう途中なら、無断運転でも事業の執行と認められ、使用者責任が発生する(§715)。よって「発生しない」とする本肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=外形標準(客観的に事業の執行と認められれば発生)。🔴罠=「無断運転だから責任は発生しない」。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。使用者責任は客観的に事業の執行と認められれば発生する(外形標準・§715)。営業時間中・取引先へ向かう途中なら、無断運転でも事業の執行にあたり使用者責任は発生する。「発生しない」とする本肢は誤り。
全額賠償した使用者は他の共同不法行為者に求償できる?
平成25年 問9 肢1 / 柱②使用者§715
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aは、Cに対して事故によって受けたCの損害の全額を賠償した。この場合、Aは、BとDの過失割合に従って、Dに対して求償権を行使することができる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「全額を賠償した」=使用者Aが被害者Cに損害の全額を支払った後の求償を問う柱②使用者§715の論点。
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柱②使用者§715|どの論点か?
本肢は、使用者Aが被害者Cに損害の全額を賠償したうえで、他の共同不法行為者Dへ求償できるかを問う。=柱②使用者§715の論点。
ルール適用|使用者の求償範囲
使用者Aが全額を賠償した場合、Dの負担部分について、共同不法行為者DにBとDの過失割合に従って求償できる(判例)。よって本肢のとおり、過失割合に従った求償権を行使できる。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=使用者Aは全額賠償後、Dの負担部分についてBとDの過失割合に従いDへ求償できる(判例)。🔴罠=全額をまるごとDに求償できると思い込むこと(求償は過失割合に応じた範囲にとどまる)。
🏁 結論 ― ○か×か?
◯ 正しい。使用者Aは損害の全額を賠償した後、Dの負担部分について、共同不法行為者DにBとDの過失割合に従って求償できる(判例)。
共同不法行為の1人への請求は、他の加害者にも効く?
平成19年 問5 肢3 / 柱③共同§719
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

加害者数人が、共同不法行為として民法第719条により各自連帯して損害賠償の責任を負う場合、その1人に対する履行の請求は、他の加害者に対してはその効力を有しない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「共同不法行為」=数人が共同で加害し各自連帯して全額責任を負う場面。その1人への請求が他の加害者に及ぶか=請求の効力の範囲を問う柱③共同§719の論点。
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柱③|どの論点か?
本肢は「共同不法行為として民法第719条により各自連帯して損害賠償の責任を負う場合」=数人が共同で全額の連帯責任を負う場面。その1人への「履行の請求」が他の加害者に及ぶかを問う。
ルール適用|請求は相対効
共同不法行為者が負うのは不真正連帯債務。1人に対する履行の請求は、他の加害者には効力が及ばない(相対効)。よって「その効力を有しない」とする本肢は正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=共同不法行為は不真正連帯債務で、1人への請求は他の加害者に及ばない(相対効)。🔴罠=「各自連帯」という言葉に引きずられ、請求も全員に効く(絶対効)と誤認しやすい。
🏁 結論 ― ○か×か?
◯ 正しい。共同不法行為者は各自連帯して全額責任を負う(不真正連帯債務)。その1人への履行の請求は他の加害者に効力が及ばない(相対効)ため、「その効力を有しない」とする本肢は正しい。
即死した被害者本人の慰謝料請求権は相続される?
平成20年 問11 肢1 / 柱④賠償の中身
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aの加害行為によりBが即死した場合には、BにはAに対する慰謝料請求権が発生したと考える余地はないので、Bに相続人がいても、その相続人がBの慰謝料請求権を相続することはない。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「即死」=即死した被害者本人にも慰謝料請求権が発生し、相続人がこれを相続するかを問う柱④賠償の中身の論点。
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柱④|どの論点か?
本肢は「即死した場合に、被害者本人の慰謝料請求権が発生する余地があるか=相続の対象になるか」を問う。=柱④賠償の中身(即死でも慰謝料は相続)の論点。
ルール適用|即死でも慰謝料は発生・相続
即死の場合でも、被害者本人に慰謝料請求権は発生し、相続人がこれを相続する(判例)。よって「発生したと考える余地はない」「相続することはない」とする本肢は成り立たない。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=即死でも被害者本人に慰謝料請求権が発生し、相続人が相続する(判例)。🔴罠=「即死だから発生する余地はない→相続できない」と決めつける言い回し。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。即死の場合でも被害者本人に慰謝料請求権は発生し、相続人がこれを相続する(判例)。「慰謝料請求権が発生したと考える余地はない」「相続することはない」とする本肢は誤り。
法人でも名誉毀損の無形損害なら賠償請求できる?
平成20年 問11 肢4 / 柱④賠償の中身
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aの加害行為が名誉毀損で、Bが法人であった場合、法人であるBには精神的な損害は発生しないとしても、金銭評価が可能な無形の損害が発生した場合には、BはAに対して損害賠償請求をすることができる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「精神的損害は発生しない」=法人にどんな損害が生じ、賠償を請求できるかを問う柱④賠償の中身の論点。
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柱④|どの論点か?
本肢は「名誉毀損で法人にどんな損害が生じ、その賠償を請求できるか」=賠償の中身を問う論点。
ルール適用|無形の損害
法人には精神的損害は生じないが、名誉毀損により金銭評価が可能な無形の損害が生じれば、その賠償を請求できる(判例)。よってBはAに請求できる。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=法人でも金銭評価が可能な無形の損害が生じれば賠償請求できる(判例)。🔴罠=精神的損害が生じないことを理由に、法人は一切請求できないと早合点すること。
🏁 結論 ― ○か×か?
◯ 正しい 法人には精神的損害こそ生じないが、名誉毀損によって金銭評価が可能な無形の損害が生じれば、その賠償を請求できる(判例)。よってBはAに対して損害賠償請求ができる。
被害者からなら不法行為の損害賠償債権で相殺できる?
平成18年 問11 肢3 / 柱④賠償の中身
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Bの不法行為がAの事業の執行につき行われたものであり、Aに使用者としての損害賠償責任が発生する場合、Aが被害者に対して売買代金債権を有していれば、被害者は不法行為に基づく損害賠償債権で売買代金債務を相殺することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「相殺することができる」=損害賠償をめぐる相殺の向き(加害者側からか、被害者側からか)を問う柱④賠償の中身の論点。
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柱④|どの論点か?
本肢は「不法行為に基づく損害賠償債権で…相殺することができる」=損害賠償をめぐる相殺の向き(どちら側から相殺できるか)を問うている。使用者責任の設定は飾りで、相殺の可否には影響しない。
ルール適用|相殺の向き
加害者側からの相殺は禁止(悪意の不法行為・生命身体の損害)だが、被害者側からの相殺は可能。本肢は被害者が自分の損害賠償債権を自働債権として売買代金債務と相殺している=被害者からの相殺なので、相殺できる。正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=被害者が自分の損害賠償債権を自働債権にしている=被害者側からの相殺だから可能。🔴罠=「使用者としての損害賠償責任」の設定は相殺の可否に影響しない飾り。
🏁 結論 ― ○か×か?
◯ 正しい。加害者側からの相殺は禁止でも、被害者側からの相殺は可能。被害者は不法行為に基づく損害賠償債権を自働債権として相殺できる。
火災保険金は損益相殺として控除しなければならない?
令和元年 問4 肢1 / ⚡損益相殺
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

放火によって家屋が滅失し、火災保険契約の被保険者である家屋所有者が当該保険契約に基づく保険金請求権を取得した場合、当該家屋所有者は、加害者に対する損害賠償請求金額からこの保険金額を、いわゆる損益相殺として控除しなければならない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「損益相殺」=賠償額から利益を差し引けるかを問う柱④賠償の中身の論点。とくに「保険金は控除しない」を問う。
🔁 アルゴを最初から回す
柱④|どの論点か?
本肢は「損益相殺として控除しなければならない」=加害者への賠償額から火災保険金を差し引けるかを問う。柱④賠償の中身のうち「保険金は控除しない」論点。
ルール適用|保険金は控除しない
火災保険金は、被害者が保険料を支払った対価であり、加害行為とは別原因(判例)。よって損益相殺として控除されず、「控除しなければならない」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=火災保険金は被害者が支払った保険料の対価で、加害行為とは別原因。🔴罠=「控除しなければならない」と控除を義務づける言い回し。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。火災保険金は被害者が保険料を支払った対価であり、加害行為とは別原因のため、損益相殺として控除されない(判例)。「控除しなければならない」は誤り。
不法行為の賠償債務は催告なしで遅滞になる?
平成19年 問5 肢1 / 柱⑤遅滞・時効
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

不法行為による損害賠償の支払債務は、催告を待たず損害発生と同時に遅滞に陥るので、その時以降完済に至るまでの遅延損害金を支払わなければならない。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「損害発生と同時に遅滞に陥る」=不法行為の損害賠償債務がいつ遅滞になるか(遅延損害金の起算点)を問う柱⑤遅滞・時効の論点。
🔁 アルゴを最初から回す
柱⑤|どの論点か?
本肢は「損害発生と同時に遅滞に陥る」「催告を待たず」=不法行為の損害賠償債務がいつ遅滞に陥り、いつから遅延損害金が発生するかを問う。
ルール適用|催告不要・損害発生と同時に遅滞
不法行為に基づく損害賠償債務は、催告がなくても損害発生と同時に遅滞に陥る(判例)。よってその時から完済まで遅延損害金が発生する。本肢はこれに沿う。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=催告を待たず、損害発生と同時に遅滞に陥る(判例)。🔴罠=普通の債務のように催告があってはじめて遅滞になる、と考えてしまう点。
🏁 結論 ― ○か×か?
◯ 正しい。不法行為に基づく損害賠償債務は、催告がなくても損害発生と同時に遅滞に陥る(判例)。よってその時以降、完済まで遅延損害金を支払う必要がある。
不法行為の時効は「行使できる時から10年」?
平成19年 問5 肢4 / 柱⑤遅滞・時効
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

不法行為による損害賠償の請求権の消滅時効の期間は、権利を行使することができることとなった時から10年である。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「消滅時効」=不法行為の損害賠償請求権がいつ時効で消えるか、その期間を問う柱⑤遅滞・時効の論点。
🔁 アルゴを最初から回す
柱⑤|どの論点か?
本肢は「不法行為による損害賠償請求権の消滅時効の期間」=時効期間そのものを問う。柱⑤遅滞・時効で裁く。
ルール適用|時効期間はいくつか
不法行為の時効は、損害及び加害者を知った時から3年(生命・身体は5年)、または不法行為時から20年(§724・724の2)。本肢の「行使できる時から10年」という期間はこの枠組みに存在しない。よって誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=不法行為の時効は「知って3年/不法行為時から20年」(生命身体は5年)。🔴罠=「行使できる時から10年」という一般債権めいた期間を当てはめさせる誤り。
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。不法行為の損害賠償請求権の時効は、損害及び加害者を知った時から3年(生命・身体は5年)、または不法行為時から20年(§724・724の2)。「行使できる時から10年」という期間ではない。
つぎの順路へ

不法行為はここまでです。おつかれさまでした。
つづけて読むなら売買(総則)の順路へ。手付・他人物売買・代金を拒めるケースという出口ルールを押さえます。

売買(総則)の順路へ →
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