【囲繞地通行権】アルゴで解ける過去問ドリル

囲繞地通行権の順路 7 / 7 過去問ドリル
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民法・相隣関係/囲繞地通行権 / アルゴで解ける過去問ドリル
【囲繞地通行権】アルゴで解ける過去問ドリル
「囲繞地通行権(袋地の通行権)の判断アルゴリズム」で正誤に到達できる過去問だけを、論点(袋地の成り立ちと通行の範囲→通行権の性質→通行地役権の時効取得)順に集めた19肢。すべて本試験の原文そのまま。各カードは「📖解説で理解」→「🏋練習で定着」の2タブ式です。
19肢/3論点損害が最も少ない場所・分割は無償・法定権利・地役権の時効取得
⚠ 囲繞地通行権(§210〜213)は袋地のための法定の権利。通行の場所・方法は「損害が最も少ない」もので、「自由に選んで通行できる」は誤りの定番です。
⚠ 境界・排水・竹木の枝根・目隠しなど相隣関係の他論点は、このアルゴの射程外として除いています。すべて現行民法で判定・解説しています。
S1:袋地の成り立ちと通行の範囲10問
分割や一部譲渡で生じた袋地は、他の分割者の土地を「無償」で通行できる(§213)。通行の場所・方法は囲繞地にとって損害が最も少ないものに限られ(§211)、「自由に選んで通行できる」は誤りの定番。
分割で生じた袋地は、他の分割者の土地を償金なしで通行できる?
平成25年 問3 肢2
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

甲土地が共有物分割によって公道に通じなくなった場合、Aは、公道に出るために、通行のための償金を支払うことなく、他の分割者の土地を通行することができる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「共有物分割で公道に通じなくなった」=S1 袋地の成り立ちと通行の範囲の型。まず袋地がどうやってできたかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|この袋地はどうやってできた?
「共有物分割」で公道に通じなくなった=分割・譲渡の当事者ルート。通れるのは他の分割者の土地のみに限られるが、その代わり…
S2|分割で生じた袋地の償金は?
共有物の分割・一部譲渡で生じた袋地は、他の分割者(譲渡当事者)の土地を無償で(償金なしで)通行できる(§213)。原則の「償金が必要」(§212)は当てはまらない。肢の「償金を支払うことなく…通行することができる」はこのルール通り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=共有物の分割・一部譲渡で生じた袋地は、他の分割者の土地を無償(償金なし)で通行できる(§213)。本肢はこのルール通りで正しい。🔴罠=原則(§212)の“償金が必要”を持ち込み、「償金を支払うことなく」を誤りだと早合点すること。🔴罠の型=原則と特則の取り違え(分割袋地は無償なのに有償と誤解)
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。共有物分割で生じた袋地は、他の分割者の土地を無償で(償金なしで)通行できる(§213)。「償金を支払うことなく」通行できるとする本肢は正しい。
袋地の所有者は、囲む土地を自由に選んで公道まで通れる?
平成25年 問3 肢1
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

甲土地が他の土地に囲まれて公道に通じない場合、Aは、公道に出るために甲土地を囲んでいる他の土地を自由に選んで通行できるわけではない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「他の土地に囲まれて公道に通じない」=S1 袋地の成り立ちと通行の範囲の型。まず袋地がどうできたかを見て、次に通行の場所・方法のルールを確かめる。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|この袋地はどうやってできた?/通行できる根拠は?
甲土地は「他の土地に囲まれて公道に通じない」袋地。所有者Aは公道に出るため囲繞地を通行できる(§210)。成り立ちは分割・一部譲渡ではなくもともと囲まれている原則ルート。本肢が問うのは通行の場所・方法
S2|通行の場所・方法は自由に選べる?
通行の場所・方法は「必要であり、かつ囲繞地に損害が最も少ない」ものに限られる(§211)。だから囲む土地を自由に選んで通行できるわけではない。本肢は正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=通行の場所・方法は「必要であり、かつ囲繞地に損害が最も少ない」ものに限られる(§211)。囲む土地をワガママに選べるわけではないので、「自由に選んで通行できるわけではない」は正しい。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。通行の場所・方法は、必要でありかつ囲繞地に損害が最も少ないものに限られる(§211)。囲む土地を自由に選んで通行できるわけではないので、本肢は正しい。
袋地の所有者は、公道に出るために囲んでいる土地を自由に選んで通行できる?
令和5年 問2 肢4
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に出るためにその土地を囲んでいる他の土地を自由に選んで通行することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「他の土地に囲まれて公道に通じない土地」=袋地。まずS1 袋地の成り立ちと通行の範囲の型で、成り立ちと通行の範囲を見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|この袋地はどうやってできた?
肢には共有物分割や一部譲渡の話がなく、もともと他の土地に囲まれた袋地=原則ルート。通行はできるが、場所・方法に制限がかかる。
S2|通行の場所・方法は?
囲繞地通行権の場所・方法は、必要であり、かつ囲繞地に損害が最も少ないものに限られる(§211)。肢の「自由に選んで通行することができる」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=通行の場所・方法は「必要であり、かつ囲繞地に損害が最も少ない」ものに限られる(§211)。🔴罠=「自由に選んで通行することができる」と、どこでも好きな所を通れるように言う。🔴罠の型=要件の欠落(§211の“損害最小”の限定を落として「自由に」と広げる)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。囲繞地通行権の場所・方法は、必要であり、かつ囲繞地に損害が最も少ないものに限られる(§211)。「自由に選んで通行することができる」は誤り。
囲む土地が複数あれば、袋地の所有者は好きな土地を自由に選んで通行できる?
平成21年 問4 肢2
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

複数の筆の他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を自由に選んで通行することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「公道に通じない土地」=S1 袋地の成り立ちと通行の範囲の型。まず袋地の成り立ちを確かめ、次に通行できる場所・方法のルールを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|この袋地はどうやってできた?
肢は「複数の筆の他の土地に囲まれて」公道に通じない=もともと囲まれた原則ルート。次に通行できる場所・方法のルールを見る。
S2|通行できる場所・方法は?
囲む土地が複数あっても、通行できるのは必要で、かつ囲繞地に損害が最も少ない場所・方法に限る(§211)。肢の「自由に選んで通行することができる」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=囲む土地が複数でも、通行できるのは損害が最も少ない場所・方法に限る(§211)。🔴罠=「自由に選んで通行することができる」と、好きに選べるかのように言う。🔴罠の型=要件の欠落(損害が最も少ない場所という限定を外す)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。囲む土地が複数あっても、通行できるのは損害が最も少ない場所・方法に限る(§211)。「自由に選んで通行することができる」は誤り。
分割で生じた袋地は、他の分割者の土地を償金なしで通行できる?
令和2年 問1 肢1|分割袋地(§213)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aが購入した甲土地が共有物の分割によって公道に通じない土地となっていた場合には、Aは公道に至るために他の分割者の所有地を、償金を支払うことなく通行することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「共有物の分割で公道に通じない土地となった」=S1 袋地の成り立ちと通行の範囲の型。まず袋地がどうできたかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|この袋地はどうやってできた?
「共有物の分割」で袋地になった=分割・譲渡の当事者ルート。通れるのは他の分割者の土地のみだが、その代わり償金はどうなるかを次で見る。
S2|分割で生じた袋地の償金は?
分割・一部譲渡で生じた袋地は、他の分割者の土地を無償で(償金なしで)通行できる(§213)。自分たちで作った袋地なので第三者に負担を回さない。肢の「償金を支払うことなく通行することができる」は正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=共有物の分割・一部譲渡で生じた袋地は、他の分割者の所有地を無償(償金なし)で通行できる(§213)。通れるのは他の分割者の土地のみに限られる代わりに、償金は不要。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。共有物の分割で生じた袋地は、他の分割者の所有地を無償(償金なし)で通行できる(§213)。肢の記述は正しい。
囲繞地通行権があるなら、自動車による通行が認められることはない?
令和2年 問1 肢2|通行の方法(§211)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Aは公道に至るため甲土地を囲んでいる土地を通行する権利を有するところ、Aが自動車を所有していても、自動車による通行権が認められることはない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「公道に至るため囲んでいる土地を通行する権利」=S1 袋地の成り立ちと通行の範囲の型。何の権利かを確かめ、通行の場所・方法のルールを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|まず何の権利か?
「公道に至るため囲んでいる土地を通行する権利」=囲繞地通行権(§210)。袋地の所有者が公道に出るための法律上当然の権利。この肢の論点は通行の“場所・方法”。
S1②|通行の場所・方法の限界は?
通行の場所・方法は「必要であり、かつ囲繞地に損害が最も少ない」ものに限られる(§211)。もっとも、土地の状況や必要性によっては自動車による通行も認められうる(判例)。「認められることはない」と一律に言い切るのは誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=通行の場所・方法は§211で限定されるが、土地の状況や必要性によっては自動車による通行も認められうる(判例)。🔴罠=「認められることはない」と例外を一律に否定して断定する。🔴罠の型=断定の罠(認められることはない と言い切る)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。通行の場所・方法は§211で限定されるが、土地の状況や必要性によっては自動車による通行も認められうる(判例)。「認められることはない」と断定するのは誤り。
袋地の所有者は、代償を払えば自己の意思だけで通行の場所・方法を定められる?
平成13年 問3 肢1|通行の場所・方法(§211)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

A所有の甲地は袋地である。Aは、囲繞地の所有者に代償を支払えば、自己の意思のみによって通行の場所及び方法を定め、囲繞地に通路を開設することができる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「袋地」=公道に通じない土地=S1 袋地の成り立ちと通行の範囲の型。まず袋地がどうできたかを見て、次に通行の場所・方法のルールを当てる。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|この袋地はどうやってできた?
肢は「甲地は袋地である」とだけ言い、共有物分割や一部譲渡には触れていない=原則ルート。次に通行の場所・方法のルールを見る。
S2|通行の場所・方法は自由に決められる?
通行の場所及び方法は「囲繞地のために損害が最も少ないもの」に限られる(§211①)。代償(償金)を払っても、袋地所有者が自己の意思のみで自由に定めることはできない。肢は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=通行の場所・方法は「損害が最も少ないもの」に限られる(§211①)。代償を払っても自己の意思のみでは定められない。🔴罠=「代償を支払えば、自己の意思のみによって……定め……開設できる」と自由選択にすり替える。🔴罠の型=要件の欠落(「損害が最も少ない」という限定を無視して自由選択にする)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。通行の場所及び方法は囲繞地のために損害が最も少ないものに限られ(§211①)、代償を払っても自己の意思のみで自由に定めることはできない。
共有地の分割で袋地になったら、通れるのは他の分割者の土地だけ?
平成13年 問3 肢3|分割袋地(§213)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

甲地が、A及びCの共有地の分割によって袋地となったときには、Aは、Cが所有する分割後の残余地にしか通路を開設することができない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「共有地の分割によって袋地となった」=S1 袋地の成り立ちと通行の範囲の型。まず袋地がどうできたかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|この袋地はどうやってできた?
「共有地の分割」で袋地になった=分割・譲渡の当事者ルート。分割した当事者どうしで公道に通じなくしたのだから、負担も分割・譲渡の当事者どうしで処理する(§213)。次は通れる範囲を見る。
S2|分割で生じた袋地はどこを通れる?
分割・一部譲渡で生じた袋地が通れるのは、他の分割者(C)の残余地のみ(§213)。無関係な第三者の土地には負担をかけられない。肢の「Cの残余地にしか通路を開設できない」はこの通りで、正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=分割・一部譲渡で生じた袋地が通れるのは他の分割者(C)の残余地のみ(§213)。分割の当事者どうしで負担し合い、無関係な第三者の土地には通路を開設できない。肢はこの通りで正しい。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。共有地の分割で生じた袋地が通行できるのは他の分割者(C)の残余地のみ(§213)。無関係な第三者の土地には通路を開設できないので、「Cの残余地にしか通路を開設できない」とする肢は正しい。
一部譲渡で袋地ができた後、通行できる残余地が第三者に売られたら、もう通路を開設できない?
平成13年 問3 肢4|分割袋地の存続(§213)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

甲地が、D所有の土地を分筆してAに売却した結果、袋地になった場合で、Dが、甲地の譲渡後、その残余地である乙地をEに売却したときには、Aは乙地に通路を開設することができない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「土地の一部を分筆して売却した結果、袋地になった」=S1 袋地の成り立ちと通行の範囲の型。まず袋地がどうできたかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|この袋地はどうやってできた?
Dが「土地の一部を分筆してAに売却」した結果の袋地=一部譲渡の当事者ルート。Aが通れるのは譲渡人Dの残余地(乙地)のみだが、その通行権は無償(§213)。ここでAの通行権が発生している。
S2|通行先の残余地が第三者に売られたら通行権は?
一部譲渡で生じた無償通行権(§213)は、その後残余地が第三者(E)に譲渡されても存続する(判例)。Eへの売却後もAは乙地を通行でき、「通路を開設することができない」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=一部譲渡で生じた無償通行権(§213)は、通行先の残余地が第三者に譲渡されても存続する(判例)。🔴罠=残余地がEに売られたら通行権が消える=「通路を開設できない」と思わせる。🔴罠の型=表と逆(残余地が売られても存続するのに、消えると言う)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。一部譲渡で生じた無償通行権(§213)は、残余地が第三者に譲渡されても存続する(判例)。Eへの売却後もAは乙地を通行でき、「通路を開設することができない」は誤り。
袋地の所有者が公道に出るため囲繞地を通行できることは、民法の条文に規定されている?
平成29年 問4 肢2|囲繞地通行権(§210)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる」旨は、民法の条文に規定されている

🎯 Step 0|どの型か
🔵「他の土地に囲まれて公道に通じない土地」=袋地。S1 袋地の成り立ちと通行の範囲の型。まず、これが囲繞地通行権の話だと見抜き、その根拠が条文にあるかを確認する。
🔁 アルゴを最初から回す
S1|これは袋地か?
「他の土地に囲まれて公道に通じない土地」=袋地。その所有者が公道に出るため周囲の囲繞地を通行できる――これが囲繞地通行権。分割や一部譲渡には触れていないので原則の場面。
S2|囲繞地通行権の根拠は条文か?
囲繞地通行権は民法§210に明文で規定されている(法律上当然の権利)。肢の「民法の条文に規定されている」は条文どおりで正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=囲繞地通行権(袋地の所有者が公道に出るため囲繞地を通行できる権利)は、民法§210に明文で規定されている。肢はこの条文をそのまま述べており正しい。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。囲繞地通行権は民法§210に明文で規定されており、袋地の所有者は公道に至るため囲繞地を通行できる。肢は条文どおりで正しい。
S2:通行権の性質(法定権利・約定通行)3問
囲繞地通行権は袋地のための法定の権利。これとは別に、契約(賃貸借等)を結べば公道に通じているか否かを問わずその土地を通行できる。
公道に通じているか否かにかかわらず、賃貸借契約を結べばその土地を通行できる?
平成25年 問3 肢3
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

甲土地が公道に通じているか否かにかかわらず、他人が所有している土地を通行するために当該土地の所有者と賃貸借契約を締結した場合、Aは当該土地を通行することができる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「賃貸借契約を締結した」=S2 通行権の性質の型(約定通行)。法定の囲繞地通行権とは別に、契約で作る通行権を見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S2①|何を根拠に通行しようとしている?
「賃貸借契約を締結した」=法定の囲繞地通行権(§210)ではなく、契約で作る約定通行。法定の権利とは別ルート。
S2②|約定通行は公道接続を問う?
契約(賃貸借・使用貸借・地役権設定§280)を結べば、その土地が公道に通じているか否かを問わず(袋地でなくても)通行する権利を作れる(契約自由)。だからAは通行できる。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=法定の囲繞地通行権(§210)とは別に、契約(賃貸借・使用貸借・地役権設定§280)を結べば公道に通じているか否かを問わずその土地を通行できる(約定通行・契約自由)。本肢はこれに当たり正しい。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。法定の囲繞地通行権(§210)とは別に、賃貸借契約を結べば公道に通じているか否かを問わずその土地を通行できる(約定通行・契約自由)。本肢は正しい。
囲む土地を第三者が時効取得したら、袋地の所有者は通行できなくなる?
令和2年 問1 肢4|通行権の性質(法定権利)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

Cが甲土地を囲む土地の所有権を時効により取得した場合には、Aは、Cが時効取得した土地を公道に至るために通行することができなくなる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「囲む土地を時効により取得した場合」=S2 通行権の性質(法定権利)の型。囲繞地の持ち主が変わったとき通行権がどうなるかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S2|囲繞地通行権はどんな権利?
囲繞地通行権は、民法が袋地に直接与えた法定の権利(§210)。登記がなくても囲繞地の所有者に主張でき(§177の早い者勝ちではない)、当然の権利として認められる。
S2|囲繞地が時効取得されたら?
法定の権利だから、囲んでいる土地が第三者に時効取得されて所有者が変わっても、袋地が袋地である限り通行権は消滅しない。肢の「通行することができなくなる」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=囲繞地通行権は法定の権利(§210)で、囲繞地が時効取得されて所有者が変わっても通行権は消滅しない(袋地が袋地である限り残る)。🔴罠=「囲む土地を時効取得されたAは通行することができなくなる」と、持ち主の交代で権利が消えるかのように言い切る。🔴罠の型=断定の罠(法定権利なのに消滅すると言い切る)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。囲繞地通行権は法定の権利(§210)で、囲繞地の所有者が時効取得で変わっても存続する。「通行することができなくなる」は誤り。
袋地を譲り受けた者は、所有権移転の登記をしないと囲繞地に通路を開設できない?
平成13年 問3 肢2|通行権の性質(登記不要)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

A所有の甲地は袋地である。Bが、Aから甲地を譲り受けた場合には、Bは、所有権移転の登記を完了しないと、囲繞地に通路を開設することができない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「袋地を譲り受けた者が囲繞地に通路を開設できるか(登記の要否)」=S2 通行権の性質(法定権利・登記不要)の型。まず通行権が何に付いてくる権利かを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S2①|囲繞地通行権はどんな性質の権利?
囲繞地通行権は民法が袋地に直接与えた法定の権利(§210)。袋地の所有権に当然に付随してついてくる権利で、§177の登記の早い者勝ちで決まる権利ではない。
S2②|袋地を譲り受けた者は登記が要る?
通行権は袋地の所有権に付随するので、袋地を譲り受けた者は所有権移転登記がなくても当然に通行権を行使でき、囲繞地に通路を開設できる(§210)。肢の「登記を完了しないと通路を開設できない」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=囲繞地通行権は袋地の所有権に当然に付随する法定の権利で、袋地を譲り受けた者は登記がなくても通行権を行使できる(§210)。🔴罠=「所有権移転の登記を完了しないと通路を開設できない」と、§177の登記対抗ルールを持ち込む。🔴罠の型=不要な要件の付加(法定の付随権利に、不要な登記要件を足す)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。囲繞地通行権は袋地の所有権に当然に付随する法定の権利で、登記がなくても行使できる(§210)。「所有権移転の登記を完了しないと通路を開設できない」は誤り。
S3:通行地役権(対抗・随伴・時効取得)6問
通行地役権は要役地に随伴して移転し(§281)、要役地と分離して譲渡できない(§281②)。継続使用が客観的に明らかなら登記がなくても対抗でき、時効取得には「継続+表現」が必要(§283)。
他人が開設した通路を利用し続ければ、通行地役権を時効取得することがある?
平成25年 問3 肢4
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

甲土地の隣接地の所有者が自らが使用するために当該隣接地内に通路を開設し、Aもその通路を利用し続けると、甲土地が公道に通じていない場合には、Aは隣接地に関して時効によって通行地役権を取得することがある。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「時効によって通行地役権を取得」=S3 通行地役権(時効取得)の型。時効取得の要件を満たすかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S3|通行地役権のどの論点?
「時効によって通行地役権を取得」=時効取得の論点。時効取得できるのは「継続的に行使され、外形上認識できる(継続+表現)」ものに限られ、さらに継続の中身が問われる。
S3|時効取得には誰が通路を開設した?
通行地役権の時効取得には、要役地の所有者が自ら通路を開設したことが必要(継続の要件・§283、判例)。本肢は隣接地の所有者が自分用に開設した通路をAが利用しただけで、A自身は開設していない。自ら開設の要件を欠くので時効取得できない。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=通行地役権の時効取得には、要役地の所有者が自ら通路を開設したことが必要(継続+表現・§283、判例)。🔴罠=隣接地所有者が自分用に開設した通路をAが「利用し続ける」だけで取得できるかのように見せる。🔴罠の型=要件の欠落(自ら開設の要件を欠く)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。通行地役権の時効取得には要役地の所有者が自ら通路を開設したことが必要で(§283・判例)、他人が開設した通路を利用しただけのAは時効取得できない。
承役地を譲り受け登記も経由したCは、登記のない通行地役権を常に否定できる?
平成14年 問4 肢1|通行地役権の対抗
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

通行地役権の設定登記をしないまま、A(承役地所有者)が甲土地をCに譲渡し所有権移転登記を経由した場合、Cは、通路として継続的に使用されていることが客観的に明らかであり、かつ、通行地役権があることを知っていたときでも、Bに対して、常にこの通行地役権を否定することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「承役地(通られる側)が譲渡された」=S3 通行地役権(設定・随伴・付従・時効取得・対抗)の型。まず通行地役権のどの論点かを見極める。
🔁 アルゴを最初から回す
S3|通行地役権のどの論点?
「承役地(通られる側)が譲渡された」=対抗の論点。要役地の売却(随伴性§281①)でも、地役権だけの単独譲渡(付従性§281②)でも、時効取得(§283)でもない。承役地の譲受人Cに登記なしで対抗できるかを見る。
S3|承役地が売られたとき、登記なしで対抗できる?
通路として継続的に使用されていることが外形上(客観的に)明らかで、譲受人がそれを知っていた(または知り得た)ときは、地役権の登記がなくても譲受人に対抗できる(判例)。本肢は継続使用が客観的に明らか+Cは悪意だから対抗でき、「常に否定できる」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=継続使用が外形上明らか+譲受人が悪意(知っていた/知り得た)なら、登記がなくても通行地役権を対抗できる(判例)。🔴罠=「客観的に明らか」で「知っていた」と条件を満たしているのに、「常に否定できる」と言い切る。🔴罠の型=断定の罠(対抗できる場合があるのに”常に”否定できると断定する)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。継続使用が客観的に明らかで譲受人Cが悪意なら、登記がなくても通行地役権を対抗できる(判例)。「常に否定できる」は誤り。
要役地を譲り受けた人は、登記済みの通行地役権が自分に移ったと承役地所有者に主張できる?
平成14年 問4 肢2|通行地役権の随伴性(§281)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

通行地役権の設定登記を行った後、B(要役地所有者)が乙土地をDに譲渡し所有権移転登記を経由した場合、Dは、この通行地役権が自己に移転したことをA(承役地所有者)に対して主張できる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「B(要役地所有者)が乙土地をDに譲渡」=要役地(通る側の土地)が売られた場面=S3 通行地役権(随伴性)の型。地役権が要役地について回るかを見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S3|通行地役権のどの論点?
「要役地(乙土地)が譲渡された」=随伴性のルート(§281①)。地役権が要役地の所有権に従って移転するかを見る。
S3|随伴性のルールは?
要役地が譲渡されると地役権も当然に一緒に移転する(§281①=随伴性)。設定登記がある以上、要役地を譲り受けたDは承役地所有者Aに「地役権が自己に移転した」と主張できる。正しい。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=要役地(乙土地)が譲渡されると通行地役権も当然に一緒に移転する(§281①=随伴性)。設定登記がある以上、譲受人Dは承役地所有者Aに移転を主張できる。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。要役地が譲渡されると通行地役権も当然に一緒に移転し(§281①=随伴性)、設定登記がある以上、譲受人Dは承役地所有者Aに移転を主張できる。
通行地役権は、要役地と切り離して、地役権だけを単独で第三者に売却できる?
平成14年 問4 肢3|地役権の付従性(§281②)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

B(要役地所有者)は、この通行地役権を、要役地である乙土地と分離して、単独で第三者に売却することができる

🎯 Step 0|どの型か
🔵「通行地役権を要役地と分離して単独で売却」=S3 通行地役権の型(設定・随伴・付従・時効取得・対抗)。地役権だけを切り離して譲れるかを見る。
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S3|通行地役権のどの論点?
「要役地と分離して地役権だけを単独で譲れるか」=付従性の論点(§281②)。要役地が売られる随伴性(§281①)でも、時効取得(§283)でも、承役地譲渡の対抗でもない。
S3|地役権だけの単独譲渡は?
地役権は要役地の便益のための権利なので、要役地から分離して単独で譲渡したり他の権利の目的にしたりできない(付従性・§281②)。肢の「単独で第三者に売却することができる」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=地役権は要役地の便益のための権利で、要役地から分離して単独では譲渡できない(付従性・§281②)。🔴罠=「単独で第三者に売却することができる」と、地役権だけの切り売りができると言い切る。🔴罠の型=表と逆(付従性で単独譲渡は不可なのに、できると言う)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。地役権は要役地の便益のための権利で、要役地から分離して単独で第三者に譲渡することはできない(付従性・§281②)。「単独で売却することができる」は誤り。
継続かつ表現で通行していても、契約で認められていない部分は通行地役権を時効取得できない?
平成14年 問4 肢4|通行地役権の時効取得(§283)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

B(要役地所有者)が、契約で認められた部分ではない甲土地の部分を、継続かつ表現の形で、乙土地の通行の便益のために利用していた場合でも、契約で認められていない部分については、通行地役権を時効取得することはできない

🎯 Step 0|どの型か
🔵「継続かつ表現の形で」の通行利用=S3 通行地役権(設定・随伴・付従・時効取得・対抗)§280〜§283の型。この肢の論点=時効取得を見る。
🔁 アルゴを最初から回す
S3|この肢の通行地役権の論点は?
「継続かつ表現の形で」契約外の部分を通行=時効取得(§283)の論点。時効取得の要件を確認する。
S3|継続+表現なら契約外の部分でも時効取得できる?
継続的に行使され、かつ外形上認識できる(継続+表現)地役権は時効取得できる(§283)。契約で認められていない部分でも、要件を満たせば時効取得しうる。肢の「時効取得することはできない」は誤り。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=「継続かつ表現」の通行地役権は、契約で認められていない部分でも時効取得しうる(§283)。🔴罠=継続+表現の要件を満たすのに「契約外だから時効取得できない」と断定する。🔴罠の型=断定の罠(時効取得できるのに「できない」と言う)
🏁 結論 ― ○か×か?
× 誤り。継続かつ表現の通行地役権は、契約で認められていない部分でも時効取得しうる(§283)。「時効取得することはできない」は誤り。
通行地役権は、継続的に行使され外形上認識できるものに限り時効取得できる?
平成22年 問3 肢4|通行地役権の時効取得(§283)
📋 問題文(色=解き方の地図:🔵入口の語 🟡決め手 🔴罠)

通行地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。

🎯 Step 0|どの型か
🔵「通行地役権を時効で取得できるか」=S3 通行地役権(設定・随伴・付従・時効取得・対抗)の型。まず随伴・付従・時効取得・対抗のどの論点かを見る。
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S3-1|通行地役権のどの論点?
「時効によって取得できるか」を問う=時効取得(§283)の論点。随伴性・付従性・対抗ではなく、取得の要件を見る。
S3-2|地役権の時効取得の要件は?
地役権の時効取得は「継続的に行使され(継続)、かつ外形上認識できる(表現)」ものに限られる(§283)。肢はこの「継続+表現に限る」という要件どおりで正しい(通路は要役地の所有者が自ら開設したことも必要)。
💡 決め手と罠は?
🟡決め手=地役権の時効取得は「継続的に行使され(継続)、かつ外形上認識できる(表現)」ものに限られる(§283)。肢はこの要件どおりなので正しい(判例上、通路は要役地の所有者が自ら開設したことも必要)。
🏁 結論 ― ○か×か?
○ 正しい。地役権の時効取得は「継続的に行使され、かつ外形上認識できる(継続+表現)」ものに限られる(§283)。肢はこの要件どおりで正しい。
この型の元になった「囲繞地通行権の判断アルゴリズム」はこちら
なぜこの結論になるのか、袋地の成り立ち→通行の場所・方法→権利の性質→通行地役権の時効取得、の流れを1枚のフローチャートで確認できます。
▶ 囲繞地通行権の判断アルゴリズムを見る
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囲繞地通行権はここまでです。おつかれさまでした。
つづけて読むなら土地工作物責任の順路へ。占有者→所有者のバケツリレーで責任者を決めます。

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