【土地工作物責任】Step 2:請負業者は§717の対象外 ─ §709の過失責任に戻る

「塀を作った業者Bが一番悪いはずなのに、なぜ所有者Aの方が責任が重いの?」——これが受験生最大の疑問です。答えは「§717は『今、その建物を物理的に支配・管理している人』にだけ課せられる特別ルール」だから。請負業者は工事が終われば手を引きます。だから§717の対象外で、§709(一般不法行為)の過失責任に戻ります。

目次

本日のターゲット問題(平成17年 問11 肢2)

Bは、瑕疵を作り出したことに故意又は過失がなければ、Dに対する損害賠償責任を免れることができる。

【Step 2】責任主体の見極め(§717か§709か)

  Q. Bは誰? どの条文が適用される?

    B=塀の工事を請け負った業者
       占有者ではない・所有者でもない
       → §717(工作物責任・無過失責任)の対象外
       → §709(一般不法行為・過失責任)が適用
       → 故意・過失なし → 免責される

  ※対比
    所有者 → §717①ただし書で無過失責任(免責不可)
    占有者 → §717①本文で過失責任(注意義務で免責可)
    請負業者→ §717の対象外・§709の過失責任

  本問:「Bは故意・過失なしで免責できる」 → ○

答え:◯(正しい)

🎯 この問題の核心

請負業者は占有も所有もしていないから§717の対象外。§709の過失責任が適用され、故意・過失なしなら免責される。

🧭 判定軸=§717は「今その工作物を物理的に支配・管理する人」だけの無過失責任。まず自分で○×を出そう
請負業者は対象外(§709の過失責任・免責可)/占有者は注意で免責可/所有者だけ免責不可。この3階層を、似た顔の肢に当てるだけです。
🙋‍♂️
生徒:まず本問(平17問11肢2)から。Bは塀を作った張本人ですよね。故意・過失がなくてもDへの賠償を免れられるわけがない ── これは×だと思います。
👨‍🏫
講師:引っかかったね。答えは。ここが最大の勘違いポイントだ。B=塀の工事を請け負った業者で、占有者でも所有者でもない。§717(工作物責任・無過失責任)は「今その建物を物理的に支配・管理している人」だけのルールだから、Bは§717の対象外。代わりに§709(一般不法行為)の過失責任に戻る。だから故意・過失がなければ免責されるんだ。
🙋‍♂️
生徒:えっ…一番悪そうな業者が、無過失なら逃げられるんですか。
👨‍🏫
講師:「今、支配・管理していない」からね。過去に関わっただけの人には無過失責任まで課さない。ではその管理者側を見てみよう。所有者Aが「塀の点検は十分やっていた、自分は無過失だ」と立証したら、Aは賠償責任を免れる? ○か×か。
🙋‍♂️
生徒:さっき『占有者は注意すれば免責』って感覚だったので…所有者も同じで、無過失なら免責される=○ですか?
👨‍🏫
講師:ここが分かれ目、答えは×だ。占有者は§717①本文の過失責任で、注意を尽くせば免責できる。でも所有者は§717①ただし書の無過失責任。どんなに注意しても免責されない。所有者は逃げ場のない「最後の砦」なんだ。
🙋‍♂️
生徒:じゃあ所有者Aは、自分は悪くないのに払い損…?
👨‍🏫
講師:払い損じゃない。被害者Dへ賠償した後、Aは§717③の求償権で「真の原因を作った業者B」に費用を請求できる。被害者救済は§717で確実に(迅速)/真犯人の追及は§709+求償権で(事後)──この2段構えだ。だから「対象外=Bはノーペナルティ」ではないんだよ。
🙋‍♂️
生徒:整理できました。§717は『今その工作物を支配・管理している人』限定。① 請負業者=対象外で§709(過失で免責可)/② 占有者=§717①本文(注意で免責可)/③ 所有者=§717①ただし書(無過失責任・免責不可)。『誰が今支配しているか』+この3階層を見れば、似た顔の肢は全部さばけますね。
💡 深掘り:
判定軸は「今、その工作物を物理的に支配・管理しているのは誰か」の一点。ここから3階層に振り分ける:①請負業者・設計者(過去に関わっただけ)=§717の対象外→§709の過失責任(故意・過失なしなら免責)②占有者=§717①本文の過失責任(注意義務を尽くせば免責可)③所有者=§717①ただし書の無過失責任(どんなに注意しても免責不可)。所有者が被害者に払っても、真の原因者には§717③の求償権で請求できる。被害者保護は§717、犯人追及は§709+求償権の2段構え。
⚡ 仕上げ:引っかけ(○か×か、自分で答えてから開こう)
請負業者Bは、瑕疵を作り出したことに故意・過失がなければ、Dへの損害賠償責任を免れることができる(平17問11肢2):Bは占有者でも所有者でもなく§717の対象外。§709の過失責任に戻るので、故意・過失がなければ免責される。
所有者Aは、損害の発生を防ぐのに必要な注意をしていたことを立証すれば、賠償責任を免れる×:免責できるのは占有者(§717①本文の過失責任)だけ。所有者は§717①ただし書の無過失責任で、無過失を立証しても免責されない。
③【逆罠】 所有者Aが被害者Dに賠償した後、瑕疵の原因を作った業者Bに、その費用を請求することができる:「Bは対象外=ノーペナルティ」と思いきや。所有者は被害者へ賠償後、§717③の求償権で真の原因者Bに請求できる。

§709(不法行為による損害賠償・一般不法行為)故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

§717③(求償権):損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。

【ポイント】§717は占有者・所有者だけが対象(無過失責任)。請負業者は§709(過失責任)に戻る。所有者は被害者に賠償後、§717③で業者に求償可。

土地工作物責任 / Step 2:責任主体の見極め
請負業者は§717の対象外(過失責任の§709)
平成17年 問11 肢2
📋 問題文

Bは、瑕疵を作り出したことに故意又は過失がなければ、Dに対する損害賠償責任を免れることができる。

🔑 条件の抽出
立場B=塀の工事を請け負った業者
主張故意・過失がなければ免責
Step 2:請負業者の責任は§717か§709か
§717の工作物責任は「今その建物を物理的に支配・管理している者(占有者・所有者)」に課される無過失責任。請負業者は占有も所有もしていないから§717の対象外。代わりに§709(一般不法行為)の過失責任が適用される。故意・過失がなければ免責される。
結論

○(正しい)

請負業者は§717の対象外で§709の過失責任。過失なければ免責される。記述の通り。

📋 問題文

Bは、瑕疵を作り出したことに故意又は過失がなければ、Dに対する損害賠償責任を免れることができる。

Step 2:請負業者の責任は§717か§709か

請負業者は過失なしで免責される?

最終判定

「Bは故意・過失がなければ免責される」は正しい?

結論

○(正しい)

請負業者は§717の対象外で§709の過失責任。過失なければ免責される。記述の通り。

暗記ポイント

🎯 試験本番ではこう即答する:登場人物が「請負業者」「過去に関わった者」なら§717の対象外。§709の過失責任に切り替える。所有者→業者への求償(§717③)も覚えておく。

  • §717の対象:占有者・所有者(今、その建物を支配・管理する人)
  • §717の対象外:請負業者・設計者(過去に関わっただけ)→ §709適用
  • §717③(求償権):所有者は被害者に賠償後、業者に求償可

【まとめ】📌 この記事の核心

📌 この記事の核心
⚖ Step 2は責任主体の見極め。請負業者は§717の対象外で§709の過失責任に戻る。被害者保護は§717で確保、犯人追及は§709+求償権の2段構え。

→ 次の記事:「Step 3:消滅時効(人身は5年延長)」


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