【抵当権・根抵当権】Step 4:悪意の買主の救済 ─ 家を失っても解除+損害賠償の命綱

📘 深掘り解説 | 抵当権の順路 3 / 4 Step 4:抵当権実行と買主の救済(悪意でも解除・損害賠償) のくわしい解説です
この記事は〈抵当権の型〉で迷った論点だけを読む場所です。順に全部読む必要はありません。

民法は「知っていた(悪意)奴は保護しない」が大原則。でも抵当権付きと知って買った家が、競売で奪われたときだけは例外です。家もお金も失って丸裸で泣き寝入りはあまりに酷。だから法律は悪意の買主にも「解除(代金を返せ)」と「損害賠償」をフル装備で認める。受験生が最も引っかかる「悪意の例外」を一撃で押さえます。

目次

本日のターゲット問題(平成28年 問6)

Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約に関する記述(誤っているものはどれか)。
肢4:Bが、甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら契約を締結した場合、抵当権の実行によってBが所有権を失ったときは、Bは契約を解除することができる
肢3:同じくBが知りながら契約し、抵当権の実行で所有権を失い損害を受けたとしても、BはAに対して損害賠償を請求することができない

🗺 登場人物の関係
売主A ━抵当付き甲土地を売却━▶ 買主B(抵当を知っていた)→ 抵当実行でBが所有権喪失
→ 所有権を失えば、悪意のBでも契約解除はできる(§542)
【Step 4】抵当権実行で家を失った買主 ─ 悪意でも救われる?

  キーワード検知:「悪意の買主」+「抵当権実行で所有権を失った」
    → 最後のライフボート(解除+損害賠償の両方フル装備)

  肢4 解除できる? → ○(悪意でも解除できる)
  肢3 損害賠償できない? → 実際はできる → ✗ 誤り(これが答え)

  ※根拠:抵当権の負担付き=権利の不適合(§565)→売主の債務不履行
         解除(§542)・損害賠償(§415)は悪意でも制限されない

答え:肢4=◯(正しい)/肢3=✕(誤り)

🎯 この問題の核心

抵当権付きと知って(悪意で)買っても、抵当権実行で家を失えば、解除も損害賠償もできる(最後のライフボート)。丸裸で泣き寝入りは酷すぎるから。肢4(解除できる)は○、肢3(損害賠償できない)は実際はできるので誤り

🧭 判定軸=「抵当権実行で家を失ったか?」の一点だけ。善意も悪意も関係ない ── まず自分で解いてみよう
抵当権付きと知って(悪意で)買った家が競売で奪われたとき、悪意の買主でも乗れる”最後のライフボート”。ただし乗れるタイミングには条件があります。
🙋‍♂️
生徒:まず本問(平28問6)肢3から。「抵当権付きと知って(悪意で)買ったBは、抵当権の実行で家を失っても、悪意だから損害賠償を請求できない」── これは○(正しい)ですよね。悪意なんだから自業自得で。
👨‍🏫
講師:引っかかったね。答えは×(誤り)、これが本問の正解肢だ。悪意でも抵当権の実行で所有権を失えば損害賠償を請求できる(§415)。家も払った代金も丸損で泣き寝入りはあまりに酷 ── これが最後のライフボートだよ。
🙋‍♂️
生徒:えっ、悪意でも救われるんですか。じゃあ肢4「悪意でも解除できる」は逆にになるってことですね?
👨‍🏫
講師:その通り、肢4は。抵当権の負担が付いていること自体が権利の不適合(§565)で、実行で家を失えば売主の履行不能。だから解除(§542)も損害賠償(§415)も、買主の善意・悪意で制限されない。ではもう1問 ── 「Bはまだ家を失っていないが、抵当権が付いているというだけで直ちに契約を解除できる」。○か×か?
🙋‍♂️
生徒:さっき悪意でも解除できると言っていたから…
👨‍🏫
講師:ここが罠だ、×。いきなり解除・損害賠償が使えるのは「所有権を失った(履行不能)」ときだけ。失う前なら、まず売主に「抵当権を消してくれ」と催告(追完請求)するのが先。消せなければ代金減額や解除へ進む。ライフボートに乗れるのは船が沈んでからだよ。
🙋‍♂️
生徒:なるほど…つまり判定軸は「所有権をもう失ったか(=売主の履行不能か)」の一点。失ったなら善意でも悪意でも解除も損害賠償もでき、失う前ならまず追完請求が先、ということですね。
👨‍🏫
講師:それだ。善意・悪意は関係ない。見るのは「抵当権実行で家を失ったか」の一点。あとはこの軸を似た顔の肢に当てるだけだよ。
💡 深掘り:
判定軸は「抵当権の実行で所有権を失ったか(=売主の履行不能か)」の一点。失ったなら買主が悪意でも、解除(§542)も損害賠償(§415)もできる(=最後のライフボート/抵当権の負担は権利の不適合§565)。まだ失っていないなら、いきなり解除ではなく、まず「抵当権を消して」と催告(追完請求)するのが先。
⚡ 仕上げ:引っかけ(○か×か、自分で答えてから開こう)
抵当権付きと知って買った悪意のBは、抵当権の実行で家を失っても損害賠償を請求できない(平28問6肢3)×:悪意でも抵当権実行で所有権を失えば損害賠償できる(§415)。これが本問の正解(誤り)肢=最後のライフボート。
抵当権付きと知っていた悪意のBでも、抵当権の実行で所有権を失えば契約を解除できる(平28問6肢4):【逆罠】抵当権の負担=権利の不適合(§565)で売主の履行不能。悪意でも解除できる(§542)ので、この肢は正しい。
まだ所有権を失っていなくても、抵当権が付いているというだけで直ちに契約を解除できる×:履行不能になる前は、まず「抵当権を消して」と催告(追完請求)が先。いきなり解除・損害賠償が使えるのは所有権喪失(履行不能)後だけ。

§565(移転した権利の不適合):買主の追完請求・代金減額請求・損害賠償請求及び解除権の規定は、移転した権利が契約の内容に適合しない場合について準用する。

§542①一(催告によらない解除):債務の全部の履行が不能であるときは、債権者は催告なしに直ちに解除できる。

§415①(債務不履行による損害賠償):債務の履行が不能であるとき等は、債権者は損害賠償を請求できる。

【ポイント】抵当権の負担=権利の不適合。実行で所有権喪失=売主の履行不能。解除・損害賠償は買主が悪意でも制限されない

暗記ポイント

🎯 試験本番ではこう即答する「悪意の買主」+「抵当権実行で所有権喪失」を見たら、解除も損害賠償も両方できる(最後のライフボート)。「悪意だからできない」は引っかけ。

買主解除損害賠償理由
善意当然の権利
悪意(知っていた)丸裸で泣き寝入りは酷すぎる(最後のライフボート)

💡 トラップ検知:いきなり解除・損害賠償が使えるのは「所有権を失った(履行不能)」場合だけ。失う前に解除したいなら、まず「抵当権を消して」と催告(追完請求)が必要。

🏋 過去問アルゴリズム道場

Step 4:第三取得者
悪意の買主の救済 ─ 最後のライフボート
平成28年 問6
📋 問題文

Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約に関する記述(誤っているものはどれか)。
肢4:Bが、甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら契約を締結した場合、抵当権の実行によってBが所有権を失ったときは、Bは契約を解除することができる
肢3:同じくBが知りながら契約し、抵当権の実行で所有権を失い損害を受けたとしても、BはAに対して損害賠償を請求することができない

🔑 条件の抽出
状況悪意の買主が抵当権実行で所有権喪失
問い解除・損害賠償できるか
Step① 最後のライフボート
悪意の買主+抵当権実行で所有権喪失」を検知→解除+損害賠償の両方フル装備。抵当権の負担付き=権利の不適合(§565)→売主の債務不履行。
Step② 賠償できないは誤り
解除(§542)も損害賠償(§415)も悪意でも制限されない。肢4「解除できる」は○、肢3「損害賠償を請求できない」は実際はできるので誤り(×)=これが答え。
結論

肢3は誤り(×)/肢4は正しい(○)

悪意でも抵当権実行で家を失えば解除(§542)も損害賠償(§415)もできる。肢4(解除できる)は○、肢3(賠償できない)は誤り。

📋 問題文

Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約に関する記述(誤っているものはどれか)。
肢4:Bが、甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら契約を締結した場合、抵当権の実行によってBが所有権を失ったときは、Bは契約を解除することができる
肢3:同じくBが知りながら契約し、抵当権の実行で所有権を失い損害を受けたとしても、BはAに対して損害賠償を請求することができない

Step① 最後のライフボート

悪意の買主は救済される?

Step② 賠償できないは誤り

肢3「損害賠償できない」は?

最終判定

肢3『損害賠償を請求することができない』は正しい?

結論

肢3は誤り(×)/肢4は正しい(○)

悪意でも抵当権実行で家を失えば解除(§542)も損害賠償(§415)もできる。肢4(解除できる)は○、肢3(賠償できない)は誤り。

【まとめ】📌 この記事の核心

📌 この記事の核心
⚖ 抵当権付きと知って(悪意で)買った家が競売で奪われたときは、悪意でも解除(§542)も損害賠償(§415)もできる=最後のライフボート。抵当権の負担は権利の不適合(§565)で、実行=売主の履行不能だから。本問は肢4(解除できる)=○、肢3(損害賠償できない)=×。失う前は追完請求が先。


読み終えたら | 抵当権の順路 3 / 4
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次