【賃貸借】総合演習③:転貸借 ─ H25問11は「親亀の死因」で判定

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この記事は〈転貸の型〉で迷った論点だけを読む場所です。順に全部読む必要はありません。

総合演習の第3戦は、受験生が本試験で最もフリーズする「A・B・Cの3者間トラブル(転貸借)」。「大家Aが借主Bに貸し、BがCにまた貸しした」という長文を見た瞬間、多くの人は「承諾したんだからCは可哀想、保護されるはず」と感情論で自爆します。でも転貸の仕組み(親亀と子亀)を使えば、これはただの「親亀の死因当てはめゲーム」。誰が可哀想かを完全にシャットアウトして斬ります。

目次

本日のターゲット問題(総合演習③)(平成25年度 問11)

Aは、A所有の甲建物につき、Bとの間で期間を10年とする借地借家法第38条第1項の定期建物賃貸借契約を締結し、Bは甲建物をさらにCに賃貸(転貸)した。この場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

肢1 BがAに無断で甲建物をCに転貸した場合には、転貸の事情のいかんにかかわらず、AはAB間の賃貸借契約を解除することができる。

肢2 Bの債務不履行を理由にAが賃貸借契約を解除したために当該賃貸借契約が終了した場合であっても、BがAの承諾を得て甲建物をCに転貸していたときには、AはCに対して甲建物の明渡しを請求することができない。

肢3 AB間の賃貸借契約が期間満了で終了する場合であっても、BがAの承諾を得て甲建物をCに転貸しているときには、BのCに対する解約の申入れについて正当な事由がない限り、AはCに対して甲建物の明渡しを請求することができない。

肢4 AB間の賃貸借契約に賃料の改定について特約がある場合には、経済事情の変動によってBのAに対する賃料が不相当となっても、BはAに対して借地借家法第32条第1項に基づく賃料の減額請求をすることはできない。

🗺 登場人物の関係
賃貸人A ━賃貸━▶ 賃借人B ━転貸━▶ 転借人C
→ 無断転貸も背信的でなければ解除不可。Bの債務不履行で解除されると転借人Cも明渡し(原則)
【総合演習③】まず型を見分ける:建物+また貸し(A・B・C)→ 🔁転貸の型
  各肢で「親亀Bの死因」をスキャンせよ

  肢1 無断転貸「事情のいかんにかかわらず解除」
      → 特段の事情があれば解除不可(命綱)→ ×
  肢2 親亀の死因=債務不履行(承諾あり)
      → 自業自得は保護しない=C一発アウト → Aは明渡し請求できる(×)
  肢3 親亀の死因=期間満了(承諾あり)
      → 通知から6ヶ月でC退去 → 居座れない(×)
  肢4 定期借家+減額しない特約(A・B間の家賃/Cは無関係)
      → 定期借家は減額不可特約が有効=減額請求不可 → 〇 ★正解

答え:正しいものは肢4

🎯 この問題の核心

転貸の肢(1〜3)は「親亀Bの死因」だけ見る。無断転貸でも特段の事情で解除不可(肢1×)、債務不履行=子亀C一発アウト(肢2×)、期間満了=通知6ヶ月で退去(肢3×)。正解の肢4は転貸と無関係で、前提文の「定期借家」がカギ=減額不可特約は定期借家では有効=減額請求できない(〇)。感情を捨て、死因と土俵で機械処理する。各肢の詳細は下へ。

🧠 なぜそうなる?(親亀の死因で分岐するリーガルマインド)

⚖ 転貸借(また貸し)は「親亀(B)と子亀(C)」の関係。子亀Cの運命は、親亀Bがどうやってこけたか(死因)だけで決まります。「Cが可哀想か」という感情は一切関係ありません。

🙋‍♂️
生徒:「A・B・Cと出てくると、もう頭がパニックです……。」
👨‍🏫
講師:「前提文を「どの型か」へ。対象は『建物』で、また貸しが発生している。だから【🏠借家】を経由して【🔁転貸】のリングで戦うと確定する。あとは各肢で『親亀Bはどうやって死んだか(死因)』をスキャンするだけだ。」
🙋‍♂️
生徒:「死因で子亀Cの運命が変わるんですね。」
👨‍🏫
講師:「そうだ。債務不履行(自業自得)=子亀も連帯責任で一発アウト(大家の勝ち)。合意解除=子亀は保護される(大家は明渡し請求できない)。期間満了=大家が通知して6ヶ月後に退去(大家の勝ち)。大家の承諾があってもこの結論は変わらない。承諾は『また貸ししていいよ』の許可であって、『親亀がこけても子亀を守る』という保証ではないからだ。」
🙋‍♂️
生徒:「『承諾=絶対の盾』だと思い込むのが罠なんですね!死因だけ見れば機械的に解ける!」

暗記ポイント

🎯 試験本番ではこう即答する

⚖️ 暗記メモ:転貸借は「親亀の死因」だけ見る。①債務不履行=子亀C一発アウト(大家の勝ち)②合意解除=子亀C保護(大家は明渡し請求不可)③期間満了=大家が通知し6ヶ月後に退去。大家の承諾があっても結論は変わらない。「承諾=絶対の盾」「Cが可哀想」という感情論が罠。

親亀Bの死因子亀Cの運命理由
債務不履行(家賃滞納等)❌ 一発アウト(大家の勝ち)
催告不要
自業自得は保護しない。
合意解除⭕️ 保護される
(大家は明渡し請求不可)
大家とBの馴れ合いでCを追い出すのは不当。
期間満了△ 通知から6ヶ月後に退去不意打ち防止の猶予を与えて終了。

各肢の徹底解剖(4ステップ連続斬り)

👨‍🏫
講師:「親亀の死因をスキャンしながら、4つの肢を連続斬りするぞ!」

🎯 肢1の核心

無断転貸は原則として契約解除できる(§612②)が、大家への「背信的行為と認めるに足りない特段の事情」があれば例外的に解除できない(奇跡の命綱)。「事情のいかんにかかわらず(絶対に)解除できる」と例外を全否定する本肢は誤り(×)。「無断=絶対悪」という正義感を利用して判例の命綱を忘れさせる罠。

🎯 肢2の核心

親亀Bの死因は債務不履行(家賃滞納)。自業自得で自滅した場合、子亀Cも連帯責任で一発アウト(大家Aの勝ち・催告不要)。大家の承諾があっても関係ない。だから「AはCに明渡しを請求できない」とする本肢は誤り(×)。「承諾を得たCは可哀想」という感情を利用し、合意解除(C保護)の結論と混同させる罠。

🎯 肢3の核心

親亀Bの死因は期間満了。この場合、大家Aが子亀Cに「契約が終わる」と通知すれば、その通知の日から6ヶ月経過後にCは退去しなければならない(§34)。手続きを踏めば追い出せるのに「正当事由がない限り請求できない(ずっと居座れる)」とする本肢は誤り(×)。正当事由が要るのは普通借家の更新拒絶の話で、こことは別物。

🎯 肢4の核心(正解肢)

これはA・B間の家賃トラブルで、転借人Cは無関係(🏠借家)。「家賃を減額しない」特約は普通借家なら無効だが、前提文のとおり本件は定期借家。定期借家では投資保護の観点から減額不可特約が有効(§38⑨)。だから「§32①の減額請求はできない」とする本肢は正しい(〇)。転貸の問題にしれっと定期借家の家賃特約を混ぜたミックス問題。

🏋 過去問道場 ― 4手で解く

📖 解説で型を確認 → 🏋 練習で1段ずつ。黄色=判断の手がかり。

アルゴリズムによる処理 | 🔁転貸・H25問11肢1
📖 解説で理解 → 🏋 練習で定着
📋 問題文(総合演習③-1|無断転貸でも特段の事情の命綱)/黄色=判断の手がかり
🔁転貸(また貸し・親亀子亀)

BがAに無断で甲建物をCに転貸した場合には、転貸の事情のいかんにかかわらず、AはAB間の賃貸借契約を解除することができる(正しいか?)

🧭 Step1 どの型か
根拠=柱書甲建物をさらにCに賃貸(転貸)🔁転貸(また貸し・親亀子亀)
⚠ ひっかけ:「A・B・Cの3人+また貸し」を見たら転貸の型。「定期借家」「賃料」の語が混じっても、また貸しの帰結を問う肢は転貸の型で斬る。逆に賃料増減や定期借家の成立だけを問う肢は借家の型へ外す。
🛤 Step2 どの論点か
根拠=肢の無断で…転貸した場合/事情のいかんにかかわらず解除→「無断(承諾なし)で解除できるか」を問う=承諾(無断転貸・背信的行為・信頼関係破壊)レーン。
⚖ Step3 判定する
根拠:無断転貸は原則Aは解除できる(催告不要・§612②)。
根拠:ただし背信的行為に当たらない特段の事情があれば解除できない【信頼関係破壊の法理】=「事情のいかんにかかわらず解除できる」は誤り(転貸の型 分かれ道①)。
当てはめ:本肢は例外(特段の事情で解除不可)を全否定し「事情のいかんにかかわらず解除できる」と言い切っている。
本肢は命綱(特段の事情)を無視=×。
✅ Step4 結論

× 誤り

無断転貸は原則解除できる(§612②)が、背信行為と認め難い特段の事情があれば解除できない(命綱)。「いかんにかかわらず」は例外の全否定で誤り(×)。

アルゴリズムによる処理 | 🔁転貸・H25問11肢2
📖 解説で理解 → 🏋 練習で定着
📋 問題文(総合演習③-2|債務不履行解除なら子亀も終了)/黄色=判断の手がかり
🔁転貸(また貸し・親亀子亀)

Bの債務不履行を理由にAが賃貸借契約を解除したために当該賃貸借契約が終了した場合であっても、BがAの承諾を得て甲建物をCに転貸していたときには、AはCに対して甲建物の明渡しを請求することができない(正しいか?)

🧭 Step1 どの型か
根拠=柱書甲建物をCに転貸🔁転貸(また貸し・親亀子亀)
⚠ ひっかけ:「Aの承諾を得て」とあると「承諾=絶対の盾」でC保護と早合点しやすい。承諾は「また貸ししていい」の許可であって、親亀がこけても子亀を守る保証ではない。判定は承諾の有無でなく親亀の死因で決まる。
🛤 Step2 どの論点か
根拠=肢の債務不履行を理由にAが賃貸借契約を解除→承諾は前提として済んでおり、論点は「親亀A-Bがどう終わったか(死因)」=親亀の終わり方レーン。
⚖ Step3 判定する
根拠:親亀A-Bが債務不履行(家賃滞納)で解除→Aの勝ち。転貸借も自動終了・Cは即退去、AからCへの催告も代払いの機会も不要【自業自得は保護しない】(転貸の型 分かれ道②)。
当てはめ:本問の死因は債務不履行解除なので、Aの承諾があってもCは保護されず、AはCに明渡しを請求できる。
本肢は「明渡しを請求することができない」とする=×。
✅ Step4 結論

× 誤り

親亀A-Bが債務不履行で解除されると転貸借も終了し、AはCに明渡しを請求できる(自業自得は保護しない)。「請求できない」は合意解除の結論との混同で誤り(×)。

アルゴリズムによる処理 | 🔁転貸・H25問11肢3
📖 解説で理解 → 🏋 練習で定着
📋 問題文(総合演習③-3|期間満了は通知6ヶ月の問題)/黄色=判断の手がかり
🔁転貸(また貸し・親亀子亀)

AB間の賃貸借契約が期間満了で終了する場合であっても、BがAの承諾を得て甲建物をCに転貸しているときには、BのCに対する解約の申入れについて正当な事由がない限り、AはCに対して甲建物の明渡しを請求することができない(正しいか?)

🧭 Step1 どの型か
根拠=柱書甲建物をCに転貸🔁転貸(また貸し・親亀子亀)
⚠ ひっかけ:「正当事由」の語に引きずられて普通借家の更新拒絶の話と混同しやすい。期間満了による転貸借の終了は「正当事由」ではなく転借人への通知+6ヶ月(§34)の問題。
🛤 Step2 どの論点か
根拠=肢の期間満了で終了する場合→親亀A-Bが期間満了でどう終わるか=親亀の終わり方レーン。
⚖ Step3 判定する
根拠:原賃貸借が期間満了・解約申入れで終了→それだけでは終わらない。AがCに終了通知→その日から6ヶ月後にBC転貸借も終了(§34)。通知すれば追い出せる(転貸の型 分かれ道②)。
当てはめ:処理軸は「Aの通知+6ヶ月」であって「BのCに対する解約申入れの正当事由」ではない=論点のすり替え。
本肢は「正当事由がない限り明渡し請求できない(=ずっと居座れる)」とする=×。
✅ Step4 結論

× 誤り

期間満了による終了は転借人への通知+6ヶ月(§34)の問題で、解約の正当事由は無関係。論点のすり替えで誤り(×)。

アルゴリズムによる処理 | 🔁転貸・H25問11肢4
📖 解説で理解 → 🏋 練習で定着
📋 問題文(総合演習③-4|定期借家は§32を特約で排除できる)/黄色=判断の手がかり
🔁転貸(また貸し・親亀子亀)

AB間の賃貸借契約に賃料の改定について特約がある場合には、経済事情の変動によってBのAに対する賃料が不相当となっても、BはAに対して借地借家法第32条第1項に基づく賃料の減額請求をすることはできない(正しいか?)

🧭 Step1 どの型か
根拠=柱書甲建物をさらにCに賃貸(転貸)🔁転貸(また貸し・親亀子亀)
⚠ ひっかけ:転貸の問題に紛れているが、本肢はA・B間の家賃トラブルで転借人Cは無関係。また貸しの帰結ではなく定期借家の§32の話=転貸の型から借家の型(§32カード)へ外して解く。
🛤 Step2 どの論点か
根拠=肢の賃料の改定について特約/§32第1項に基づく賃料の減額請求→また貸しの帰結ではなく賃料・定期借家の§32特約の可否=その他(直接請求§613①・先取特権・賃料)レーン=借家の型へ送るカード。
⚖ Step3 判定する
根拠:定期借家では賃料増減について特約があればその特約に従う=§32を排除できる(§38⑨)。普通借家との決定的な違い(借家の型§32カード)。
当てはめ:前提文のとおり本件は定期建物賃貸借(借地借家法38条1項)で賃料改定の特約がある。
本肢は「§32①の減額請求をすることはできない」とする=○。
✅ Step4 結論

○ 正しい

定期借家は賃料改定の特約で§32を排除できる(§38⑨)。改定特約があればBは減額請求できない。記述のとおり正しい(○・正解肢)。

【まとめ】📌 この記事の核心

📌 この記事の核心
⚖ 転貸借(A・B・C)は感情を捨て、「親亀Bの死因」だけで子亀Cの運命を判定する。債務不履行=C一発アウト(大家の勝ち)/合意解除=C保護/期間満了=通知6ヶ月で退去。大家の承諾があっても結論は変わらない(承諾は「また貸し許可」であって盾ではない)。正解の肢4は転貸と無関係で、前提文の「定期借家」がカギ=減額不可特約は有効。長文も「死因当てはめ+土俵確定」で記号のパズルに変わる。


読み終えたら | 賃貸借の順路 10 / 12
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